古本虫がさまよう
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「いきなりステーキ」ならぬ「いきなりカイサン」で、さて日本の明日はどうなるのやら? あの「面従腹背」の次官は北朝鮮なら「即処刑」?
(2017・9・18・月曜日・祝日)






昨日(日曜日)の朝は、午前4時起床で、まずは「書類整理」を開始。家人が昼前に東京を出て金沢に行く予定があり、さて台風はどうなっているかなと、朝6時のNHKのテレビニュースを見たら、冒頭いきなり、安倍首相が解散を決意、公明党委員長に伝えた云々とやっていた。 「いきなりカイサン」かと聞いて、ふと、 「いきなりステーキ」が一部の肉(リブロース)の単価を7・3円から6・8円に今月一杯値下げしていたなとの雑感が浮かんだが、それはさておき、朝6時の時点ではヤフーのニュースのラインにもそんなものはなかったかと。おやおやと、あとで産経新聞を見ると、具体的な日時まで明記しての解散云々の記事がトップ(首相衆院解散を決断」「10月29日投開票有力」…)。他紙はここまで具体的な日時は書かない上で、解散を決意か…といったあやふやな書き出し…。さては、産経のスクープだったのか?

ともあれ、「書類整理」をしつつ、正午すぎに一区切り終えて、ちょっと仕事場へ。ごそごそと。家人も昼前に北陸新幹線で金沢へ。一泊の予定だが、帰りに「北國新聞」を買ってきてくれ…と頼んだ。この前、古女房が沖縄に出かけた時、買ったか、ホテルに無料で配布されたかの地元の沖縄の新聞を持ち帰ってきてくれたことがあったかと。沖縄の二紙は左派、北國新聞は右派と聞いているが、さてどんなものかと知りたく候(日下公人氏責任編集の『誰も書かなかった「反日」地方紙の正体』産経新聞出版を参照)。

ともあれ、小川和久氏の『日米同盟のリアリズム』 (文春新書)を読了。

内容紹介→中国・北朝鮮は怯えている。 日本人だけが知らない 世界最強の「戦争力」の真実!
北朝鮮は核開発と弾道ミサイルの開発を続け、日本を標的にすると公言してはばからない。中国は海洋進出への野望をむき出しにし、東シナ海と尖閣諸島周辺での示威活動がニュースにならない日はないほどだ。そんな中、アメリカのトランプ大統領は在日米軍の撤退をチラつかせている。はたして私たち日本人は安全でいられるのか?
結論からいえば、日米同盟は中国・北朝鮮に対して、きわめて有効に抑止力として機能している。たとえば中国・北朝鮮の潜水艦は、すべて日米に行動を捕捉され、ニックネームまでつけられている。隠密行動が最大の強みである潜水艦がこの有り様では、日米の手のひらの上で遊ばされているようなものだ。中国・北朝鮮は日米同盟の強力な軍事力に怯えているからこそ、表向きの粗暴さとは裏腹に、実際の行動はおとなしい。
また、日米同盟はアメリカにとって死活的利益である。日本列島は地球の半分(西半球)でのアメリカの軍事力を支える「戦略的根拠地」として機能している。在日米軍基地は、出撃機能、インテリジェンス機能、ロジスティクス機能のどれをとっても米本土なみの戦略拠点であり、日本の基地負担は金額・割合とも世界ダントツである。
もし日米同盟が解消されれば、アメリカは太平洋から中東に至る地域での覇権を喪失する。日本を失ったアメリカの言うことなど、ロシアや中国どころか北朝鮮も聞かなくなり、アメリカは世界のリーダーの座から即刻転落するだろう。そんなアメリカが、日米同盟をみずから手放すわけがない。
本書は、日米同盟という世界最強の軍事力が、いかに中国・北朝鮮を抑え込んでいるかを具体的に解き明かす。
また、中国が日米同盟に仕掛けている現代版「孫子の兵法」ともいえる「三戦」、「A2/AD」の思考も詳しく紹介。著者ならではの最新データも盛りだくさん。



内容紹介にもあるように、とりわけ、本書の前半部分には、なるほどと頷きながら一読していった次第。非核三原則の「持ち込ませず」を撤廃して、持込みを認めよというのも正論だろう。「核兵器を守るには高度の通常戦力が必要で、決して安上がりにはならない」との指摘も。

「日本が日米同盟を解消すれば、米国は『地球の半分』の範囲で軍事力を支える能力の80%ほどを喪失し、回復しないと考えられる。日本を失った米国の言うことなど、ロシア、中国だけでなく、北朝鮮までもが聞かなくなり、米国は世界のリーダーの座から滑り落ちる可能性が高い」とのこと。ううむ…。まぁ、アメリカがそれでももういいよ、という可能性もゼロではあるまいが…。

中国の軍人も意外と臆病なというか慎重なところもあるとか……。まぁ、こういう軍事問題は、それぞれ一家言のある専門家が、それぞれ異なる主張を展開することが多い。いろんな考えの人の本を読んで、ふむふむと思ったり、はてそうか?と思ったり、いろいろと試行錯誤を経ながら思案するしかあるまい。

それにしても、おやっと思ったのが、北朝鮮の粛清事情。
大同江付近に建設中の「科学技術殿堂」の屋根の形をドーム形に設計したあと、金第一書記に花の形を変えるよう指示され、施行が難しく工期も延びると意見を述べた国家計画委員会副委員長(次官級)や、山林緑化政策に不満をもらしたとされる次官級の幹部は「処刑された」という。

安倍首相と違って、あのワンマン独裁者は短気のようだ。肉親の金正男にしても、中共が担ぎだすかもしれないと恐れ、暗殺を指示。いわんや、「部下」の首など、アマゾンのワンクリック注文のように、ただ一言、「消せ!」の指示をするだけなのだろう。

自由な国の文科省の、あの「次官」サンも、日本で官僚になって良かったねと。偉そうに(バカそうに?) 「面従腹背」がモットーだなんて言っていたら、即機関銃で処刑されていたことだろう。

