古本虫がさまよう 女性は大変? 脱北嬢、女子大生、キャバクラ嬢、主婦、デリヘル嬢、SM嬢、看護婦の世界を演じきる
2017 11 / 10 last month≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12 next month




女性は大変? 脱北嬢、女子大生、キャバクラ嬢、主婦、デリヘル嬢、SM嬢、看護婦の世界を演じきる(2016・4・22・金曜日)







雪村葉子氏の『私は絶対許さない 15歳で集団レイプされた少女が風俗嬢になり、さらに看護師になった理由』 (ブックマン社)を読んだ。

内容紹介→羽交い絞めのまま車は走り出す。「何をするんですか、助けてください」やっとの思いで小さく叫ぶと、握りこぶしで顔を殴られた。 痛さで気が遠くなりそうだった。セーターを首の下までたくしあげられ、強い力で乳房を揉みしだかれた。その後はもう、声も出ない。どこに連れられていくのだろうか。これから何をされるのだろうか。早く逃げなければならない。 寒さのせいなのか恐怖のせいなのか、身体がガタガタ震え、止まらない。いつのまにかおしっこを漏らしてしまったようだ、スカートがひんやりと冷たかった。 脳も痛みで震え、身体も止まらない震えに襲われながら、母のことを考えた。時折、男たちの笑い声が聞こえた。 私の左腕を押さえつけていた男が片手でズボンをずり下げているのに気が付いた。 私の腰まである長い髪を鷲掴みにして、顔を股間に持っていかれた。「しゃぶれ」低い声が命じた。 他の男たちは静かにそれを見守っている ―――(本文より)



書名と内容紹介に尽きる本。

「金正日を若くした豚のような男。豚のような男のペニスは小さくて、私の親指の先ほどの大きさだった。白くたぶたぶとした腹に埋もれた小さなペニスを自分の手で一生懸命掘り起こして、私の股間に押し付ける……」

そんなサイテー最悪の男たちにレイプされてしまう。

本書によると、2013年、警察に届出があった性暴力被害のうちレイプ被害は約1400件。
内閣府の調べによると、レイプ被害を警察に相談した人はわずか3.7%に留まっているとのこと。

葉子さんの体験した、一見不可解な世界は、トラウマの精神医学の立場から言うと、
むしろ腑に落ちるものばかりなのだ ――解説:和田秀樹(精神科医)

警察沙汰にもせずに、親にはバレないようにしたりしつつも、学校内で噂になったり。そういう悲惨な体験をし、レイプした少年の父親と「援助交際」して貯めたお金で、上京し大学へ。
在学中からキャバクラや風俗店につとめて、そこで知り合った20歳年上の男と同棲、結婚。それでハッピーエンドとはならず、さまざまな修羅場をさらにくぐり抜けていく。
看護婦の資格を得る中で、再び、風俗の世界にも。その前後に、摂食障害になったり、体重も50キロから100キロに太ったり、戻ったりと肉体的にも精神的にも不安定な状況にも陥る。

いやはやの世界だ。

自分の顔写真・全身をカバーに使って『性犯罪被害にあうということ』『性犯罪被害とたたかうということ』 (朝日新聞出版)という本を出している小林美佳さんという女性の本を紹介したことはあるが、どちらも壮絶な手記。
それでも、あの北朝鮮の少女パク・ヨンミさんの世界よりはまだマシかと思ったが、アマゾンでも、雪村さんの本の関連書として出てくるのが、その本(すでに紹介ずみ。以下一部再録)。

パク・ヨンミ(脱北女性)の『生きるための選択 少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った』 (辰巳出版)。

内容(「BOOK」データベースより)
北朝鮮では、死体が放置される道を学校に通い、野草や昆虫を食べて空腹を満たし、“親愛なる指導者”は心が読めて、悪いことを考えるだけで罰せられると信じて生きてきた。鴨緑江を渡って脱北した中国では、人身売買業者によって囚われの身になり、逃れてきた場所以上に野蛮で無秩序な世界を生き抜かなければならなかった―。「脱北したとき、私は“自由”という意味すら知らなかった」―およそ考えうる最悪の状況を生き延びた少女は、世界に向けて声を上げはじめた。


(「脱北」して中国領土に入ったとき、パクさんの「体」を要求する相手に対して、母親が身をもって「レイプ」され、操を救おうとする。結局彼女自身も生き延びるためには……。

