古本虫がさまよう
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還暦前に「宝くじで2億円」当たり、配偶者が亡くなれば、やることは神保町に転居し「女色旅情」?
(2018・2・17)





鈴木信行氏の『宝くじで1億円当たった人の末路』 (日経BP社)を読んだ。

以前、読んだ川村元気氏の『億男』 (マガジンハウス)や、安藤祐介氏の『宝くじが当たったら』 (講談社)のような億単位の宝くじにあたった男を主人公にした小説かと思っていたら、ぜんぜん違っていた。これらは小説だが、こちらはノンフィクション。ただ、一億円当たった人の「末路」を一冊まるごとで追ったものかとも思ったのだが、そうではない。


こんな内容→「宝くじで1億円当たったら……」。こんな淡い期待を胸に、宝くじ売り場につい並んでしまうビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。 果たして、「宝くじで1億円当てた」後に待ち受ける末路とはどんなものなのでしょうか――ということで、まずはその「末路」を追究。それ以外にも、「(自殺したりした)事故物件借りちゃった人の末路」「キラキラネームの人の末路」「『友達ゼロ』の人の末路」「子供を作らなかった人の末路」「禁煙にしない店の末路」……等々を考察している。

まぁ、得るものがあれば失うものがあり、失うものがあれば得るものがあるのが人生。
本書の中では、「禁煙にしない店の末路」なんかが面白い?
その本でも指摘している通り、完全禁煙の店はまだ少数派。中途半端な分煙は、喫煙者も非喫煙者も納得しない――構造などが縷々説明されている。ほぼ同感。ニッチとして、将来は「喫煙可能店」がそれなりに存続することはありうるだろうがとのこと…。
それにつけても、厚労省などの規制案など、ザル法もいいところ?

ともあれ、この本を読んだあとにたまたま手にしたのが、原田真介氏の『女色旅情』 (廣済堂文庫)だ。平成9年の刊行。ありふれた大衆小説だが、アマゾンでは5000円弱の値段になっている(足立区図書館にはあるようだ)。これが味読できる内容。

(こんな内容)→若いときに「弁天の富」とあだ名され、多くの女と情愛を重ねてきた石津富松は、臨海副都心に漁場を奪われた東京の海苔漁師だった。「夕鶴」のつうのような良妻・千鶴を得た富さんは彼女だけを愛し、漁連の海苔入札場に勤めて第二の人生を歩んできた。が、千鶴が突然死に、人間の結びつきのはかなさを痛感した彼は、昔の女たちの消息を訪ねる旅に出て、先々で再会した女たちと肌を合わせ、性愛を募らせていく。日本文芸家クラブ大賞受賞作。

ただし、女遊びは結婚前の話。主人公は海苔漁師だったが、漁業の課外学習で生徒を連れてきた女教師に一目惚れ。結婚してからは浮気ゼロ。

海辺の開発のために漁業権を捨てることになり、もらった補償金が漁師一軒につき1000万円。現在の価格で2億円。「宝くじ」に当たったようなもの。せっかくの高額なお金も浪費した漁師も多々いたが、彼の場合は奥さんがしっかりしていて、アパートを建設したり、車社会を見越してガソリンスタンド経営をやったり…。堅実な生活を営む(奥さん自身は出産と共に教員を退職)。

しかし、そんなできた妻が50歳ちょっとで病死。死んでから一年間だけは喪に服してください、その後はご自由に…という遺言もあり、一周忌を終えてからは結婚前に付き合っていた女性のもとへ回顧趣味もあって出かけることにした主人公。まだ還暦前。おお、ちょうど僕と同い年ぐらいではないか。

初体験の「オンリー女性」は、アメリカ軍人と結婚して渡米。子供をベトナム戦争で亡くし、夫も…。そんな女性とニューヨークで再会…。そのほか、妻同様に亡くなった人もいて、その娘と…。
青春時代の、結婚前に付き合った(チョメチョメした!)女性や、知人の未亡人などとの再会を通じて、新たなるさまざまな女性遍歴を、還暦を前にして体験。最後には……。明るくユーモアをまじえての一冊。日本文芸家クラブ大賞(どんな賞か知らないが?)を受賞するのも納得だ? 直木賞を取ってもおかしくない?

最愛の妻を得ることによって、浮気する自由を失う。だが、その最愛の妻を失い、その分、アバンチュールを楽しむことにもなる…。人間万事塞翁が馬。

文庫解説を作家の南里征典氏が書いている。それによると、お二人は同じ釜の飯を食べた関係。職場(「全国新聞情報農協連合会」)が一緒だったのだ。原田氏は、その前には「全国海苔貝類魚連」というところで働いていて、機関誌の発行に携わっていたとのこと。なるほど、そのあたりの体験が本書にいかされているわけだ。そして、既婚者で二人のお子さんがいたのだが、奥さんがボウリング好きの大学生と仲良くなり、家庭を捨てたとのこと。ううむ、そんなシーンは本作品にもあった?

