古本虫がさまよう バック・ツー・ザ・オオサカ&キョウト古本市ツアーの「真実」?
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バック・ツー・ザ・オオサカ&キョウト古本市ツアーの「真実」?(2016・4・29・金曜日)







今年も、四天王寺(大阪)&「みやこめっせ」(京都)の「ダブル不倫」ならぬ「ダブル古本市」の時期がやってきた。

「日本の古本屋」の「古本まつりに行こう」によれば、以下の通り。

第14回 四天王寺 春の大古本祭り(大阪府)
期間:2016/04/29~2016/05/05
場所:四天王寺(大阪市天王寺区四天王寺1 丁目11 番18 号

第34回 春の古書大即売会(京都府)
期間:2016/05/01~2016/05/05
場所:京都市勧業館「みやこめっせ」 1F第二展示場 〒606-8343 京都市左京区岡崎成勝寺町9-1


3年前だったか、一泊二日で、この古本市に出かけたことがある(本欄にも記したかと。末尾に再録)。


四天王寺の時は、あいにく午前中雨で、徐々に天気は回復していたものの、足場は悪く、雨よけシートのかかったブースもあったかと。それでもなんとか物色。ただ、寺院境内は「禁煙」だろうに、古本屋関係者がブース内で堂々とタバコを吸っていたのには閉口した覚えがある。いまもそうだろうか? 十年ぐらい前にも、四天王寺の古本市には立ち寄った記憶がある。そのときはもっと大規模だったかと。禁煙だったかどうかはおぼえていないが。そのあと、大阪周辺の古本屋や三宮方面の古本屋に足を運んだかと?

翌日、京都へ向かった。「みやこめっせ」の古本市は、そのとき一度しか行ったことがない。オープン前に立ち寄ったら、会場内の外にまで行列が並んでいた。体育館のような館内での古本市だから、四天王寺と違って雨の心配はないが……。

そのあと、ぶらぶらと京都の古本屋を散策したかと。また行きたいね。今年も含めてここ3年ばかり、黄金週間中は、やむをえない所用が入り、京都大阪方面に向かうことができないが……。

2013/05/01(水) 21:06:18

結局、4月30日~5月1日と休みをとり、関西古本屋ツアーにでかけることにした。

天王寺の四天王寺古本市が5月1日までやっていて、京都の勧業館みやこめっせの古本市が5月1日から始まる。4月30日に四天王寺を見て、5月1日にみやこめっせに寄って、あとはその周辺の古本屋を行脚すれば、効率よく廻れるのではないかと決断。

旅行会社のパックを見ると、通常は東京→大阪一泊二日ホテル(朝食なし)で26000円ぐらい。新幹線だけで26000円かかるから、ホテル代が浮く。しかし、ゴールデンウィーク中は、4月30日平日出発でも、片道3200円増しとか? 往復で6400円増し? 32000円以上になる?

だったら、自分で新幹線切符買って、ホテルを予約しても同じ料金。ならば、そうするということでそうして、ともあれ、出発進行!

昨日(4月30日)は、朝早く新幹線に乗る。車中日経新聞を読んでいたら「私にもアベノミクス効果」「株高で消費マインド明るく」「高級品が好調、心配は物価」との記事があった。消費が勢いづいているとか。ふうむ? 僕とて2年ぶりの関西古本屋ツアーだが…。別に懐が豊かになったというわけでもない。青春18切符では神戸まで行けないし…。

10時前には天王寺駅に到着。さっそく古本市会場へと思ったのだが、あいにくと小雨。雨だと一時中断と聞いていたので、そういうこともあろうかと(?)天王寺の知人お二人と久しぶりに再会する予定も入れていたのだ(天気予想では雨は午前中に止むとのことだったので)。東京というか関東土産の鳩サブレ付き。お互い白髪が増えたと嘆いたり。
向こうも仕事中なので簡単な挨拶をして、天王寺にもブックオフがあるので覗いたが、どこにでもある煩いだけのブックオフ。買いたいものはなし。やよい軒もあった。

正午前に雨も止み、天王寺駅からテクテクと四天王寺まで。十年ほど前か、この古本市には寄ったことがある。それ以来…。

その時は、たしか、大阪内のどっかの同じようなお寺の境内で古本市をやっていて、ハシゴした記憶があるが、もう遠い過去のこと……。愉しかったことだけを覚えている。
その時、この広い境内の古本市は壮観だった。その光景は、池谷伊佐夫氏の『古本蟲がゆく 神保町からチャリング・クロス街まで』 (文藝春秋)の中で、イラスト&ルポで紹介もされているが、その時は一昔前に比べると出品する古本屋さんが21店と少なめだったようで、イラスト化するのも少し楽だったとのこと。今回は?