パクさんは、雪村さんよりはるかに苛酷な環境下で、教育も満足には受けられぬ状況であったが、家族愛にはまだ恵まれていたし、脱北後、ジョージ・オーウェルに遭遇する。

「でも、ジョージ・オーウェルの『動物農場』を読んだことが本当の転機になった。砂山のなかでダイヤモンドを見つけたみたいだった。私がいた場所や経験したことをオーウェルは知っていたのではないか。そうとしか思えなかった。動物農場は北朝鮮そのものであり、そこに描かれていたのは私のかつての暮らしだった。動物たちのなかには、私の祖母や母や父がいた。もちろん私も。私は理想を持たない新しい豚のなかの一匹だった。北朝鮮の恐怖をシンプルな寓話として見せられることで、私を支配していたその力が消え、そこから自由になれた」

「北朝鮮人の頭のなかでは、つねにふたつのストーリーが進行している。並行する二本の線路を走る列車みたいに。ひとつは信じろと教えられること、もうひとつは自分の目で見たこと。韓国に来て、ジョージ・オーウェルの『一九八四年』の韓国語訳を読んではじめて、この状態をあらわす”二重思考”という言葉を知った。これは矛盾するふたつの考えを同時に持てて、頭が変にもならない能力のことだ」(古本虫注。要は「二枚舌」。進歩的文化人などは「二重思考」「二枚舌」の天才? 自分たちが「反知性主義」なのに、相手を「反知性主義」と批判できるから?)。


雪村氏は、「本」と出会うことはあまりなかったようだが、マクベスの「綺麗は汚い。汚いは綺麗」を引用したりもしている。結婚して、障害児のためのボランティア活動をしていて、資格を取ろうとして看護婦を目指すあたりは向上心のあらわれではあったようだが。

ともあれ、人はジキルとハイドということで、今も、昼は看護婦をしながらSM嬢をやったりもしているとのこと(夫のもとを離れて地方の看護学校に通っていた時は、デリヘル嬢もやっていたとか)。大学に入って整形もしたのだが、おおむね美人だったようだ。
看護婦として宿便を取るために肛門に指をいれても給与内だが、SMの世界だとそれだけで一万円もらえる。そこに人生の面白さを感じているようだ。

祖母が「ひとはみな違うのだから、そのままで大丈夫だからね。人にはそれぞれが得意なこと、苦手なことがある」「ひとは皆、誰もが唯一無二の奇形なんだよ」と諭してくれたという。

以前、大庭佳奈子氏の『風俗依存症 私が本当の居場所を見つけるまで』 (文芸社・文庫版もあり)を紹介したことがあるが、彼女も厳しい躾けの家で育ち小学生の時はマジメないい子だったが、それへの反発などもあってか中学生の時に家出をし初体験。その後、家に戻ったもののモデルにスカウトされたりもする。バブルの頃で写真集なども出したというから、雪村さん同様に「美人」系統の女性だったのだろう。だが、モデルの仕事もなくなり、これまた雪村さんのように摂食障害やらで太ったりもする。やがてヘルス、キャバクラなどの世界に入りソープへと。二時間55000円で手取りで35000円もらえる高級店。その後90000円の店へも。彼女はやがて、その世界でナンバー1の売れっ子になっていく。そのためのノウハウなど努力もしている。

長谷川華氏の『ママの仕事はデリヘル嬢』 (ブックマン社 )は、夫の浮気癖に呆れて離婚しコンビニで働くものの二人の子供を抱えて四苦八苦。ついには電気ガスが停められる事態になり、デリヘル嬢になってしまう。本番なしの手と口での性サービスで、ソープなどに比べれば肉体的損耗は少なく、一回やれば7000円入る。コンビニだと一日働いて稼げる収入が、デリヘルだと一時間程度の時給で稼げる。
最初に入ったところが、いささかモラル的にもレベルの低いところだったのに嫌気をさし、女性が経営する店に移り、売れっ子になっていく。
単なる性サービスを求めるだけでなく、女性の温かみを求める顧客も多く、そうした精神的なケアにも注意した結果とのこと。お年寄り相手に懐かしの歌を歌ったりしてチップを稼いだりしたこともあったそうな。中には夫が浮気するためにデリヘル嬢を呼んだら、なんと奥さんがやってきたなんてことも…。

やがて病気にもなり、体力的にも大変な仕事を卒業し、自らデリヘル店を主宰。女性の採用方針やら経営のノウハウなどを綴っている。
興味本位で読まれる本ではあろうが、それなりに、ある一人の女性の自叙伝としては水準に達している作品であった。一読の価値はある。

AV女優やらソープやら女性ならではの古典的職業に関する自叙伝や取材ルポなどは多々出ている。大学教授クラスの女性が売春をやった体験を綴ったのが、ジャネット・エンジェルの『コールガール 私は大学教師、そして売春婦』 (筑摩書房)。

キャバクラ嬢やって、大手テレビ会社のアナウンサーになった人もいたっけ。美人は得?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
スポンサーサイト
 | エロス  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/2488-7d20c417

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