古本虫がさまよう 戦時下であっても、平和時であっても、常に「人生はエロエロ」?
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戦時下であっても、平和時であっても、常に「人生はエロエロ」?
(2016・6・22・水曜日)。







松野良一氏編の『戦争の記憶をつなぐ 十三の物語』 (中央大学出版部)を拾い読みした。


松野良一ゼミでは2007年から、戦争を体験した中央大学関係者を取材し、証言を記録する活動を続けてきました。その成果は、『戦争を生きた先輩たちⅠ、Ⅱ』(全2巻、中央大学出版部)にまとめられました。
今回は、通算3巻目であり完結編です。タイトルは、『戦争の記憶をつなぐ 十三の物語』。この本には、中央大学の台湾人学徒兵、朝鮮人学徒兵の証言記録も盛り込みました。
取材は、ゼミ生が行いルポルタージュという形で執筆しています。後輩の学生たちが読みやすいように、等身大の無理のない文章に仕上がっています。山本五十六司令長官の伝令だった軍楽兵、沖縄に水上特攻した戦艦大和の乗組員の証言も掲載してあります。ぜひ、ご一読ください。

内容紹介→「日本が米国と戦争をしていたなんて、初めて知りました~! 」。こうした感想が大学生から出てくるようになった。長崎原爆の被害者に、修学旅行の中学生が、「この死にそこない! 」と罵声を浴びせかける事件も起きた。急速に風化する戦争の記憶を、どうしたら後世につないでいけるのか。本書では、若い大学生が、戦争体験者を「取材」するという方法を採り、泣きながらルポルタージュを執筆し、自らが後世につなげる役目を担うことになった。「惜別のうた」の作曲家、シベリア抑留生還者、山本五十六・司令長官の伝令だった軍楽兵、戦艦大和の水上特攻からの生還者、満州国陸軍軍人、朝鮮人学徒兵、台湾人学徒兵など13の物語を収録。
「惜別のうた」の作曲家、シベリア抑留生還者、山本五十六・司令長官の伝令だった軍楽兵、戦艦大和の水上特攻からの生還者、満州国陸軍軍人、朝鮮人学徒兵、台湾人学徒兵…戦争体験者を大学生が取材。涙をぬぐいながらルポルタージュを執筆し、急速に風化する戦争の記憶を後世につなげる役目を担う!



巻頭に出てくる「惜別のうた」の作曲者である藤江英輔氏も、ついこの前逝去した。インタビューしたのは2011年9月25日とあるが……。


2015年10月23日
「惜別の歌」作曲者 藤江英輔氏逝去
 「惜別の歌」の作曲者である藤江英輔(ふじえ・えいすけ)氏(昭和25法卒)が、10月14日に逝去されました。享年90歳。謹んでお悔やみ申し上げます。
<惜別の歌について>
「惜別の歌」は、昭和19年、本学予科生であった藤江英輔氏が軍需工場での勤労動員中、召集令状により戦地に赴く学友へ惜別の情を込め、島崎藤村の詩「高楼」に曲をつけたものである。藤江氏は制作にあたり、「高楼」の8連の詩から1、2、5、7連を抜き、1番の「わがあねよ」を「わがともよ」と変えている。
戦争末期「生きて帰ってこい」と言えない世情の中、秘かに友の無事を願う哀惜のメロディは、工場で口づてに広まり、送別の度に歌われた。戦後、島崎藤村のご遺族からご諒承を得た上で、本学グリークラブ(中央大学文化連盟音楽研究会男声合唱部)の歌声でレコーディング(3番まで収録)された。その後、歌手の小林旭氏が歌い人気を博し、惜別の歌は中央大学から社会へ羽ばたき全国に広まった。現在も卒業式等で歌い継がれる本学にとって大切な学生歌である。



藤江氏のこういった戦時中のエピソードは、門田隆将氏の『康子十九歳 戦禍の日記』 (文春文庫)で知った。門田氏のこの本は、広島市長を父に持つ粟屋康子さんの短い生涯を追った作品。父親は広島にいて、あの日(1945・8・6)原爆で即死。母も後日死亡。当時東京にいた彼女も現地を訪れ二次被爆で死亡。藤江氏は、当時中大生(予科)。勤労動員で、彼女と同じ工場で働いていたそうな。松野氏編著の本でも、そのあたりの工場での労働体験などが回顧もされている。赤紙を渡す役目もしていたそうな。