だが、人間万事塞翁が馬…。そんな原田さんを見かねたのか、職場の部下だった女性と再婚。15歳も年下の奥さんだったとのこと。その新夫人は、のちに高級モンブランを買って、作家として自立しようとするご主人を励ましたとのこと。そんなことが解説に書かれていた。

そういうさまざまな人生模様を経験した上での本作品なのだろう。知人の奥さんが未亡人になって、その夫のことが忘れられず、夫の替わりになってほしいと所望されたりする「思い出芝居」などは、この前紹介した日経の記事を思い出した。

再録的になるが、2018・1・20日経新聞夕刊一面には、こんな記事が出ていたではないか。

故人のぬくもり、デジタルで再び
3Dプリンター、表情そっくり人形 スマホに肉声、家族の誕生日に
2018/1/20付日本経済新聞 夕刊


 亡くなった肉親などの在りし日をしのぶため、デジタル技術を生かす試みが広がってきた。3Dプリンターやクラウドを駆使し、生前の姿をリアルな彫像にしたり、肉声を届けたりする。超高齢化社会を迎えた日本は今後、かつてない「多死時代」に直面する。伝統的なお墓や仏壇だけでなく、故人を追慕する手段も多様化しそうだ。
 「いつでもこの辺にいるみたい」。愛知県豊田市の河合米子さん(80)は2年前、50年以上連れ添った…(以下略)。

記事中には、そんな河合さんの「夫の姿を再現した『遺人形』」の写真も掲載されている。実物大といった感じで、椅子に座っている…。ううむ…。娘さんから贈られたとのこと。20万円。さらには、生前の映像をクラウド上に保存保管し、定期的に遺族に送信したりすることも…。ヒト型ロボット「ペッパー」によって、故人の表情や肉声を再現するなんてことも…。そんな記事。これが「下半身」の世界にも反映されるようになる? ビデオの普及も、エロスビデオの頒布によって拡大したとの説もある。世の中、ジキルとハイドの組み合わせによって…進展していくもの?

この小説では、夫の替わりを弁天の富さんが果たすことによって、未亡人の不安定な精神状態を改善することになるのだが…。やがて彼女は富さんの新夫人になる。「夜のほうも最近達者になった。少々のアクロバティックも楽しんで、昼は賢夫人、夜は『時には娼婦のように』を地で行く理想の妻だ」「楽しいかな、第二の人生。ただ、どこまでからだが保つか、ちょっと心配な、ただ今六十歳の青春である」が結語。時代背景--占領、安保、高度成長…もちゃんと描かれている。著者は1935年生まれで刊行時、還暦前後。平成の今、平成の終わりと共に還暦になる世代が読んでも懐かしく感じる一冊だった。がんばろう?

ともあれ、大変素晴らしい小説だった。還暦寸前で妻を亡くした男の紆余曲折を経ての再婚物語。参考になる? 出てくる女性は、彼より年下とはいえ、50代前半ぐらい。まだまだ現役?

まぁ、17歳ぐらいの少年の年上の女性を巡る『女色旅情(女喰旅情)』なんて読みたくなる。まぁ、そのあたりは、神崎京介氏の『女薫の旅(シリーズ)』 (講談社文庫)がカバーしているだろうか。このシリーズ、初期の数冊は読んだものの、途中で挫折したまま。完結したのだろうか? 継続中なのだろうか?

ともあれ、我が妻は……。ううむ。万が一、この小説のようなことになったら……。一周忌を待たずに、初七日が終わったらさっそく…。でも、再会すべき相手がいないなぁ? 

 妻が海外旅行で飛行機事故かなにかで亡くなり、億単位の補償金が入ったら、それで神保町近くにマンション買って、仕事辞めて、のんびりと晴耕雨読の生活を…。幾ら本を買っても、「また読みもしない本を買ってきて、このドアホウう」と怒鳴られることもない。おお、なんとワンダフル? 人間万事塞翁が馬。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

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AI時代到来で、「世間を渡る」ためには「理系本」も読破しなくては…。『脳の誕生』は理系本だが、『巨乳の誕生』は理系本ではないのか?
(2018・2・16)


パオロ・マッツァリーノの『世間を渡る読書術』 (ちくま文庫)を読んだ。

内容(「BOOK」データベースより)
謎のイタリア人パオロ氏がはじめたお店は立ち食いそば屋兼古本屋!「お金もちになるための方法は?」「体罰は必要?」「のらネコと共存するには?」―ご近所の主婦が持ち込む数々の難題を、おすすめ本でズバッと解決。鮮やかなツッコミも冴えわたる知的エンタメ読書ガイド!「自殺予防に民主主義」「頭か、腹か」「日記に書かれた戦前・戦中」の文庫版おまけ三本を追加。


ふと、手にした次第。この人のことはよく知らない。フランス人・ポール・ボネ(フランス好きな日本人・藤島泰輔さん)みたいなイタリア好きな日本人によるものなのか?

肯定的に取り上げる本で、「こんな本が?」と思うものもあるが…。ともあれ、こういう書評集的本は、いろいろと知らない本も出てくるので参考になれば、特に文句もない。一読の価値はあるかなと。

引き続き、齋藤孝氏の『文系のための理系読書術』 (集英社文庫)を読んだ。

「今もっとも知的好奇心をかき立ててくれるのは科学の分野。その興奮を知らずにいるのはもったいない」。齋藤先生が蔵書からおススメの“理系本”50冊あまりを紹介。初心者も手に取りやすい入門書から、世紀の発見を追ったドキュメンタリー、マンガで解説する数学の本まで多彩なラインナップ。科学の分野への苦手意識を払拭し、新たな読書の地平へといざなってくれる、画期的な読書ガイド。

ネットなどから無料で「情報」がえられる時代に、数百円から数千円の本を買って読む層が減ってきていることに警鐘もならしている。SNSに一日二時間使うなら、一時間読書をすべきとも。それは同感。タブレットやスマホがあれば「本」は要らないという人もいるけど、それはちょっと違うぞとも。ううむ…。何十冊もの理系本が紹介されているが、あまり読んでない…。

最近は、小室直樹氏の『数学を使わない数学の講義』 (ワック)とか、中島俊之氏&ドミニク・チェンさんの『人工知能革命の真実 シンギュラリティの世界』 (ワック)とか、まぁ、理系の本も手にして読んだりもしているのだが……。

この前読んだ『巨乳の誕生』 (太田出版)は理系本ではない? 大隅典子氏の『脳の誕生』 (ちくま新書)は「理系本」だと思うが、ちょっと読破する気にはなれない?

