古本虫がさまよう 「個人情報」満載の他人の日記を秘かに盗み読みするのは楽しい、面白い、怖い…。日記(文学)といえば、ゴンゴール、石川啄木、宇能鴻一郎、江國滋、風見章、古川ロッパ、オーウェル、山田風太郎、ポール・ボネ……
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「個人情報」満載の他人の日記を秘かに盗み読みするのは楽しい、面白い、怖い…。日記(文学)といえば、ゴンゴール、石川啄木、宇能鴻一郎、江國滋、風見章、古川ロッパ、オーウェル、山田風太郎、ポール・ボネ……
(2017・7・20・木曜日)





古本市に行くと、時々、「生(の)日記」が売られていることがある。
蔵書処分の時、誤って(?)古本屋に流れたのだろう。といっても、無名の一私人のものが多く、お正月から数日ぐらいは書かれているものの、あとは真っ白ということがほとんど。300円~500円程度で売られている。それにしても、日記など、「個人情報」の最たるものだろうが…。戦前の日記なんか稀にもある。この前も、 「皇紀〇〇〇〇年」との表記のある日記などが売り場にあった。パラパラとめくったが、やはり白紙頁が圧倒的…。字も読みにくい。戦前の日記とはいえ、さほどの「史料的」価値はないと判断して購入せず。
以前、ちょっとした有名人(?)の日記を購入した記憶はあるが……。我が日記は「白紙」が少なく、いろいろとごちゃごちゃと書いてあるから、死後流出に関しては要注意? ただ、字は読みにくい?まぁ、これも「読書日記」のようなものだが…。

ともあれ、積んどくしているというか拾い読みしかしていないのだが、黒沢文貴氏&季武嘉也氏編の『日記で読む近現代日本政治史』 ( ミネルヴァ書房)は面白そうな本だ。

内容紹介→ 近現代の政治家たちは何を記録したのか。木戸孝允、原敬、牧野伸顕、重光葵、東久邇宮、佐藤榮作…明治・大正・昭和の政治家たちをより深く知るための道案内。
近現代の日本人はいかなる日記を残してきたのか。とりわけ政治の舞台で活躍した政治家、官僚、軍人、 知識人たちは、どのような思いで日々の出来事を記録し続けてきたのか。本書では、明治・大正・昭和の百年間における主要な日記を取り上げ、その面白さと特徴を分かりやすく紹介する。また同時代の日記に ついての資料を巻末に盛り込む。日本政治史をより深く知ろうとする人には必携の一冊である。


日記本を買ったり読むのは、好きなほうだ。この本の中で言及されている「日記」も何人かのものを読んだり積んどくしている。佐藤栄作、芦田均、矢部貞治、鳩山一郎……。ただ、『日記で読む近現代日本政治史』という本なのに、なぜか(?)近衛内閣のキーマン(内閣書記官長)であった風見章の日記(『風見章日記・関係資料--1936-1947』みすず書房)は、巻末の「近現代日本政治史の主要日記」のリストには出てくるが、本書では言及されていない。 『近衛日記』には言及されているが…。タブーなのか? 怪しい?


土田宏成氏の『日記に読む近代日本4 昭和前期』 (吉川弘文館)は、以前本欄で紹介ずみだが、浜口雄幸、木戸幸一、宇垣一成、矢部貞治、古川ロッパ、山田風太郎など著名人や庶民の日記などが紹介されていた。

本欄でもこんな日記本に言及してきたかと。以下の本は、フィクションもある。積んどくしているものもある。

『古川ロッパの昭和日記 戦前篇・戦中篇・戦後篇・晩年篇』 (晶文社)、ゲイ・タリーズの『覗くモーテル観察日記』 (文藝春秋)、アリックス・デュニヤンヴィルの『スチュワーデスの日記 機上にて』(法政大学出版局)、『スティーヴン・スペンダー日記 1939~1983』 (彩流社)、 『ジョージ・オーウェル日記』 (白水社)、壇蜜さんの『壇蜜日記』 (文春文庫)、芳川葵氏の『交換日記[女教師と僕]』 (フランス書院文庫)、つげ義春氏の『つげ義春日記』 (講談社)…。