ともあれ、時間が限られている。急いで見ていく。
新橋駅前のSL広場の古本市や池袋西口公園の古本市などが、より規模を拡大したような感じ。古本屋さん、一軒が一テントというか、そういう形で販売している。最終日間近ということでそれなりに買われているだろう。
ところが、雨は止んだとはいえ、若干曇り空ということもあってか、テントではない、均一台は無情にも雨よけシートがかぶさったまま。また、天気予想を信じていない古本屋さんもあったのか(無理もない?)、テントのあるところも古本書棚の上の雨よけシートをはずさないところも点在している。それ故に、小一時間経過しても、古本オープン率は7割程度か?
「シート、もう取ってね」という関係者の呼び掛けの声もあったが、動作が鈍い。ヤレヤレ。

しかも神聖(?)な境内だというのに、古本屋関係者があちこちで(レジ付近)タバコを吸っているので、その悪臭が漂っている。池袋西口公園や早稲田の神社なんかの古本市や新橋SL広場の古本市でも、古本屋関係者が自分のブースの中や周辺ではそんなに吸ってはいなかったと思う。新橋や池袋は一応、青空ではあるが喫煙所が区切られてもいるし。

それを思うと、この古本市、環境的には最悪の状況である。高円寺古書会館より悪い?

タバコの悪臭の中、しかも地面は雨でぬかるみになっている中、足元も悪い。そして、雨は止んでいるのに、7割り程度のオープン率。全体像を見渡すことはできず。そしてちょっと面白そうな本があるかと思いきや、強気の値段設定…。雨よけシートをやっと処理しだしたが、もう待っていられない? こっちも忙しいのだから?

ううむ、この古本市、今回はさほどの縁はなかったようで、結局何も買わずじまいで撤退。
テクテクと地下鉄の駅に歩き、南森町駅に移動。そこから天神橋周辺の古本屋を廻ることにした。
以前、『男の隠れ家』 (2012年春)が、この地域の特集をしていてそれも事前に読んで準備。しかし、ここで紹介されていた古本屋もあいにくと見当たらないものもあった。閉店したか移転したか? このあたりは十年前一度寄ったことがあり、多少土地勘もあったが、もう忘却の彼方?

ともかく、ついでにその近くにもあり、以前、NHKテレビでも紹介された「青空書房」にも寄ろうかと。そういえば、ここのご主人のさかもとけんいち氏の『浪華の古本屋ぎっこんばったん』 (SIC)はかつて本欄で紹介したこともあった。すっかり忘れていた。

『男の隠れ家』以外にも、 『大阪人』(2009年3月号)で「続々古本愛」特集をしていて、このあたりの古本屋などが詳しく紹介されていた。それを再読もし、今回のツアーに備えもした。

さて、時間もすでに午後1時過ぎ。
最初に入ったエンゼル書房で、甲斐弦氏の『南の「たそがれ」』 (葦書房)を購入。背表紙には700円のシールが貼られているのに、頁の最後には手描きで1000とある。どっちが正しいのかと聞いたら、700とのこと。

そのあと北上。ブックマートもあった。
そのあと、駄楽屋書房、天牛書店天神橋支店へ。この2店は洒落た感じにしているのだろうが、店内照明がちょっと暗いのが難点(そういえば、大発見!。大阪の地下鉄・JR車内の蛍光灯は全部点灯していました。少なくとも僕の乗った車両はすべて。首都圏の電車のように車内蛍光灯を間引いている車両には出会わなかった。駅構内も歩いた限りでは照明を省いているところはなかった。首都圏のJRや東京メトロなどがいかに異常なことをやっているかを再認識した次第。ちなみにパスモも使えて便利だった)。