齋藤さんの本に出てくる理系書の中では、 『なぜ美人ばかりが得をするのか』 (草思社)は読んだような気がするが? 海部陽介氏の『人類がたどってきた道 ”文化の多様化”の起源を探る』 (NHKブックス)は読んでないが、同じ著者の『日本人はどこから来たのか?』 (文藝春秋)は積んどくしているかな?

湯川秀樹氏の『旅人 ある物理学者の回想』 (角川ソフィア文庫)は積んどくしている? 的川泰宣氏の『宇宙飛行士の父 ツィオルコフスキー 人類が宇宙へ行くまで』 (勉誠出版)はソ連がらみの話が出てくるので、読もうとしているのだが…。おお、結構「理系本」も積んどくとはいえ、手にはしている?

でも、十年前に、理系の積んどく本はかなり処分したかな? 定年になったら読もうと思っていたけど…。もう読まないだろうからと……。そもそも優雅な定年後の読書三昧、晴耕雨読もなさそうだし…。

引き続き、三宅香帆氏の『人生を狂わす名著50』 (ライツ社)を拾い読みした。

内容(「BOOK」データベースより)→『京大院生の書店スタッフが「正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね」と思う本ベスト20を選んでみた。“リーディング・ハイ”』というタイトルで「天狼院書店」のウェブサイトに掲載され、2016年、年間はてなブックマーク数ランキングで第2位となり、多くの反響を呼んだ記事をもとに書かれたブックガイド。どうしても社会や世界に流されることのできなくなる本たちを選んだ。

文学作品が多いということもあり、理系本ほどではないが、やはりあまり手にしていないので、読後感に関しては、なんとも…。書評集というよりは、個性的な読後エッセイ本といったところだろうか? 参考にはなりそうだが、人生を狂わす…という「名著」といえば…。トー・クーンの『女教師』 (フランス書院)を10代で読むと人生を狂わすなんてこともありや? あぁぁ…『女教師』の原書(英語)も手にしたものの…。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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我が家にいる「金与正」の「氷の微笑」にぞっとしながら、恒例のみすず書房「みすず」の読書アンケートを読み、毎度ながらもシーラカンス的発言に溜め息をつきつつも、参考になる本を見つけ、またもや冷たい視線を気にするこの頃? 三笠書房(フランス書院)も裏版「読書アンケート」をやればいいのに?(2018・2・15)






金与正の「氷の微笑(うすら笑い?)」(?)をテレビで見るにつけ、どっかで見た怖い「顔」「微笑」だなと……。見覚えがあるのだ。さて……と思っていたら、おお、僕が全盛時だった時(?)…。毎晩、紙袋に十数冊の本を抱えて帰宅し、玄関からこそこそと「書斎」(書庫)に、その紙袋をそっと「挿入」する時、たまたま古女房と出くわすと……。

「また、読みもしない本を買ってきて! 家の中どうするつもりなの!!」と怒鳴るというか、時には諦めてか(?)、いかにも蔑むかのように、じっとバカにしたかのように見つめる時の古女房の「顔」にそっくりではないか? あな、恐ろしや……。向こうは古本の山を見ては「早く消えてほしい!」と思っていることだろう。こちらは小言半兵衛に「早く消えてほしい?」。

それはともあれ、 『みすず』(2018年1月&2月号)の「読書アンケート特集号」を読んだ。今回は145名の執筆。
「2017年中にお読みになった書物のうち、とくに興味を感じられたものを、五点以内で挙げていただけますよう」とのアンケート。
5冊以上挙げる人もいれば、それより少ない人もいるし、重複することもあるが、単純計算でも、700冊以上の本が紹介されていることになる。

理系(すぎる)本や、学術的すぎる本や、翻訳のない外国書などは読む気にはなれないが、これだけあると、へぇ、そんな本があるんだ、知らなかった…というものも多々ある。その意味で、参考になるアンケート特集だ。毎年、「愛読」している。

でも、マジメ系統のジキル本ばかり700冊というのもいかがなものかな?
ハイド(エロス)本が皆無…。みすず書房に対抗して、同じ「書房」がつく二見書房や三笠書房(フランス書院の親会社?)あたりが、裏版「読書アンケート特集号」の小冊子を出してほしいものだ。

ともあれ、「みすず」のほうでは、中にはリベラル左派(極左文化人?)というか、シーラカンス的文化人などもいて、まぁ、こんな本…というのもなきにしもあらずだが、そういう本も多様な言論の一端を知る上で参考になることもある。

だが、安倍首相の悪口をまず一言語ってから本の紹介に入る人もいるが、それはまぁ、言論の自由とはいえ、ちょっと…?

