古本虫がさまよう 古本虫は、大きな古本屋が好きだ?
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古本虫は、大きな古本屋が好きだ?
(2016・10・15・土曜日)




田中美穂氏の『私の小さな古本屋』 (ちくま文庫)を読んだ。単行本版(洋泉社)は以前読んで読後感を記している(下記に再録)。文庫版では、単行本刊行後に書いた古本がらみのエッセイなども追録されている。そのなかに「岡山文庫のこと」があった。そのことも、以前、記したことがあるので再録。
ともあれ、この倉敷の小さな古本屋( 蟲文庫)には出かけたことがないので一度寄りたく思っているのだが…。不定休のようなので出かける時は要注意? 岡山には大きな古本屋、 「万歩書店」がある。沖縄には大きいか小さいか芳しいかどうか知らないが、 「漫湖書店」があると聞いたことがあるような? あるとすれば、フランス書院文庫ばかりが並んでいるのだろうか? ともあれ、「万歩書店」には行ったことがある。今度は、そこに寄ってから倉敷の 蟲文庫に寄れたら…と。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!


『小さな古本屋』には、「女主人と古本」以外に、悪い虫と苔と猫などがいる2012/03/02金曜日
 田中美穂氏の『苔とあるく』 (WAVE出版)を読んだ。田中氏は岡山県倉敷市で古本屋(「蟲文庫」)を経営している女主人。岡崎武志氏の『女子の古本屋』 (ちくま文庫)でも紹介されていたと記憶している。
「古本虫がさまよう」と自称している我が身としては訪れなくてはいけない古本屋であるが未見。「女子の古本屋」といえば、青山の「古書日月堂」や仙台の「火星の庭」 や黒磯の「白線文庫」には行ったことがあるが、これらの店は首都圏&首都圏近郊&東日本エリア。いずれも青春18切符・地下鉄で行くことができた。
 この前、三宮起点で青春18切符を使って岡山市の「万歩書店」までは足を伸ばしたのだが、さすがに倉敷までは…。

 ちなみに、この古本屋さんは、池谷伊佐夫氏の『古本蟲がゆく 神保町からチャリング・クロス街まで』 (文藝春秋)でも紹介されていた。それによると、「店内には植物を中心とした自然科学の本や、粘菌、苔、棘皮動物(ウニ、ヒトデ類)、昆虫、鉱物などの標本類などがあちこちに見られ」るユニークな古本屋だとのことだった。神保町にも理系、生物系専門の古本屋が裏通りにあるが、そんな感じの店なのだろうか。さすがにその傾向の古本屋に行っても、買いたい本は見当たらない可能性が高い。そういうこともあって、足を運ばなかった(というわけではないのだが……)。だが、池谷氏の店内イラストをよく見ると、理系以外の文学などの本の棚の方が、より多いようだ。一見の価値はあるだろう。

 先の著書で、田中氏は「虫」のみならず「苔」にも魅せられており、写真(撮影・伊沢正名氏)と共に、コケの魅力や採集の仕方を論じ尽くしている。コケに似たまがい物もあるそうな。要注意?

 著者が勧める萩原博光氏&伊沢正名氏の『森の魔術師たち 変形菌の華麗な世界』 (朝日新聞社)も一読したが、個人的にはあまりそそるものはなし。倒れた木などに付着して生きている変形菌の魅力…といっても……。ううむ。この突起がイイ、触ったツブツブ感がイイ…といった世界のようであるが、僕の場合、「古本虫」といっても、「古本マニア」程度のレベルだし、ゴキブリをはじめとして「虫」はあまり好きなほうではない。時々、本の中を徘徊している「虫」も見つけたら潰すようにしているし……。
 ところで、引き続き、近刊の田中美穂氏の『わたしの小さな古本屋 倉敷「蟲文庫」に流れるやさしい時間』 (洋泉社)を読んだ。カバーに店内の本棚の写真が使われているようだが、それを見ると苔だの理系書物ではなく、文学作品がずらりと並んでいる。ジョージ・オーウェルの『パリ・ロンドンどん底生活』も見える。これは、晶文社の版ではなく、小林歳雄氏訳の朝日新聞社から刊行された版のようである。なかなかシブい本が並んでいる。

 人使いの荒い勤務先を衝動的にやめ、すぐさま古本屋開業を思いつき邁進。僕も読んだことのある志多三郎氏の『街の古本屋入門』 (光文社文庫)などを参照しつつ開業。親の蔵書も売り物にしたり、古本屋だけではやっていけないので夜間は郵便局のバイトをしたりした時もあったそうな。

 以前、本欄でも紹介した、古本屋の少女の話が出てくる小山清氏の『落穂拾ひ・聖アンデルセン』 (新潮文庫)などとの出会いも綴られている。自分のことのように感じたり……(田中氏が紹介しているのは旺文社文庫版で『落穂拾ひ・雪の宿』。少し題名が異なるが)。

 古書組合には未加入のようで、買い取りなども自我流でヒヤヒヤすることも。ちょっとしたグッズも販売したり…。観光客が多いところでもあるので、古本を求める客ばかりではなく、ヘンなワガママな来客もしばしばとか(子供をあずかってくれ、トイレを貸して…と)。捨て猫との出会いや死別やら……も。
そんな古本屋開業前、開業後のさまざまな人やものとの出会いの体験を綴ったエッセイ集。楽しく一読した次第。




