古本虫がさまよう 戦後性風俗史――痴女、人妻、熟女の台頭――を考える上で必読の書物といえば…… 
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戦後性風俗史――痴女、人妻、熟女の台頭――を考える上で必読の必読の書物といえば……   
(2016・7・7・木曜日)






安田理央氏の『痴女の誕生 アダルトメディアは女性をどう描いてきたのか』 (太田出版)を読んだ。

内容紹介→アニメやマンガや文学や美術も大切だ。だが、アダルトヴィデオの歴史を知らなければこの国の文化はほんとうにはわからない。そのことを、この本で証明してみせた安田理央に文化勲章を! 教科書にして学校で教えてもいいよね。高橋源一郎(作家・明治学院大学教授)
アダルトメディアが現実を浸食していることを誰も知らない。 インターネットはセックスをとりまく環境を根底から変えてしまった。いやま体験のない若い年代までもがAVでやっていることを当たり前と思うようになっている。いつのまにか「美少女」「熟女」「素人」などのジャンルが成立し、90年代には「痴女」、ゼロ年代にはついに「男の娘(こ)」が誕生する。セックスしない男女が話題になる中、はじめてアダルトメディアの歴史を解き明かし、 今現在進行しているセックスの状況をつぶさに描き出す革命的論考。


「痴漢」の反対語でもある「痴女」のイメージはどういうふうに形成されてきたのか? 欲求不満の「熟女」「人妻」のイメージとも重なるが……。本書で、出てくるアダルト・(グラビア)女優で名前と顔と胸(?)がすぐに一致できるのは、及川奈央、南波杏、如月カレン、穂花さんたち…ぐらい?
 

AV女優になるきっかけなど、人それぞれであるが、かつてはやはり家庭環境の問題などから抜け出すためのせっぱつまったものがあったり、精神的なトラウマなどもよくあったかのように報じられていた。近年はアッケラカンというタイプや経済的理由により…も増えてはいるようだが…。

安田氏の本でも事例として紹介されている溜池ゴロー氏だが、彼には『AV女優のお仕事場』 (ベスト新書)という本がある。奥さんが元AV女優で作家でもある川奈まり子氏。そのなれそめもこの本でも安田氏の本でも綴られている。川奈さんあたりから「熟女」のイメージも向上していったようだ。『サディスティック痴女医』(如月カレン主演)なんて作品もあるようだが未見?

安田氏は、フランス書院文庫の作品名・「テーマ」などでも、人妻熟女が近年台頭している状況を読み解いている。
男の「草食」化やら、こうした「痴女」モノやら、女性向けポルノ作品やら、性文化もいろいろと多様化しているようだ。本書は索引もあり、性風俗に関する年表も充実しており、「内容紹介」にあるように、戦後性風俗史を考える上でのテキストとしても利用できる一冊だ。よく知らない分野だけに(?)大変勉強になった。活字だけでなく、現物も鑑賞する必要があるだろうが……。著者は、本書などのテーマに関する資料蒐集のために、古本屋などをよく廻っているとのこと。それも立派!

とはいえ、最近、無理やりAVに出演させられたということで労働者派遣法違反に問われて罰金刑を受けた業者があった。そのためAV撮影を自粛する向きが業界にあり、そのために「美女が減り本番もピンチ」「今年上半期AV界は冬の時代に突入する」(日刊ゲンダイ。2016・7・5付け-7・4発行)との報道もあった。

また「美しい痴女の接吻と性交」などに出演していることもあってか(?)「痴女」系アダルト女優だと評されてもいた(?)香西咲さんも、無理やり出演させられていたりしたということだ。

