古本虫がさまよう 「残酷」「残忍」な政治を礼賛する人々、そして『なぜ朴槿恵は産経加藤達也に負けたか』と
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「残酷」「残忍」な政治を礼賛する人々、そして『なぜ朴槿恵は産経加藤達也に負けたか』と
(2016・11・30・水曜日)




目まぐるしい激動の昨今。朴槿恵大統領の「辞任」表明が昨日あった今、トランプ逆転勝利も、カストロ死亡も旧聞?

ともあれ、一昨日(2016・11・28・月曜日)、朝7時台のNHKテレビのニュースを見ていて、やれやれ、何を考えているのだろう…と思った。僕がNHK会長なら、電話して、担当プロデューサーを叱責したかもしれない。

というのも、トランプ大統領の当選を受けて、アメリカの高校生が反対デモをしているニュースが流れていた。授業を放棄してのデモとのこと。バカな高校生だなと思う。勿論、デモをするのは民主主義ならではのこと。しかし、高校生、未成年者が授業をボイコットしてまでするものではあるまい。そしてある有色人種の高校生が、トランプ当選後、差別的な発言をトランプ支持者から受けたことを指摘する。ケシカランといった構図。それは勿論、その通りだが、所詮は、単なる一市民の暴言でしかない。国家権力が、トランプ本人が、その高校生に差別的な行動をしたわけではない。

そのニュースのあと、キューバのカストロ死去についてのニュースが流れた。キューバ国民は深く悲しみに浸っているとのことで、キューバの大学前では学生が追悼の姿勢を示しているとの映像が流れる。おやおや、キューバの学生は、みんな反カストロではないのか?

この学生たちは、一昨日の朝日夕刊(11・28)によると、どうやらトランプの発言(カストロは残忍な独裁者…)に対して、抗議をしているようだ。「米国の圧力には屈しない」「キューバ トランプ氏の批判受け」「フィデル氏母校学生からも反発」とあった。ふうん、キューバの学生たちは、みんなカストロ支持者ばかりなのか? だとしたら、やはり全体主義的国家ならではの現象といえようか。

なにしろ、韓国では、あの朴大統領に対しても、退陣しろというデモがあるものの、北朝鮮に対抗するためにも、朴大統領は辞任する必要はないとの朴支持デモも開催されている。これでこそ、自由と民主主義国家といえよう(とはいえ、退陣を要求するデモの中には、明らかに北朝鮮支援派の策動もあるようだが)。

アメリカでも韓国同様、トランプ反対のデモはむろんのこと、支援のデモもある。

しかし、キューバでは国内ではそんな多様な自由は保障されていないようだ。自由な選挙も行なわれていると聞いたことはない。だからこそ、朝日朝刊(11・28)では、亡命者たちがこう語るのだ。

「本当は人の死を喜んではいけないけれど、祝わずにはいられない。彼(カストロ)は多くの人を殺し、苦しめた独裁者。だから、うれしい」(ガルシマ・バルギン・ソエルモ)

「独裁者、悪魔が死んだ。すばらしいことだ」「資本主義の米国にはチャンスと自由がある。キューバはどうだ? みな財産は奪われ、働かされ、奴隷のようではないか」「(いつかは故郷に戻りたいが)でも、今は帰りたくない。ラウル・カストロがいる限り、キューバには自由はやってこない」(ジョセフ・アルガジ)

「キューバと国交を回復したオバマ大統領は許せない。なぜ独裁者の国を許すのか」(ルイス・ファザド)

NHKも少し前のニュースでは、こうした反カストロの声が亡命者の中には多いことを伝えていたかと記憶しているが、一昨日の朝のニュースでは、そういう声は伝えていなかった。もちろん亡命者の中にも、カストロを支持する人もいることだろうが…。

ともあれ、かたやアメリカで、高校生など若者が反トランプのデモ。そしてキューバでは若者がカストロを追悼し、「残忍な独裁者」に対して「残忍な独裁者」と当たり前の批判をしたトランプを攻撃する---のを麗々しく紹介する。

まぁ、作為というか単細胞的な報道姿勢がうかがえるというしかない?

朝日朝刊によると、「国営テレビはカストロ氏の功績をたたえるドキュメンタリーや革命運動に関する映画を一日中流し続けている」とのことだが、独裁国家のやることはまぁ、そういう単細胞的洗脳番組を流すしかノウがないのだろう。NHKも、「反トランプ」「親カストロ」といった単細胞報道に、一歩近づいていなければ幸いであるが……。一昨日の朝の放送だけを取り上げると、その疑惑が若干浮上しかねない。総合的にみれば、まだ大丈夫だろうが。

朝日朝刊によると、同じアナのムジナである北朝鮮の「残忍な独裁者」である金正恩が、カストロは「国の富強・繁栄と人民の幸福のために全生涯をささげた卓越した指導者だった」とする弔電を送ったという。

北朝鮮の独裁者がこんなに賛美するカストロがロクな奴なわけがあるまい。そもそも、国連憲章の敵国条項に日本が入っているのはナンセンスというしかないが、1995年に、日本やドイツが国連総会でそうした敵国条項を削除する決議案を提出したところ、圧倒的多数の賛成で採択されたものの、それに反対したのが、北朝鮮とキューバとリビアであった事実を日本人は忘れているようだ。当時のキューバの指導者はいうまでもなくカストロだ。70年代、ソ連の先兵・「傭兵」としてアフリカなどに「侵出」していったキューバ兵士たちの存在ひとつとってみても、カストロなど、なんの評価ができようか。自由世界の「敵国」でしかなかった。

国民一人当たりの医師の数は日本より多いとか医療費や教育は無料とか…。北朝鮮に対しても、似たような宣伝文句が語られ、日本よりはるかに恵まれた国家などといった礼賛もかつてよくあった。それと同じレベルの幼稚な報道をNHKはしていなかったか?