ともあれ、中国空母やら潜水艦などの動きを把握するためにも、日本の軍備もそれなりに補強していくことが必要なのはいうまでもない。「中国の潜水艦はすべて日米に捕捉されている」とのこと。これも戦闘爆撃機も空母も持てずに、ただひたすら哨戒機のみ、沢山日本が持っているからこそなのだが。まぁ、自分のためにも同盟国のためにもなっているようだから、文句は言えまいが…。それもまた「麗しき」「持ちつ凭れつつ」の「日米同盟のリアリズム」なのだろう。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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また、持っている、読みもしない(?)古本を買ってしまったが…
(2017・9・17・日曜日)




高遠古本屋(古本市)ツアーも断念し、昨日(土曜日)は、まずは神田の東京古書会館へ。

この前、玉井清氏編の『「写真週報」とその時代 上 戦時日本の国民生活』『「写真週報」とその時代 下 戦時日本の国防・対外意識』 (慶應義塾大学出版会)をぱらぱらと拾い読みをしたが、その「写真週報」があったので試しにと思って一冊購入。税込300円。

昭和13年8月3日発行の号。日独学生交流が特集。「防共富士登山隊」ということで、一緒に登山したり。巻頭には荒木貞夫文部大臣の顔写真&呼びかけ(学生に与ふ)。顔写真撮影は土門拳。シナ事変はやっていたが、日米戦争はまだ。それもあって、ドイツの青年との特集号だが、アメリカの新しいカーチス爆撃機が写真入りで紹介されている。「優秀な軽爆撃機である」とのこと。このころはまだ米国も鬼畜ではなかった?

そのほかに、ラム・スワルプの『インド人の考え アジア農業の裏表』 (鳳映社)を200円(税込)で購入。鳳映社刊行の本は、「反共リベラル本」が多く、いま読み返しても参考になる本が少なくない。たとえばこんな本。

『愛の断層』( エドワード・ハンター )、『 クレムリン  失われた星』 ( A.オーロフ)、『 女囚という奴隷  暴行恐怖の十一年』(エリノア・リッパー)、『 ソ連共産主義の研究 』 ( W.ガリアン)、『中国に囚われて』( ハロルド・W.リグニイ)、 『 ピョートル大帝以後のロシア : 現代ソ連の背景』 ( リチャード・チャーク)、『フランス人の眼で : 現代ソ連人の生活』( ラァザレフ )、『行者と人民委員』く『真昼の暗黒』(ケストラー)、『東欧の窓』 (ブラント)、『死の国境を越えて』 (フイアラ)、『赤い花弁』 (ブランデン)、『動物農場』 (オーウェル)、『神は躓く』 (ジイドほか)、『集団農場の歴史』 (ペロフ)、『跡方もなく消えぬ』 (エカート)、『ペトロフ大佐事件』 (ビアログスキー)、『政治局の作戦協定』 (レイテス)、『レーニン丘』 (スチーブンス)……。

大概購入購読しているが…。この出版社の「出自」も知りたいところだが。当時、この出版社を経営したり編集していた人の「手記」があれば是非よみたいものだ。

ところで、買ったものの、なんとなくラム・スワルプの本は持っているかな? と思って帰宅して本欄を検索したらやはり持っていた…。ううむ。200円とはいえ、守谷のあんパンが一個買えてお釣りが40円もらえる…。やれやれ。

今週末は高円寺の古書会館での古本市はないようなので、これにて終了?  

高田馬場で知人と食事をする予定が入ったので、昨日触れた「虹書店」などを覗こうかともおもったのだが、神田古書会館の古本市のあと、古本屋街を走破する暇もなく、仕事場に立ち寄り、少し仕事を終えてから高田馬場駅に移動…。雨もいまにも降り出しそうで、早稲田の古本屋街にも足を運ぶ暇はなかった。残念。
駅チカのブックオフのみ覗く。二割引セール中。徳川夢声氏の『夢声戦中日記』 (中公文庫)が710円(定価は本体価格1300円)であった。その2割引きで568円。ブックオフのポイントカードで購入できた。
この日、店内は歌詞あるポップスが流れていた。高田馬場店は、ほかのブックオフと違って「古本」もあり(?)、煩い店内アナウンスもなく、比較的静かな歌詞のない音楽を流す店だったが…。歌詞ある音楽を流すようでは堕落したというしかない。

そのあと、芳林堂書店も少し覗く。この店内のレイアウトなど、40年前とほぼ不変では? 買いたいものはなし。

書店の入っているビル内にあるキリンシティで軽く一杯。全席禁煙店なので、安心して飲める。ハートランドが美味い。そして、その時点で、ホークスの優勝も決定。昨年は伏兵日ハムに不覚を取って二位だったが…。ハートランドで乾杯(一割引き券も利用)。

全面禁煙のキリンシティでも、桜木町駅チカのキリンシティはたしか店内に「喫煙可能ルーム」があったかと。そこから離れていれば、まぁ安心だろうが、二重ドアではなさそうなので、やはり、店内にそんなのがないほうが快適? 高田馬場店は、店内にも「喫煙ルーム」もないようなので、より安心。隣のロシア料理店も「禁煙」だから、「旧敵国?」料理だが、そこで食事をすることも稀にはある。
ロシア料理といえば、神保町のすずらん通りにあるロシア料理も「禁煙」になったとの噂が耳に入ってきているが未確認。そもそもここは一階と二階があるのだから、一階を禁煙、二階を喫煙にするだけでも「分煙」ができるのに、そういうことをしないできていたかな?  ランチタイムのみ禁煙なんていうのは、もう邪道でしかない。

もう一軒ある明治大学そばのロシア料理店は禁煙だったとおもうが、あまりにも狭くて食事を楽しむ感じがしないので、近年立ち寄ったことはなし。すずらん通りのロシア料理店も、あまりにも座席が詰め込み過ぎだったかと。隣の餃子店みたいに、談笑、歓談するのではなく、食事をさっと詰め込むタイプの店なら少々狭くてもいいだろうが…。

