古本虫がさまよう 和田春生さんが生きていたら「海員組合」の後輩たちになんと言ったか?
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和田春生さんが生きていたら「海員組合」の後輩たちになんと言ったか?
(2016・2・12・金曜日)





昨日(2016・2・11)は建国記念の日で世間一般はお休み。だが、ちょっと所要(仕事)があり、ごそごそ。夕方になってやっとフリーになったので、西武池袋の古本市へ。古書往来座にも寄りたかったが時間がなくて‥‥。

「日本の古本屋」では、相変わらず、この古本市は、

「※詳細がわかり次第更新していきます」と表示しておきながら、「即売展目録なし」となっている。目録出しているのに? 営業時間も相変わらず無表示。変わった古本市というしかない? さすが、西武? さすが三省堂? 処置なし。

でも、従来やっていた古本市と同じ場所でやっていて、棚の配置も昔ながら。店内音楽も以前は煩くて抗議したこともあったが、今回は、まぁ、歌詞のないメロディ程度。ギリギリ合格? そして何よりも、旧来通り、古本の表示価格が「税込」価格であった。良心的? 「古書英二」も参画。ここに出ている古本屋が、彩の国の古本市やつちうら古書倶楽部での古本市に参加すると、「税抜き」価格になってしまう。
同じ500円の本が、池袋だと500円で、所沢や土浦だと540円になるというのは、やはりどう考えても消費者をバカにした商法というしかないだろうが‥‥(「地方売価」というのは昔あったけど?)。

まぁ、愚痴はともかくとして、祝日の夕方。池袋駅改札をでると、多くの人が行き来している。デパートもそこそこ混んでいる。古本市会場もそこそこ。そこそこの古本古書も多く、退屈はしない。

ところで、話は古本から突如として変わるが、この前、2月9日の朝日新聞に『「有事に船員活用」反発』「防衛省計画 海員組合『事実上の徴用』」との記事が出ていた。


防衛省の有事船員活用計画、海員組合「事実上の徴用だ」
工藤隆治、福井悠介 中野晃
2016年2月11日14時26分
 防衛省が、民間の船員を予備自衛官として有事に活用する計画を進めている。志願は強制しないとしているが、船員の組合は「会社に言われたら拒否できず、事実上の徴用だ」と反発。第2次世界大戦では多くの民間船が国に徴用され、船員約6万人が犠牲になった。その悲劇が繰り返されかねないと危機感を抱く。

 尖閣諸島をめぐる日中間の緊張の高まりから、防衛省は2013年末、尖閣など南西諸島の有事の際、ミサイルや戦車などの部隊を本土から移動させる計画を作成。だが、海上自衛隊が保有する大型の輸送艦は3隻しかないため、有事には民間船を借り上げ、海自が運航する契約を今月中にも結ぶ予定だ。

 大型民間船を運航するには、船舶職員法に基づく「海技士」の資格を持つ船員が必要で、防衛省の想定では1隻あたり21人。だが、この資格を持つ元海上自衛官の予備自衛官は約10人にとどまる。そこで防衛省は、民間の船員も10日間の訓練で海自の予備自衛官になれる制度を16年度から始めることにし、訓練費を16年度予算案に盛り込んだ。

 これに対し、全国の船員約2万5千人でつくる全日本海員組合は「船員の声を全く無視した施策が進められてきた」などとする反対声明を1月29日に発表。田中伸一組合長代行は「私たちは戦地に行くために船員になったわけではない。形式的に船員を予備自衛官にしても、民間人が戦争に巻き込まれることに変わりはない」と憤る。「船員はチームプレーの仕事。会社から『予備自衛官になるか』と言われたら、1人だけ拒否するのは難しい」

 組合が反発を強めるのは、第2次世界大戦時の苦い経験があるためだ。国家総動員法などに基づき多くの民間船が国に徴用され、十分な護衛もないまま1万5千隻余が撃沈されたという。公益財団法人「日本殉職船員顕彰会」によると、船員の犠牲は6万609人で死亡率は43%。陸軍の20%、海軍の16%を上回る‥‥‥。



海員組合といえば、僕が思い出すのは、和田春生(1919年3月15日 - 1999年10月17日)さん。ウィキペディアによるとこんな人。

三重県出身。1939年鳥羽商船学校(現・鳥羽商船高等専門学校)卒、山下汽船に航海士として入社。1945年全日本海員組合に参加し、1948年組織部長。1950年総評結成に参加して常任幹事となるが、1952年秋季闘争での総評の敗北を機に総評主流の左傾的傾向を批判、海員組合・全繊同盟・全映演・日放労の「四単産批判」取りまとめの中心となる。その後、日放労を除いた3単産を中心に総評内の右派系単産をまとめ1954年に全労会議を結成して、初代書記長となる。1964年に同盟が結成されると副会長になった。
1969年の総選挙で東京7区(当時)から民社党公認で立候補し衆議院議員に当選するが、1972年の総選挙で落選。1974年の参院選で全国区選出の参議院議員となるが、任期途中の1979年に辞職し同年の総選挙・翌1980年の総選挙と連続して東京3区(当時)から立候補するも振るわず国政復帰は叶わなかった。その後は富士政治大学校の講師を務めつつ、労働問題・政治問題の評論家を務めた。