「今の首相、政治家として美しくない。顔も見たくない。声も聞きたくない。早く消えてほしい。敵は選挙でも政治でも(たぶん行動経済学を駆使して)、誘導しやすい人をうまく誘導している。こちらも文句を言うだけじゃなく、うまいナッジを考えて逆襲しなければね」とまで枕詞を使って、ほんの1~2行、本の内容を紹介するようでは…。本末転倒?

「早く消えてほしい」というのは、この「みすず」にも別途登場している某大学教授が吠えたような「お前(安倍)は人間じゃない! たたき斬ってやる!」という意味ではなく、失脚してほしいとか、首相の地位から落ちてほしいという程度の意味だろうか?

いやいや、お前なんか「消してやる」となると「殺してやる」とほぼ同じニュアンス? ならば「消えてほしい」は「死んでほしい」と同意義語? 『広辞苑』にはなんと書いているかな?

まぁ、北の金サンは早く「消えてほしい」と僕は思うけど…。選挙のない国だから、地位失脚は簡単にはいかないだろうが、因果応報的な「消え方」はありうるかも?

そういえば、金サンに関して、NHKが昨日(2018・2・14)こんな放送をしていた。スクープと称していたか?


“ジョンナム氏を後継に画策し粛清“ 中朝関係悪化の発端に
2018年2月14日 5時27分北朝鮮情勢

かつて緊密だった中国と北朝鮮の関係が現在のように悪化するようになったのは、北朝鮮のナンバー・ツーとされたチャン・ソンテク氏が、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄のジョンナム(金正男)氏を最高指導者に就かせようと画策し、中国側の密告によって粛清されたことがきっかけとなったことが明らかになりました。
中国政府の関係者がNHKに対して明らかにしたところによりますと、北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記が死去してから8か月たった2012年8月、当時、北朝鮮のナンバー・ツーとされ、キム・ジョンウン委員長の叔父にあたるチャン・ソンテク氏が、北京で中国の胡錦涛国家主席と会談した際、「ジョンイル氏の後継にはキム・ジョンナム氏を就かせたい」という意向をひそかに伝えたということです。

これに対し、胡主席がどのように応じたのかはわかっていませんが、この密談の内容は中国の最高指導部のメンバーだった周永康・元政治局常務委員が、翌2013年初めにキム・ジョンウン氏に密告し、ジョンウン氏のげきりんに触れたチャン氏は、2013年12月に国家反逆罪などで処刑されました。

これについて、北朝鮮側は、中国の指導部が北朝鮮の国内に政権転覆の動きがあることを知りながら阻止しようとしなかったとして不信感を抱いたということです。一方、中国側も、北朝鮮が中国とのパイプ役であるチャン氏の粛清に踏み切ったうえ、その後も中国側の呼びかけを無視するかたちで核・ミサイル開発を進め、行動をエスカレートさせてきたことに不信感を募らせてきました。

中国と北朝鮮は、かつては緊密な関係にありましたが、キム・ジョンウン氏が最高指導者となったあと、一度も首脳会談が行われず、現在のように関係が悪化するようになったのは、北朝鮮の後継者問題をめぐるチャン氏の画策がきっかけとなり、双方が不信感を募らせてきたことが要因であることが明らかになりました。

専門家「核・ミサイルの問題でも距離ますます大きく」

北朝鮮のナンバー・ツーとされたチャン・ソンテク氏が、キム・ジョンイル総書記の後継者にキム・ジョンナム氏を就かせたいという意向を中国側に伝えたとされることについて、中朝関係に詳しい南山大学の平岩俊司教授は、NHKの取材に対し、「キム・ジョンウン委員長よりもジョンナム氏の方が扱いやすいという思いがあったのかもしれない。チャン氏は、キム・ジョンイル総書記からジョンウン氏の後見人に指名されて、かなり自分の権力を過信していたということが言える」と述べました。

また、チャン氏がその後、北朝鮮で国家反逆罪などで処刑され、中朝関係が悪化した状態が続いていることについて平岩教授は、「今回の事件は事実だとすれば、北朝鮮の中国に対する不信感を募らせるきっかけになったのだろうし、逆に中国も、北朝鮮への不信感を募らせるきっかけになったわけで、結果的に中朝関係が構造的に悪くなっていくきっかけになったと言える」と指摘しました。

そのうえで平岩教授は、「お互いの不信感が積み重なった結果、核・ミサイルの問題においても、中国と北朝鮮の間の距離もますます大きくなっていると思う」と述べました。


「中国政府の関係者がNHKに対して明らかにしたところによりますと…」などと独自取材のスクープかのように報じているけど、昨日の朝テレビニュースを見ていて、どこかで聞いた話だよな…と。

ふと、閃いて去年の10月に刊行されている、西岡力氏の『ゆすり、たかりの国家』 (ワック)を見たら100頁前後に縷々指摘されている。西岡氏の独自情報のみならず、密告云々の件は、産経の矢板明夫記者が2015・2・24付け紙面で指摘している。日経記者の中沢克二記者も、2017・8・16付け電子版にて指摘している。だから、既視感があったのだろう。

ともあれ、金正恩をはじめとして北朝鮮の歴代独裁者の疑心暗鬼というか、「暗殺」「処刑」「拉致」「人権弾圧」は、ヒトラー以上のモノがあるだろう。

それにしても、「今の北朝鮮の、選挙もなしにただ世襲でその地位につき、兄弟でさえ刺殺を命じるような金正恩」に対して、「人間として美しくない。顔も見たくない。声も聞きたくない。早く消えてほしい」とでも言うならまだしもだが…。

まぁ、そういう人や、そういう人の紹介する本などには、ところどころ「バカ」「アホ」「マヌケ」などと赤ペンを使って一言、線を引きながら読み進めた次第(これは毎年のこと!)。

こういう人たちは、みすず書房の本であっても、ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』 (みすず書房)や、ザヴォドニーの『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』 (みすず書房)や、中村禎里氏の『日本のルイセンコ論争』 (みすず書房)などを良書として挙げるだけの知的勇気もない人だろう。 阿比留瑠比氏の『総理の誕生』 (文藝春秋)を読まないというのならまだ分かるが?