以下、一般論になるが、一応、コース料理があるような飲食店なら、そこそこの「空間」がないと。そこそこの「空間」がないのに、すぐの隣席からタバコの悪臭が漂ってくるなんて、信じられない野蛮レストランになりかねないから。
「禁煙」+αがないと、飲食店は生き延びることは不可能な時代では? 少なくとも、我が家は、そういうお店には「ハードカレンシー」は落とさないから? 神保町にも早くキリンシティが進出してくれないかな…。学士会館のセブンズハウスもいいけど……。

車中、本田弘之氏&岩田一成氏&倉林秀男氏の『街の公共サインを点検する 外国人にはどう見えるか』 (大修館書店)を拾い読みした。

内容紹介→駅や空港、街路などにある公共サイン(案内標識や看板など)を検証。.改善を要する点を多く指摘。 外国人ユーザーの立場に立つと問題点が見えてくる。海外の例を多数紹介しながら改善策を提案。

時々、電気製品などを通販で購入すると、中に入っていた説明書の「日本語」がいささかヘンなことがある。海外で製造している関係で、説明書の類も海外で印刷しているために、そういうことが…。同じように、標識などの「英語」などの説明文がいささかおかしいこともあるようで、そんな指摘もされている。そのほか……。まぁ、そこまで細かいこと言わなくてもいいでは…と、思わないでもないところもあるが…。まぁ、しかし、一理はあることばかりか。

それはさておき、朝から台風やら解散やら、いろいろとニュースが。台風以上に、北朝鮮ミサイル「接近」も気になるところ。解散総選挙をやっている暇はなしでは?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

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秋の三連休…。早々と、「2017高遠ブックフェスティバル」ツアーを断念?
(2017・9・16・土曜日)





本日から秋の三連休?  「青春18切符」も家人が使ったりして、やっと二〇〇〇〇円弱。仙台にも名古屋にも行かずじまい。
だが、9月末まで「北海道&東日本パス」がまだ使える。一〇〇〇〇円ちょっとで、一週間乗り放題切符。一日あたり1500円ぐらい乗れば元が取れる。青春18切符だと2300円ぐらい乗らないといけないが…。

実は、9・12に休みをとって仙台まで往復。一日で元を取り、そのあとの平日は家人がちょっと遠出。2日で4000円程度。9・15に有休取って、松本へ行って古本屋を散策し、その夜は伊奈市で一泊。そして9・16には、「2017 高遠ブックフェスティバル」(2017/09/16~2017/09/18・長野県伊那市高遠町 旧北條ストアー・ほていや・高遠図書館前・町内古書店店舗・街角本棚多数)に出かけようかと思っていた。

この高遠ブックフェスティバルには、安売り切符で過去2~3回出かけている。風光明媚なところで、行く価値あり。高遠にある古本屋にも、この前、二軒寄れたし。

しかし,9・12も、9・15も休みを取ることもままならず…。3連休もなんとなく、台風が本土に接近。伊那もちょっと…。伊那に朝10時ごろに着くには朝早く出る必要があるのだが、八王子始発の電車はいつも山登り集団と席の取り合い?  台風接近なら山登り集団も減るかなともおもったが…。伊那の手前は「東海エリア」なので、数百円負担する必要があるが…。台風でなくとも雨が降ると、「一箱古本市」などは無論「中止」だろう…。あの美味しい禁煙の蕎麦屋や、高遠饅頭やらいろいろと雑念が浮かんでは消えていくのだが…。結局、「北海道&東日本パス」は買わずじまい。

仕事もたまっているので、3連休中も、早朝はいつものように「書類整理」にあけくれ、午後、ちょこっと近くの古本屋(古本市)に出かけようかと。晴耕雨読。

16日朝6時現在、東京周辺は曇り空ではあるが、まだ雨は降っていない…。しかし、17日日曜日の「第38回 鬼子母神通りみちくさ市」も雨天中止…の可能性も。
本日土曜日、西武ドームにホークスの優勝を見に行く?  テレビ中継があるなら、別に行かなくてもいいか…。ついつい出不精になってしまうこのごろだ。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!


(以下二年前の高遠ツアー再録)

高遠ブックフェスティバル(長野県伊那市)で、古本屋・蟻屋書房と陽炎堂書店を制覇(?)し、日本一美味い高遠まんじゅうを買って帰宅…
(2015・9・20・日曜日)




五連休ということで、初日(昨日)の2015・9・19は……。 「北海道&東日本パス」を持って、一路「高遠ブックフェスティバル(長野県伊那市)」へ。往復8000円前後の旅-JR東海区間・辰野-伊那市(320円×2)は別途負担。
すでに家人が金曜日から使用開始中。その日は1600円使用。土曜日7400円ぐらいで、二日で9000円。あともう少しで元が取れる?(7日連続利用で10290円)。日曜日も遠出する?

それはさておき、八王子始発の松本行き。たったの6両編成。ホームには登山姿の大型リュックを抱えた老若男女があふれているというのに。ケチなJR東日本。なんで9両ぐらいの編成にしないのか。始発駅でラッシュ並みの満員。網棚に入りきれないような大型リュックもあり、通路に置くから尚更狭く感じられるが、なんとか座れた。

2年前、高遠に向かった時はボックスシートの車両だったが、今回は全部ロングシート。それはまぁいいとして、融通のきかないJR東日本だね、まったく(甲府で切り離しとかいろいろと対応できるだろうに、頭を働かさない親方日の丸会社は、こういうサービス感覚ゼロを発揮するのだ)。

途中、3分遅れ、5分遅れなどと言い出す。単線区間で、向こうからくる電車が遅れたりしていたのか。おいおい、岡谷駅着9時41分で、岡谷駅発9時45分なんだから…。マァ数分遅れても、電車の接続はなんとか融通つけてくれるだろうけど、伊那市駅着10時36分、伊那市駅発のバスは10時41分。それを逃したら2時間ぐらいバスはないのだから。

結局岡谷駅には5分以上遅れて到着。発車も定刻より正味5分は遅れたが、JR東海は東日本とは違うね? ちゃんと遅れを取り戻し、定刻に伊那市駅到着。駅前のバス停近くのトイレに行く余裕もあった(というか、途中の停車時間に余裕があって、それを削って間に合わせたみたい。でも、そのトイレ、なんと小便器脇に「灰皿」置きがあり、そこには数本の汚いタバコが…。トイレは禁煙なんてもう常識かと思っていたが…。そこは改札外のトイレだから、JR東海の管轄かどうか知らないが…)。

