古本虫がさまよう 「戦争をさせない」「戦争を通すな!」というなら、「脱北者を通すな」とやっている独裁国家にも同じことをなぜ言わないのか?
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「戦争をさせない」「戦争を通すな!」というなら、「脱北者を通すな」とやっている独裁国家にも同じことをなぜ言わないのか?
(2016・2・10・水曜日)





北朝鮮の「ミサイル発射」に対して「空中楼閣的憲法論者」と「幻想的平和主義者」はどう応えるのか? ではないが、鎌田慧氏の『戦争はさせない デモと言論の力』 (岩波書店)を読んだ。「戦争はさせない」って、もちろん、日本に対して主張するのも結構なことだ。が、ついでに北朝鮮や中共に対してもいってほしいという気はする。原発問題の発言などに関しては、なるほどと思うところもいろいろとあった。

ただ、客観的に見て、ここ半世紀以上、戦争をしていない日本に比べて中共や北朝鮮は、戦争をしている国。(朝鮮戦争やベトナム戦争で儲けた云々という向きもあるけど、それと実際に戦争をするのとは次元が異なるし、少なくとも朝鮮戦争は国際共産主義勢力の「侵略」戦争であって、それで朝鮮特需が生まれたとしても、別に日本が何か悪いことをしたわけでもないのに、何か悪いことをして隣国の不幸につけ込んだ風に書く向きがあるのはおかしな話)。そして、朝鮮戦争は、かつての日本のパールハーバー並の奇襲攻撃だったからこそ、戦争初期の段階で、一時的とはいえ、ソウルが取られ米韓軍は南に追いやられたりもしたと見るのがいまのところ通説ではないのか。

そのあたり、鎌田氏は極めて「慎重な筆致」でこう書いている。

「隣の朝鮮半島で、三八度線の軍事境界線を越えて、北朝鮮軍が武力で越境、戦争が勃発した。『朝鮮戦争』は、韓国側に米国、北朝鮮側に中国がついて、三年間、半島のすべてを戦場にする激しい戦闘状態となった。この時発生したのが、「朝鮮特需」だった。日本の産業界は、砲弾、銃弾などの輸出や戦車などの修理によって、二五〇億円(当時の金額)もの売り上げを得た。日本の工場で生産された砲弾で、朝鮮の老若男女が大量に死んでいった。そのとき、日本は米軍に武器を売りつけ、その利益で経済的に立ち直った。血で贖われた復興だった」

北朝鮮が先に攻撃したとは書いているけど、「侵略」とは書かない。「越境」って? 「越境」って、「越境入学」とか、そういうときに使う言葉。バカな都知事が悪平等主義から、ここに住んでいたらこの学校に行けと命令するものだから、偽装離婚などをしてまで「越境入学」したりしたことがかつてあったが‥‥。その意味で「越境」って、「侵略」に比べると、そんなに悪いイメージを起こさない。
あと、韓国側についたのは米国だけではなく、「国連軍」だったけど、その事実は指摘しない。これが教科書なら、そういった検定意見がついて修正を求められるかもしれない?

なんとなく北朝鮮の罪科を軽く見せようとする工夫がなされている文章と見る向きもあるかも?
北朝鮮の罪科は、「侵略」と書かず「越境」と書いて小さく見せようとするのに、「日本の工場で生産された砲弾で、朝鮮の老若男女が大量に死んでいった」「血で贖われた復興だった」というのは、逆に誇大というか、おどろおどろしい筆致。

否応なくそういう注文に応じる形になった日本なのに、何か日本が自発的に悪いことをしでかしたかのように思わせる。別に日本は悪くない。一番悪いのは北朝鮮のほうではないのか? よく北朝鮮の文書にも、朝鮮戦争を自らが引き起こしたことには触れずに、米軍が空爆をしてメチャメチャにしたが、将軍の力ですぐに復興したなんて書いてあったものだ。

ともあれ、現在進行形で、軍事政権を維持しているのは北朝鮮。経済的苦境にもかかわらず、民生向上にはさほど役立たない「ミサイル」を発射して、花火飛ばして独裁者讃歌の新曲をテレビで流しているのを見るにつけ、バカだなとか、昔、少なくとも戦時中の日本みたいだなと思うのが「正常」な日本人の感覚だろう。あれほど、戦前戦時中の日本の軍国主義を批判するリベラルな人たちが、相手が北朝鮮になると、突如、舌の回転が鈍くなったり、沈黙したりするのはなぜなのか? 国連の決まりを無視して、ミサイルをあちこちにぶっ放し、核実験をやっている国(北朝鮮)のほうが、どうみても、戦争をする恐れのある国ではないのかしら? 90年代に、イラクフセインのように核を持たない前に「打破」「除去」しておけばよかったのに‥と見る向きもあるかもしれない。

