古本虫がさまよう 『我、古女房より古本を愛す――「読みもしない本を買い、読みもしない本を買うなと罵られて半世紀」』が文芸社より上梓される時は来るのか?
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『我、古女房より古本を愛す――「読みもしない本を買い、読みもしない本を買うなと罵られて半世紀」』が文芸社より上梓される時は来るのか?
(2016・3・30・水曜日)







この前、JR御茶の水駅で下車して古書会館に向かっていたら、明治大学前で、卒業式でもあったのか、羽織り袴の着飾った女性たちを見かけた。
その時、ふと、大学に入学した時のころを思い出した。もう40年弱前。
お茶の水のこの界隈を初めて歩いたのは、たしか高校二年生の夏、上京をした時。そのときからすると、40年が経過。
地元の古本屋を行脚していたのも、そのころからだから、ざっと古本屋行脚40周年(ぐらい)になるだろうか。

その長さに比べれば、古女房と知り合ったのは30数年前。結婚して、もう30年以上が経過しているが、古女房より古本(屋)との付き合いのほうが数年は長い。
やはり『我、古女房より古本を愛す――「読みもしない本を買い、読みもしない本を買うなと罵られて半世紀」』という本もいつか出さなくては? 自費出版の文芸社から出すとすると、最低でも数百万円はかかる(と思う)。古女房は生保に入っていたか?

ともあれ、人生はあっという間に過ぎていく。青雲の志をもって(?)大学に入り、卒業し、社会人となったのも30数年前。

その間に、サラリーマン向けのいろんな本を読んできたものだ。何十冊もシリーズで出ている上前淳一郎氏の『読むクスリ』 (文春文庫)に、たしか年間100冊以上本を読めば、どんなサラリーマンも会社の重役(役員)になれるとのコラムがあったかのように記憶しているが……。必ずしもそうではない?

土日をどう使うか、通勤時間を読書時間にあてよ、マイホーム資金はマル優使って賢く貯めようとか、いろんなサラリーマン向けのハウツー本は、いまも手をかえ品をかえて次々と量産されているのだろう。
 そしていまや読む本といえば…。

まずは、楠木新氏の『左遷論 組織の論理、個人の心理』  (中公新書)を読んだ。年度末ということもあり、人事異動の季節。そこにあわせての刊行かな。

長期雇用、年次別一括管理、年功的評価などの慣行から「左遷」のメカニズムを分析。組織で働く個人がどう対処すべきかを提示する。左遷という言葉は「低い役職・地位に落とすこと」の意味で広く用いられる。当人にとって不本意で、理不尽と思える人事も、組織の論理からすれば筋が通っている場合は少なくない。人は誰しも自分を高めに評価し、客観視は難しいという側面もある。本書では左遷のメカニズムを、長期安定雇用、年次別一括管理、年功的な人事評価といった日本独自の雇用慣行から分析。組織で働く個人がどう対処すべきかも具体的に提言する。



著者は、元大手生保で定年退職まで勤めた人。人事を担当したこともあったようだ。具体的なエピソードを紹介しつつ、人事のアヤを綴っている。

まぁ、なるようになる…でやっていくしかない。
佐々淳行氏だったか、いろいろと現場で活躍しながらも、危機管理などと無関係の部署に飛ばされたり、「万年課長」の悲哀を味わっていた時期もあったそうだ。上司も、佐々さんのような嵐を呼ぶ男を、活用しようとする人もいれば、こんな奴はいやだということで、危機管理とは関係のない閑職にわざと飛ばそうとする上司もいたそうな。
そのあたりは、新著『私を通りすぎスパイたち』 (文藝春秋)でも少し触れていた。そういえば、共産圏のスパイたちも、「上司」の変更というか、左遷、失脚、粛清などによって、本国に戻ると拙いから亡命するなんてということもあるのかもしれない? ベリヤが失脚したのでということで、ラストボロフがそうだったという説もあるそうな。

ともあれ、佐々氏は、警察の最高幹部(警察庁長官など)にはなれずに、防衛庁に飛ばされ、ならば防衛庁事務次官かと思いきや、いやな上司がいて、防衛施設庁長官にしかなれなかった。しかし、そのあと、初代内閣安全保障室長として活躍もし、その肩書にて退官した。特に天下りもせずに、そのおかげで、民間人として書き手として大活躍したともいえる。得るものがあれば失うものがあり、失うものがあれば得るものがあるのが世の常と思えば、ぞんな職場環境、人事環境であっても、人は耐えられるし、長い眼で見れば幸せということにもなるだろう。