午前11時ちょいすぎに高遠駅に到着(バス代片道520円)。さっそく古本市へ…とはいかず、まずは蕎麦屋「壱刻」へ。入口に「店内禁煙」とある。正直でいいね?
多分、11時開店なのだろうが、もう4組ぐらいお客さん(10人)。大型テーブルの隅っこにすわり、ビールと鴨南蕎麦(十割蕎麦)大盛りに、新ゴボウの蕎麦粉天麩羅(総計3000円)の豪華ランチ。
この界隈、あちこちに「蕎麦」屋があったが、バス停に一番近く、入口に「店内禁煙」と表示しているのはここだけだったかと。「禁煙」かどうか入口で情報開示しないところでは食事はしない?

ともあれ、蕎麦屋を出て、隣の一箱古本市から覗く。

いきなり米保守派の巨頭ウィリアム・バックリーの小説『女王陛下よ永遠なれ』 (角川書店)があるではないか。100円(税込み)で。持っているから買わないけど。センスがいい?

とぼとぼと歩くと、陽炎堂書店が。2年前に来た時にはなかったような。一瞬、ガレージか駐車場を、一般の人が一箱古本市拡大コーナーにしているのかと思ったが、置かれている本はそんな個人蔵書のレベルではなく、ちゃんとした古本屋さんという面持ち。
軒先にあった100円コーナーで、山本晋也氏の『ポルノ狂殺人事件』 (作品社)を先ずは購入。ううむ珍しい? キントト文庫なら2000円はする?

帰宅して調べると、この古本屋・陽炎堂書店は、埼玉から本の町・伊那市高遠へ移転したお店のようだ。古本屋ツアーインジャパンさんなんかも、その時に走破。

 埼玉県で古書店を営んでいた土井秀夫さん(60)が、長野県伊那市高遠町の空き家に店を構えた。同町では、有志が古書市や本に関わる催しを企画するなど「本の町」づくりを目指している。高校時代に訪れた縁もあり、市の「空き家バンク」制度を利用して移り住んだ。虫のカゲロウにちなむ店「陽炎(かげろう)堂」で…との記事もネットにあった。

なるほど。話好きの店主で、外国人妻をつれた古本ハンター(?)さんともいろいろと古本談義をされていた。山本監督の本以外にも「エロス」関連書も面白そうなのがあったが…。ちょっと割高かなと思ったりして買わずじまいだったが……。

そのほかテクテクと。一箱古本市ではちょっと手をだしたくなるような古本は、先のバックリーぐらいか。

あと古本市の会場。2年前と場所が違って、ちょっと小規模になった感あり。買いたいものはなし。

そこからテクテクと少し歩いて、目玉(?)の蟻屋書房へ。2年前来た時は、店主が会場の手伝いをしていて「閉店」。そもそも、無店舗扱いというのか「倉庫」代わりのようで、店での販売はあまりしていないようだが、フェスティバル中(9・19~23)は、正午から午後4時までオープンとのことで拝見しにいった次第。

あらかじめ、ネットの目録で、これならと思った本があり、店主に「〇〇の××ですが、ありますか?」と聞いたら、「ちょっと待っててね」ということで、家の中へ。この古本屋は、要は一軒家。入口玄関から本棚…。まぁ、これは我が「実家」と同じ?
しかし、「う~ん、悪いけど見当たらないんだよ。売れてはいないはずなんだけど。薄い本だから…」と。いやいや、よくあること、我が家でも。

入口周辺のみの本棚を見た。奥までは入っていかず。一瞥一見できただけで十分満足。

以前は国立に店を出していたこともあったと。あぁ、そういえば、そんな感じ……。寄ったこともあるんじゃないだろうか。高円寺など古本市にもよく出品していたようだ。日本近代史などが分野だから、僕も時々買って値札で店名を記憶していたと思う。

「この古本屋の前の道を、『いのうえ せいげつ』が歩いていたらしい」と解説を受ける。「いのうえ せいげつ」と言われても、あいにくと知らなかった。あとで調べると、俳人で井上井月という人で、この伊那界隈に住みついていたようだ。ううむ…。井上ひさしなら知っていたが?

帰りのバスは午後1時半の次は3時半。すでに午後2時。まだ時間があるので、図書館へ。図書館前でも少し規模の大きい一箱古本市(税込み100円から)をやっている。無料(カンパ歓迎)の除籍古本一箱市もやっていた。図書館は靴を脱いで入るのは2年前と同じ。図書館の中にも除籍本コーナーがあった。

ラモン・センデールの『夜明けのクロニカ』 (彩流社)、櫻本富雄氏の『燃える大空の果てに 少年航空兵の精神』 (日本図書センター)を拾う。

あと「反日地方紙」の研究で、信濃毎日新聞が、図書館にあったので、前回と違って今回は買わずに一読(消費増税があったので節約?)。
安保法制が可決された直後の朝刊。この日の朝刊は、地方紙は、北國新聞以外は、みんな「反安倍」的紙面で構成されているのでは? その是非は、歴史が証明してくれるだろう?

図書館内に「まつもと一箱古本市」のチラシカードあり。9・21午前10時~午後4時。大名町枡形門広場にて。ううむ、「北海道&東日本パス」が使えるが、所要があり無理か……。あらかじめ知っていれば、所要を変更し、高遠フェスティバルは日曜(20日)出掛けて、伊那市に一泊し、月曜(21日)に松本に向かい、古本屋&一箱古本市を楽しむという手もあったのに……。残念?

そういえば、本日・9・20の「みちくさ市」や、この「まつもと一箱古本市」の案内は、なぜ、「日本の古本屋」の「古本まつりに行こう」のコーナーに出ないのか。高遠ブックフェスティバルは案内が出ているのだが……。縄張り争い? 

