古本虫がさまよう ジキルとハイドの読書----夏の早朝に竹山道雄の炯眼に触れるとは、これは快楽なり! そのあと、『快楽のグルメ』を読むのも亦楽しからずや? だが、睦月影郎さんの「反社会的記述」には若干異議あり?
2017 09 / 08 last month≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫10 next month






ジキルとハイドの読書----夏の早朝に竹山道雄の炯眼に触れるとは、これは快楽なり! そのあと、『快楽のグルメ』を読むのも亦楽しからずや? だが、睦月影郎さんの「反社会的記述」には若干異議あり?
(2017・6・22・木曜日)




夏の季節は、日頃の早起きがさらに早くなる。冬だと、だいたい午前5時前後には起床。それから一時間ほど経過した朝の六時でも外はまっくら。また寒い。

しかし、いまだと午前4時すぎにはうっすらと明るくなる。寒くもない。幸いなことに、今年はいまのところ熱帯夜はまだ東京周辺ではない。扇風機すらつけずに、窓を開けることなく安眠できる。だから快眠? 午後10時ごろ就寝して、そこそこ眠ったなぁと眼が覚め、枕元のソニーの小型ラジオ(時計付き)をポンと叩くと、まだ午前12時半ごろ。いくらなんでもこれでは早起きすぎる。幸いなことにまたウトウトと。

その次に目覚めて、またラジオをポンと叩くと、今度は午前3時すぎ。NHKの深夜便が流れてくる。この時間帯、懐かしのメロディが流れることが多いが、演歌だったりすると最悪。そこそこの歌謡曲ならまだいいが(本日はフォーク。寝ぼけ眼というか「寝ぼけ耳」だったが、はしだのりひこなんかだったか?)。ジャズが流れることもある? ともあれ、午前4時前後に起床し、モーニングコーヒーを一杯。仏壇にも。それからブログの更新をすぐさま終えて、さてと仕事の書類を読破したりするのが最近の朝のルーティンワークである。

仕事の書類があっても、時々、本を手にすることもある。

昨日も平川祐弘氏の『竹山道雄セレクションⅣ 主役としての近代』 (藤原書店)をパラパラとめくったり。

一週間前の6・15(昭和59年)が命日だった竹山さんだが、 『主役としての近代』は、講談社学術文庫にあって、かつて一読した覚えがあるが、藤原書店版には、なんと「単行本未収録コラム集」が収録されているではないか。ざっと、160頁分。サンケイ新聞や朝日新聞や読売新聞などに書かれたエッセイ、コラムが収録されている。それを読み出すと大変面白い。昨今の日本の政治状況などを論じたと思っても間違いがないような的確なものが多い。以下、彼の炯眼の数々を。

1955年にパキスタンに出かけた際、太平洋戦争(大東亜戦争)での日本の敗北は「我々にとって大きな失望だった」と声をかけられたという。プリンス・オブ・ウェールズの話がよく出たとのこと。あれを日本が撃沈したことは、アジアの植民地下の国々の人にとって大きな希望であったのだろう。

「世論は尊重されなくてはならないが、それはルールにしたがって表現されるべく、世論の方でも筋のとおらない感情論はやめなくてはなるまい」

(西独に逃げてくる東独の人々が多いことを指摘しつつ)「どういうわけか、日本ではこれがほとんど報道されない。理論家たちは都合のわるい事実は意識から排除して考えず、その意味を卑小化し、あるいはドイツと日本とはちがうから----というふうに回避する」

「中共では千五百万人が殺されたと算定されています。西独社会党の綱領には書いてあります。『共産主義は、人間の権利と、個人ならびに国民の自治権を弾圧する。……支配者は国民の背中の上に経済的・軍事的力をきずきあげ、これがますます自由をおびやかしている』」

「戦後ずっとそうだった。さまざまの演出が行われた。警職法のときには、この法案が通れば『夜中に目をさますとあなたの枕元に警官が立っている』、また『安保条約が改正されればそれは戦争につながる』とて大騒動になったが、それもシャボン玉のように消えてしまった」

「私には戦後の進歩主義がほんものの平和と民主主義であるとは思われない。それはむしろ、人々の平和と民主主義をねがう気持ちにつけこんで、別なものが進歩主義者を利用して浸透する手段としたのだった。そしてこの別ものは、今までのわれわれの常識にはなかった形で、戦争もするし専制も行なう。そういう浸透の象徴的な例があった。ソ連は多数の捕虜を抑留して、思想教育をした。数年たってその人々は、赤旗をふり赤歌をうたって、天皇島に敵前上陸をした。これはあきらかに日本を内から崩すためだった。平和攻勢とは実に悪魔的なものである。ヨーロッパ人は対外的に苛烈でスレッカラシだが、日本人にはまだそういうものへの免疫性がない」