あと矢野書房(ここは古本屋「二軒」?)や、もう一軒あるエンゼル書房を見て、高山文庫を覗き、問題の青空書房へ。テレビで拝見したご老人が店番をやっていた。店脇に「古本買います。コミック誌、成人誌はいりません」とも書いてあった。店内にエロ本はなし。ううむ…。本心からなのか? 少し怪しい?
ここでは、ご本人の著書『夫婦の青空』 (天理教道友社)や加藤登紀子氏の『壊された大地の上に』 (角川文庫)や林真理子氏の『働く女の意地とマコト 幸せになろうね けなげに上手にワーキング』 (カッパビジネス)、そしてなぜか出たばかりの新刊本でもある末松太平氏の『私の昭和史 二・二六事件異聞 上下』 (中公文庫)を購入。1800円。

自著本にはサインもされていた(あとでこの本を読むと、愛妻家故の楽しいエッセイ集でもあり、先に奥さんを亡くされての追悼本でもある。一日の売上で1000円程度の日もあったとか。それを思えば、小生の1800円。少しはお役にたったか?)。
さて、ここから「阪急古書のまち」や「なんぱ」周辺の古本屋街に行く余裕はなく、まずは神戸へ。なにしろ元町の「赤萬」の餃子を食べるのも今回の旅行の目的の一つなのだから? その近くの古本屋「ちんき堂」などにも行かねば。

その「ちんき堂」の主人が、戸川昌士氏。『猟盤日記』『進め!猟盤日記』 (ジャングルブック)、 『古本パンチ』『やられた!!猟盤日記』 (東京キララ社)、 『おまた!!猟盤日記』『助盤日記』 (太田出版)の著者でもある。

早速、神戸のメトロの地下通りにある古本屋(ジキルとハイド的古本屋)を覗く。ここで、『新聞人 坂口二郎 昭和編 日記・論説』 (紫水叢書)を購入。定価6500円が2000円。エロビデオ多数の店で、この本を買ったのだが、店主がしげしげと眺めて「珍しい本見つけましたね」とコメント。ううむ、まぁ、珍しいといえば珍しいかもだが…。本当は高井桃の絶版ビデオを購入したかったが、あまりにも多くて、探すのが大変で断念?

そのあと、神戸から元町までガード下の商店街を歩く。昔はたくさん古本屋があったかと思うが、いまは4軒程度。ジキルとハイド的古本屋ばかり? いや、そこそこ真面目な普通の古本屋も…。あいにくと買いたい本はなし。
午後5時すぎに、元町に到着。さっそく「赤萬」に入る。餃子二皿(280円×2)。ビール(大・500円)。できるのに時間がかかるので、小瓶(350円)も追加。すでに二万歩近く歩いているので喉も乾いていたので心地よい。

そのあと、「ちんき堂」へ。ここのご主人も白髪が増えた。お互い歳?
三省堂向かいの某店なら、もっと高い値段がつきそうなサブカルエロ本などが少しあるけど、お安い。ここではローラ・バーフォードの『悪徳の報酬 極めて道徳的な物語』 (立風書房)を500円で購入。

そのあと、元町の商店街をブラブラして、海文堂へ。ここは新刊書店屋。なかなか充実している。小田原の伊勢治書店みたいだ。

こういう新刊屋が近くにあると便利だろう。この二階の一角が古本コーナーになっている。そこで星野力氏の『歌声は海をこえて ハノイ通信』 (新日本出版社)。この共産系出版社は単細胞的に共産諸国礼賛本を多々だしている。代表的なのは、寺尾五郎氏の『三十八度線の北』など。共産圏諸国(北朝鮮・ベトナムなど)を礼賛する本を出し、そのあと、現実とあわないことがあると無視したりしてきた出版社だが…。この本も1971年の刊行。そのあと、「解放」されたはずの、愛するベトナムから難民が大量に「排出」されたものだったが…。

そのあと、神戸古書倶楽部へ。ここは初めて? 「上野古書のまち」がなくなって、「浅草古書のまち」ができたが、そんな感じの古本屋。数軒の古本屋が共同出展しているそうな。軍事関係の本にはそこそこの強気のお値段がついていた。

