古本虫がさまよう 百田尚樹氏の『カエルの楽園』は、オーウェルの『動物農場』に匹敵する寓意小説だ!
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百田尚樹氏の『カエルの楽園』は、オーウェルの『動物農場』に匹敵する寓意小説だ!
(2016・3・21・振替休日)




百田尚樹氏の『カエルの楽園』 (新潮社)を読了。オーウェルの『動物農場』 (角川文庫ほか)に匹敵する傑作寓意小説だった。



(以下ネタバレ的なことも書くのでご注意)




巻末には、 「この物語はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません」と記されているが……。もちろん、カエルどうし(善良なるアマガエルと狡猾なウシガエル)の「戦争と平和」を風刺したフィクションであるのは間違いないが、出てくる登場人物の中にで描かれている「空想的平和主義」たちには「モデル」があるのは間違いない? 

ワシの「スチームボート」は「アメリカ」。「三戒」は「空想的平和主義憲法の第9条二項」。「ウシガエル」は「中共」。「アマガエル」は「日本国民」。その中で徹底的平和論を展開する「デイブレイク」は「朝日新聞」「進歩的文化人」かな? ほかにもシールズとか?

「カエルを信じろ」「カエルと争うな」「争うための力を持つな」という三戒を常に唱え、歌っていれば平和が保たれるという考え。ウシガエルの犠牲になっている別の国のカエルのことは失念? チベット、ウイグル、南モンゴルの悲劇は見て見ぬフリをする「人権屋」や 北朝鮮の脱北者を助けようとしないで、自分たちだけ平和ならいいという「人権屋」と同じ考え?

その三戒をつくったのは「スチームボート」だったけど、いつのまにか? 9条を制定したのは米軍なのに、いやいや、日本人だったと必死になって本を書いている憲法学者も少なくない。

以前読んだ『永遠の0』 (講談社文庫)にも、某新聞社の記者としか思えない一知半解の平和主義記者が登場して、もっともらしい正義論を振りかざしていたが、『カエルの楽園』でも、同様に、某英国在住だった日本人経済学者のような「白旗降伏・幸福論」めいた空想的平和主義を最後の最後まで主張し続け、「楽園」を「地獄」にしてしまう愚かなカエルがいた。

やがて「地上の楽園」だったアマガエルの国「ナバージュ」は、ウシガエルが支配する恐怖の国になり、平和を唱えていた「語り部」ならぬ「語り屋」だったカエルたちは生き残るものの、かつての三戒を「改正」するのに賛成したカエルたちは密告もされ粛清。文化大革命やポルポト粛清を想起もさせる。

そして新たなる三戒は「ウシガエル様を信じろ」「ウシガエル様と争うな」「争うための力を持つな」と改められる。このあたりも『動物農場』の戒めで、支配者の豚に有利に改められていくのと歩調を合わせた作風といえよう。

中高校生の夏休みの宿題の課題図書として本書を推薦したい。僕が国語か社会科の教師ならそうする。もちろん、バランスを取るために、百田さんのこの本と、まだ積んどくしていて読んでないけど、「好対照」の一冊と思われる本(『2015年安保 国会の内と外で-民主主義をやり直す』奥田愛基氏&倉持麟太郎氏&福山哲郎氏著。岩波書店)の二冊を指定し、好きなほうを読んで感想文を提出させるだろう。大学生なら、両方を読んで、双方に対して、批判的な視点から論ぜよとも。

もっとも、百田さんの小説では、元老院などが現実的な対応を決定したのに、ハンタイ!ハンタイ!と大声で叫ぶ一部(?)のカエルのために、元の木阿弥に戻ったりするといった「ヘンな民主主義」を何度もやり直すようなことをしたために、楽園は滅んでいくのですが……。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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