古本虫がさまよう 植松聖の犯行予告手紙を熟読してから『コンビニ人間』を読むと、ある種のホラー小説としても感得可能かも?
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植松聖の犯行予告手紙を熟読してから『コンビニ人間』を読むと、ある種のホラー小説としても感得可能かも?
(2016・7・28・木曜日)







村田沙耶香氏の『コンビニ人間』 (文藝春秋)を読んだ。


内容紹介→36歳未婚女性、古倉恵子。 大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。 これまで彼氏なし。 オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、 変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。 日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、 清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、 毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。 仕事も家庭もある同窓生たちからどんなに不思議がられても、 完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、 私を世界の正常な「部品」にしてくれる――。 ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、 そんなコンビニ的生き方は 「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。 現代の実存を問い、 正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。



特定嗜好分野の小説以外の小説はあまり読まないのだが、たまたま「コンビニ」と聞くと、ノンフィクション本だが、竹本遼太氏の『コンビニ難民 小売店から「ライフライン」へ』 (中公新書ラクレ)、三宮貞雄氏の『コンビニ店長の残酷日記』 (小学館新書)を読み、本欄でも紹介していたので、手にした次第。特定嗜好分野の小説でも、「コンビニ勤務女性」が登場するラブ(エロス?)ストーリーはないのでは?

それはともかくとして、冒頭、この女性主人公(古倉恵子)の子供時代の「変人」ぶりを示す「小鳥」のエピソードなどを読み、ふむふむと。そして、ある意味で「生真面目」な彼女に比べて、「自堕落」な若者(白羽)との出逢いと奇妙な「同棲」……。

この男の数々の言い分(自分の才能が認められないことへの世への不満や、古倉さんに対するさまざまなセクハラ発言?)が、ちょうど、猟奇的な殺人事件(「津久井やまゆり園」襲撃)を犯した植松聖の犯行予告「手紙」とオーバーラップした。この「手紙」を熟読してから、『コンビニ人間』を読むと、なお興味深いのでは? ホラー小説としても読めるのでは?

そうすることによって、このヘンな白羽という男(古倉さんも?)の主張の数々が、奇妙にリアルに思えてもくる。そして、そうした二人のヘンな生き方を、「普通」の感覚の持主である周辺の家族や知人やコンビニ店員が批判したり批評したり唖然としたり……する。そのあたりの「ありふれた価値観」が衝突する滑稽さを楽しめる小説だった。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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