それにしても、藤江氏は、そうした環境下ということもあり「惜別のうた」を作曲し、作詩は島崎藤村の詩を一部改作して作成したという。そのエピソードは門田氏の作品でも触れられていたかと。
粟屋康子さんはむろんのこと、藤江氏もオバマ大統領の広島訪問を知らずに永眠したわけだが……。

ただ、僕は「ジキルとハイド」なので(?)、こういう感動的な一節を読んだあとに手にするのは睦月影郎氏の『誰と見る青い月』 (双葉文庫)だ。この本、タイトルだけだと、ごく普通の小説だが……。以前、彼の『永遠のエロ』 (二見文庫)を本欄で紹介したことがある。いうまでもなく百田尚樹氏の『永遠の0』 (講談社文庫)のパロディ本だ。少し再録風に記すと……。

若き飛行兵長に迫る熟女──
官能界一の売れっ子作家による書き下ろしエンターテインメント!

昭和19年9月。帝国海軍飛行兵長「杉井二郎」は、優秀な飛行技術を使えず出撃待機の状態だった。
海軍兵士の集う喫茶店の熟女・奈津の手ほどきで童貞を失った後、軍事教練指導のために赴いた高等女学校でも女教師、 女生徒たちと関係を結んでいく……。官能界一のベストセラー作家による感動と官能の傑作書下しエロス!



著者お得意のタイムスリップ物語になっている。
入院している祖父を見舞いにきた孫(18歳)。祖父は、戦時中、出産したばかりの新妻(志保)を亡くしている。それが心残り。
見舞いを終えた孫は、突然、戦時中にタイムスリップし、祖父の青年時代に戻り、彼の体に乗り移る形になる。出征寸前で、志保との結婚を控えている。彼女が死ぬその日には決して外出するなと戒めて出征するのだが、彼女以外にも、女教師や同僚の女性たちと戦時下の「愛」に励む‥‥といったストーリー。ううむ‥‥。

まぁ,今日の北朝鮮でも不倫や愛やらいろいろとあるのと同様、戦時中の日本でも、不倫や乱交やらいろいろとあったことだろうから、こういう架空小説を通じて、そのころのもうひとつ別の雰囲気を味わうのもいいかも。
ティッシュペーパーがなくて、チリ紙を使うのだが、「チリ紙」って何?という読者もいることだろうか? あの「和紙」の手触りというものはティッシュペーパーとも「一味」違っていたものだが‥‥。さてはて? 最近は見かけない?

それはさておき、 『誰と見る青い月』は、こんな作品。

内容紹介→昭和二十年、敗戦色濃い横須賀。十九歳の島田紘治は徴兵検査を目前に控えて悶々としていた。脳裏に浮かぶのは女学校を出たての清楚な美少女、咲子の姿。なかなか想いを告げられぬ純情な紘治だったが、血気盛んな若い肉体は出征した夫の留守を守る貞淑な人妻たちを否応なく惹きつける。やがて訪れた恍惚の初体験。紘治は熟れた柔肌に己の全てを委ねる。エロスの巨星による渾身の性春賛歌!



ということで、叔母を手始めに、恋する娘の母親、夫が戦場にいてたまに帰ってきてアレをやっても子宝に恵まれず、いつ戦死するかもしれないと心配して、なんとか子種を欲しがる女教師、そして本命の娘、さらには、その娘の友達…、そして「結婚」…と次から次へと年上の女性(本命はほぼ同い年)から誘惑爆弾を下半身に投下されると、あそこはあっという間に「盲爆」「爆発」「玉砕」してしまう…のだ。巻末に「完全なフィクションです」との断りも入っているが……。

主人公の少年が徴兵にとられるものの、赴任先が自宅のすぐそばということで、別れの悲哀感も薄め。続編がありそうな形で終わっているが、出征前に、初体験から結婚まで何人もの女性と愛し合う(3Pもあり!)のだから。その一節…。

何しろ、十八と二十歳の二人の美女が、着衣のまま全裸の自分の股間に熱い視線を注いでいるのだ。こんな贅沢な状況を体験したものは、日本中どころかアメリカにもいないのではないかとさえ思えた……(以下略)。

ううむ、いまでもそうはいないだろうが、いわんや戦時中ともなると……。先の松野氏編の本に登場する人の中には、表向きはともかくとして、裏向きとしては、睦月氏が描くところの「肉弾」ならぬ「肉林」物語もあったのかもしれない。人生、ジキルとハイド、ホホホとフフフ? 苦あらば楽あり?

みうらじゅん氏の本のタイトル(『人生エロエロ』文春文庫、『されど人生エロエロ』文藝春秋・単行本)通り、人生は「イロイロ」であると同時に「エロエロ」なのであろうか?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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