人気AV女優・香西咲が実名告発!「出演強要で刑事・民事訴訟します」
週刊文春 7月6日(水)16時1分配信
人気AV女優・香西咲が実名告発!「出演強要で刑事・民事訴訟します」
香西咲氏のインタビューは20時間に及んだ
 アダルトビデオ出演をめぐる数々の被害が明るみに出る中、人気女優・香西咲氏(30)が、同じく出演強要の被害を受けた佐藤涼子氏(仮名・20代)と共に、かつての所属事務所「マークス(後にマークスインベストメントと社名変更)」の青木亮社長(40)を相手取って刑事・民事の両面で訴訟を起こすことがわかった。
 香西氏は2011年10月にAVデビューしているが、当初はイメージビデオの撮影だと説明されていた。だが、組織的な“脅迫”や“洗脳”、“囲い込み”など手の込んだやり方で追い詰められ、香西氏は出演せざるを得なくなってしまった。
「今でも時々、当時の記憶のフラッシュバックに悩まされます。いっそ自分の人生を終わらせてしまおうかという衝動に駆られたことも一度や二度ではありません。でも、青木に騙された過去といつか折り合いをつけなければと思って生きてきました。AVの出演強要が社会問題化している今しか、人生を立て直すチャンスはないと思い、告発と訴訟を決断したのです」(香西氏)
 週刊文春の取材に青木氏は、「出演するよう脅迫したことはないですし、AVであることを隠してきたつもりはありません」と答えた。
 香西氏のインタビュー動画は「週刊文春デジタル」で7月7日(木)朝5時に公開される。 <週刊文春2016年7月14日号『スクープ速報』より>「週刊文春」編集部7月14日号7月7日発売 定価400円(税込)



その点、アダルト業界のダーティな部分に焦点を当てている、杉田聡氏の『AV神話 アダルトビデオをまねてはいけない』 (大月書店) もかつて読んだ記憶があるが、関連書として併読しておくといい。世の中、オモテもウラもあり、人間、ジキルとハイドだから。いわんやアダルトメディアはきれいごとばかりであるはずがない。

アダルト女優(男優)の自叙伝やアダルトビデオ論の評論本も何十冊か紹介してきた。

以下アトランダムに列挙。ご参考までに。バックナンバーをコピペしたので一部重複もあるかも。あしからず。

・安田理央氏&雨宮まみ氏『エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること』 (翔泳社)
・希崎ジェシカ氏「オーラルセックス」(ベスト新書)
・山川徹氏『それでも彼女は生きていく  3・11をきっかけにAV女優となった7人の女の子』 (双葉社)
・永沢光雄氏『AV女優』 『AV女優2』 (文春文庫)
・水野スミレ氏『「AV男優」という職業 セックス・サイボ―グたちの真実』  (角川書店)
・中村淳彦氏『アタシは生きる!! AV女優22人の人生』『名前のない女たち 企画AV女優20人の人生』 (宝島社)など。

