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古本虫がさまよう

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2019年10月08日(火) 記事No.4021
『グレタ たったひとりのストライキ』を読みながら、なぜか三島由紀夫やノストラダムスを思い出した? 「絶対正義」を振りかざす人の「予言者」的警告には要注意?
(2019・10・8・火曜日)




『グレタ たったひとりのストライキ』 (海と月社)を読みすすめた。

(帯)には、16歳アスペルガー。世界を動かす気候活動家。母だから書けた「気候のための学校ストライキ」を始めるまでのグレタと家族のこと---とある。

 要は、あの国連で「温暖化危険論」を吠えた少女の両親と妹の4人の共著といった感じの本。子供の病気の話や環境に関心をもつにいたった経緯などが綴られている。

親の立場から、「しかけ屋」が我々の背後にあるとみなすことへの反論も書いている。

「グレタは、怪しげな広告代理店の分厚いカーテンの陰で秘密の会合を重ねたりしていない。自分のバックグラウンドや価値観や意見をでっちあげる訓練を受けたわけでもない。グローバリストやずる賢い左翼エコノミストやジョージ・ソロスの影響を受けて……そんなわけがない」

単なるバカでもないでしょうが?

人為的理由だけで温暖化が進展しているのか、温暖化は人類世界にとってマイナスしかもたらさないのかといった科学的思考を欠いて、「特定科学者」のノストラダムス的予言を真に受けて、自分は正しい主張を展開していると信じきって生きていくほど単細胞的な生き方をしたくはないと中高時代から思っていたものだ。

中学生のころだったか、五島勉さんの『ノストラダムスの大予言』 (ノンブック)がはやっていたよね。ゲーテが『ファウスト』で、彼に言及しているというので、本当かなと思って買って読んだものだ(読んだというより、該当箇所をチェックした程度)。

このころ、地球寒冷化危険論の本もたくさん出ていたようで……。これはそのあと、どうなったんだっけ?
五島勉氏&西丸震哉氏の『実説 大予言 地球は冷え、乾き、人々の飢えは近い』 (ノンブック) という本は、昭和49(1974年)年7月初版発行。僕のもっているのは昭和56年(1981年)5月発行の29刷り。カバー裏には根本順吉氏の推薦文が大きく出ている。
若い人は知らないだろうが、このころ、地球は寒冷化しているとの本が多々出ていたものだ。
小松左京氏も、1974年に、編著として『異常気象 地球が冷える』 (旭屋出版)という本を刊行している。

ともあれ、そのころの僕は、文革による狂気の世界を実行していた中共との国交回復にも反対したし、ソルジェニーツィンを追放したソビエトを憎んだ。ちょうど、グレタさんと同じころの歳だったかな?

別に民青が多数いた中学校・高校で、そんな反共デモをしたりストライキをしたこともなかった。当時の僕にできるのは、自分のそうした感性に合った本や雑誌などを手にして読んだりする程度だった。10代の世代の中で、そういう考えを持つ者は少数派だっただろうが、サイレントマジョリティは自分たちにあるだろうとは思っていた。

グレタさんは、
「私のような自閉症スペクトラムに属する者にとって、ほとんどすべてのことは白か黒かです」「私は多くの点で、私たち自閉症児のほうがノーマルで、その他の人たちのほうがかなり変だと思っています」「私には理解できません。ガス排出を止めなくてはならないのなら、そうしなくてはなりません。私にとって、これは白か黒かです。生き残るためにはグレーゾーンはありません。文明生活をするのかしないのかもそうです。私たちは変わらなければなりません」と主張している。

こういう発想は一歩道を誤ると左右の全体主義思考につながるのではないか。

「飛行機は気候に多大な影響を与えるので、私は利用しません」とのこと。だから、豪華かどうか知らないが、ヨットか何かでアメリカまできたんだっけ? 僕も飛行機はあまり好きではないけど、「利用しません」とは断言しないだろう。
人の意思の力で簡単にできる「受動喫煙ゼロ」「間接喫煙ゼロ」も実現するのは容易ではない。その実現のために、マナーの向上やら罰金制度やらいろいろとやる手はあるだろうが、タバコそのものの製造を止めろと主張する勢力があったとしても、それは国際世論の多数にはなかなかなれないだろう。

同じような理由で、グレタさんのような主張が国際世論の中で、絶対的多数を占めることはないと思う。占めそうになったら抵抗すべきだろうと思う。

グレタさんのこの本を読んだあとで、マーク・モラノの『「地球温暖化」の不都合な真実』 (日本評論社)などをひもとくのもいいだろう。この本の訳者の渡辺正氏は、一貫して温暖化危険論に懐疑的な立場の人。化学が専攻。ご自身も、 『「地球温暖化」狂騒曲-社会を壊す空騒ぎ』 『「地球温暖化」神話 終わりの始まり』 (丸善出版)を出している。

