古本虫がさまよう 原田宗典の祖父かと思った? 原田三夫の「自叙伝」はスンバラシキ「自慰伝」?
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原田宗典の祖父かと思った? 原田三夫の「自叙伝」はスンバラシキ「自慰伝」?
(2016・11・4・金曜日)




昨日(2016・11・3)は天気「予想」よりも早く天候が回復。夜明けと共に「快晴」。気温も日中は肌寒くはなかった模様。神田古本まつりも賑わったことだろうか? 残念? いやいや、よかった。悪運強い古本屋業界?

先日神保町をブラブラした時、買おうかと思ったものの、324円という値段に、不信感(?)を覚え手にせず、図書館にあるかと思ったら、やはり、古いカッパブックスなのでないなと思って、昨日、買いに行こうかと一瞬思った(定期で途中下車可能なので交通費は「ゼロ」)。とはいえ、ちょっと面倒だなと思って、ふと、アマゾンを見てみた。なんと「1円」。送料(257円)がかかるけど、258円。324円より安いではないか。ということで購入することに。神保町にも行かずにすんだ? これでいいのかな?

それはさておき、原田三夫氏の『思い出の七十年』 (誠文堂新光社)を読んだ。昭和41年3月の刊行。四年前に高円寺の古本市で購入していた本。


デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説によると、こんな人だ。
原田三夫 はらだ-みつお→1890-1977 大正-昭和時代の科学評論家。
明治23年1月1日生まれ。北海道帝大講師などをへて,大正12年「科学画報」,13年「子供の科学」の創刊にかかわる。叢書「子供の聞きたがる話」など100冊以上の啓蒙的著作がある。昭和28年日本宇宙旅行協会を設立し,会長となった。昭和52年6月13日死去。87歳。愛知県出身。東京帝大卒。


理系の人ということで全然知らない人だった。人名辞典にあるように、戦前、戦後、科学評論家として一世を風靡した人とのこと。書名から分かるように自叙伝である。関東大震災の体験など、いろいろと面白いが、ちょっと一味違う自叙伝だ。
というのも、 「自慰伝」(性欲伝)でもあるからだ。子供のころ「美少年」と騒がれたこともあったとのことだが、「中学を終える前から変態的になり、女に仮装したいとか、女になりたいとかいう気持ちが強くなった」とのこと。でも、キリスト的教育を受け、性行為を汚らわしいものとして高まる性欲を抑えようと躍起になっていたという。美少年にふさわしくない顔面ニキビにも懊悩する? ふむふむ、なるへそと。

同性愛にも走りかけたのだが、 「性欲の圧迫がますます強くなり、性欲の飢渇による苦悶が無意識に私を煩わした。ひと事として手につかなくなり、友と語るのも興がのらず、芝居さえも傾倒して観ることができなくなった」「もし金に余裕があれば、私はこの苦悩を癒すために遊女に接したであろうが、それができないために酒で紛らした」とのこと。ご苦労さま。
若死した妻(君子)への思いを延々と書きつらねたと思ったら、新たな恋をこれまた喜々と書きつらねる。

ともあれ、さまざまな人物(有島武郎、小川菊松~)が出てきて、その交友や戦時中のさまざまなエピソードなど、面白い内容。

以前読んだ岩波文庫の『ゴングール日記』上下を思い出した。
フランスの作家ゴングール兄弟による同時代(19世紀)を綴った日記本を以前、こんな風に紹介したこともある。

河岸の古本屋の話も面白い。椅子がなくなり立ったまま買わされることに不満を表明している。
「今日のがつがつした商売がこういう本のあきないの仕方をもたらしたわけだ。むかしは、そぞろ歩きをしたり、ぶらついたり、おしゃべりをしながらの親しい付き合いのなかでの古本さがしだった」のに…と。

ううむ、昨今の神田古本まつりもそんな雰囲気?

日本の絵画やデッサンを褒めたり、フローベルや自分の「性癖」についてのコメントもエロティック。
旅先のホテルで知り合った35歳の美女に寝室に誘われるやいなや「いきなり彼をしゃぶり始めたのだそうだ。呆然とするような歓喜であったのだという」と。「何処」をしゃぶり始めたのかは不明だが、顔や耳や鼻をしゃぶられたぐらいで「呆然とするような歓喜」にはなるまい。

そしてフランス書院文庫ならまだしも、この本には伏せ字(××)が多々出てくる。たとえばこんな感じで。
「オ×××してやるからおいで」「ちきしょう、あんたオ×××じょうずだわ」と。
「毎朝、国会議事堂の二階の公の部屋の長椅子の一角で、女性の訪問者と、愛の営みをおこなっていたが、その女性はスカートを脱がず、下ばきも完全にはとらずにいた。モルニーは性器部分の摩擦だけで、完全に愉悦し、すっかり満足していた」とも。人間「性」は古今東西不変なのか?
モニカ? クリトリス? いやクリントン元大統領もモニカ嬢とのことを思い出しながら苦笑いしつつ読むのでは?

ともあれ、原田三夫氏の自叙伝『思い出の七十年』は、ゴングールの『ゴングール日記』に匹敵する「性欲盛衰伝」?
原田といえば、思い出すのは原田宗典氏。昔昔一読したきりで記憶は薄れているが、彼の自叙伝エッセイ『十七歳だった!』 (集英社文庫)、 『はたらく青年』 (角川文庫)と類似? あの本にも「エロス体験」はちょっと出てきてたのでは?
世の中は、原田三夫から原田宗典へと推移していたのだ。いまは原田マハ氏の時代? 『暗幕のゲルニカ』 (新潮社)は、スペインがらみの小説だから読まなくてはと思っているのだが……。気楽なエッセイ本のほうが……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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