ともあれ、こういう読書アンケートが来たら、なんと答えるか? 『みすず』の中でも、僕が読破した本が何冊か紹介されていた。

・青山南氏『60歳からの外国語修行 メキシコに学ぶ』 (岩波新書)
・富田武氏&長勢了治氏『シベリア抑留関係資料集成』 (みすず書房)
・富田武氏『シベリア抑留 スターリン独裁下、「収容所群島」の実像』 (中公新書)
・高見順氏『敗戦日記』 (中公文庫)
・下川正晴氏『忘却の引揚げ史 泉靖一と二日市保養所』 (弦書房)
・川島博之氏『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』 (講談社+α新書)……。

川島さんや下川さんの本は大変面白かったが、青山さんや富田さんの本は、アマゾンのブックレビュー的には☆☆☆(☆三つ)レベルだから、「とくに興味を感じた」というほどではないが……。

そのほか、去年出ていた本で最近読んで面白かったと記憶のある「ジキル(マジメ)」本といえば、こんな感じかな?


・金永煥氏『韓国民主化から北朝鮮民主化へ』 (新幹社)
・平川佑弘氏『戦後の精神史  渡邉一夫、竹山道雄、E・H・ノーマン』 (河出書房新社 )
・有馬哲夫氏『こうして歴史問題は捏造される』 (新潮新書)
・中村禎里氏『日本のルイセンコ論争』 (みすず書房)
・江崎道朗氏『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』 (PHP新書)
・伊藤亜人氏『北朝鮮人民の生活』 (弘文堂)
・福井義高氏『日本人が知らない最先端の世界史2』 (祥伝社)
・平川祐弘氏編『竹山道雄セレクションⅣ 主役としての近代』 (藤原書店)
・大高未貴氏『父の謝罪碑を撤去します  慰安婦問題の原点「吉田清治」長男の独白』 (産経新聞出版)
・石川禎浩氏『赤い星は如何にして昇ったか 知られざる毛沢東の初期イメージ』 (臨川書店)
・福冨健一氏『共産主義の誤謬 保守政党人からの警鐘』 (中央公論新社)
・湯浅博氏『全体主義と闘った男河合栄治郎』 (産経新聞出版)
・宮田智之氏『アメリカ政治とシンクタンク 政治運動としての政策研究機関』 (東京大学出版会)……

「みすず」に出てくる人の中には、こういう本は「良書」ではないと考える狭量な人も若干はいることだろう。中には、これらの中には「歴史修正主義者」の本があるということで糾弾するかも?

それにつけても「みすず書房」ならぬ「三笠書房」「二見書房」の裏版「読書アンケート」となるとこんな本が…。5冊じゃおさまらない?

・鏡龍樹氏『雪国の未亡人女教師 乱れる、溺れる、堕ちる』 (フランス書院文庫)。
・草凪優氏『未亡人は、雪の夜に』 (双葉文庫)など「実作」は別にして、性・実践記・評論書となるとこんな感じか。

・熊田陽子氏『性風俗世界を生きる「おんなのこ」のエスノグラフィ SM・関係性・「自己」がつむぐもの』 (明石書店)
・高木瑞穂氏『売春島 「最期の桃源郷」渡鹿野島ルポ』 (彩図社)
・中村淳彦氏『AV女優消滅 セックス労働から逃げ出す女たち』 (幻冬舎新書)
・伴田良輔氏編『ダッチワイフ sex doll シリーズ紙礫11』 (皓星社 )
・酒井あゆみ氏『セックスで生きていく女たち 』 (三交社)
・森魚名氏『偽装恋愛 ある痴人の告白』 (彩流社)
・松木たかし氏『風俗の虫 捜査官が覗いた日本の風俗70年』 (幻冬舎ルネッサンス)
・田中雅一氏編『侵犯する身体 フェティシズム研究3』 (京都大学学術出版会)
・ワコール編『ブラパン 100 聞きたくても聞けない、下着のホンネ』 (ビー・エヌ・エヌ新社)
・黒沢哲哉氏『全国版 あの日のエロ本自販機探訪記』 (双葉社)
・木下直之氏『せいきの大問題 新股間若衆』 (新潮社)
・山本雄二氏『ブルマーの謎 女子の身体と戦後日本』 (青弓社)
・中山美里氏『高齢者風俗嬢 女はいくつまで性を売れるのか』 (洋泉社・新書)
・坂爪真吾氏 『セックスと超高齢社会 「老後の性」と向き合う』 (NHK出版新書)
・ゲイ・タリーズ『覗くモーテル観察日誌』 (文藝春秋)
・二階堂卓也氏『洋ピン映画史 過剰なる「欲望」のむきだし』 (彩流社)
・池田俊秀氏『エロ本水滸伝 極私的エロメディア懐古録 巨乳とは思い出ならずや』 (人間社)……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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「巨乳」「巨根」「巨人」「巨泉」…知性あふれる人がファンになるならどれを選ぶべきか?  「アンチ巨人」「アンチ巨泉」はあっても「アンチ巨根」「アンチ巨乳」はいない? ともあれ、「おっぱいの歴史」は人類の歴史なり!『オッパイ入門』から『オッパイ乳悶』『おっぱいの進化史』、そして『巨乳の誕生』へ
(2018・2・14)




