古本虫がさまよう 「反知性主義」「半知性主義」に陥らないためにも、佐々淳行・加藤秀治郎・東谷暁・小林節の憲法論は必読!
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「反知性主義」「半知性主義」に陥らないためにも、佐々淳行・加藤秀治郎・東谷暁・小林節の憲法論は必読!
(2016・8・25・木曜日)





2016・8・22・産経新聞正論欄で佐々淳行氏が、憲法9条改正の必要性を説き、「半国家」からの脱却を強く主張していた。一読同感。ということで、加藤秀治郎氏の『やがて哀しき憲法九条 あなたの知らない憲法九条の話』 (展転社)を読んだ。これは憲法に関して「反知性主義」者たちが必死になって創造(捏造?)している「神話」を打破する名著といえる。
著者は政治学者であって、憲法学者ではないが、日本が「無条件降伏」したという「神話」の打破から始まり、高見順の『敗戦日記』 (中公文庫)のつまみ食いをする進歩派憲法学者(愛敬浩二氏『改憲問題』ちくま新書)の「引用トリック」も鋭く見破っている。
本書の末尾にある「引用・参考文献」も、我が家にほとんどあるではないか(ただ「積んどく」が多いのが…)。

単細胞的な「護憲」教育がはびこる昨今、こういう本を高校生が読めば「知性主義」的になれることだろう。

引き続き、東谷暁氏の『不毛な憲法論議』 (朝日新書)を読んだ。この人も「憲法学者」ではないが、護憲派(改憲派)の「虚妄」を解きあかしている。

ただ、毎日の世論調査(2005年2月)のデータで、9条に関して「一項、二項とも改めるべきではない」が41%、「戦力の不保持を定めた第二項だけを改めるべきだ」が21%、「一項、二項とも改めるべきだ」は20%だとして、国民の間に憲法改正への気運が高まっているとはいえないとしているのには若干の疑問がある。

というのも事細かに9条に関して聴いていけば、9条改正派が多数になることは明々白々だからだ。この世論調査にしても「一項、二項とも改めるべきではない」という41%の半分以上は、「今の憲法9条を普通に解釈すれば、自衛隊解散、日米安保廃止となりえますが、それでいいでしょうか。そういう解釈ができない程度に、9条2項をこういう風に改正するのに賛成しますか」と具体的に細かく聴けば、41%の半分以上は「改正派」になるだろう。そうなれば国民の6割以上が、9条改正派になりうる。

実際、同じ毎日の世論調査(2007・5・3付け報道)によると、「(9条の)改正容認は59パーセント」「具体策『新条項付加』が多数」と報じている。

毎日の世論調査はまず「憲法9条は第1項で戦争放棄を、第2項で戦力の不保持を定めています。九条改正について、あなたは、どう考えますか」と。

「一切、改めるべきではない」が28%。「何らかの改正が必要だ」が59%。
そして「何らかの改正が必要」と答えた人に、どのように改正するのが望ましいかと聞いたところ「第1項だけ」改正が5%、「第2項だけ」が22%、「1項、2項とも改めるべきだ」が23%、「新たな条項を」が47%あったという。

この世論調査とて、「憲法9条は第1項で戦争放棄を、第2項で戦力の不保持を定めています。九条改正について、あなたは、どう考えますか」ではなくて、「今の憲法9条を普通に解釈すれば、自衛隊解散、日米安保廃止となりえますが、それでいいでしょうか。そういう解釈ができない程度に、9条を改正するのに賛成しますか、反対ですか?」と聞けば、「一切、改めるべきではない」28%は減り、「何らかの改正が必要だ」59%は上昇することだろう。

ただ、逆に、「前項の目的を達するため」とか、そういう「芦田修正」があったために自衛隊合憲説が辛うじて成立したことを快く思わない人もいるだろう。そういう人は9条改正に関して、普通の改正派と違って、逆向きに、もっと条文を過激(?)にして、自衛隊合憲説がゼロになるような条文改正を考えている人もいるだろう。また、仕方ない、「自衛隊合憲」にはしてみせるが、それは災害などの対策や本当に最小限の軍備に限定し、軍事同盟や集団的防衛などは違憲になるような条文を修正追記すべしと考えている人もいるだろう。しかし、そういう修正派改正派よりは、はるかに自衛隊違憲説が消滅し、日米安保肯定論的な改正派のほうが多数派となろう。

朝日の世論調査(2007・5・3発表)などを見ると、「憲法は9条で『戦争を放棄し、戦力を持たない』と定めています。日本がこの60年間戦争をせずに平和であり続けたことに、憲法9条が役立ってきたと思いますか」という「洗脳」的問いかけ(?)を枕詞的に出して事細かに聞いている。そう聞かれると、そりゃそうかもねということもあってか、78%が「役立ってきた」と選択。