ここには記載されていないが、ラジオ日本の朝7時前後のニュースキャスターをしばしやっていた。毎朝、僕はそれを聴いていて「なるほど」と頷くことが多かった。日本のクロンカイトを目指すとも言っていたかと。今でも覚えているのは、ラジオ日本は、読売新聞系列なのだろうか、ニュースの主な骨格は、その記事などをソースにしてかたわらのアナウンサーが読み上げる。ところが、和田さんは、さきほど流れた見方は正しくはない、実は‥と解説したりもするのだ。それが正鵠だから「なるほど」とも。その和田春生のニュースと解説のあと、月曜日なら月曜論壇、火曜日なら火曜論壇とかで、清水幾太郎さんや西尾幹二さんなどが10分ほど喋ったりしていただろうか? もう30年以上昔のことで記憶も薄れている。

ともあれ、その和田春生さんは全日本海員組合をかつては率いていた。だから、海員組合は反共リベラルという印象を持つ向きも強かろう。だが、この組合も、ウィキペディアによるとこういう変遷があったようだ。


全日本海員組合→概要[編集]
1945年(昭和20年)に、船員すべてを対象とする個人加入の産業別単一労働組合として発足した。日本における産業別単一労働組合は組合員数が1万人以上の組織では海員と全日本損害保険労働組合(全損保)のみである。
かつては全日本労働総同盟(同盟)に、現在は日本労働組合総連合会(連合)に加盟しているが、同盟・連合のような反共主義はとらず、全国労働組合総連合(全労連)の大会へ祝電を送ることもある。また、連合加盟の労働組合のほとんどが特定政党支持を組合員に義務付けているのに対し、政党支持の自由も保障している(1960年11月に民社党支持を大会決定したが、1973年11月に特定政党支持の廃止を大会決定した[2])。



ともあれ,この前紹介した大井篤氏の『海上護衛論』 (角川文庫)を読むと、日本海軍が輸送船の警備をいかにおろそかにしていたかがよく分かる。そういう歴史的背景を考えれば、朝日の記事に出ているような対応を組合側がするのも無理はないようにも感じる。

本人の意思を尊重するといっても‥‥。僕なんかクラス決議で学費値上げに賛成したことがあるけど、多勢に対して個人的信念を貫くのは大変なことだから? 「えぇ、なんで賛成するの?」「だって、現役学生は値上げとは無関係。新入生はそれを容認して入学するんだから、我々が反対してどうなるわけでもなし。それに授業ボイコットやら、学年試験粉砕のための口実の一つとしてやっているだけじゃん」‥。
「えっ、なんで予備自衛官にならないの?」‥‥。

正しいことは正しいことではあるかもしれないが、絶対的正義に絶対的に同調せよと迫られるのも嫌な感じがするだろうし‥‥。右であれ、左であれ、真ん中であれ‥‥。

ともあれ、西武池袋の古本市会場で、まずは手にしたのが、全日本海員組合編の『海なお深く 太平洋戦争船員の体験手記』 (中央公論事業出版)。
当時、アメリカ潜水艦の攻撃を受けながら生き残った船員たちの手記のような本だ。買おうかなと思ったが‥‥。 「読みもしない古本を買うな、ボーナスも減っているのに」という古女房の怒声が頭をかすめる‥‥。図書館にあるんじゃないかなと思って買わず(帰宅してチェックしたら、都内の複数の区立図書館が蔵書として持っている。買えば1000円か800円ぐらいはしていたかと。買わずに正解?)。

そのあと、ふと、五木寛之氏(作家)&大塚初重氏(考古学者)の対談本『弱き者の生き方』 (徳間文庫)を手にしたら、この大塚さんという人は、海軍の軍人として、輸送船などに乗艦していたとき二度も撃沈され九死に一生を得たりしている人だとのこと。徳間文庫にしては(?)真面目な対談本のようだということで購入することにした。200円だし。でも、この本も図書館に結構置いてあるようだ。元の親本(毎日新聞社刊行)も。

次に手にしたのが、吉田璋也氏の『有輪担架 民芸の心と眼を持った一軍医の従軍記』 (牧野出版)。さすがに、このレベルになると、区立図書館にはないようだ。購入することに。ということで、計二冊購入。

賑わうデパートの食料品コーナーを横目で眺めつつ帰宅。スーパーで2割引きになっているかき揚げを買って、プライベートブランドの安いインスタントラーメンにぶち込む。あと、2割引きの大阪鮨。妻は元気で留守だから。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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