古本虫がさまよう 「左翼検閲」で消されたり浮き彫りにされたりした二人の長谷川記者&一人の法哲学者井上達夫
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「左翼検閲」で消されたり浮き彫りにされたりした二人の長谷川記者&一人の法哲学者井上達夫
(2017・2・4・土曜日)





今日(2017・2・4)はヤルタ会談の始まった日(1945・2・4)から72年目のようだか、昨日(2017・2・3)は横田めぐみさんが拉致された日(1997・2・3)から20年が経過した日だった。ということもあって、各紙、めぐみさんのことを取り上げていた。
とりわけ、拉致問題に関しては、この前、本欄で取り上げた「東大不名誉教授」(?)の和田春樹さんと並んで「言論責任」のある朝日新聞は、以下のように報じていた。

拉致問題報道から20年 石高さんが考える「可能性」
編集委員・北野隆一
2017年2月3日05時13分
 20年前の1997年2月3日、横田めぐみさん(拉致当時13)が北朝鮮に拉致されたとの疑いが、報道と国会質問で同時に表面化し、大きな国際問題となった。きっかけとなる情報を引き出したのは朝日放送プロデューサーだった石高健次さん(65)。「政府は拉致問題解決のため、北朝鮮との交渉や情報収集にもっと動くべきだ」と話す。
 77年11月に新潟市で突然失踪しためぐみさん。石高さんは日本人拉致問題を長く取材してきたが、めぐみさん拉致につながる情報を聞いたのは95年6月。韓国の情報機関高官から「北朝鮮から亡命した元工作員が『76~77年ごろにバドミントンをしていた13歳の少女が下校中、日本の海岸から北朝鮮に拉致された』と言っている」と打ち明けられた。
 石高さんはその少女が誰なのか捜し、1年経っても見つからなかったが、情報を専門誌に寄稿したのがきっかけで96年暮れ、新潟県の警察関係者から「それは横田めぐみさんだ」と指摘された。97年1月、めぐみさんの両親と会い、「拉致された少女はめぐみさんだ」と確信した。
 情報は一部で知られるところとなり、他社の記者らも取材に動いた。97年2月3日、「めぐみさんが北朝鮮に拉致されていた可能性が強まった」などと週刊誌「アエラ」(現・朝日新聞出版)と産経新聞が報じ、西村真悟衆院議員(当時)も国会質問で取り上げた。
 石高さんによると、韓国側は95年春、少女拉致の情報を日本の警察に2回伝えたが、日本側は「そういう人はいない」と回答したという。「このため拉致問題を取材していた私に伝えたのだろう」と振り返る。
 そして20年が経つ。拉致問題を巡る交渉は現在滞っているが、石高さんは、めぐみさんの拉致は防げた可能性もあると考えている。
 めぐみさんが拉致される2カ月前の77年9月、久米裕さん(拉致当時52)が石川県の海岸で失踪した。石高さんはこの事件も取材。地元の警察官から「関係者への捜査で北朝鮮による拉致の疑いをつかんだが、捜査情報が公になることへの懸念や、上層部の意向もあって公表しなかった」と聞いたという。「当時、事件の詳細が明らかになっていたら、2カ月後のめぐみさん拉致は防げたかもしれない」と残念がる。
 今年はめぐみさんが拉致されて40年、拉致被害者家族会の結成から20年になる。めぐみさんの母・横田早紀江さん(80)は「めぐみが突然消えて、40年間も向こうの国に置かれたまま。家族も20年間、全国各地で講演をしているのに、なぜ事態が動かないのでしょうか。ぜひ真剣に考えてほしい」と話している。(編集委員・北野隆一)


石高健次さんの『これでもシラを切るのか北朝鮮―日本人拉致 続々届く「生存の証」』 (カッパ・ブックス)は、1997年11月に刊行され、一読した記憶がある。「朝日」という名の会社(テレビだが)にもこんなマトモな人もいるものだと感心したものだ。ちなみに、不名誉教授(?)和田春樹氏が、「世界」で、「『日本人拉致疑惑』を検証する」という論文を書いて、「シラを切る北朝鮮」を事実上擁護したのは、2001年1月号&2月号。 「事実をしっかり押さえて、あやふやなうわさなどを除き」論理的思考力で拉致問題を追及すれば、2001年ではなく、1997年の時点で、これだけのことが書けたはず。あぁ無情ならぬ、あぁ無能!!