すると朝日の見出しは「9条『平和に貢献』78%」…となるのだ。しかし、朝日は「いまの自衛隊は憲法に違反しているという意見と、違反していないという意見があります。どちらの意見に賛成ですか」と質問もしている。違反しているが23%、違反していないが60%となっている。「自衛隊合憲説」が、巷の憲法学者と違って「市民」の間では多数派である。そして「いまの憲法には、自衛隊のことが書かれていません。自衛隊の存在を憲法の中に書く必要があると思いますか」という質問には、「書く必要がある」が56%。「書く必要はない」は31%となっている。
「書く必要がある」というのは、「書き改める必要がある」「書き加える必要がある」ということと同じ意味であり、「改憲」「加憲」派が60%弱あるという結果ととらえることも可能だろう。

とはいえ、そのあと、いくつかの恣意的(?)質問を加えて、9条改正派が「少数派」になるように「報導」している。

ともあれ、このように、世論調査も事細かく見ていくと、国民の多くは、自衛隊も日米安保も肯定しており、巷の憲法学者の本音(自衛隊も日米安保も9条違反だから、護憲を貫けば、自衛隊解散、安保廃止が筋?)を知り、彼らの本音を粉砕(?)するためにも、9条をこんなふうに改正したらといった穏健案を提示すれば、少なくとも国民投票でも6割以上(いや8割以上)が賛成するのは自明だと僕は思う。それを恐れて、とにもかくにも9条改正案を提示させないように「言論封殺」でも何でもしようとしているのが、「反知性主義集団」の「護憲派」であろう。

石橋湛山をつまみ食いする例は、加藤氏の本でも詳述されていたが、南原繁をつまみ食いする「護憲派」ジャーナリストの虚妄を東谷氏は鋭く批判している。そのほか、軍事費が経済復興や安定に脅威となるといった「通説」への懐疑も提示していて説得力がある。

改憲派から護憲派になった、「変節」したといわれている小林節氏だが、9条に関しては、一応以下のような見解を示している。

9条護憲派の「石頭」 慶大名誉教授 小林節
2015年02月25日 18時02分46秒 | 政治経済、社会・哲学、ビジネス、

9条護憲派の「石頭」 2015/2/24

 私は一貫して憲法9条の改正を主張してきた。その趣旨は、文意が曖昧で不毛な論争が絶えない9条を、もっとスッキリした文言に書き直して、国家として「してもよい事」と「してはならない事」を明確にして、よって、9条の規範性を高めようとするものである。

具体的には、大要、次の提案である。つまり、(1)「わが国は、世界平和を誠実に希求し、間違っても再び他国を侵略しない」(2)「ただし、わが国も、独立主権国家として、他国から侵略の対象にされた場合には自衛戦争は行う」(3)「前項の目的を達するため、わが国は、陸海空軍その他の自衛軍を保持する」(4)「自衛軍による国際貢献は、事前に国連決議と国会による承認を得ることを必要とする」
こうすれば、まず、(1)自衛隊の正当性に関する不毛な論争が不要になり、隊員は堂々と任務にまい進することができる。加えて、(2)戦後70年間、9条の下でわが国が一度も戦争(海外派兵)をしないでこられた実績を維持することもできる。つまり、国連の安全保障理事会には常任理事国の拒否権制度がある以上、世界が陣営に分かれて争っている紛争では国連の安保理決議は出されようがないわけで、わが国は一方の助っ人として戦争に加担しないで済む。しかし、安保理が一致して決議した場合にはその相手は世界秩序の敵であると認定されたわけで、大国・日本が世界の「警察」活動に参加しないわけにはいかないであろう。

ところで、私は、憲法9条をそのままにして海外派兵(集団的自衛権の行使)を敢行しようとしている安倍首相の考えに、それは立憲主義に反する…として反対しており、その故に、最近、9条護憲派の集会に招かれて講演する機会が多くなった。
そこで、最近、同じ論難にしばしば遭遇した。いわく、「9条を改正しろと言うが、9条が存在したからこそこれまで70年も戦争をしない国でいられたのだ。だから、9条に触れるべきではない」
しかし、今、その9条の「解釈」と称して海外派兵(戦争)ができる…と言う首相が9条を破壊しつつあるのではあるまいか?だから、そういうことをさせないために、私は今、9条の趣旨を変えずに文言を工夫することにより9条の規範性を高めようとしているのである。
それでも「9条に触るな!」と繰り返す護憲派は、「石頭」としか言いようがない。(慶大名誉教授・弁護士)
※小林節一刀両断コラム2月24日より「転載」



マァ、朝日も、この小林さんの改正案を提示して賛成ですか、反対ですかと聞いてみたらいかがかしら。僕も賛成しますよ?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!

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