ともあれ、午後3時半のバスに乗り、伊那市駅に戻り、そこから岡谷駅へ。岡谷駅から大月駅まで乗換なしの一直線。大月から東京駅行きあり(スムースな移動が可能だった。最少の乗り換えで帰宅。ドアーツードアーで片道6時間。往復12時間の旅。高遠では、4時間程度の散策。

しかし、いつも思うのは、伊那市駅から出て岡谷駅に14時58分に着く電車がある。ところが岡谷駅を14時54分に出て甲府方面に行く電車がある。なぜ、これを接続させてくれないのか? 

同じ隣のホームに着くのだから、15時2分発にしてくれると、小淵沢までこれに乗り、小淵沢から16時17分発のホリデー快速ビューやまなし号(始発)に乗れるのだ(14時54分発の電車は小淵沢に15時44分に着く。8分遅れでも15時52分に小淵沢着が可能なはず)。ホリデー快速はグリーン車もあるから、去年の今頃、くらもと古本市(上諏訪駅近くにて開催)の一箱古本市に出掛けた時の帰りにこの電車のグリーンに乗った記憶がある。新宿まで一直線だから便利。乗り換え時間の合間に、小淵沢周辺の某店の「古本屋」(コーナー)も見ることができたから、これに乗れるなら、伊那市を早く出る手もあったのだが、幾ら時刻表を見ても、伊那市からの帰りでは、この接続の悪さをクリアすることは不可能……。

東海が悪いのか、東日本が悪いのか分からないが、こんな嫌がらせのような接続の悪いダイヤは許せない。特急列車には間に合うようにしているが…。特急券は自由席でも2000円以上するが、東日本にそんなお金を払うぐらいなら、下記の饅頭を買ったほうがマシ?

好天で昨日の高遠の日中はちょっと「暑く」感じるほど。お土産は「あかはね」で高遠饅頭10個入り1200円(税込み・簡易包装版)。一個おまけをもらって食べる。やはり餡子が一味違う。黒磯の温泉饅頭より美味い?(バス停にある「チラシ」(ぶらり食べ歩きチケット)を持っていくと、もっと安く買えた?)。

それにしても、買った本は一冊100円のみ。除籍本を二冊拾って、蕎麦を食べて、饅頭買っての古本旅。でも、好天に恵まれ楽しめた。高円寺商店街のような煩い音楽も全くなし。本当に静寂だ(古本市会場で若干音楽が流れていたが)。でも、さすがに帰りはくたびれた。半分寝て、少し本を読んだり、景色をロングシートから眺めたり。やはり帰りは、快速ビューのグリーン車に乗りというのがベターか(特急はともかく)。

伊那市観光協会の方々は、上記の接続の悪い便の改善を求めてJR東海と交渉していただきたい?(3・11の時に真っ先にシャッターを下ろすような東日本相手に交渉してもナンセンスか?) 。
あと、「一箱古本市」、もう少し、増やせないものかとも? ヘイオンワイを目指すならば……。
あと、店内禁煙かどうか、飲食店の入口でちゃんと表示をされるといいのでは? 時間潰しのために「喫茶店」に入ろうかと思ったが、表示がされていないので入らなかった店もあるし……。

ともあれ、格安切符がある時でないと、なかなか行けないが、次回またチャンスあれば…と。現地に落とせたお金は、バス代などをいれても、5000円ちょっとと少なめで恐縮でしたが……。僕も定年後、ここに移住して「古本屋・古本虫ジキルとハイド店」でも営業しようか? 家賃が安いなら?

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虹書店、模索舎は多様な言論の自由を保障する「本屋」さん
(2017・9・15・金曜日)






2017・9・7の東京新聞夕刊にこんな記事が出ていた。

「原発本薄れる興味 専用スペース設ける古書店風化懸念」

東京の早稲田通りの古本屋街にある「虹書店」(東京都新宿区)。壁の書棚は足元から天井近くまでぎっしりで、ジャンルごとに仕切った一角に原発に関する書籍が並ぶ。専用スペースを設けている古書店は珍しいといい、東京電力福島第一原発事故の直後、飛ぶように売れだしたのをきっかけに店主の清水康雄さん(60)が集めたが、ここ一、二年は手に取る客はほとんど見なくなった。清水さんは「事故の記憶が風化している」と感じている。 七月のある日、店の軒先の木箱にはセール品が積まれ、二十円の値札が付けられていた。箱の一つには原発関連が目立つ。「二年以上売れず、捨て値にしても動かない。気づいたら、原発関係ばっかりになっていた」と清水さんはつぶやいた。
 虹書店は一九六六年に創業し、近現代史や社会科学などを専門に扱ってきた。清水さんは「保守から革新までいろんな人がやってくるから面白い」と笑う。第一原発事故前は、書棚のジャンル名は「原爆」で、原発関連の数冊を合わせても二十冊程度。売れ行きは、学生や教員らがまれに買い求めていく程度だった。
 それが、事故の直後から珍しい客が訪れ始めた。小さい子どもがいるという若い母親が放射線防護の本を買っていった。二〇一二年ごろまでは、一日に数冊が売れることも。急きょジャンル名に「原発」を加え、多い時で約三百冊を並べ、書棚一つがいっぱいになった。全国古書籍商組合連合会の理事は「こうした古書店は全国でも聞いたことがない」という。仕入れで気にしたのは「原発の推進、反対のどちらにも偏らない」こと。事故の原因を検証した政府や国会の報告書などは資料的価値が高く、意識して集め、すぐに売れた。旧原子力安全委員会が事故前に発行した原子力安全白書は「国が原発の安全神話を信じていた重要な証拠だ」とみる。
 専門知識も重要だと考え、原子力工学や物理学の専門書をそろえた。事実をありのまま知ってもらいたいと思い、第一原発事故直後の福島県の農家やチェルノブイリ原発事故の避難者を取材した作家のルポを置いた。原発を巡る社会問題にも注目し、再稼働差し止め訴訟の原告団が出版した冊子も仕入れた。
だが最近は、一カ月に数冊売れるか売れないかで、特に学生が手に取らなくなった。それでも清水さんは「新刊を扱う書店は商品の入れ替えも頻繁にあるが、古書店の強みは一つのジャンルを長く置いておけること。原発の書籍の場所はしっかり守りたい」と話した。