・黒羽幸宏氏『裸心 なぜ彼女たちは女優という生き方を選んだのか?』 (集英社)
・東良美季氏『アダルトビデオジェネレーション』 (アスキー・メディアワークス)
・鈴木おさむ氏『AV男優の流儀』 (扶桑社新書)
・麻美ゆま氏『Re Start ~どんな時も自分を信じて~』 (講談社)
・森ヨシユキ氏『アダルトビデオ「裏」の世界』 (宝島社)
・中村淳彦氏『職業としてのAV女優』 (幻冬舎新書)。
・希崎ジェシカ氏「オーラルセックス」(ベスト新書)
・伊集院通氏『回想の「風立ちぬ」』 (マガジンハウス)
・荻上チキ氏『セックスメディア30年史 欲望の革命児たち』 (ちくま新書)
・本橋信宏氏『なぜ人妻はそそるのか? 「よろめき」の現代史』 (メディアファクトリー新書)
・永沢光雄氏『AV女優』『AV女優2』 (文春文庫)
・中村淳彦氏『アタシは生きる!! AV女優22人の人生』『名前のない女たち 企画AV女優20人の人生』 (宝島社)
・尾谷幸憲氏『私立ヤリチン学院高等科 いま我々はモテるために何をすべきか?』 (双葉社)『ヤリチン専門学校 ゼロ年代のモテ技術』 (講談社)
・田村公江氏&細谷実氏『大学生と語る性 インタビューから浮かび上がる現代セクシュアリティ』 (晃洋書房)
・白河理子氏『女子大ガール 秘密の花園で、女子大生は何を学ぶのか』 (駒草出版)
・藤木TDC氏『アダルトビデオ最尖端 身体と性欲の革命史』 (コアマガジン)
・溜池ゴロー氏『SEX会話力』 (小学館101新書)
・川奈まり子氏『三十路セックス』 (ベスト新書)
・雨宮まみ氏『女子をこじらせて』 (ポット出版)
・長谷川華氏『ママの仕事はデリヘル嬢』 (ブックマン社 )
・ジャネット・エンジェル『コールガール 私は大学教師、そして売春婦』 (筑摩書房)
・アレクサ・アルバート『公認売春宿』 (講談社)
・小沼勝氏『わが人生わが日活ロマンポルノ』 (国書刊行会)
・浜野佐知氏『女が映画を作るとき』 (平凡社新書)
・寺脇研氏『ロマンポルノの時代』 (光文社新書)
・金益見氏(女性)氏『性愛空間の文化史 「連れ込み宿」から「ラブホ」まで』 (ミネルヴァ書房)
・いせかなこ氏『私は見た! ラブホテルの舞台裏』 (新風舎)
・山谷哲夫氏『歌舞伎町ラブホテル 夜間清掃人は見た!』  (宝島社)
・大月京子氏『ラブホテル裏物語 女性従業員が見た「密室の中の愛」』 (文春文庫)
・鈴木由加里氏『ラブホテルの力 現代日本のセクシュアリティ』 (廣済堂)
・都築響一氏『ラブホテル』 (アスペクト)
・金益見氏(女性)氏『ラブホテル進化論』 (文春新書)
・森ヨシユキ氏『アダルトビデオ「裏」の世界』 (宝島社)
・平野勝之氏&林由美香氏『自転車不倫野宿ツアー 『由美香』撮影日記』 (太田出版)
・山川徹氏『それでも彼女は生きていく 3・11をきっかけにAV女優となった7人の女の子』 (双葉社)
・水野スミレ氏『「AV男優」という職業 セックス・サイボ―グたちの真実』  (角川書店)
・穂花氏『籠』 (主婦の友社)
・溜池ゴロー氏『AV女優のお仕事場』 (ベスト新書)、『軽自動車に乗る人妻はなぜ不倫に走るのか?』 (双葉新書)
・フランソワ・オリヴァンヌ、ソフィ・ブラムリーの『婦人科医が答える 誰にも聞けないセックスの悩み』  (太田出版)
・上野千鶴子氏『身の下相談にお答えします』 (朝日新聞出版) 
・みうらじゅん氏&伊集院光氏の『DT』 (角川文庫)
・有野陽一氏『エロの「デザインの現場」』 (アスペクト)
・みうらじゅん氏『人生エロエロ』 (文藝春秋)
・坂爪真吾氏『男子の貞操 僕らの性は、僕らが語る』(ちくま新書)
・『セックス・ヘルパーの尋常ならざる情熱』(小学館101新書)
・河合香織氏『セックスボランティア』 (新潮社)
・大森みゆき氏『私は障害者向けのデリヘリ嬢』 (ブックマン社)
・睦月影郎氏『哀しき性的少年』(二見書房)
・宋美玄氏『少女はセックスをどこで学ぶのか』(徳間書店)、『幸せな恋愛のためのSEXノート』 (ポプラ社)『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』 (ブックマン社)
・二階堂卓也氏『ピンク映画史』 (彩流社)、『新東宝・大蔵 怪奇とエロスの映画史』 (洋泉社)
・村井実氏『ぼくのピンク映画史 はだかの夢年代記』 (大和書房)
・鈴木義昭氏『昭和桃色映画館 まぼろしの女優、伝説の性豪、闇の中の活動屋たち』 (社会評論社)
・高瀬進氏『ピンク映画館の灯 暗闇が恋しい都市の隠れ家』 (自由国民社)
・伊集院通氏『回想の「風立ちぬ」』 (マガジンハウス)がある。
・麻美ゆま氏『Re Start ~どんな時も自分を信じて~』 (講談社)
・中村淳彦氏『アタシは生きる!! AV女優22人の人生』『名前のない女たち 企画AV女優20人の人生』 (宝島社)
・黒羽幸宏氏『裸心 なぜ彼女たちは女優という生き方を選んだのか?』 (集英社)
・東良美季氏『アダルトビデオジェネレーション』 (アスキー・メディアワークス)
・池谷孝司氏『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』 (幻冬舎)
・鈴木涼美氏『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』 (幻冬舎)
・久保新二氏 (著)石動三六氏・小川晋氏 (編集) 『アデュ〜 ポルノの帝王久保新二の愛と涙と大爆笑: エッチ重ねて50年!! 』 (ポット出版)



この分野、結構読んでいる? 近刊のAV女優・紗倉まな氏の『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』 (宝島社)、 『最低』 (メディアファクトリー)は未読。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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