宇能鴻一郎氏には「日記告白本」が多い。

例えば→『濡れて飛ぶ スチュワーデス日記』 (講談社ロマンブックス)、『女教師淫行日記』 (ケイブンシャ文庫)、『OL日記』 (講談社)、『メイド日記』 (徳間書店)、『ソープランドボーイ日記』 (ケイブンシャ文庫)、 『妻の日記』 (双葉社)、『夫婦交換日記』 (勁文社)、『女子高生秘密日記』 (勁文社)、『浮気日記』(勁文社)、『トルコ日記』 (講談社)、『社内妻日記』 (徳間書店)、『脱いで試してデパート店員日記』 (講談社)、『社長夫人日記』(勁文社)、『美人社長(秘)日記』 (双葉社)、『人妻下宿日記』 (ケイブンシャ文庫)‥‥。いずれも名作ばかり?

政治家や学者、作家関係だと、芹沢光治良氏の『芹沢光治良戦中戦後日記』  (勉誠出版)、『木佐木日記』 (中央公論新社)、『佐藤栄作日記』 (朝日新聞社)、『大木日記』 (朝日新聞社 )、細川護煕氏の『内訟録 細川護熙総理大臣日記』 (日本経済新聞出版社・伊集院敦氏構成)、『河上丈太郎日記 一九四九-一九六五年』 (関西学院大学出版会)、 『矢部貞治日記(4冊)』 (読売新聞社)。 『徳富蘇峰 終戦後日記Ⅰ~Ⅳ』 (講談社)、高見順氏の『敗戦日記』 (中公文庫ほか)、青木新門氏の『それからの納棺夫日記』 (法蔵館)、『納棺夫日記 増補改訂版』(文春文庫)、楠木建氏の『戦略読書日記 本質を抉りだす思考のセンス』  (プレジデント社)、ストロングの『チベット日記』、佐野洋氏の『推理日記final』 (講談社)、山本周五郎氏の『戦中日記』 (角川春樹事務所)、『福永武彦戦後日記』 (新潮社)、武田百合子氏の『富士日記』 (中公文庫)、山田風太郎氏の『戦中派不戦日記』 (講談社文庫)、山田風太郎氏の『戦中派不戦日記』 (講談社文庫・角川文庫など)、 『戦中派虫けら日記』 (ちくま文庫)や『戦中派焼け跡日記』『戦中派闇市日記』『戦中派動乱日記』『戦中派復興日記』 (小学館)
などがある。

そうした日記本の中でも、圧巻は、ゴングール兄弟の『ゴングール日記』 (岩波文庫上下)。フランスの作家ゴングール兄弟による同時代(19世紀)を綴った日記だったが、宇能鴻一郎さんもびっくりするほどのエロス日記だったなぁ。

最近、岩波文庫が何十周年とかで、岩波文化にあこがれを抱いていた人や新聞記者たちが、いろいろと紙面で取り上げていたかと。また、「図書」だったか、何かで、いつものように私の選ぶ三冊の岩波文庫などといった特集号があったかのように記憶している。

僕が、岩波文庫の中から選ぶとすれば、日記文学だと、やはり『ゴングール日記』や、ギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』 (これも日記文学の一種?)や『啄木・ローマ字日記』となろうか。石川啄木のローマ字日記も、ゴングールの日記に似たところがあったかと? 『ベルツの日記』もよかった…。

とここまで書いていて、いま、ふと江國滋さんのことを思い出した。江國さんの『読書日記』『続読書日記』 (朝日新聞社)、 『スペイン絵日記』『おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒 江國滋闘病日記』『英国こんなとき旅日記』 (新潮社)、 『トラキチ男泣き日記』 (文藝春秋)なども懐かしい。
江國さんといえば週刊新潮、週刊新潮といえば「ニセ外人特派員」ことヤン・デンマン?  「彼」の『見えない国ニッポン―ヤン・デンマンの東京情報』 (評伝社)なども、一種の日記というか日誌風レポートといえようか? 「東京情報」って、いまも週刊新潮に復活連載されている? あまり読まなくなったが、学生時代は、数少ない「正論」コーナーだった。「ニセ外人」といえば、 『ムッシュ・ボネのニッポン日記』 (ダイヤモンド社)など、「在日フランス人」を自称したポール・ボネと並んで…。 

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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