ここでは、末永勝介氏の『新ガマの聖断 男性の欲望を開放するバイブル』 (太陽)、ジャック・ペシュラールの『ラムの大通り』 (早川書房)、ジャン・モリスの『スペイン』 (図書出版社)を購入。神戸駅に戻るともう午後7時すぎ…。朝9時すぎに新大阪に着きグルグルと。二年ぶりの大阪、兵庫の古本の臭いを十分味わえたが…。

金券屋で神戸→京都までの回数券を利用した割安切符を購入。これだと神戸から京都まで1000円ぐらいかかるのが800円になるとか。天王寺の知人に教えてもらったので早速「利用」した次第。

聞くと、関西の鉄道は日中昼間利用だと、割安切符があるとのこと。首都圏ではそういう競争がないせいか、昼間利用オンリーの割安切符は聞いたことがない(JRと阪急・阪神などと競合路線があるかせいか?)。車内蛍光灯もちゃんと点灯しているし…。

この日の古本屋関連以外の発見→
①大阪の電車は蛍光灯間引きせず。
②あと品川駅の大阪方面行きホームにはなんと青空喫煙所がまだ健在。呆れて車内検札の時、車掌に抗議した。喫煙ルームにするならまだしも…。二年前にも抗議した記憶があるけど…。JR東海の「良心」はいずこに? JR東日本は「危険な怖い会社」というイメージがあるけど、禁煙に関しては、東海よりはるかに「先進的」。


三宮周辺の古本屋などにも寄りたかったが、もう体力も限界? 古本屋も閉店時間か? 神戸から京都まで一直線。

チェックインをすませ、コンビニで関西名物・産経夕刊(大阪岸和田城のお堀に不法投棄云々が一面トップ)、そしてビ-ルとつまみとアンパン買う。ホテルで新聞を読みながら、それらを夜食にして就寝。

(この項続く)。

2013/05/02(木) 06:36:26
昨日(5月1日)、朝は京都のホテルで目覚め。晴天。少し寒い。
9時にチェックアウトし、駅のロッカーに昨日の収穫などは入れて、地下鉄を乗り継いで東西線の東山駅へ。そこから十分ほど歩いて勧業館へ。
用意していた地図が簡略されていて、さてあのあたりか?と不安であったが、リュック担いだ中年のオッサンが三々五々周囲を歩いている。同好の士(ただ、僕はリュックは嫌い。自分は両手が使えて便利かもしれないが、登山や戦後まもないころの買い出しならいざ知らず、古本市にこんな恰好で来ると、狭い会場では幅広で迷惑千万…)のあとをついていく。

会場に着いたのは9時55分ごろ。この前紹介した山下武氏の『人の読まない本を読む 赤耀館読書漫録』 (本の友社)の中で、彼が、京都の古本市(京都市勧業館・みやこめっせ)などに対して「ブツの量も多いのはたしか」だし、「雨に祟られる心配がないのもよい」「客の出足もよかった」けれども、「白っぽい本が目立ち、総じて値付けが高い」と厳しい批評もしたりしている。

毎年のように、このゴールデンウィークの時期には京都方面に出かけていたようで、別の年には、この古本市に対して「総体的に値付けが高く、食指の動くような本が少ない」とも記している---と紹介したが、さてどうなるか?

会場に入ると、すでに入口前に長蛇の列が出来ている。大晦日近くの給料支給当日の銀行の自動現金引き下ろし機の前みたい? ざっとみても100人以上。列の最後に並んだが、オープンの十時まで待つこと数分の間に後ろにもすぐ列が出来た。

10時1分にオープンとなったが、会場が広いこともあって、人であふれるような感じもなかった。所沢の彩の国の古本市より会場が広いだろうか? ちょっと判断がつかないが…。書棚と書棚の間もわりと広いからリュックの人もそれほどは迷惑ではないが、やはり迷惑?