最近、高田馬場、早稲田界隈の古本屋街にはあまり出かけなくなった。ビッグボックスで古本市をやっていた時(小規模ではなく大規模な古本市のほう)は、月に一回は必ずビッグボックスに寄ってから、早稲田古本屋街を一周したものだったが…。

ただ、この虹書店は、記事にあるようになにせ、店前の均一コーナーが一冊20円(ただし税抜き価格)。ここに結構いい本がある。よく買ったものだ。
店内も、記事にある通り、近現代史、社会科学系の本が多い。気になる古本屋というか気に入った古本屋だった。店主も言っているように、仕入れに関して、「原発の推進、反対のどちらにも偏らない」とのことだが、それは近現代史や社会科学系も同様だろう。反共リベラルな本も多々あったし。最近、あまり立ち寄っていないが、新宿の模索舎は古本屋ではないが、左翼系が中心とはいえ、そうでない本もある。

それに比べて、新刊書店なんかで、原発コーナーを作ると、反原発本を集めるのが良心的だと早合点する向きがあったかと(逆もあるかも)。そのことは以前論じたこともある(末尾に再録)。言論出版の自由は大事。単細胞的に気に入らない言論を「これはヘイト本だ」とレッテル貼りをして憂えている人も世の中にはいるようだ(週刊スパ・2017年9月12日号記事「なぜ『ヘイト本』は売れ続けるのか?」)。まぁ、嘘八百の反日ヘイトを綴った吉田清治の慰安婦狩りの本のようなレベルならともかく…。

ともあれ、早稲田古本屋街も経営者が死亡したりして、跡継ぎがいないと「閉店」するところも出てきている。学生時代通っていたころに比べると、なんとなく減っているようにも感じる。気がつけば、高田馬場駅前のブックオフオンリーなんてことはないように祈りたいもの。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

(以下再録)
「書店員の仕事」は複眼的であるべきでは? 「検閲官」になってはいけないのでは?
(2017・5・8・月曜日)


NR出版会編の『書店員の仕事』(NR出版会)を拾い読みした。

出版社からのコメント→書店とはどういう空間なのか。書店員とはどういう仕事なのか――。
真摯に本に向き合い、読者に向き合い続ける59人の店頭からの声。
「NR出版会新刊重版情報」の7年半にわたる好評連載を待望の書籍化!!


ちなみに、NR出版会とはこういう団体。→出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
NR出版会(NRしゅっぱんかい)は、日本の出版社団体である。NR は、確かではないがNon sect Radical(ノンセクト・ラジカル) の略ともいう。1969年8月、九社の小出版社により前身となるNRの会が発足した。1978年にはNRの会を中心に、再販制度廃止問題のために、出版流通対策協議会が設立された。1976年、組織変更をして協同組合に移行、NR出版共同組合となった。これにより業務協力で会員社の経営の効率化を図った。が、1996年、各社の経営状態や活動の模索などで足並みがそろわなくなったことを理由に、法人を解散、NR出版会として出版団体に再度衣替えとなった。
亜紀書房・インパクト出版会・現代人文社・新泉社・柘植書房新社・七つ森書館(2004年 - )
風媒社・論創社(2004年4月 - )
過去の会員社[編集]技術と人間(1982年 - )合同出版・創樹社・第三書館(1983年 - )凱風社(2005年 - )雲母書房・三元社・社会評論社* 新幹社* 同時代社* 日本経済評論社

まぁ、リベラル左派系出版社が多いが、時々「愛読」している出版社もなきにしもあらず。ただ、1984年ごろだったか、この前身であるNR出版共同組合が紀伊国屋書店と協力して「ジョージ・オーウェル『1984年』と管理社会」というブックフェアをやったことがあった。「全体主義」といわずに「管理社会」という言い方が、いかにも…という印象があったが、そのブックフェア用の小冊子で紹介されている本は、 『保安処分と精神医療』『女には産めない時もある』『狙われた教科書』『教育反動との闘いと解放教育』といった本だった。これは加盟していた出版社の本をセレクトしたからこんな風になったのかもしれないが、ちょっと偏りすぎた選択だった。
紀伊国屋書店も共催なら、せめて、みすず書房のハンナ・アレントの『全体主義の起源』やら、新潮社のジャン・フランソワ・ルヴェルの『全体主義の誘惑』とか、ソルジェニーツィンの『収容所群島』などもリストに入れるべきだった。

そういう本は、「反ソ的」だからヤバイということで無視された? ともあれ、今回の『書店員の仕事』の中にも、そういう知的レベルの人たちも若干(?)いるように見えたが……。

朝鮮戦争が誰が起こしたかを忘れて、戦争の犠牲で日本の復興が…といわれても…。金日成サマに感謝すべき?
「原発反対の棚」造りに信念を貫く書店員さんもいたようだが、そこには保守派の西尾幹二氏の『平和主義ではない「脱原発」』 (文藝春秋)も置かれただろうか? 保守派からの「原発反対論」は省略? いやいや、そもそも、それでも原発が必要だという立場の人の本も置いた上で、「原発反対の棚」ではなく「原発を考える棚」を作るのが「書店員の仕事」ではないか。

韓国中国を考える本コーナーを作るなら、ヘイト本とみなされるような本も、親中派の本もどちらも置けばいいのに、どちらか片一方の本しか置かない書店があるとしたら、それはどちらかに偏った書店であり、偏った思想信条の持主の書店員がいるんだなと思われても仕方あるまい(ただ、どちらかのほうが、より売れることにディレンマを感じる?)。
それが嵩じると、どっかの千葉の図書館の館員みたいに自分が好ましく思わない、読ませたくない保守派の著者の本を勝手に「焚書」にしてしまうようになるだろう。
右であれ、左であれ、真ん中であれ、それは「(戦後)民主主義」的人格ではないことになる。