東海林さだお氏の『オッパイ入門』 (文藝春秋)を読んだ。
いつもの軽妙なエッセイ集。

タイトルになっている「オッパイ入門」は巻頭論文ならぬ巻頭エッセイ。

東海林さんは、その「オッパイ」に関して哲学的考察をくわえる。まず、オッパイといえば「揉みしだく」という言葉がよく出てくる。「しだく」とは? 漢字は?  「しだく」だけでなく「揺らす」ことも?
いつものようにそうした東海林流哲学的考察が鋭い。ほかにもオッパイに関しては「(乳首を)くわえる」「なめる」とかいろいろとあるだろう?

「巨乳」であれ、なんであれ、喫茶店は「禁煙席」よりも「禁谷(席)」を設けるべきとの提言も素晴らしい? 鋭い考察だ。凡人には浮かばない発想というしかない。

そのほか、早稲田露文科時代の左翼全盛の状況への回顧やら…。それにしても、この本のタイトルは、『オッパイ入門』ではなく『オッパイ乳悶』とすべきではなかったかと…。

引き続き、浦島匡氏案と並木美砂子氏&福田健二氏の『おっぱいの進化史』 (技術評論社)を読んだ。

これはマジメ(ジキル)本。哺乳類におけるおっぱいの進化について、学者先生がいろいろと論じた本。まぁ、まじめに考える必要はあろうが…。

この前「AI喫茶」みたいな紹介をテレビでやっていた。新聞記事にもなっていた。コーヒーを注文すると、「ロボットアーム」が給仕するというもの。見た目は自動車工場の組立アームみたいでまったく美的ではない。せめて、ダッチワイフ、いや人工ドールのような人間(美女)がいて、そのロボットのアームが伸びたり縮んだりならまだしも…。
また、ミルクはその美人ロボットのオッパイから「プシュ…」と出すとか…。2018年なんだから、それぐらいの見てくれで、そういう細かい作業をするロボットを開発しないと、単なる「無人」化程度のAIでは、もはや時代遅れではないか。こんな「ろくろ首」みたいな自動給茶機なんて…。アホくさ。誰が行くか?

「ノーパン喫茶」にはあいにく行ったことがないが、美人巨乳ロボットのノーパン喫茶などができれば、それはそれでちょっと面白いものがあるかも?
これだって、そんな風になれば、立派な「オッパイの進化史」のヒトコマとして、先の本に取り上げられることもあるのではないか?

一方、積んどくしているのが、ロミの『乳房の神話学』 (角川ソフィア文庫)。こちらは、「ソフィア文庫」ということで一応ジキル系文庫の一冊ではあるが、先の専門書(?)よりも、もう少し砕けた感じ。そこそこのオッパイ写真もあるから?

そして真打ち登場なのが(?)、安田理央氏の『巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか』 (太田出版)だ。

前著『痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか』 (太田出版)もなかなか面白かったが、今回の本もまずまず。

「巨乳」といえば、昔は「グラマー」「デカパイ」「ボイン」と言われていた。D、 E、 F、 Gカップとも…。

80年代半ばあたりから「巨乳」という言葉が出始めたとのこと。アダルトビデオのタイトルにも「巨乳」という言葉が出てくる。しかし、日本では春画ではあまり乳房は描かれることがなく、貧乳が美人の条件だったような時代もあったそうな。乳房軽視というか、乳房蔑視というのが江戸時代? やはり遅れていた?

戦後、トランジスタ・グラマーなる言葉が出てくる。小型ラジオだけど高性能なトランジスタ・ラジオにあやかって、小柄な体格だが、胸は大きいというニュアンス。本書では、三島由紀夫が結婚したての妻のことを「うちのはトランジスターグラマーだ」と自慢したとのこと。ふうむ?

本書では指摘していないが、最近の例だと、高井桃さんなんかが「トランジスタ(ー)グラマー」になるだろう。彼女の乳房を「揉みしだく」ことのできたアダルト男優は幸せ者だ?

「ボイン」という言葉も、大橋巨泉の「11PM」で、朝丘雪路に対して使ったのが始まりだとのこと。番組開始は1965年、その発言は1967年にあったという。

そのほか、1989年度の「オレンジ通信」でアイドル(巨乳)女優一位の樹まり子さんの名前も出てくる。ううむ、しかし、彼女程度の顔だちやスタイルはイマイチ? より美形で、よりスリムで、しかし巨乳…というのは、その後の世代には多々出てくる。クラシックカーがそれなりの味があるとしても、やはり性能やら見てくれからすると、より最新の車に叶わないような印象があるのと同じように、巨乳アイドル(巨乳女優)も、昔といまとでは大きな格差があるのは否めないだろう。