岡山といえば、「吉備団子」か、「カバヤ文庫」か? それとも「岡山文庫」か、「万歩書店」か?(2014・4・15・火曜日)岡長平氏編の『カバヤ児童文庫の世界』  (岡山文庫)を読んだ。
「岡山文庫」なる本は初めて見た。
文字通り、文庫サイズの本。
岡山市にある日本文教出版株式会社が発行しているようだ。「岡山文庫」というぐらいだから、当然のことながら「岡山」に関する本をもっぱら多々出しているようで、この岡山文庫も300冊近く刊行している。

カバヤ児童文庫というのは、岡山市に本社を置き今も盛業中の「カバヤ食品」が、戦後まもないころに、キャラメルのおまけとして毎週ほぼ一冊ずつ発行した児童向け文学作品を収めた「叢書」である。
当時十円のキャラメルを買うと、中に文庫券が一枚入っていて、これを50枚集めて送ると、好きな本が一冊もらえる仕組みになっていたという。

発行の経緯は、昭和27年にカバヤ食品に宣伝課長としてスカウトされた原敏氏たちによるアイデアからだったようだ。
「おまけ」の類は、いつの世も、子供たちの射幸心を煽るからよくないといわれていたが、景品が本ならいいではないかと(僕たちが子供のころにも、仮面ライダーのおまけほしさにお菓子を買ってもそれを食べないで、捨てるのが問題になったりしたこともあったかと)。
「カバヤ文庫」は、B6判125ページのハードカバーの体裁。著作権の切れた名作をダイジェストし、製作コストを抑え、キャラメル50箱買って、50枚の文庫券を送れば一冊貰えるようにしたという。希望者が殺到し、学校によってはみんなで協力して、この「叢書」を学級文庫に揃えるなんてこともあったそうな。

しかし、本だけではなくマンガもおまけにしようということでマンガブックも創刊したら、当時の風潮もあったのだろうが、活字本はいいけどマンガ本はダメということで親などの理解が得られなかったのか、人気低落となり、文庫のほうも刊行停止になったそうな。

昭和27年8月から刊行したそうだが、百数十点だして昭和29年で終わったという。

このカバヤ文庫については、以前、坪内稔典氏の『おまけの名作』 (いんてる社)を読んだことがあり、その本で初めて、そういうものがあることを知った。
僕が生まれたころには、もうカバヤ文庫はなかったのだが、そのあと、古本市などで、一冊1500円前後で売られているのを見たことがある。
当時、子供だった人は懐かしくて買うかもしれないが、リアルタイムの思い出はないし、所詮は、名作ダイジェスト‥。さすがの僕も買うことはなかった。

『中学一年~三年時代』 (旺文社)などの付録にも、並製の数十頁の文庫サイズの世界の名作ダイジェスト本がよくあったものだが、それに比べると立派な本の体裁はしていたかと。
僕がリアルタイムで手にした、あの付録の並製ダイジェスト冊子も時々古本屋や古本市などで500円ぐらいで売っているのを見かけることがある。
そんな名作ダイジェストの類はさほど関心はないのだが、たしか、ある付録冊子に掲載されていた、当時のアイドル歌手 について書かれた評伝エッセイが懐かしくて、今も読み返してみたいものが一点あるのだが、あいにくと出会うことはいまだないが‥‥。

ともあれ、知る人ぞ知る感じの「カバヤ文庫」。
この本(岡山文庫)では、刊行された順に、原作のカラーカバーが掲載され、内容紹介が綴られている(カバーのないものもあり)。刊行予定と銘打っていたものの、実際に刊行されているかどうか不明のものも末期にはあるようだ。

昭和27年当時の十円というのは、安くはない? カバヤ文庫を読んでいた人は、恵まれた家庭の子供だったのか? 

カバヤ文庫生みの親ともいうべき、先の原氏は、そのあと、岡山日報の記者というか、論説委員というか、コラムニスト、社長になったようで、 「政経007」というコラムは、34年間、一日も休むことなく書き続けたという。妻が死んでも食休み、休筆することがなかったというから凄い(本人は不幸な交通事故で、享年72で死去)。それがなければ、40年ぐらい毎日更新ならぬ毎日コラム執筆だったかもしれない。
反共リベラル、中共大嫌いの政治的立場でありながら、柔軟思考の人であったのこと。まるで、僕みたい?
国会図書館や日本の古本屋などで「原敏」で検索したが、そうしたコラム集は本にはなっていないようだ。残念。

でも、この「岡山文庫」、いろいろと掘り出し物がありそう? 『土光敏夫の世界』 (猪木正美氏)なんて本もある。

岡山といえば、いうまでもなく「江田三郎」と「平沼赳夫」に「吉備団子」だが、これからは「カバヤ文庫」に加えて「岡山文庫」もお忘れなく‥‥かな。ネット情報をみていると、こんなものがあった。
平沼赳夫は欠かさず本人自ら当選証書を受け取りに来ています。
 平沼本人に「当選は本当に多くの人々が寝食を忘れて努力してくれた結果である。その人々の汗の結実であり、多くの有権者の思いが『形』になった唯一のもの(書類)が当選証書。」である以上、政治家として自分自身の手で受け取ることが「筋」であり「礼儀」であるとの思いがあるからです。またそれは故・原 敏氏(岡山日報社長・主筆、カバヤ文庫の発案者)との「約束」でもあります。


平沼氏と原氏との間には、反共リベラル派としての同志的友愛があったようだ。

もう一つ。
岡山といえば、古本屋「万歩書店」(本店)に数年前出かけたきり。
元気でやっておられることだろうか? 


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