古本虫がさまよう 「レコ屋」と「古本屋」めぐりを双方達成する人はいるのか?
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「レコ屋」と「古本屋」めぐりを双方達成する人はいるのか?
(2016・5・12・木曜日)




若杉実氏の『東京レコ屋ヒストリー』 (シンコーミュージック・エンタテイメント)を読んだ。

内容紹介→最古の輸入レコード店から21世紀のネット通販まで、東京の音楽文化を担った〝レコ屋〟の歴史をつぶさに追った史上初のドキュメンタリー!
2014年に刊行されて好評を博した「渋谷系」の著者・若杉実が、そこで掘り下げた渋谷のレコード文化からさらに視野を広げて、戦前(1930年代)からの東京のレコード店(=レコ屋)の歴史を、当事者や関係者への取材、各種文献の確認などを踏まえて総括する一冊。アナログ盤の見直しやRECORD STORE DAYの浸透、HMVの新たな店舗HMV record shopの展開など、レコード文化に対する興味が再燃している現在、音楽ファンやカルチャー好きが知りたいこと満載のバイブルとなるでしょう。



要はレコード屋をメインにした物語。必然的に「中古レコード屋」も登場。僕は古本屋と違って、中古レコ屋にはあまり足を運んだことがない。ただ、神保町界隈を歩いていると、そういう店にもよく遭遇はする。本書でも、そういう店に言及している。そのなかのひとつ、神田古書センタービルの9階にある富士レコード社には、十年以上昔、家人と時々出掛けたことがある。ショパンのCDなどを探しに? まぁ、そのひとつしたの8階の某ハイド店にも「たまに」立ち寄ることがいまでもあるが……。9階には全く行かなくなった? そのうち8階にも行かなくなったら、人生もぼちぼち終わりか? 5月20日から22日にかけて、今度このビルの七階で古本市(第2回 ほんのまち古本市)があるか? そこにも行かなくなったら、人生の終わりか?

ともあれ、このレコ分野、まったくの素人なので、僕レベルの人間が読む分には、楽しく読める一冊だった。とりわけ、万引き、盗人との闘いの様相など、本屋同様に大変な業界だなとも。コレクションの趣味が嵩じて、所有欲が肥大化すると、たんなるスーパー、コンビニレベルでの万引きではなく、本格的な「侵入」による「泥棒」レベルにもなることもあるわけだ。

若杉氏の本を読了して、そんな懐かしのレコードが喫茶店やバーなどで流れていた時代を回顧した、「私(音楽)小説」といったおもむきの片岡義男氏(1940年生まれ)の『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。1960-1973』 (光文社)を読んだ。

商品の内容[要旨]→著者初の書き下ろし自伝「勤労」小説。大学生時代、3カ月の会社員生活、原稿用紙に鉛筆と喫茶店、バーの日々。あのころのジャズ・歌謡曲・ロックと、作家以前の「僕」の物語がいっぱい。登場する121枚のレコードジャケットをオールカラーで収録。
これは私小説か。東京小説か。音楽小説であることは間違いない。青春小説か。酒場小説か。あるいは喫茶店小説か。恋愛小説なのか。もしかすると、「勤労小説」と名付けてもいいかもしれない。
それにしても「僕」はなぜ会社を3ヵ月で辞めたのか。そして、あのペンネームはどこからやって来たのか。雨の神保町を濡れずにさまよい、ビートルズの来日会見に行かなかった理由は何なのか。なぜ新宿の裏通りで『骨まで愛して』と『パープル・ヘイズ』を続けて聴き、船橋ヘルスセンターでジャニス・ジョプリンの叫びを耳にしたのか……。
著者の10年以上にもわたる「空白の時代」が、ハードボイルドな筆致と当時のレコードをともなって、いまぼんやりとかたちを帯びてくる。



ちょうどこの本を読み始めた時の、我が家の(食卓上から流れている)BGMが、益田幹夫氏の「黒水仙」とエリック・レニーニの「トリッピン」。この二人の演奏する曲名は本書には出てこないが、当時(1960-1973)の片岡氏の青春物語が、連続する短編小説として、文中に登場する曲目のレコードジャッケト(カラー)と共に描かれている。楽しく面白く一読した次第。

「テディ片岡」という初期のペンネーム誕生の秘話やら、会社を辞めるきっかけ、辞めたあとに偶然、社の先輩と遭遇してバーで……。こちらも神保町界隈の喫茶店などがしばしば登場する。万年筆と原稿用紙をもって喫茶店をはしごしながら原稿を書いていた時代。やがて小説を書くようになる。下北沢の行きつけのバーの女性が、田舎(高知)に帰るというシーンなど。クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル(CCR)の話がそこに出てくる。ううむ、1972年! やっと、僕がリアルタイムで楽しんだ覚えのある曲名が出てきた(その少しまえの「ブルー・シャトウ」1967年も記憶にあるが)。喫茶店やバーで流れた曲(演歌などもあり)のレコードジャケットも登場。

同世代に生きた人なら、もっといろいろと感じながら一読できる本だろうと思う。
それにしても、テディ片岡さんの本も何冊か購入している(積んどくも)。区立図書館レベルでは、片岡義男名義の本ならあるが、テディ片岡名義の本はほとんど蔵書として所有していないようだ。こういう本も一冊は購入している図書館が23区内で、数館あればいいのにと思う。
積んどく本が多いけど、テディ片岡氏の『盗用を禁ず 駄じゃれバカの本』 (KKベストセラーズ)、 『C調英語教室 ミッドナイトイングリッシュコーナー』 ( 三一新書)などは、竹村健一氏のピンク英語講座本同様、楽しめそう。
片岡氏のさらなる新刊本(小説)、 『ジャックはここで飲んでいる』 (文藝春秋)も面白そう。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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