そのほか、深井有氏の『地球はもう温暖化していない 科学と政治の大転換へ』 (平凡社新書)、 『気候変動とエネルギー問題 CO2温暖化論争を超えて』 (中公新書)。
ビョルン・ロンボルグの『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』 (文藝春秋)、 『地球と一緒に頭も冷やせ! 』 (SBクリエイティブ)。
金子勇氏の『環境問題の知識社会学 歪められた「常識」の克服』 (ミネルヴァ書房)、薬師院仁志氏の『地球温暖化論への挑戦』  (八千代出版)などがある。
あと、小説だが、マイケル・クライトンの『恐怖の存在 上下』 (早川書房)は、温暖化危険論的環境テロリストを扱った佳作。

飛行機が嫌いな人が、やがて「紙の本」の制作は二酸化炭素を浪費するから、電子本のみ認めるようにしようかなんて言い出すのではないか? 「電気代」とか考えると、紙本と電子本とどっちが「エコ」か……。考え出したらキリがない。ノストラダムスの大予言ならぬ、グレタの予言、モラノの大予言…。どっちが正しかったか、十年後に分かるかな?
まぁ、あまり、自分は正義、正しいことを主張している、それに反対するのは悪魔、大企業側とか決めつけるような人格は持たないようにはしたいものだ。

僕はタバコは嫌いだが、嫌いなのは「マナーの悪いタバコのみ」。受動喫煙を強要する手合いは消えてほしい(?)とは思うけど、タバコの栽培や販売や「マナーのいい喫煙者」を「ゼロ」にせよとは思ったことはない。

グレタさんは最後にこう言う。

「私たち全員が不可能なことをしなければならないのです。学校ストライキは来年も、その次の年も続きます。世界中がパリ協定を遵守するまで、私たちは毎週金曜日に抗議をして、自分たちの意志を主張しつづけます。そして大人たちにも参加するよう呼びかけます。私たちには、全員の力が必要なのです。みなさんも私たちとともに行動していただけますか? 一緒にやりつづけましょう」

いいえ、あなたと共に行動しません。一緒にやりません。でも、あなたがそんなストをする権利は保障されることをお祈りします。自由なデモも参政権も行使できない不自由なところに住む民のほうに同情しつつ。さようなら! お元気で!

ところで、たまたま、この原稿を書きながらテレビを見ていたら、NHKBSで夜9時から「アナザーストーリー」というのをやっていて、三島由紀夫特集をしていた。

途中からチラリと眺めた。

『五衰の人 三島由紀夫私記』 (文藝春秋)を出している徳岡孝夫さんが後半、長めにインタビューに出ていた。89歳とのこと。目が少し不自由になっていると聞いたが、言語明晰で何より。
徳岡さん以外にも、いろんな人(楯の会元メンバーなど)が三島について語っていたけど、まぁ、三島さんとグレタさんとを比較するわけではないが、「絶対正義」なるものに取りつかれると、いささか変わった行動に人はでるのかな。

風呂から出てきた古女房がこの番組をチラリと見ていたけど、芥川賞作家が、いろいろと三島を論じるのを聞いて、「まぁ、サバイバーズ・ギルドとかヨコモジ使う前に、要はオカ×が問題よね」と喝破。

NHKが徳岡さんのロングインタビューをかなり駆使して、この番組を構成し、最後のシーンにも「静かに老いていくことを三島さんは知らなかった」という彼の言葉をフィナーレに使っていたのは、なかなかのセンスだったと思う。

前半は見てなかったけど、福島次郎氏の『三島由紀夫 剣と寒紅』 (文藝春秋)をちゃんと取り上げていただろうか。この本も「回収前」に読んだけど、ヤレヤレ本でしたね。こういうテーマにも触れていたら立派だが。

女房はまだ三島作品はたくさん読んでいたみたいだけど、僕は、小説は『夏子の冒険』 (角川文庫)と『永すぎた春』 (新潮文庫)を読んだぐらいかな? 『午後の曳航』 (新潮文庫)は映画も見たかな。

僕がもう少し年上で、多感な青春時期にあったとしても、三島には影響を受けなかったと思う。もちろん、楯の会にも入らなかっただろう。そんなのは民青に入るようなものだから? いやいや、ネバーセイネバーかな?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

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