古本虫がさまよう シベリアラーゲリの悲劇はアウシュビッツに匹敵するか?
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シベリアラーゲリの悲劇はアウシュビッツに匹敵するか?
(2017・2・11・土曜日)




日米首脳会談も普通に終った模様? すっかり大人しくなったトランプ? 日本に核武装をすすめることもなく、中国にも理解を示す? まぁ、国際政治はキツネとタヌキのなんとかだから。ポーカーにしてもブリッジにしても、そういう駆け引きをしながら「勝利」を得るトランプ遊びなのだろう。

それはさておき、辺見じゅん氏の『ラーゲリから届いた遺書』 (文春文庫)を読んだ。
涙なくして読めない著。ラストにある、シベリアで朽ち果てた仲間が残した遺書を「丸暗記」して、日本に帰国して家族のもとに告げに行くところ。電車で読んでいて涙が出てきた。
「丸暗記」はあまりいいことではないといわれる昨今? 僕もあまりいい想い出はない。英語の教師が、たしか、英語の一節だったか、一頁ぐらいだったかを暗唱するよう義務づけて、それをクリアしないと平常点が悪くなるような感じの授業をしていたことがあった。まぁ、なんとかこなしてはいたが…。戦前の子供たちは歴代天皇の名前を暗記もさせられたという。まぁ……。一定の反復練習などは有意義ではあろうが、そういうのは苦手。


これはアマゾンのレビュー。
ソ連、シベリアでの日本人捕虜収容所で結成された俳句サークル「アムール句会」。その主宰者であった山本幡男氏は無念にもシベリアで病没する。その遺書を何とかしてご遺族に届けようとする、収容所仲間たちの篤い友情の記録。乏しい食糧、過酷な作業ノルマ、厳しい寒さ、日本人同士による密告や吊るし上げ。誰しもが希望や人間らしい感情を失う状況の中で、山本氏は文芸の力で仲間たちに人間性を取り戻させようと奮闘し、その努力は実を結ぶ。戦時中の軍隊の階級や年齢、学歴に関係なく多くのものが参加し、家族愛や故郷、収容所での四季の自然を愛でる歌を詠んだ。共に万葉集や日本の古典文学について語り合い、知識を深め合う。そのことが皆の心の支えとなり生きる気力を生み出した。よく子供が「何のために勉強するのかわからない」というが、本当の知性・教養は逆境のときに自らや他人を励ます力になりうることを本書は証明している。

まったく同感だ。僕は俳句や短歌など作る能力も鑑賞する教養もない人間だが、本書に収録されているものを読むと共感はできる。
山本さんが亡くなった時の追悼句会では。

眼鏡一つ残して逝くや秋曇り—など。

やっと帰国できることになり戦場ならぬ船上で。

母の如き冬の巨船に駆け上る
最終の船で帰るや皆無表情
祖国近し掌に受く雪のすぐ溶けて
冬晴れを日の丸かざし生ける甲斐


そういうのに比べて、朝日新聞に載る俳句や短歌の中に、単細胞的正義感を暴発させただけのイデオロギー過剰句を傑作だと言い合っているような代物があることはすでに報告ずみ。

2016・1・30の紙面にも、

武器輸出し核禁止には異を唱う、「不戦の誓い」言う者が、だよ
難民のルポ見辛くてチャンネルを変えれば映すトランプ氏の顔
憲法は押しつけられたと言うけれど平和が続く仕合わせがある


まぁ、脱北者の困難な状況をテレビカメラは残念ながら映し出すことはできない。彼らが必死になって一番近い国境線を逃れても、そこにはもう一つの独裁国家の「壁」が立ちふさがっている。時には、無情にも北に戻されている。こういう本当の「難民」を救うことにはさほどの関心も示さず、ただテレビニュースの流す画面や単純な解説を聞いて、正義感を発揮して作られる句には何の感動も覚えない。

シベリアの体験は、アウシュビッツに匹敵するものがあるだろう。明々白々な「人道に対する罪」だろう。南樺太や千島列島という「日本領土」にいた人は、植民地統治のための「先兵」ではなかった。「満洲」にしても、英仏の「植民地」とは異なるだろう。少なくともポツダム宣言により降伏し、家庭に復帰するはずの人々を、ダモイ(帰国)と嘘を言ってシベリア奥地に連行し、強制労働を課した。ソ連が「戦勝国」側だからということで、そうした蛮行を見て見ぬフリをしてきて、何が悲惨な戦争体験の継承だろう。
日本の加害者としての責任を追及するのもいいだろう。だが、同様に、他国の加害者の責任もそのやった行為の重さに比例して追及するのが知性主義ではないか。ソ連中共北朝鮮(時には米国も?)を「祖国」とみなして、祖国のやる行為(強制連行・拉致、性暴行)などは、見て見ぬフリをするのは人間としてもっとも卑しいことというしかない。

ともあれ、ポツダム宣言の「日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる」をソ連は踏みにじった。「我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではない」といっても、シベリアに強制抑留された日本人は「奴隷労働」を強いられた。

それにしても、日米安保条約第五条「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。 前記の武力攻撃及びその結果として執つたすべての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない」となっている。

大統領が尖閣を救えと命令を出しても、裁判所がダメと言ったらそれまででは? 「自国の憲法上の規定及び手続に従って」…と? どうせなら、尖閣に海兵隊の基地を作ったらいいのに?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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