古本虫がさまよう 「古本屋で遊ぶ」、そして「図書館を利用する」と名企画が生まれ「読書を極める」ことが可能になる?
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「古本屋で遊ぶ」、そして「図書館を利用する」と名企画が生まれ「読書を極める」ことが可能になる?(2015・10・22・木曜日)





高橋弘樹氏の『敗者の読書術 圧倒的な力の差をくつがえす発想法』 (主婦の友社)を読んだ。いわゆる読書のハウツー論かなと思われるだろうが、ちょっとユニークな内容だった。

テレビ東京の気鋭のプロデューサー/ディレクターが、番組企画の発想に役立つ読書法を公開します。制作費がかけられないから始まってビハインドだらけの圧倒的弱者が、いかにして世間の話題になる企画を立てるのか?予算がない中で企画、販売をするビジネスパーソンにも役立つはずです。ポイントは「面白さを見つける」こと。著者の独自の着眼点に沿った読書術が、さまざまな事象の面白さを浮き彫りにして、企画へと結びつける。そうした頭を使った企画があなたもできるようになること請け合いです。



まず、立ち読みしていて「目次」に「古本屋で遊ぶ」という文字が目に止まった。

第一章 自分の得意分野を作る本を読む
第二章 ゼッタイ人の読まない本を読む
第三章 古本屋で遊ぶ
第四章 企画を作るための読書術①〜街に対して感じやすくなる
第五章 企画を作るための読書術②〜人に感じやすくなる
第六章 製品の世界観を作るための読書術
第七章 自分の武器となる本を見つけるための読書術
第八章 敗者のための読書術とは


「古本屋」という言葉があるので、読んでみようかという気になった次第。

「テレビ東京にいて、企画や番組作りを考える際に、まず考えること。それは「フジテレビや日本テレビと戦わないこと」です。
つまり他局でやっているような番組ではなく、見たことのない、新ジャンルの番組を作る。これを企画を立てる際の目標に置くのです。では、どうやって。そのための武器としての読書術のひとつが「他人がゼッタイ読まない本を読む」ということです」


そして、 「ジョージ・ポットマンの平成史」という番組作りにあたって、赤川学氏の『セクシュアリティの歴史社会学』 (勁草書房)という本に出会い、その中で紹介された本を読み‥‥そして……となっていったそうな。ううむ、赤川氏のその本、積んどくしたままだったかと‥‥。

そして古本屋で、毎日新聞社会部編の『児玉番日記』 (毎日新聞社)なる本を見つけ、そこに登場する毎日記者のそのあとの人生をグーグルで追ったりしながら、今や「ゼッタイ誰も読まない本を読む」醍醐味を語ったりもしている。なるほどとも。その本も積んどくしていたか?

2011/09/04(日) 04:21:44(拙文)
  結局土曜日は遠出することなく近場のありふれた古本屋行脚。まずは高円寺へ。都丸、古書会館など覗く。
  吉田嗣延氏の『北方領土』 (時事新書)、毎日新聞社会部編の『児玉番日記』 (毎日新聞社)、岡林辰雄氏の『われも黄金の釘一つ打つ 一弁護士の生涯』 (大月書店)、 『驀進の二十五年 長谷川峻の航跡』 (栗峰社)などを購入。


ううむ、やはり積んどくだけではダメなんだ? それにしても、4年前に買った、これらの本、どれも読んでないし、行方不明のままだ?岡林辰雄氏の『われも黄金の釘一つ打つ 一弁護士の生涯』なんか、後に別の古本屋でまた買っているみたいだし……。なんという無駄遣い……。

ともあれ、ネット空間だけでなく、古本屋空間も重視するテレビプロデューサーの読書論として、大変知的刺激を受ける本であった。
もっとも、テレビ東京のことを、ついつい「東京12チャンネル」と呼んでしまい、この局で見る番組といえば、ソフトバンクホークス戦ぐらいか。
「ジョージ・ポットマンの平成史」も見たことがないし、 「家、ついて行ってイイですか?」なる番組も知らない。