覚醒剤をやったことはあっても、それは70年以上前のことですっかり真人間になっている人に、「あんたに覚醒剤をさせない」と注意してもあまり意味はないことは多くの人に理解されよう? 近い過去に覚醒剤をやったことがあり、いまも進行形でその疑いがある人に、「あんたに覚醒剤をさせない」と忠告するのは意義あることだと思うけど、そういう人には何も言わないで、あんまり覚醒剤やりそうにもない更生もしている弱気の人に、「戦争はさせない」「覚醒剤はさせない」と脅してもナンセンスでは? いやいや、ネバーセイネバーだから、大事なことだとは思うけど。

あと、スペイン内戦時の、コミュニストたちのスローガン、『奴らを通すな』をもじったかのような、鈴木邦男氏&福島みずほ氏の『戦争を通すな』 (七つ森書館)を読んだ。右と左の「論客」による対談本のようではあるが…。

いまの天皇が少し「リベラル」な感じなのでサポートをしてみせる福島さんだけど、天皇とて自衛隊の諸活動を高く評価はしているだろう。災害救助に関しては、旧社会党も近年は批判はしないだろうが‥‥。

それにしても、安保問題などで、福島さんは「安倍さんは、本当に戦争をしたいのだと思います」と言い切っている。さすがに、鈴木さんは「したいの? 僕は、本気でしたいと考えているとは思わないですけどね」と反論はしている。

挙げ句の果てには、福島さんは「右翼と保守の境目がよくわからないのですが、たとえば、櫻井よしこさんのような方は右翼でしょう?」と断定調で語る。
すると、鈴木さんは、これまたさすがに「いや、本人は右翼ではなく保守派だと思っているでしょう。合法的で、少なくとも非合法的なことはやっていないですから。『政治家の誰々をテロしろ』なんていってないし」とたしなめる。
それでも、福島さんは、「私から見ると右翼に見えますけど」と。
鈴木さん「でも違うんですよ」と。
すると、今度は福島さん「安倍総理は右翼ですか?」 
鈴木「いや、違うと思いますね。単なる保守」と‥‥。
まぁ、そんなトンデモ会話がときどきあちこち飛びながら続く本でした。

福島さんは、ほかにもオーウェルの『1984年』を使って、安倍首相の「積極的平和主義」を批判し、「戦争が平和で、平和が戦争で」あるとみなしている。また、高校授業料無償化制度について、朝鮮学校をその対象から外すことを福島さんは批判もしている。
しかし、本書刊行後の最近のこととはいえ、その朝鮮学校の系列にもなるだろう朝鮮大学校元副学部長が詐欺容疑で逮捕され、その男は、日本の対韓工作拠点「責任者」であり、日本人拉致にも関与している北朝鮮の対外情報機関「225局」の指示を受け、韓国での政治工作に関与していたと報じられた。事実だとすれば、きわめてゆゆしき問題だろう。こういう教師がいる学校、北朝鮮当局に従属している学校に何らかの形で日本政府が財政支援を与えるのは賢明とはいえまい。民族差別とかそんな次元ではない。
この本の中でも、旧社会党、社民党没落の決定的因子となった北朝鮮拉致問題に関して、福島さんは、ほぼノーコメントだ(若干拾い読み、速読したために見落としがあるかもしれないけど?)。

NATOへの加盟にも反対しない西欧社民党に政党名だけ似ているからと「同志」のふりをして、自分たちも社民党だけど、少数勢力であると悲しんでもいるが、それは北朝鮮を賛美したり、この本でも批判しようとしない、世界にも稀なニセモノの社民であるからではないのか?
鈴木氏は、前述の例のように、あまりの福島氏の思い込みにはときどき「反論」もしているが‥‥。

ヘイトスピーチというのは、「ソウルを火の海にしてやる」とか、そういう発言を、「一市民」ではなく「政府関係者・高官」などが公的会議で行なうほうが、はるかに悪質だという認識を、「福島さんのような空中楼閣的憲法論者」「幻想的平和主義者」たちは持っているのだろうか? 

「脱北者」支援のために、日本の社民党はどんなことをしているというのだろうか? 中国にやってきた「難民」ともいうべき「脱北者」を北朝鮮に追い返す中共政権に対して、福島さんたちは中国大使館前や朝鮮総連ビル前(まだある?)で抗議デモをしているのだろうか?

この対談本の中でも、慰安婦問題を執拗に繰り返しているけど、あなたは、北朝鮮人権第3の道編の『北朝鮮 全巨里教化所 人道犯罪の現場 全巨里教化元収監者81人の証言を含む8934人による、北朝鮮の国内人権状況の証言集』 (連合出版)という本を読んだことがないのだろうか。現在進行形のこうした人権問題にももっと関心と怒りを表明してほしいものだ。それが社民党の復活につながるだろうに‥‥。人権問題に勝手に「国境」を設けて、某国の人権問題や某国発の難民問題には無関心を決め込んだりしていては‥‥。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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