「絶対悪だったはずの原爆への反対運動も、『いずれの国たるとを問う』か否かで分裂した」


「議会では審議をつくした上で多数決に従うべく、従ったとて少数党の恥ではない。少数党が自分の主張をとおすためには手段をえらばず、審議を妨げて時間を空費させるのでは、議会は少数党の裁可がなくては運営ができないことになる。国民は何のために選挙をしたかわからない。戦術的動機や牛歩やすわりこみで時間をつぶすのでは、合法的かもしれないが、それは多数党の単独裁決を理由づける。もっと討議を主にして、どちらの側の党員でも理のある方に賛成するということにはならないものだろうか」


「日本では政治がおくれている。その一例に、少数党が討議を延引するためには手段をえらばないから、多数党が強行裁決をする。これでは、討議をつくした上で多数決にするという、議会政治のルールはなりたたない」

「『中共が核武装をするのは、アメリカから脅威されているからやむをえない』という弁護があるが、それならばその中共の脅威に対して、日本が核武装するのもやむをえない時がくるだろう。中共がアジアで、フランスがヨーロッパで、自分だけが支配的地位にいるべきだという根拠はない」

そのほか高見順が、日本と中国が地続きだったら、「無数の日本人がぞくぞくと中共に逃げこむだろう」と述べたこともあったそうな。「これに対して私はいうすべを知らなかった」と唖然としたそうな。

オランダで向こうのインテリと話をした際、日本人は侵略思想がある、朝鮮を奪った、自分は朝鮮人から深刻な対日恨みをきいたことがあるというので、「日本は朝鮮を三十六年間支配したがオランダはインドネシアを三百五十年領有したではないか」と反問すると、「いや、われわれはインドネシアを開発し、鉄道をしき、学校をつくり病院をたてた。文明をひろめた」と反駁したとのこと。

竹山道雄さんの謦咳には一度だけ接したことがある。それだけに、遺著の数々を読む際にも、感銘が深くなる。

引き続き、睦月影郎氏の『快楽のグルメ』 (講談社文庫)を読んだ。

「私と経験してみる?」40歳を目前にした平凡なサラリーマン勇司のモテ期は美人上司の冴子からの誘惑で始まった。入社直前の処女学生・早希から発する甘い匂いをラブホテルで堪能し、職場の後輩だった若妻・萌恵の欲望にも応じる。女子大生2人との3P、独身OLとの社内淫行も敢行、男の自信を取り戻す、書下ろし官能小説。

著者お得意のタイムスリップはなく、出世街道から落ちていた中年サラリーマンが、年上の美人上司に抜擢されて、仕事の面のみならず性的な面でも幸運を獲得していくといったサラリーマン性愛小説といったところ。家庭も破壊されることなく、妻との性運も高まっていく。いうことなしのハーピーエンド!

源氏鶏太のサラリーマン小説(良い上司、悪い上司との狭間で闘い、社内のマドンナを仕留める……)に、セックス描写を加味したといった感じ。

ただ、女性にはシャワーを浴びさせないで事に及ぶといった臭いフェチの描写にはあまり感心しないが……。自分ちのトイレの「悪臭」を思えば、いくら美女でも…。

あと、前にもあったので指摘したが、この本でも、オナニーで使用した「ティッシュもトイレに流していた」との記述がある。心ある作家なら、こういう時は、「トイレを詰まらせてはいけないので、ティッシュではなくトイレットペーパーでオナニーの後始末をして、それをそのままトイレに流している」といった記述にすべきでは? ティッシュペーパーは普通は溶けにくく、トイレに流すと詰まらせる原因になりかねない。ある意味で、「反社会的記述」?
アパートなんかだと、何軒かのトイレ排水口を詰まらせることにもなる。著者本人、担当編集者の最低限度の(?)社会的常識が問われる? それとも技術革新で、今は昔と違ってティッシュペーパーもトイレに流せる品質に改良されているのだろうか? だとしたら妄言多謝。

ちなみに、前にもあったというのは、次の本。

睦月影郎氏の『平成好色一代男 清純コンパニオンの好奇心』 (講談社文庫)。
妻とはセックスレスだけど、それ以外とはお盛んな「平成好色一代男」が主人公。会社関係や近所の奥さん相手に楽しんでいくというストーリー。別に短編小説一本付き。さほどの読後感は残らない? 葛藤がないから? 本文中、ティッシュペーパーをトイレに流すシーンがあるけど、これはいけないことでは? トイレに流すのはトイレットペーパーでないと,詰まる恐れが?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
スポンサーサイト
 | 共産主義  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/2964-5e80b7a5

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