あとスーパーの買い物籠(黄色)を用意している。これはよくぶつけられるから嫌いである? 気の利いたデパートなどの古本市では、そんな批判もあるのだろう、最近は透明で厚めのビニール袋みたいなものを用意している。これだと、本が入ると、その本の角などでぶつけられることがあるにせよ、買い物籠に比べるとスペースが横長ではなく縦長なのでまだマシという感じがする。

ともあれ、戦線突入…であるが、まぁ、所沢のような品揃え。そこそこ古書もあり、京都銘柄のコーナーもあり、規模が大きい分何かありそうではあるが…。会場内には、所沢のような煩い耳障りな音楽は流れず。これはいいことだった。
結局、何も買いたいものはなし! 小一時間、いろいろと楽しめたが…。四天王寺に続き、ここでも支出ゼロになるとは、意外な展開?

会場を抜け出し、晴れているので(ところによって日和雨もあったが)テクテクと京都市役所方面に歩いていく。途中古本屋が二軒あって覗くが買いたいものはなし(一軒はこれから外出ということで中は覗けなかった)。

京都市役所近くのユニ-クな新刊屋三月書房に久しぶりに寄ろうと思った次第。
昨日(火曜日)は定休日だったようだが、ちゃんと開いていた。
新刊書店としてユニークな新刊を揃えているが、この日もなかなかの感じであった。

ただ、新刊ではあっても古い本は定価の5割、6割引きなどと銘打っており、半分古本屋さんのような感じである。昨日、青空書房で買った末広氏の中公文庫の新刊もあったが…。
三月書房内でブラブラしていると、ちょうどデモ行進が長々とあった。あぁ、今日はメイディ-。連合系は早めに集会をすませていたが、共産系は本家ソ連の伝統にのっとって、5・1にやるのだろう。同じ声で同じスローガンを連呼していく。TPP反対、大飯(原発)は要らない、日米安保も要らない、米軍基地も要らない、核兵器なくそう…とか。
天皇制も要らないとか、北朝鮮の核と拉致は許さないとか、そういう連呼はなぜかない? まぁ,京都は共産主義者の多い地域。古本屋ツアーで、シーラカンス的な共産主義者の実態を垣間見ることもできて何より? こんな反体制デモ、中国や北朝鮮では開けないんだから、日本って本当にいい国?

三月書房では何も買わず、テクテクとデモ行進と並行して市役所へ。市役所前からさらにデモ隊は進んでいくが、ちょうど京都ロイヤルホテル周辺の古本屋(ブックオフもあり)をブラブラするのと並行してしまい、いささか煩く閉口? アーケード街のほうに逃げて時間を潰したり。
数年前に比べると、この界隈の古本屋も減った感じだ(休業日の古本屋もあったが)。

さて、古本市と三月書房も見たし、次はバスに乗って京都大学へ。その周辺の古本屋もしかし減っているようだ。一軒は勧業館の古本市参加のために期間中臨時休業という張り紙があった。結局覗けたのは2軒だけ。
そのうち一軒の古本屋で、『愛欲無限』というタイトルの本が目に止まった。ふふふ、愛欲無限か…。しかも著者が中河与一ではないか。ふふふ、と思って手にしてみた。刊行元が「日本ソノサービスセンター」(昭和43年12月1日初版発行)というのは珍しいなと思って奥付を見ていたら、発行者が「大池文雄」ではないか。彼に関する著作は何冊かここでも紹介したことがある(以下一部再録)


大池文雄氏の『私の畸人録』 (ぺりかん社)を読んだ。
著者は一九二八年生まれ。旧制水戸高校時代に梅本克己氏に師事し、中退後、日本共産党水戸市委員長、茨城県常任委員などを歴任するも、一九五六年のハンガリー事件をめぐり党中央と対立し除名されている。その後、「論争社」などを経て、平和相互銀行にも在籍し、ゴルフ場の経営にも手を出している。ゴルフ場に関しては『オーナーが語るゴルフ場の話』 (風濤社)という本があるが、僕はブルジョワ的スポーツは嫌いなのでゴルフには無関心だが、『私の畸人録』はそういう職業体験者故に、さまざまな畸人(保田與重郎、中河與一、岡潔、林房雄、遠山景久、小宮山英蔵、奥村綱雄)との出会い、エピソードが綴られており大変面白い本だった。
 