拉致報道に関して、岩波「世界」に比べても、朝日は、本体(朝日新聞)では「五十歩百歩」だったものの、傍流(?)のテレビ朝日の石高さんが頑張って取材をした。それは昨日の朝日の記事にある通り。顔写真入りで紹介されている。しかし……? 記事に出てくる、これまた「傍流」(?)の週刊誌「アエラ」が、指摘通り、産経とほぼ並んで、この拉致を「スクープ」した。岩波のような不名誉事態を辛うじて救ったスクープをしたのは、長谷川煕記者だった。なぜ、その名前が紙面にないのだろう? テレ朝の人に頼らなくても、長谷川記者(すでに退社)にインタビューをすればいいのにと、普通の読者は思うだろう。

だが、長谷川氏は『こんな朝日新聞に誰がした?』 (WAC BUNKO・ワック)という古巣朝日の報道姿勢を厳しく論理的に糾す共著(永栄潔氏)を書いている(他にも単著『崩壊 朝日新聞』ワック)。だから、まずいということで、名前すら出さずに済ませたのだろう。朝日新聞の「名誉」を救った「名誉記者」の名前は紙面に出さず、和田春樹さんは、拉致問題含め日韓問題などで夕刊にロングインタビューを掲載する…。この二枚舌的な価値基準には、やはりついていけない?

ところで、井上達夫氏&小林よしのり氏の『ザ・議論 「リベラルvs 保守」究極対決』 (毎日新聞出版)を読んだ。大変面白い。物事を深く問い詰める思考力を持った二人による対談。「天皇制度」をめぐる問題では、井上氏の指摘になるほど、ふむふむと思いつつ一読もした。細かい読後感はあとで述べるとして、おやっと思ったのは、ユニークな9条改憲論を展開する井上氏は、単細胞的な護憲学者や護憲メディアからは少し疎んじられているところがあるそうな。朝日や岩波の「世界」などは、井上氏を「当てこすったり、揶揄してすませようとする論評が恥ずかし気もなく出てくる」とのこと。

それならまだしも、朝日の紙面批評で、西田亮介氏(東工大准教授)が、憲法記念日の特集紙面が、「護憲派一辺倒になり、まるで安倍政権だけが立憲主義を掘り崩しているかのような議論はおかしい、護憲派に対してもそういう観点からの批判があることを読者に提示すべきだ」と指摘していたことを紹介。そして、西田氏がツィッターで暴露したところによると、「原稿で護憲派批判者として私と九州大学の井上武夫さんの名前を出したそうです。しかしそれに対して朝日新聞から削除要請があり、抵抗しきれず応じた、と。『やってみてわかったのは、やっぱり朝日新聞には、今でも『載せられない内容』があるということだ」と。
井上氏は、「こういう言論統制をやってしまう護憲派メディアも、言論機関というより、『運動メディア』ですよ。朝日には、私の憲法九条削除論を初めて世に紹介してくれた編集者もいれば、いまだにこんな検閲をしている編集者もいる。もっと社内で、編集者同士、ジャーナリスト同士が議論すべきでしょう」と。同感。

ところで、東京新聞の長谷川幸洋氏といえば、朝日の長谷川記者同様に「はきだめにツル?」といわれている人。 『日本国の正体―政治家・官僚・メディア 本当の権力者は誰か』 (講談社)で、山本七平賞を受賞もしている新聞記者(現在は、東京新聞論説副主幹)。その長谷川氏をめぐる記事が同じ日付(2016・2・3)の朝日に出ていた。

