古本虫がさまよう 南シナ海をめぐる仲裁裁判判決をめぐる各紙朝刊の「報道格差」を検証してみれば……
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南シナ海をめぐる仲裁裁判判決をめぐる各紙朝刊の「報道格差」を検証してみれば……
(2016・7・14・木曜日)






国際仲裁裁判所の南シナ海をめぐる各紙朝刊(2016・7・13)の見出し。相変わらず、この前中国軍艦が尖閣領域に「進入」した時と同様の、格差報道を垣間見ることかできた。

この報道で重要なのは、「国際連合」などが大好きなリベラル新聞なら、当然「国際」がつく「国際法」に基づく司法判断がこの問題で初めて下されたという点だ。それ故に「国際法」ないし「国際法に基づく司法判断」を見出しに使うのが普通の整理部的感覚であろう。中国は国際法を無視する、戦前の軍国日本以上の野蛮国家だ、南シナ海九段線設置などは日本の満洲国建国以上の侵略行為だという「現実」を素直に、かつ冷静に、しかしそこそこ声高に報じるべきだろう。戦前の軍国主義を批判するリベラルな新聞ならば!?

さて一面見出し拝見。東京を除いて各紙一面右トップで報じている。

日経「南シナ海中国主権認めず」 「国際司法が初判断」 「人工島」「島ではない」「中国受け入れない」

産経「南シナ海中国支配認めず」 「初の国際司法判断」 「仲裁裁」「九段線根拠なし」「比が提訴」

読売新聞「南シナ海中国主権認めず」 「国際法初の判断」 「独自境界線」「根拠なし」「仲裁裁判決」

東京「南シナ海、中国の権利認めず」 「初の国際司法判断」 「境界線根拠なし」「習主席」「受け入れない」


この4紙には「国際司法」「国際法」の言葉が見出しにある(東京は左一面トップ。都知事選の知事が右トップなのは、「地方新聞」だから仕方ない?)。


ところが、毎日と朝日は以下のとおり。

毎日新聞「中国の権益認めず」「南シナ海」「九段線」「仲裁裁」「法的根拠なし」「歴史的権利退ける」

朝日「南シナ海中国の権利否定」「独自境界」「法的根拠なし」「仲裁裁判判決」「人工島正当性認めず」「中国受け入れず」


朝日と毎日だけは、「国際法」に照らして「南シナ海での中国の主権」は認められなかったという初歩的事実が、「見出し」オンリーでは分からないような「細工」がされている見出しというと、言い過ぎだろうか? いや、言い過ぎではあるまい。「法的根拠なし」を「国際法的根拠なし」となぜ書かない?

みんな同じ報道、同じ見出し…というのは全体主義的であり、違いがあるのは「個性」があって当然ではあろうが、最低限度の「情報」というか、最低限度の「共有」されるべき認識を伝えるにあたっては、「国際(法)」というのはキーワードになるはず。それを見出しに使わない朝日、毎日の整理部記者たちの感覚を疑うしかない。

実際の記事には「国際法上の根拠はない」「初の司法判断」(朝日)、「国際法上『ノー』が突きつけられた」「国際法に基づく判断が出されたのは初めて」(毎日)とあるのだから、ごく普通の頭脳構造を持つ整理部記者なら、ここがポイントと気づき見出しに使うであろうに? 

ともあれ、社説の見出しは次のとおり(東京新聞は7・13には取り上げていなかった)。


日経「中国は南シナ海めぐる判決を尊重せよ」
産経「南シナ海裁定」「中国の『支配』を退けた」「受け入れへ日米は圧力高めよ」
読売「南シナ海仲裁裁」「中国は判決に従う義務がある」

朝日「南シナ海判決」「中国は法秩序を守れ」
毎日「南シナ海判決」「海洋の常識が示された」
まぁ、社説タイトルだけなら、大差はなさそうだが……。やはり朝日毎日はなんとなくおずおず感がある?

満洲国建国のほうがまだ「理」があったような気もする。「リットン調査報告書」は、今回の判決のように「(日本)全面敗訴」的内容ではなかったから。だが、少なくとも、それと南シナ海九段線設置と同様の視点から批判しても罰は当たるまい。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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