古本虫がさまよう 『はだしのゲン』より『凍りの掌』を学校図書館に置くべし? いや、両方置くべし!
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『はだしのゲン』より『凍りの掌』を学校図書館に置くべし? いや、両方置くべし!
(2016・9・16・金曜日)





昨日、紹介した山口真也氏の『図書館ノート 沖縄から「図書館の自由」を考える』 (教育史料出版会)でも『はだしのゲン』を学校図書館などがどう扱うかについて論じられていたが、それはさておきとして、この前、静岡の古本屋で購入した、おざわゆき氏の漫画『新装版 凍りの掌 シベリア抑留記』 (講談社)を読んだ。

内容紹介→澤昌一は東洋大学予科生。東京・本郷の下宿先で銃後の暮らしの中にいた。戦況が悪化する昭和20年1月末、突然名古屋から父が上京し、直接手渡された臨時召集令状。
北満州へ送られた後、上官から停戦命令の通達、すなわち終戦を知らされる。実弾を撃つことなく終わった戦争だったが、その後ソ連領の大地を北に向かわされ、ついにシベリアの荒野へ。待っていたのは粗末な収容所と、地獄のような重労働だった。シベリア抑留の極限状況を生き抜いた著者の父親の実体験をもとに描かれた衝撃作、待望の新装版!



ソ連当局の「洗脳」に従順に従い、反天皇などのアジを抑留者仲間に行なうアクチブなども登場。 ほぼ「定説」にのっとった作品内容。大きな違和感もなく読了した次第。ペリリュー島の悲劇やらいろいろと言われるが、このシベリア抑留(拉致監禁強制労働)は、「戦後」の話。当時の国際法、国際常識からしても、スターリンソ連のやった、こういう蛮行は前代未聞だ。
著者のお父さんが、実際の抑留体験者。その証言をもとにノンフィクション風につづった漫画。参考文献には出てこないが、この問題に関しては、若槻泰雄氏の『シベリア捕虜収容所』  (サイマル出版会・明石書店)が必読文献。収容所を見て、丁重に保護されていると評していた社会党左派、共産党の当時の国会議員たちは、節穴というか、イデオロギーの亡者だったというべきだろう。
このマンガでも、日本に帰国できないのは、日本国内の反動分子などのせいだといった「日本新聞」などの報道が描かれてもいた。コワレンコの名前も。こいつ、何度日本人をだましてきたことか? 『対日工作の回想』 (文藝春秋)も昔読んだので記憶が薄れているが……。こいつよりはキリチェンコがはるかにマシだったか?

そのあたりは、高尾栄司氏の『「天皇の軍隊」を改造せよ 毛沢東の隠された息子たち』 (原書房)も参考になる。シベリアに拉致・抑留されながら中国撫順に移送された日本人「捕虜」たちに対する「洗脳」工作がどのようなものであったかを追及したノンフィクション作品。悪いことをしたと「懺悔」する背景にどのようなものがあったかがうかがえる。
著者の作品は、以前、 『安全国家日本の終焉』 (光文社文庫)を読んだ記憶がある。また『黒い民主主義 赤い民主主義 日本人改造の真実』 (明窓出版)も、シベリア抑留者へのコワレンコなどの「洗脳」や国内の日教組的な「人民民主主義」的教育の酷さを検証もしている。
 
それにつけても、マンガでも、ソ連の覚えがいいと、強制労働も手加減されて楽ちんだった人もいるようだ。瀬島龍三も、そのカテゴリーに入るのだろうか。そしてソ連の「スパイ」として、日本に戻ってから活動をしていくことになったのか? そのあたりは、佐々淳行氏の『私を通りすぎたスパイたち』 (文藝春秋)でも触れられている。
我が妻の祖父も抑留体験者だったという。その祖父の話を聞いた、彼女の父も、ロスケの悪口はよく言っていたそうな。ううむ……。

まぁ、日教組の先生がたも、『はだしのゲン』をもてはやすのなら、戦後の悲劇であるシベリア抑留問題にも、もう少し関心をもって、この野蛮行為をきちんと検証・継承していくぐらいの「知性主義」を発揮すべきだろう。『凍りの掌』は、別に鮮烈な残虐シーンもなく、イデオロギー的な断罪もさほどなく、淡々と抑留の悲劇の実態を描いている。原爆による死傷者以上に残酷な実話を無視するのは、ソ連を祖国とみなす「ナショナリスト」たちぐらいであろう。戦争中の悲劇ではないのだ。戦後の悲劇なのだ。主体はソ連なのだ。天皇にしても、ペリリュー島やサイパン島に行かれるのもいいが、少なくともシベリア各地で眠る日本人の慰霊を最後にやっていただきたいものだ。今度はベトナムに行かれるとのことだが、シベリア慰問なくしての「退位」はおかしいのでは?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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