少なくとも国連憲章敵国条項削除に反対したのがキューバであるとの事実ぐらい指摘すべきだろう。広島原爆記念館を訪問して、ありふれた感想を述べた程度で、ありがたくコメントする関係機関の関係者の知的水準はあまりにも貧弱というしかない。北朝鮮と並んで、敵国条項削除に反対するキューバなど、ならずもの国家の最たるものではないか。

エドワーズ・ホルヘの『ペルソナ・ノン・グラータ カストロにキューバを追われたチリ人作家』 (現代企画室)はほぼ長年積んどく状態だが、キューバが好きな人、日本より進んでいるなんてノーテンキなことをいう人は一読すべき本だろう。


内容説明→1967年10月、ボリビアでチェ・ゲバラが殺された。1968年8月、ソ連軍のチェコ侵攻をフィデル・カストロは支持した。初期キューバ革命の“光”を、暗雲が覆い尽くそうとする1970年12月、著者は、新生チリ・アジェンデ社会主義政権によって公使としてキューバに派遣された。彼を待ち受けていた運命とは?フィデル・カストロと著者の間で交わされる、息詰まるような最後の会話!

それにしても、加藤達也氏の『なぜ私は韓国に勝てたか 朴槿恵政権との500日戦争』 (産経新聞出版)を読むにつけ、朴槿恵の「辞任」(いつの日か任期満了前に辞めるから弾劾はよしてちょんまげ?)に関しては、まぁ、是とするしかないか(北朝鮮などに、この「民衆」のパワー情報が伝播し、朴槿恵政権以上に腐敗堕落した残忍独裁者が失脚することになればいいが? 無理か? いやいや、ネバーセイネバー?)。

加藤氏がこの本で指摘していた朝日社説や朝日元主筆だった若宮啓文氏(故人)の、韓国にたっぷり遠慮しつつ、加藤さんの逮捕をちょこっと批判するといったイエスバット式の「屁理屈」の数々には、日本の言論機関としての知的レベルが問われるというしかあるまい。この本に、山本七平賞が授与され、朴大統領の「辞任」表明がなされた昨晩、その授賞式があったというのは、きわめて象徴的というしかない。加藤氏には、本書の続編、 『なぜ朴槿恵は私に負けたか』という本を書いてほしいものだ?

それにしても、キューバ国内に「反カストロ」の声がないのは何故かときちんと指摘しない報道機関にはあきれる。

昔のジョークを思い出す。レーガンとブレジネフが会談し、レーガンが「ソ連には言論の自由がない。アメリカではホワイトハウス前でレーガンくたばれと叫ぶ自由があるぞ」というと、ブレジネフも真顔で「ソ連にも言論の自由がある。クレムリンの前でレーガンくたばれと叫んでも逮捕されない」と。まぁ、このジョークのニュアンスを理解できない人が、日本の報道機関には多々いるのではないか。

あと蛇足だが、北九州のテーマパーク「スペースワールド」が、5000匹の魚を氷付けにしたスケートリンクの上を滑る企画を中止したことがテレビなどで報道された。あくまでも、死んだ状態で水揚げされた魚を購入してスケートリンクの下に埋め込んだとのこと。生きている魚をそうしたのなら、 「残酷」(2016年11月28日・朝日朝刊「見出し」)というのも分かるが……。

テレビなどでは気持ち悪いとかそんな声が紹介されていたが、子供たちの中にも、リンクの下に魚がいたら、それはそれで「あっ、お魚だ!」と喜び、楽しむものもいただろう。ステレオタイプに気持ち悪いといいう声ばかり紹介するのもいかがなものか? 大人のコメントとして、死んだ魚を使ったのならいいじゃないかというのもあったが、まぁ、正論。

とはいえ、どうせなら、模造魚を使えばよかったのにとは思う。偽善的な平和主義者、人権主義者、環境主義者たちからの批判を打ち返すには十分な配慮も必要になるだろうから。とはいえ、僕も子供のころ、魚嫌いだったので、それを糊塗するために、魚の原型が残っている魚を食べるのは残酷だと主張していたことがあった。刺身はいい? サバの味噌煮もいい。でも、メザシを初め、魚を丸ごと焼いたのはダメと。それからすると……、子供がああいうのを残酷と思うのも無理はないかも。

でも、未成年者を30度を超える灼熱の甲子園で野球をやらさせる朝日新聞(主催者)もかなり残酷な企業体だといえるのでは?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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