これは一般論になるが、書店員の中には朝日新聞(や東京新聞や赤旗)の読みすぎかどうか知らないが、「書名」だけで反ヘイト本だと決めつけたりして、そういう本はなるべく置かないようにするのが良心的書店員だと勘違いする人も少なくないようだ。
何が「良書」であるかないかなど、人それぞれ。
単細胞的な価値観に基づいて「選書」などしてもらいたくもない。
もし、そんなことを実践する「書店員」がいたら、その人は単なる「検閲官」でしかない。

この本には模索舎の人も出てくる。政治信念は左派だろうが、持ち込まれる出版物に関しては「原則無審査」とのこと。それがベターだ。

僕は定年後、古本屋をやることはあっても(?)新刊書店を開くことはないと思う。万が一、新刊書店を開いても、原発推進、反対などに関して、一方の立場の本だけを置くつもりもない。原発棚を作るなら、賛成、反対、中間、さまざまな立場の本を扱うつもりだ。ただ、特定宗派の本は……。幸福の科学の、「名誉毀損」になりかねない本は…? いや、あれは「フィクション」コーナーを作ってそこに置く分はいいのかな?

ともあれ、「書店員」は、自分自身の好き嫌いは脇に置いて、もっと広い視野で選書すべきだろう。単細胞は困る?
以前、沖縄の大学の図書館の担当者が、地元新聞が、アメリカ軍からの寄贈書を図書館が受けることに不満を言ってほしそうな取材があった時、正論を述べて対応した事例を紹介したことがある。以下再録的に…。


山口真也氏の『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』(教育史料出版会)を読んだ。書名などからして、なんとなく、急進的リベラル左派的な図書館関係者による、よくありがちな単純思考(単細胞思考)による「図書館の自由」論が展開されているのかと危惧したのだが……。
ギリギリセーフというか、ちゃんとした視点からの「図書館の自由」論であり、参考になった次第。ただ、千葉の某市図書館での、保守系筆者の本を「焚書」にした案件などが取り上げられていなかったのは残念?

とはいえ、沖縄の大学にいて、沖縄の図書館がアメリカ海兵隊の機関誌(「大きな輪」)を置いてあるのに反発した人たちがあって、それをどう思うかとの取材を地元新聞から受けたこともあったそうな。その機関誌にはアメリカ海兵隊員、女性を救うといった記事があったという(おお、これが事実でないなら問題になるだろうが、沖縄の地元二紙が報道しないような事実を報じていたら、多様な言論を保障する上でも貴重な雑誌として図書館が所蔵して何の問題もないのではないかと僕は思う。それを問題視する市民や、それを後押ししようとする地元新聞の「民主主義」感覚はやはり異常では?)。

著者は、電話取材を受けたようで、その時、記者の話では「住民から図書館に対して『県民感情とかけ離れている』という批判があったとのことだが、どのような立場から書かれた資料であるとしても、図書館は資料に対して中立的なスタンスを取るべきであるし、市民感覚とかけ離れているとしても、あるいはかけ離れているからこそ、この雑誌は沖縄の問題を考えるうえで貴重な研究資料になるはずである。蔵書に加えることには何の問題もないし、反対のスタンスを取る団体のチラシや集会資料なども積極的に集めることで蔵書のバランスを取りながら、市民の学習の場としての機能を保つべきだろう。寄贈された残部を図書館のロビー等に置くことについても、『思想と情報のひろば』『資料提供の自由』という図書館の機能をふまえて考えれば、あらゆる思想に対して開かれた場として機能しているのであれば、特に問題はないと思う(公共施設での宣伝目的でのチラシ類の配布を禁止する条例・規則等があれば別だが)。----これが電話取材に対する私の回答だったのだが、記者は批判的な意見を求めていたようで、電話口からはやや落胆したようすがうかがえた。そして、翌日の新聞には私のコメントは掲載されなかった」という。

ううむ、こういう偏った新聞は、つぶしたほうがいいのか? いやいや、そんなことはあるまいが、代りにどんなコメントが掲載されたのか気になるところ。図書館の自由をわきまえない単細胞的な口先リベラルの「民主主義者」の尊大な反米コメントのみが掲載されたのでなければいいのだが?

僕も愛読したことのあるナット・ヘントフの『誰だハックにいちゃもんつけるのは』(集英社コバルト文庫)も俎上にのせられている。 『ハックルベリー・フィン』が黒人差別を助長するとして、高校の図書館で所蔵貸し出しするのはよくないことだ、いやそんなことはない云々というテーマの作品。

普通に考えても、日米安保や海兵隊や自衛隊を肯定する本、否定する本があれば、双方を所蔵するのが図書館の役目だろうに、イデオロギーの亡者になると、どちらの側にせよ、片方の本を焚書にしたがる傾向があるようだ(上述の千葉の某市図書館関係者は、左翼イデオロギーの亡者だったのだろうか?)。

『はだしのゲン』の貸出規制問題や、百田尚樹氏の沖縄新聞批判や、ツタヤ運営の図書館問題や、『アンネの日記破損事件』なども取り上げられている。

いわゆる「嫌韓本」「嫌中本」などに関する考察もある。この問題に関しては、単細胞的なリベラルな人たちが、ことさら問題にしているのではないかと僕は思っている。著者が勤務する大学の書籍フェアに、そういう本が陳列されていたことに苦言を呈する人もいたそうだが、「読書の目的はいろいろだから、学生は批判的な立場からその言論を知りたいと思ってリクエストした可能性もある。フェアコーナーにある嫌韓本は、有名な著者や出版社のものだから、学生なりに考えて選んだ跡も見られる。そもそも出版点数が多く、書店でベストセラーになっているジャンルの本が、一冊も図書館にないことの方が不自然である」と指摘しているのは正論だろう。

もっとも、編集者の責任であろうが、本書の139ページに「書店に溢れる嫌韓本・嫌中本」のキャプションで、書店の棚に並んでいる本の写真が掲載されている。もちろん、このキャプションが「ヘイトスピーチに溢れる嫌韓本」となっていれば、それだけで問題になろうが、まぁ、「嫌」がどういう定義になるかはともかくとして、写真を見ると、元中国大使の丹羽宇一郎氏の『中国の大問題』(PHP新書)も載っている。この本、積んどくしているのでなんとも判断できないが、丹羽さんは別に反中派ではないはず。もちろん、この本、アマゾンのレビューなどを見ると、いろいろなコメントがあるし、広い意味で中国の問題点を指摘もしていて、ある意味で「、「嫌中本」と言えるのかもしれないが、世の中、朝日新聞などが言いたげな意味での「嫌中本」とは一味違うのでは。この写真とキャプションはちょっと不適切?