樹まり子さんや菊池エリさんや松坂季実子さんと、宇都宮しをん(リオン)さんや高橋しょう子さんや波多野結衣さんや君島みおさんと比較すると、軍配は後者に挙げるしかないだろう。大きさだけならともかく、全体の体型のバランスやフェイスを考えると…。かつての水沢アキさんが日活のポルノ女優にでもなっていたらすごかっただろうが…。

それはさておき、巨乳モデルをよく使っていた「バチェラー」「Mr.ダンディ」「クールガイ」などの雑誌の変遷も出てくる。ううむ、時々(?)買っていたような? 「バチェラー」がまだ刊行されているとは知らなかった。それにこの雑誌、「バチュラー」とおもっていたが、正確には「バチェラー」なんだ。

巨乳、グラマーの「バスト」の値の下限は85あたりのようだとの考察もなされている。
たしかに、バスト84ぐらいの印象は「普通」。バスト85とか、バスト88となれば、一応「巨乳」「デカパイ」「ボイン」になるという。たしかにその実感はある。90を超えれば、「超巨乳」の範囲か? バストが80未満になると「貧乳」「ナイン」「微乳」…? バスト78なんてなると……。

男の腹回りも85より上だと「デブ」傾向になり、BMIがどうのこうのと言われる体型になるのでは。

知らなかったが、カップヌードルで「Dカップヌードル」なんて商品が出たことがあったという。でも、フェミニストからのクレームがあったのかどうかは不明(?)だが、すぐに「カップヌードルビッグ」に変更されたとのこと。残念?

といった風に「巨乳」に関する雑学を学べ、青春時代の思い出などが甦ってくる読み物。「巨乳年表」もついていてきめ細か。『痴女の誕生』にも「日本アダルトメディア年表」が巻末にあった。

巨乳はいいが、巨腹はいかん。「貧乳の巨腹」はますます…。

「巨乳」「巨根」「巨人」「巨泉」…知性あふれる人がファンになるならどれを選ぶべきか?  「アンチ巨人」「アンチ巨泉」はあっても「アンチ巨根」「アンチ巨乳」はいない?

蛇足だが、映像の世界では「巨乳」という言葉はよく見かけるようだが、活字の世界では、大手エロス出版社の本ではあまり見かけない。活字分野では「巨乳」より「美乳」のほうが人気のようだ。たしかに「巨乳」というと、単に大きいだけだったり、体全体が大きくて、垂れさがっていたりのイメージもある。「美巨乳」なら…?

映像では巨乳女優(君島みお氏)主演の「巨乳女教師 生徒に授業を乗っ取られて」というのがある。

(こんな内容。一部伏せ字追加)→結婚を控えた女教師・みおが生意気な生徒たちによって××レ×プ地獄!!弱みを握られ生徒の言う事に従う先生だったが、日に日に悪戯はエスカレートしていき…授業を乗っ取られ、××れ続け、ついには自宅にまで押し入れられる。婚約者の前で豊満な巨乳を揉みしだかれ、ガキどもの生×××で××!嫌がりながらも×××からは本気汁が溢れだし、何度も絶頂!順風満帆だったあの幸せな日々に戻りたい…

生徒を誘惑する女教師もいかんが、こういう暴力的なことももちろんいかん。現代教育の歪みを直視する問題作か?

活字では大手エロス系出版社(フランス書院など)では「巨乳」は(あまり)見当たらず。睦月影郎氏の『巨乳教師の淫望』 (イースト・プレス悦文庫)などがある。

(こんな内容)→小説家を目指す18歳で童貞の治郎は、憧れの教師・亜紀子との初体験を夢みて3年間悶々と過ごしていた。卒業を前に、官能作家で師匠の月影吾郎に女教師といたすための教えを乞うていたが、ある日、人妻で豊満美女の養護教諭が「お乳が張って痛い」と言うので吸引のお手伝いをすることに!?だが、治郎は吸うだけではだんだん物足りなくなってしまい…。師匠も驚く、イイコトハプニングが快感の連鎖を生む!?豊艶女性から処女同級生まで、次々に桃色体験をしながらエロ知識を詰め込み、書き綴る治郎は、ついに本命の女教師との蜜愛のときを迎えるのだが―!?

「美乳」だと、櫻木充氏の『美乳伯母』 (フランス書院文庫)。

(こんな内容)→「本当に伯母さんとでいいの? ×××して、みる?」
Fカップの美乳を背中に押しつけ、躊躇いがちに囁く。
年上女子高生の過激フェラも、甘酸っぱい美少女クンニも
伯母さんの蕩けるように柔らかい女体にはかなわない!
揉むほどにフェロモン溢れる豊乳が、38歳の熟れた秘唇が、
少年を性の虜にしてしまう―最高の週末は始まったばかり。


ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!


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上野千鶴子先生に泣きついた中学三年生(男子)の悩みを解決してくれるのは「夜回り先生」でも「ヤンキー先生」でもなくて、「したがり先生」「抱きしめて先生」だった? でも、共産主義者と女教師のサラミ戦術には要注意? そして読むなら『君たちはどうやるか』ではなく『君たちはどう生きるか』か?
(2018・2・13)





たびたび引用しているが、上野千鶴子さんの例外的な(?)名著、 『身の下相談にお答えします』 (朝日新聞出版)には、こんな切実な悩みを訴える15歳の中学生がいた。

彼が「毎日、自分で処理はしているのですが、どうしても本物の女の子の体に触れてみたくてたまりません」「ぼくの悩みは性欲が強すぎて、今年受験だというのに、エッチなことばかり考えて勉強が手に付かないことです」と訴えた。

