古本虫がさまよう 『安全保障は感情で動く』ということは、『戦争は感情で起こる』ということでもあり、従って、人間社会では、『戦争は無くならない』から『戦争にチャンスを与えよ』ということにもなるのだろうか
2017 10 / 09 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11 next month






『安全保障は感情で動く』ということは、『戦争は感情で起こる』ということでもあり、従って、人間社会では、『戦争は無くならない』から『戦争にチャンスを与えよ』ということにもなるのだろうか
(2017・5・19・金曜日)







潮匡人氏の『安全保障は感情で動く』 (文春新書)を読んだ。

内容紹介→近年、国際政治を読み解くツールとして地政学が脚光を浴びてきた。土地という、変更の効かない要素を軸にした地政学は、たしかに百年単位の国家戦略を考えるうえで、重要な視点である。
しかし、地政学だけで現実の国際政治を予測し、対応することは可能なのだろうか。
とくに戦争は、地政学的、言い換えれば客観的な要素だけで起きるのではない。
独裁国家であるなら独裁者の信念(もしくは誤信)、民主国家であるならば大衆の気分によって、戦闘の火蓋が切られることが多いのは、歴史が証明している。
朝鮮戦争では、南進してもアメリカは参戦してこないという金日成の誤信から始まった。外国の例を持ち出さなくても、大東亜戦争は、客観的には敗戦必至の戦争であったにもかかわらず、国民の強い声に押されて始められた。
よって、安全保障は客観性だけでなく、指導者や国民の感情といった主観的な要素が、もっとも大きなファクターになるのである。
北朝鮮が、国際情勢を無視してミサイル実験を繰り返すのも、金正恩の主観に分け入らなければ理解することはできない。そして、大方の予想(これも客観的予測)を裏切って当選したトランプ米大統領の主観も、今後の世界の安全保障を大きく左右する。
元自衛官にして安全保障の論客である筆者が長年温めてきた戦略論の決定版!


真面目なマトモな「高度な国防論」。一般大学から自衛隊に入った履歴もあり、国防問題の専門家であると同時に、日本人では珍しいキリスト教徒(プロテスタント)でもあり、「人間感情」に関する蘊蓄も含めて、トランプ政権以降の国際情勢を分析しており、いろいろと参考になるところが多かった。
結語に、 「原罪」という言葉も出てくるし、松原正氏の『戦争は無くならない』 (圭書房)の言葉が引用されている。松原正…かぁ。懐かしいね。この前亡くなったが。地震も戦争も無くならない…か。平和が「百年」続くということはないだろう。

憲法9条があれば平和が守られるなんてノーテンキなことを言っている人が日本では少なくない。しかし、そんな人が、北朝鮮や中国に出かけて、「あなたの国もこの条文を憲法に入れなさい」なんて進言する人はいないようだ。ルトワックの『戦争にチャンスを与えよ』 (文春新書)もこの前紹介したばかりだが…。

「いま流行りの地政学は重大なポイントを見落としている」「感情的、主観的な要因も国際政治や安全保障を動かす。現に、動かしている。”感情の罠”というリスクを忘れてはならない。いまや、世界と日本は、新しい形態のハイブリッドな第三次世界大戦に直面しているのだから」と。

ミサイル時代、かつての朝鮮戦争やベトナム戦争の時と違って、日本も戦場になる可能性は高い。原発にミサイルが一つ到達するだけでどうなるかを想像することも肝要。いろいろと考えさせられるシリアスな本であった。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
スポンサーサイト
 | 軍事  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/2925-84a4489a

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