ともあれ、韓国の個々人ではなく、政府や学校が、竹島問題で、小学校レベルの生徒に日本の国旗を足蹴にするような絵を書かせて展覧したりする様を「品性下劣」だと評したりする程度は言論の自由の範囲内であり、ヘイトスピーチとも無関係であろうと僕は思う。それすらも「ヘイトスピーチ」だという人がいれば、言論の自由の破壊者だろう。

ともあれ、著者の視点は「多様な言論」を保障する場としての「図書館」の意義を高く評価しており、それは同感。

昔、あるところで、資料室の資料蒐集を担当する図書委員みたいなことをしていたことがある。ある人は、講談社学術文庫は素晴らしいので、これは出次第、全冊購入するといいですねと。まぁ、正論ではある。あるリベラル左派の女性は、こんな失礼なことを僕に言っていた。「古本虫さんは、右寄りだから、そちら系統の本ばかり集めたりしないか心配なんですが」と。「いえいえ、お嬢様、右寄りの本は少数意見ですので、貴重ですから全部買ってでも読みます。リベラル左派の左寄りの本は、買ってまで読みたいと思わないので、資料室でどんどん購入していきましょう」と回答したものだった? 30数年前の話。

それはさておき、元少年Aの『絶歌』(太田出版)の図書館での扱いに於ける「差」についての考察も参考になる。蔵書として蒐集する図書館もあれば、しない図書館もあったり。貸出の年齢制限をすべきかどうかなど。『絶歌』も積んどくしていて読んでないが、こういうテーマで僕がすぐに連想するのは、図書館はなぜフランス書院文庫などを蒐集しないのか?と。

さすがの著者も、この分野の本の蒐集・貸し出し点の考察は本書ではしていない。「言論の自由」とは関係のない、大人の趣味の分野だから? いやいや、言論の自由に関して、ロレンスの『チャタレー夫人の恋人』など無視できない重大問題のはず。
ちなみに都内図書館を調べてみると、フランス書院の本を蔵書として持っている図書館は少数派。フランス書院の別会社のプランタン出版のボーイズラブ的な本を持っている図書館はいくつかある(その分野の本を目黒図書館は134冊、町田図書館は285冊も所蔵しているのは異常?。八王子図書館はフランス書院の翻訳モノ『女教師』『芽生え』『十六歳の夜』『生娘』を所蔵。そのほか、 『熟女の「愛し方・愛され方」』も所蔵。この本は持ってない?)。国会図書館はヒット数は5395にもなる。さすが国会図書館?

ともあれ、リクエストなどで、 「すみません、私は「未亡人」の研究をしている者ですが、フランス書院文庫の新刊の神瀬知巳氏の『僕と五人の淫未亡人 僕の母、義母、兄嫁、ママ、彼女の母…』 を研究目的のために読みたく思っていますので、購入をお願いします」と近所の図書館に言ったら、どうなるだろうか? 著者がいる大学図書館にリクエストしたら購入してくれるだろうか? 購入不可の理由を文書で要求し、その理屈を研究するのもいいかも? 未成年者も利用する図書館なので、という公立図書館もあるかもしれないが、貸出の際、年齢制限を加えればいいのかも?
あと、八王子市民の一部市民たちが、図書館に詰め寄って、フランス書院のエロ本を何冊も所蔵しているのは、市民として恥ずかしい、焚書すべきだと圧力を加えたりしないか心配だな? 『誰だ「女教師」にいちゃもんつけるのは』なんて本も書けるかも? 目黒や町田図書館にもプランタン出版の本が多すぎるとクレームがついたりしたらどうなる? だって、ツタヤ運営の図書館に東南アジアプレイガイド本なんかがあるのけケシカランという声もあったかと(でも、その手の本、都内の図書館にもあった。二枚舌はよくない?)。

話を『書店員の仕事』に戻す。
さきほどの「原発反対の棚」を作った「書店員」が、日本共産党直営の「人民書店」の人ならまぁ、まだわかる。特定のイデオロギーに基づく書店運営をしている個性的な書店なら、そういう「信念」に基づいて、一方的な選書をするのもまた「言論の自由」であろう。しかし、所属を拝見すると、誰もが知っている大手書店ではないか。そういう書店が、そういう棚造りをするというのには違和感を覚える。
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「完全民営化」と「完全に民営化」の違いが分からないと上級公務員にはなれない?
(2017・9・14・木曜日)





高橋洋一氏の『大手新聞・テレビが報道できない「官僚」の真実 』 (ソフトバンク新書)を読んだ。元官僚出身者だけに、官僚のさまざまなごまかしのテクニックなども詳述している。

政策金融機関を民営化する時の法律に記される文章として、 「完全民営化」「完全に民営化」とでは、「に」があるかないかで、大きく異なるという。
「完全民営化」となると、民間が所有し、民間が運営するということで、完全民営化になるのだが、「完全に民営化」となると、「完全を期して民営化する」という意味も出てきて、そうなると、「完全を期して民営化する」ということは、特殊会社子でも特別民間法人でも構わないということにもなり、そこに官僚がつけ込むスキを与えてしまうことになるという。ううむ…。憲法九条の「芦田修正」みたい?

それは実際にあった例だということで、「完全民営化」という当初の文案に対して、「完全に民営化」と修正されたりしたことがあったという。この修正の意味に気づいた著者はふたたび「完全民営化」に戻して、事なきを得たという。「面従腹背」の官僚のやることには、油断もスキもあったものではない?

森友学園問題、加計学園問題などのスッタモンダについても、著者は、。「面従腹背」の、あの元次官など、官僚たちの杜撰な姿勢やそれに迎合する一部マスコミの対応を厳しく批判している。ふむふむなるほど、と一読した次第。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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