左遷といえば、イアン・トールの『太平洋の試練 ガダルカナルからサイパン陥落まで(上下)』 (文藝春秋)を読んでいたら、アメリカ海軍では、日本軍に対して積極的な戦闘をするのをためらう弱腰の潜水艦艦長などが下からの突き上げもあったりして、結構左遷させられている事例が出ていた。一応、肩書的には、アップしつつも地上勤務になったりと。戦場で一定の戦功をたてれば優遇され、敗北すると左遷もさせられる。そのあたりの人事抗争の面から、太平洋戦争に於ける日米両国の海軍将校たちの興亡を見る上でも面白い本だった。

人事においては、信賞必罰は当然ではあるけど、そこに情実や派閥などがからむと……。そのあたりは、源氏鶏太氏のサラリーマン小説を中学生時代から愛読してきた我が身としては、これまたいろいろと……。


引き続き、内館牧子氏の『終わった人』 (講談社)を一読。

内容紹介→定年って生前葬だな。衝撃的なこの一文から本書は始まる。大手銀行の出世コースから子会社に出向させられ、そのまま定年を迎えた主人公・田代壮介。仕事一筋だった彼は途方に暮れる。年下でまだ仕事をしている妻は旅行などにも乗り気ではない。図書館通いやジムで体を鍛えることは、いかにも年寄りじみていて抵抗がある。どんな仕事でもいいから働きたいと職探しをしてみると、高学歴や立派な職歴がかえって邪魔をしてうまくいかない。妻や娘は「恋でもしたら」などとけしかけるが、気になる女性がいたところで、そう思い通りになるものでもない。これからどうする? 惑い、あがき続ける田代に安息の時は訪れるのか? ある人物との出会いが、彼の運命の歯車を回す──。シニア世代の今日的問題であり、現役世代にとっても将来避けられない普遍的テーマを描いた話題沸騰必至の問題作。



冒頭書き出しは、63歳の役員定年で専務をやめてハイヤーに乗って自宅まで戻ることになる男の回想から始まる。なんだ、専務で退職するなんて恵まれているじゃないかと。しかし、東大法学部を出て、大手トップ銀行に入り、順調に出世街道を走っていたのに、50歳を前に社員30人程度の子会社に出向、そして退職転籍で、その子会社の専務止まりでサラリーマン人生を終える…というお膳立て。それでもまだ恵まれている? 退職するまで年収は1300万あったということだし……。
とはいえ、いかにもありそうな定年退職者の試行錯誤の生き方が、出身地(東北盛岡)と石川啄木の歌を交錯させつつ、うまく描かれている小説と感じた。新聞連載小説だったようで、「濡れ場」はとくにないのだが、そこそこの「不倫」も……。そういった定年退職者の男の「妄想と悲哀(?)」を描いた作品としては、霧原一輝氏の『息子の嫁』  (二見文庫)などもあったかと?

ともあれ、退職して、妻と仲良く温泉旅行でもしようと思ったら、片手間とはいえ、仕事をして忙しいので相手にしてもらえない……。お中元も激減…。そんな退職後の男の物語……。いろいろと定年後の「生きがい」を求めて右往左往しているうちに、思いもかけずに…と。

ううむ、昨秋刊行で結構売れている本のようだが、なんだかんだといっても、退職男の現況が、物理的経済的にはかなり恵まれていて(もっとも、その後いろいろと経済的にはあるのだが……)、マイワールドと比較考察するレベルではないので、さほど身につまされるわけではないのだが?

僕と妻も「思想信条」は微妙に異なるし、「趣味」は全く別の世界に住んでいる。したがって、退職後、一緒に温泉旅行や海外旅行を楽しむ可能性は非常に低いと思っている。僕はため込んでいる古本を読むことで時間はいくらでも潰せると思っているが、そういう発想は、この本の主人公にはない? いやいや、本なんか一日朝から晩まで読むのは退屈する? もちろん、古本屋行脚は足腰が健康なうちは、相変わらず続けるつもり。

それにしても、ソフトバンクホークスの松中もこの春を前にして「引退」。晩年は「万年課長」ならぬ「万年二軍」で「左遷」もされていた感じだったか? 三冠王取っても…プロの世界は厳しい。

そういえば、最近太りぎみ?と心配していた、元JALのスチュワーデスで気象予報士の渡辺蘭さんは、実は妊娠していたそうな。5年間担当した「NHKニュースおはよう日本」を卒業するとのこと。ううむ……。そうだったのか? どっかの古女房と違って、妊娠なら、多少顔や腹回りがふっくらするのも無理はない。ダイエットしなくてはと心配したのは杞憂であった。失礼候。

ともあれ、次は、榎本雅一氏の『60歳までに知らないとヤバい定年再雇用の現実』 (角川SSC新書)でも読むか。やれやれ。国防同様、人生設計、備えあれば憂いなし? 「根拠のない危機をあおっているばかり」の定年前後のサラリーマン向けの本を読むのもほどほどにすべきか? でも、やはり「一定の根拠に基づく危機」はあるのだろう。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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