古本虫がさまよう 朝日(記者)ともあろうものが…ハキダメにツルは希少生物?
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朝日(記者)ともあろうものが…ハキダメにツルは希少生物?
(2017・3・8・水曜日)



昨日(2017・3・7)の朝は新聞も読まずに、いろいろと雑用を片づけてから出社。夜帰宅して産経朝刊の訃報欄をふと見たら、青山学院大学名誉教授(現代ロシア論)の木村明生さんが、3月1日に死去していたと出ていた。91歳。
産経の訃報欄は扱いが小さく、木村氏が元朝日新聞記者でモスクワ支局長だった事実には触れていなかった。3・1死去とのことだから、他紙にはもっと早く訃報欄に出ていたのかもしれない。調べてみたら、朝日新聞3月5日朝刊に出ていた。顔写真などはなしで扱いは小さい。さすがに、朝日のモスクワ支局長だった職歴は出ていた。

木村さんのソ連論の本は何冊か読んだが、記憶はあまり残ってはいない。しかし、ソ連は脅威ではないといった荒唐無稽な主張が社説をはじめとして記事中に沢山出ていた1980年前後の朝日の中で、まともなソ連論を展開していた人だったという印象は残っている。

コンスタンチン・サイミスの『ソビエト権力と腐敗 汚職社会の構図』 (PHP研究所)、ダスコ・ドーダーの『影と噂 クレムリンが震撼した日』 (ティビーエス・ブリタニカ)、ウィリアム・R.コーソン,ロバート・T.クローリーの 『フェリックスの末裔たち ソ連国家の推進力-KGB』 (朝日新聞社)、リチャード・ディーコンの 『ロシア秘密警察の歴史 イワン雷帝からゴルバチョフへ』 (心交社)などの訳書もある。

はきだめにツルといえば、失礼になるかもしれないが…。最近も、彼の『知られざる隣人たちの素顔 ユーラシア観察60年』 (防衛弘済会)を紹介したことがある。以下、まずは再録。



木村明生氏の回顧録というか評論集である『知られざる隣人たちの素顔 ユーラシア観察60年』 (防衛弘済会)を読んだ。
国際情勢に関する言及の中で、ご本人の事実上の「モスクワ追放」の舞台裏が綴られている。
1970年代前半モスクワ特派員時代だった時に発信する記事が、「朝日ともあろうものが…」というわけではないが、「反ソ」的だとして、ソ連当局の怒りを買い、朝日本社に圧力がかかったそうな(ちなみに、元朝日記者の烏賀陽弘道氏の『「朝日」ともあろうものが。』 (河出文庫) も優れた朝日回想録)。

自由世界の新聞社なら、そんな脅しに屈することなく、追放したければどうぞということになろうが、中共相手にも秋岡特派員を後生大事にと抱えたりしていたのと同様、下手に追放されると、あとの補充が大変と思ったのか、通常の社内異動のような形で処理されたとのこと。

むしろ、特派員としては「追放」は勲章になるから、そうしてほしいと木村さんは本社にかけあったそうだが、容共リベラル色の濃い当時の(いまも?)朝日はソ連とケンカせずにすませたようだ。
となると、当然、後任の特派員には「節度」を求められたことになるのではないか。

だからこそ、そのあと、朝日新聞は『ソ連は「脅威」か』 (朝日新聞社)なんて本を出す。もちろん、脅威ではないといった趣旨のものである。
さらには、下村満子氏の小学生以下の作文と評されるような『ソ連人のアメリカ観』 (朝日文庫)みたいなトンデモインタビュー記事を恥ずかしげもなく掲載連載して本にまでしてしまった。
朝日から訳出された『操られる情報』の著者・パウル・レンドヴァイが下村氏のソ連ヨイショ記事を読んで、そう語っていた→(「諸君!」1985年6月号&7月号「ソ連外交に加担した朝日新聞 下村満子記者『ソ連人の米国観』は『小学生の作文だ』」 聞き手吉成大志氏)。
レンドヴァイはハンガリーからの亡命知識人であるが、ソ連・東欧の閉鎖的報道体質を鋭く批判した人であり、それに知らず知らずのうちに取り込まれる西側・自由世界の一部知識人やジャーナリズムの愚かさに警鐘を鳴らしていた。『操られる情報』は、今でも再読する価値のある書だ。
ともあれ、いまにして思えば、下村氏の『アメリカ人のソ連観』(朝日文庫)はちゃんとした本。それを見て、ソ連の宣伝版ができるのではないかと社内の親ソ派幹部が考え、下村氏が「操られた」のかもしれない。 
木村氏は、ソ連のディスインフォメーションとしての工作(CIAのスパイリストに名前がイニシャルで掲載?)の対象にもなったようだ。もっとも、毒殺されるようなソ連からの亡命者などもいたことを思えば、まだ良かったのだろうが……。


木村氏の本は、たしか元朝日新聞の長谷川煕さんの『崩壊朝日新聞』 (ワック)でも言及があったかと。朝日の訃報欄では、「モスクワ支局長を経て、青山学院大学教授を務めた」とあるが、その間に、調査研究室主任研究員なる肩書もあった。 『朝日新聞血風録』 (文春文庫)の著者の稲垣武さんも、社内の全体主義的勢力(文革礼賛派)への批判的対応(週刊朝日副編集長時代の記事など)をしたことで、しっぺ返しを受けて、左遷的人事として、その部署に移ったかのようであった。まぁ、活用すべき人材を活用せずに、無駄なことをする会社に明日はない? 朝日出身の長谷川さんと永栄潔さんの対談本 『こんな朝日新聞に誰がした?』 (ワック)を読むにつけ、逆に、こういうまともな人たちを「朝日記者ともあろうものが…」と批判する朝日人もいるかもしれないが…。

ところで閑話休題。

最近、眠る時、NHKのラジオを聴きながらが多い。たまたま深夜便が始まる前の午後11時前後、聴いていると、視聴者からのメッセージということで、それをアナウンサーが紹介している。昨夜は、北朝鮮のミサイル連発を取り上げて、北朝鮮を批判するかと思いきや、イエスバット論法で、米韓軍事演習もよくないとホンネ(?)を述べて、これ以上の軍事エスカレートはどっちも止めようといった趣旨だったかと(眠りにつく寸前なので、聴き間違いもあるかも?)。まぁ、朝日新聞の投書欄(や社説)でよく目にする論調で、一つのご意見ではあろうが…。この時間帯、こういう見解をよく耳にするような気がする。ご注意?

軍事演習にしても、公海内を空母「遼寧」が遊弋するのも、「威嚇」的行為であっても、「合法」は合法。しかし、前触れもなく、ミサイルをぶっ放すなんて、非合法もいいところ。北の場合は国連決議も無視。それと演習とを同列に見なすのは、かなり北朝鮮のシンパでないと言えないコメントだろう。

そのうち、標的にされたとされる在日米軍基地がなくなれば、北朝鮮もそんなことをしなくなるだろう、だから沖縄からも米軍基地を撤去すべしなんて意見も出てくるかも(すでに出ている?)。そこまでいけば、百田尚樹さんの『カエルの楽園』 (新潮社)の世界そのもの?
その百田さんが、 『「日本」人民共和国』 (光文社)というリアルな近未来小説を書いたことのある井沢元彦さんと「歴史通」(2017年4月春号)で、 『「ゆでガエル楽園国家」日本が植民地にされる日』と題して対談をしている。ネバーセイネバーの世界だろう。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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