中河氏や藤田嗣治画伯に対する戦時中の行ないに関する批判に対して、保田氏は反論もしていたようだ。大池氏の友人でもあった遠山氏は、一時、河野一郎氏の側近でもあったようだが、その時はまだ左翼だったために、彼に猛烈な「洗脳」を行ない、「河野のソ連贔屓は僕(遠山)のせいなんだ。彼が農相時代に鳩山首相とモスクワへ行って、日ソ共同宣言に署名して来た。河野があのお膳立てを一生懸命やったのはそのせいなんだ」と語っていたこともあったそうな。
 
遠山氏のラジオ関東買収や論争社創設などの裏話は面白い。古本屋で論争社の本は大概揃えたが、ユニークな本が刊行されている。結構な専門書だ(クロスランド『福祉国家の将来』 、西尾末広『新党への道』 、レイモン・アロン『現代の知識人』等)。遠山氏は論争社の前にも出版社をやっていて、その時は大井廣介氏の『左翼天皇制』『革命家失格』などを刊行していたという(これらの本も以前購読した覚えがある)。
 
雑誌「論争」を創刊する時、編集を大池氏と救仁郷氏に任せると言いながら、小山弘健氏にも任せるという二股を遠山氏が取っていたという。小山氏にも『戦後日本共産党史』 (芳賀書店)などの本があるが、反代々木とはいえ、まだ左翼臭のある人だと僕は思っていたが、遠山氏は小山氏を編集長にして、大池さんたちが補佐するという折衷案を出してきたが、それを拒絶し、両者が直接対決論争し、それを聞いた上で最終的判断を下すことになったそうな。テーマは「現代資本主義論」。小山側には浅田光輝氏も加わって、遠山家でやったが、「大池、救仁郷組の勝ちだな」という判定が下されたとのこと。それは良かった。小山・浅田両氏が「論争」を運営していたら、実際よりもう少し左寄りになっていたことだろう。
 
平和相互銀行時代は、さまざまな銀行改革案を発案し、そうした路線を支援してくれたものの、後にスキャンダルにまみえた小宮山氏を擁護もしている。夜七時まで窓口を開けていた平和相互銀行はユニークな存在だったことしか記憶していない。学生時代住んでいた町にも平和相互銀行はあったが、すでにカード時代だったために特に利用するということはなかった。
 
大池氏は、論争新人賞で入選したこともある日本経済新聞社の記者(太田哲夫氏)にも依頼して、当時、平和相互銀行などがフルに活用していた通信回線の一元的管理、要するに「独占」を企図していた電電公社の法案を葬るために一肌脱いでもいる。日経の月曜論壇に法案反対、民間の創意に任せよというオピニオンを野村証券の奥村綱雄氏に書かせたのである。また、平和相互銀行総合企画室編で『岐路に立つ情報革命 通信回線の全面開放を求む』 (徳間書店)なる本も刊行したという。
 競争を否定する銀行業界にあって、ヌードカレンダーなども作っての話題作りも行ったようだし、アイデアマンとしても活躍したようだ。平和相互銀行の小宮山氏は、NHK出身で民主党の小宮山洋子代議士の祖父にもあたるという(自民党の小宮山重四郎氏は実弟)。
 
その他、文字通りの畸人(?)であった岡潔氏の愛国者的エピソードなども面白い。吉田茂氏が没後洗礼を受けクリスチャンになったのがケシカランとのこと。大池氏の前で「あれは日本人の誇りを傷つけ、日本人の精神的針路をあやまらせます。その罪は許せません」「とんでもないことです」と叱責し、インクビンの箱にあったGペンを鷲掴みにして、畳にブスっと突き刺したそうな。ううむ。


大池氏と中河氏とのつながりもあるわけで、こういう本にもなっていたのかということで購入。500円。

そのあと、古本屋ツアーインジャパンさんの訪問記を参照にしつつ、京大前からテクテクと東に向かって歩く。

「牛に引かれて善光寺参り」ではないが、「古本に惹かれて善行堂参り」というわけで、「古書善行堂」に向かった。ここの店主、山本善行氏の本はこの前も紹介したばかり。


山本善行氏の『定本 古本泣き笑い日記』 (みずのわ出版)を一読した。前著『古本泣き笑い日記』 (青弓社)の増補版といったところ。前著も一読したのだが、古本屋ツアーインジャパンさんのように、「自由業」(執筆当時は夜の塾講師)なので、日中、ブックオフはじめ関西のさまざまな古本屋を行脚し、蒐集した古本に関する感想などを綴った日記集。