ぶっちゃけの名の下に… 「ニュース女子」問題の源流は
田玉恵美、伊東和貴
2017年2月3日06時51分
沖縄の米軍基地反対運動を取り上げた東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)の番組をめぐり、論説副主幹が司会を務める東京新聞(中日新聞東京本社)が2日付朝刊で「反省」を表明した。番組については、「ぶっちゃけ」を売りにした手法が源流にあるとの指摘も出ている。
■東京新聞「反省」
 問題になっているのは、1月2日放送の「ニュース女子」。東京新聞の長谷川幸洋論説副主幹が司会を務めていた。
 1面に掲載された記事は深田実論説主幹の名前で番組について「本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なる」「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものでもありません」と説明。「副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処します」とし、読者におわびした。同紙には250件を超える批判や、見解を求める声が寄せられたという。中日新聞の同日付社会面にも同じ内容が掲載された。
 深田氏は取材に「沖縄の人々の心情を深く傷つけるような番組で、論説副主幹の肩書で司会をしていたことに責任と反省を感じている」と語った。「対処」の内容は「答えられない」としている。
 MXテレビは「他メディアでの掲載内容につきましては、コメントを差し控えさせていただきます」としている。
 番組で「反対派の黒幕」などと名指しされた人権団体「のりこえねっと」の共同代表・辛淑玉(シンスゴ)さんは番組放送後、「朝鮮人帰れ」などとネットで中傷され、家族は恐怖で外出できなくなったという。先月31日、中日新聞社の白井文吾会長と長谷川氏に「なぜこのような安易な番組作りに同意したのか、大きな疑問」と文書で抗議した。
 辛さんは「放送されたのは異論でも議論でもなくデマ。それがネットで爆発的に広がった。東京新聞論説副主幹の名前で番組に信用をもたせ、差別をあおった」と憤る。同紙に対しても「対応が遅すぎた。これまで放置した管理監督責任が問われる」と話す。
 辛さんが人権侵害を申し立てた放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会の元委員でジャーナリストの武田徹さんは、今回の番組を「全然褒められたものではない」としつつ、「放送内容を論評することは自由だが、司会者の所属元とはいえ、放送局の自律を尊重し、自己浄化に期待する姿勢も必要では」と話す。放送番組の適否は①放送業界が自ら考える②BPOのような外部組織に委ねる③法的解決――という段階を踏むべきだと指摘。「社員が社外メディアで話す時まで社の論調に縛られるべきかについても議論が必要だ」と話す。
■変容する「反権威」
 ニュース女子は、化粧品大手ディーエイチシーの子会社「DHCシアター」のもとで、大阪の番組制作会社「ボーイズ」が作っていた。同社は読売テレビ(大阪)の「そこまで言って委員会NP」の制作も担当。同社のウェブサイトによると、ニュース女子は「東京での新事業」だった。
 専修大学の山田健太教授(言論法)は、そこまで言って委員会NPとニュース女子とのつながりを指摘する。「長谷川氏を含め、出演者も似通っている。市民活動や、現政権に対する批判の動きを否定的にとらえることがある」
 そこまで言って委員会NPの前身「たかじんのそこまで言って委員会」では2013年、在日韓国人に対する差別を助長する発言があったとしてNPO法人「コリアNGOセンター」から抗議を受け、謝罪したこともある。
 ジャーナリストの安田浩一さんは、関西で制作される一部の情報番組の内容が変容しているのを感じることがあるという。「かつては反東京・反権威で本音をずばずばと言い、一定の役割を果たしていたが、今は『ぶっちゃけ』の名の下に、差別的で排外的な気分をあおることがある」
 ボーイズは朝日新聞の取材に「答えられる者がいない」としている。
 安田さんは、MXテレビの別のニュース番組に不定期でコメンテーターとして出演する予定だったが、MXテレビが納得できる対応を取るまでは出演しないと局側に伝えたという。ジャーナリストの津田大介さんも同じ理由で、不定期で出ていたニュース番組への出演を見合わせている。(田玉恵美、伊東和貴)


こちらはテレビ画面に映っている長谷川さんの顔写真を麗々しく掲載もしている。
当初、東京新聞は、自社の長谷川さんの「名前」「肩書」を報じないで、この問題を取り上げていたが、そうもいかないということで、本人のコメントは掲載しないまま、「釈明」記事を東京新聞に掲載したようだ。テレビ出演などで、自社の肩書を使う場合は、一応許可なども必要なのかもしれないが…。その番組はみていないので、批判する側の内容批判が的確なのかどうか? 同日付け産経新聞には、杉田水脈氏が、日当5万円のデモ動員は事実だと指摘しているが……。

まぁ、放送番組の内容にしても、批判にしても、「左翼検閲」は許されるのが日本なのかも? この問題を考える時、林秀彦氏の『左翼検閲「言論の自由」を如何に守るか 』 (啓正社選書)は必読の一冊。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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