すると、上野先生は医者ではないけれども、やはり大学教授ということもあってか「知らないことは知っているひとに教えてもらうに限ります。経験豊富な熟女に、土下座してでもよいから、やらせてください、とお願いしてみてください」「(熟女の)ご指導に従って十分な経験を積んだら、ほんとうに好きな女の子に、お願いしましょうね。コンドームの準備は忘れずに」という名回答(?)があったかと。

それを実践した中学三年生がいた(といっても小説の世界)。

なぎさ薫氏の『したがり先生 人妻家庭教師と女教師ママ』 (フランス書院文庫)がそういう内容なのだ。

「今日は先生、雄太くんのために何も穿いてないの……」
捲ったスカートからのぞく白い太もも、豊かな尻……
勉強に身が入らない息子のため、親が雇った家庭教師。
やって来たのは、見目麗しくセクシーな32歳の人妻。
フェラ、手コキ、クンニ……与えられる成績アップのご褒美。
エッチな妄想が次々に叶ってゆく二人だけの密室授業!


上野氏の本に出てくるのと同じ、高校受験を目前にした中学三年生の少年が主人公。母親が謎の失踪? 父子家庭になり、消えた母親像を人妻家庭教師に求める…といった、いかにもよくある展開。

「第18回フランス書院文庫官能大賞特別賞受賞作」とのことで、期待して読んだのだが……。ううむ…。

人妻家庭教師は32歳。処女で結婚して…。子供はいない。夫との間にすきま風…。それもあって…。急な雨でびしょ濡れになって少年宅に着いた人妻。少年の服を借りてシャワーを浴びるのだがー…。なるように…。

そして、成績アップのたびに、少しずつエスカレートしていく人妻家庭教師(女教師)の性技の数々…。フフフ? 共産主義者のサラミ戦術も真っ青になるような(?)巧みなサラミ戦術に翻弄される中学三年生。歳の差は「逆転」しているけど、まるで、金与正と文在寅みたい?
二人の間にこんな会話があったかもよ?

「兄と逢いたいの?」
「えぇ、是非とも!」
「そんなにしたいの…兄嫁と…、いや兄と…首脳会談を?」
「もちろん!」
「だったら…ウフフ、制裁解除してチョンマゲ…ね」----
と。

でも、その人妻家庭教師が、突然なんと……となって一端はジエンドに?
今度はかつての小学校の女教師(36歳)が父の再婚相手になって突然やってきて…そして、フフフ…と。
ううむ、そういう展開にはちょっと無理が…。息子もいい加減なら父親もいい加減すぎる? それに、もう少し、二人の女教師にも「葛藤」があってしかるべき……。

上野先生も「経験豊富な熟女に、土下座してでもよいから、やらせてください、とお願いしてみてください」というのに、ちょっと棚からぼた餅すぎる。300円の宝くじを10枚、それぞれ二回買ったら、二回とも一億円が当たった…といったようなお話だから…。

もう少しリアリティというか、葛藤というか、スリルがないとなぁ…。「したがり」にもホドがある。なんだかんだといっても、「したがり」なのは中学生のほうに決まっているんだから?

最近のフランス書院文庫、「先生」と書名がつく誘惑系ソフト本には、ほかに『お泊まり先生 女教師、そして隣人姉妹も』とか『混浴先生 塾講師と女教師と家庭教師』があるようだが…。果たして年上の女の側の葛藤がちゃんと描かれているのやら?

それにしても生徒の悩みに誠実に向かい合い、その根源を解消することに真摯に立ち向かうのは性職、いや聖職者たる教師の本命。
過去にもノンフィクションとして「夜回り先生」や「ヤンキー先生」がいたかと? →参照文献・ 水谷修氏『夜回り先生』 (小学館文庫)、義家弘介氏の『ヤンキー母校に生きる』 (文藝春秋)など…。だが、「したがり先生」はちょっと問題かな?

この前も紹介したように、生徒に「抱きしめて」とLINEでメッセージを送った女性教諭が懲戒免職になったりもしたことが実話としてあった(産経・2018・1・31)。
 --東京都教育委員会は30日、勤務先の公立中学校の男子生徒に無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「抱きしめて」とメッセージを送り、キスをした女性教諭(43)がいたというから--。

男子中学生が年上の女教師に「抱きしめて」というならまだしも(?)、女教師が息子ぐらいの年齢の中学生に「抱きしめて」というようでは? 「抱きしめて」先生も困ったもの? でも、中学生から高校生ならば、美人女教師が相手なら困らない?

いま吉野源三郎氏の『君たちはどう生きるか』 (岩波文庫)を読んでいる。

こちらも中学生が主人公。ところどころ「男らしく」という言葉が出てくる…。女性は、友人の姉が出てくる程度。
活字が小さくて読むのに四苦八苦。先日も車中で読みすすめつつ、東京メトロの水天宮駅の待ち椅子でも読んでいたら、真上の蛍光灯が省かれている。暗くて閉口。メトロは、車内音楽などを流す実験をやっているようだが、無駄な電力を浪費し、肝心な電力はカット。やることなすこと横着企業というしかない。
それにつけても、戦前の中学生は「性欲」では悩まず「友情」で悩んでいた? でも、中学生の時は、こういう本や武者小路実篤さんの『友情』 (角川文庫ほか)などを読むほうがいいのかも。 『したがり先生 人妻家庭教師と女教師ママ』 を読んでいては……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

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