古本虫がさまよう 「安倍政権」は如何にして生まれたのか?
2017 06 / 05 last month≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07 next month





「安倍政権」は如何にして生まれたのか?
(2016・12・15・木曜日)





阿比留瑠比氏の『総理の誕生』 (文藝春秋)を一気呵成に読んだ。
著者は少年時代から日教組の「平和教育」に反発を感じて「反ソ反共」「北方領土返還」のスローガンを白い通学カバンに大きく書いて通っていたという。筋金入りの「反共リベラル」。最初に内定の出た産経新聞に就職。
そんな著者が、政治部記者として担当することになった若き政治家安倍晋三。波長もあったこともあろう。

「新聞業界では『右派』とされる産経新聞内でも、これらの問題で安倍ほど意見の合う人物は滅多にいなかった」「安倍の歴史観や外交・安全保障観に強い共感を覚えた」とのこと。そういうこともあって、長年安倍政治をウォッチしていくことになったという。

岸信介が祖父、安倍晋太郎が父という政治家家系で、所詮は…と思われがちだが、歴史にも経済にも見識を持ち、また保守派政治家としての強い信念も持っている政治家安倍の「実像」がかなり深く書き込まれている。以前、紹介した山口敬之氏の『総理』 (幻冬舎)も面白い本だったが、あちらはテレビャーナリスト。彼は安倍辞任をスクープ。阿比留氏も秘書からなんとなくそれを匂わせるリークを受けつつも、見過ごしてしまったという。

ともあれ、そういうスクープは別にして、票にもならない拉致問題への関心、小泉首相を操ろうとした外務省田中均氏や、反安倍の若宮啓文・元朝日記者への批判など、小気味よい。事実と検証に基づく批判だから。

安倍談話にしてもワイツゼッカーの「論理」を踏襲したとの裏舞台を紹介しつつ、批判を寄せつけない論理構築に成功しているとも指摘。
物足りないと批判していた朝日などは天に唾していたわけだ。

広島訪問のオバマとの裏舞台なども。さすがに、トランプとの面談や朴「退陣」の動きや、真珠湾訪問までは考察されていないが、文庫化される時は加筆されることになろうか。真珠湾訪問に関しては、安倍外交を毛嫌いしている半藤一利氏でさえ、どこかの新聞で評価しているのが眼にとまった。

訪問時、どんなスピーチをするか。「歴史通」(2017・1月号)で、元朝日記者の長谷川煕氏が、 「ルーズベルトに操られた日本」という論文を書いている。決して「奇襲」ではなかったことは、少なくとも外交暗号が解読されていた事実ひとつとってみても自明であろう。それゆえに「奇襲」そのものに関しての謝罪は不要だろう。普遍的な視点からの戦争の犠牲を悼みつつも、文明国家どうしの絆を深めていく方向で行なえばいい。

だが、それはそれとして、政治の場では、もう日米間では和解は済んでいる。台湾総統とも電話対談をするトランプ大統領は一刻も早く、ケネディ大使を「交代」させて、ライシャワー以来の学者大使として、ケビン・ドークを駐日大使(もしくは公使)に任命し、靖国神社に昇殿参拝されるといいだろう。ネバーセイネバー。

「精力絶倫家」、いや「戦略研究家」として知られるエドワード・ルトワックは来日した際、安倍首相とも懇談。その感想として、 「安倍に教えることは何もない。彼はおそらく学問的に戦略論を系統的に学んだわけではないだろうが、生まれついての戦略家だ」と評価し、生まれついての戦略家としたら、政治家としてはほかには「英国のウィンストン・チャーチルがいる」と述懐したそうな。また身びいきもあるだろうが、首相側近のスピーチライターの谷口智彦氏は、「安倍首相の近現代史に関する記憶力はすごい。首相にとって日本の近現代史は、他人事ではなく自分の家族の歴史でもある」からと。

引き続き、屋山太郎氏の『安倍外交で日本は強くなる』 (海竜社)を読み進み中。

内容紹介→安倍晋三首相は、なぜ、あの時、あの国を訪れていたのか――。
膨張政策をとる中国、日米同盟とトランプ氏勝利の余波、英国のEU離脱の衝撃、プーチン氏来日と懸案の北方領土問題――。
激動の世界情勢、山積する外交課題の中で、安倍首相はどのように諸外国と渡り合っているのか。
日々、報道されている安倍外交の裏側を読み解き、その真の狙いと今後の展望に迫る!

出版社からのコメント→第二次政権発足以降、外交に力を入れ、頻繁に外遊を行ってきた安倍晋三首相。
その外遊の様子は新聞やテレビでも報じられていますが、安倍首相が、なぜ、あの時、あの国を訪れたのか、
訪れた先でどのようなメッセージを発していたのか、という外交上の真の狙いはなかなか伝わってはきません。
本書では政治評論家である著者が、取材に基づいて、安倍外交の裏側を解き明かしています。


気がつけばサミット先進国で一番の「古株」。外遊を重ねて、左翼リベラルのレッテル貼り・印象操作でしかなかった「悪しき歴史修正主義者」「右翼政治家」も正しい方向に修正されつつあるとのこと。結構なことではないか。

ただ、そのために、少なからず「妥協」も強いられている。靖国神社にも参拝しなくなって久しい。国防姿勢に関しても、後退的側面も無きにしも非ずでは。その点に物足りなさを感じる向きもあることだろう。そういったマイナス点も指摘し認識しておく必要はあるのかもしれない。さらには、安倍政治を一方的に論難する本も多々ある。そういう本も暇あれば読んでおきたいものだが……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

スポンサーサイト
 | 政治  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/2756-70ff0c74

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