こういう人にもなると、ブックオフでもかなりの掘り出し物を随時発見もする。一般の古本屋の軒先なんかでも同様。挙げ句の果てには数万円の古書価格もついている司馬遼太郎氏が本名(福田定一)で書いた『名言随筆サラリーマン』 (六月社)などもあっさりと軒先一冊100円コーナーで見つけてくるのだから凄い。執念というか、古本屋古本市通いのスーパーベテランならではの成果といえようか。
まぁ、世の中、イロイロエロエロ。古本買って、本を読むのが一番いい趣味と思うのだが……。古本漁りも女漁りもホスト漁りも五十歩百歩の趣味の世界?


その自著も置いてあった。古本屋としては標準的というか若干狭いかもしれないが、まずまずの広さの古本屋。渋い文庫なども多々あった。ここでは久保田二郎氏の『そして天使は歌う』 (角川文庫)と雑誌「サンポマガジン5」(2012年春&夏)を購入。久保田氏の本は、『手のうちはいつもフルハウス』『最後の二五セントまで』 (角川文庫)は持っているはずだが、さてこの本は持っていたかかどうかちょっと気になっての購入。

ともあれ、三月書房&古書善行堂も見て、京都の古本屋ツアーもほぼ目的を達成。
夜の新幹線で帰宅の予定だったが、早めることにした。もういいや?と。

バスで京都駅に戻り、赤福などを買って(赤福も以前のスキャンダル発覚で、貰い物としては食べても自らは買わないようにしようと思ったが、もういいやと)。

京都駅のホームで上りを待っていたら、なんとここも青空喫煙所があって臭い。6月に閉鎖する予定で、それ以降は、駅構内の喫煙ルームもご利用くださいとはなっているが…。

乗車して検札にきた車掌に早速抗議。6月に閉鎖するにしても、せめて白線を引いて、そこからはみ出さないようにするとか、そういうことも東海はしないのかと。そうしないと、灰皿から遠く離れて吸うマナーの悪い喫煙者を注意することもできないではないかと。はいはい、乗務報告に書きますとか行っていたが、前日の品川といい、京都といい、青空喫煙させほうだいの東海の姿勢は本当に情けない限りであった。東海道新幹線にはめったに乗らないので、未だにこんな状況とは知らなかった。
帰りの新幹線は11号車。10号車はグリーン車でグリーン寄りに喫煙ルームがある。そのせいか、11号車にいると、なんとなくタバコ臭かった。

漏れているのではないか? もしくはそこに吸いに行った人が、席に戻るために、11号車を通る時に服に染みついたタバコの悪臭がばらまかれているためなのかもしれない。

真相は不明。下車する時、ちょっと覗いたが。今度はグリーン車(10号車)に乗って、喫煙ルームに一番近い席を取り、人体実験をする必要があるかなとも? 喫煙ルームから悪臭が漏れていないか、東海はちゃんとデータを取っているのだろうか。漏れていなくても服に染みついたりすると、そんな人が隣席に座るとすごい迷惑。そこまで考えているのだろうか。数時間程度の乗車、乗る前にちゃんとした喫煙ルームを駅構内に作れば、車内は東日本のように全面完全「禁煙」でもいいのではないか。服にしみつかないような喫煙ルームならまだしもだが。

それにしても、京都で乗った地下鉄車内も蛍光灯は全部点灯していた。首都圏の電車の車内蛍光灯の間引きによる読書環境の悪化は、やはり是正すべきではないか。

猪瀬都知事には、都営地下鉄だけでも、車内蛍光灯はもとに戻すべきと命令してほしいものだ。



3年前の大阪京都古本屋ツアーの「日記」を読み返しながら、このとき、買った本、一冊も読んでないことに気づいた。さらには、読んだとして紹介している本も、あまり記憶に残ってない。海文堂もなくなった。あな恐ろしや。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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