「家、ついて行ってイイですか?」の番組で、新宿で酩酊していた73歳の男性の家に深夜行って、そこの家でゴミ屋敷というか、足の踏み場もないほど本にあふれているのを見て、「すごい本の量ですね」とのディレクターの問いに「僕は、結局ね。自分の学歴のなさを本で埋めようとしてきたんですよ。はは」と。

「僕は、この言葉にハッとさせられました。僕も家は本だらけで、給料のかなりの割合を本に使ってしまうことがあります。なぜハッとさせられたのか。自分も彼と似た思考だったからです。敗者たる自分を武装しようと読書をしているのです。多くの読書家の場合、日常的にはそのことに無自覚なので、この男性の鮮烈なまでの、自己と読書の関係性の客観視に、僕は目が覚める思いがしたのです」

ちなみに、この人、「秘宝館」でちょっと知られた有名人であったとのこと。
妙木忍氏の『秘宝館という文化装置』 (青弓社)に出てきた人であっただろうか。

あと、週刊ダイヤモンド(2015・10・17号)が、 「『読書』を極める!」という特集を組んでいた。読書の達人による読書術を語らせたり、ツタヤ問題などの図書館の特集を組んだり、出版不況下の書店を扱ったり‥と。人それぞれの読書論が展開もされている。

編集部のミスかもしれないが、ある人(出口治明氏)が推薦する本の中で、半藤一利氏の『昭和史』がらみの本が「文藝春秋より2分冊で刊行」となっているのは、平凡社ライブラリーの間違いではないかしら?

ちょっと、おやっと思ったのは、この出口さんは、ライフネット生命保険会長兼CEO。半藤氏やヘロドトスやアントニー・ビーヴァーやマハンやマッキンダーなどの本を推奨。日本生命を辞めたあと、今の会社を起業したとのことで、「忙しくなって、あまり書店に行けなくなってしまいました」とのこと。かつては、「大企業(日本生命)に勤めていたので、それほど忙しくはありませんでした。そこで、時間を見つけてはいつも」「神保町に出掛けていました」とのこと。岩波ブックセンターを覗き、古本屋を流し三省堂まで行っていたそうな。

でも今は忙しいので、自宅で読んでいる朝日・読売・日経の書評欄を日曜日チェックし、「これはもう読むしかない」となったら、なんと、近所の図書館にあるかないか調べるというのだ

「すでに人気で『30人待ち』というような場合には、アマゾンですぐに手配します。2~3人待てばよいのなら、待つようにしています」

この人は、書評ブログを書いたり(HONZにも転載)、読書に関する本も刊行している人。小なりといえども、生保の社長だ。
その人でさえ、図書館にこれだけ依拠している事実を考えると、 「スパ」(2015・10・27号)に出ている、図書館批判派の急先鋒として知られる新潮社常務の石井昂氏が「このままじゃ出版社は絶滅?」「現場の悲鳴と図書館問題」について語っているのもなるほどと?

「出版社のインフラを支えている本が、公立図書館の貸し出しのおかけで、芽が出た途端に摘まれちゃうってことなんです。ここ2~3年はもう、スマホで簡単に調べて予約ができるようになってるから、図書館の利便性がすごく上がってるんだよね。全体の複本が少なくても貸し出しの効率が飛躍的に向上した」「今はもう、『タダで読むのが当然』という感覚になってきてる」
本欄でも、石井氏の嘆きを以前紹介したことがある。そのほかにも、たしか佐野真一氏や林真理子氏などが、講演会などで愛読者と名乗り出た裕福な人が、いつも図書館で借りて読んでいます、でも先生の本は人気なのでなかなか順番が廻ってこなくて‥という趣旨のことを言われて絶句したかと‥‥。

今回、週刊ダイヤモンドで、その実例(証言)をリアルに目にした次第。

僕とて、もう家の中が限界量を越えているので、図書館や古本屋やブックオフなども適宜利用しているし、本の処分もしているし‥‥。

週刊ダイヤモンドによれば、又吉直樹氏の『火花』 (文藝春秋)は、岡山市立中央図書館は94冊も購入し、1082人が予約しているとのこと。大阪市立中央図書館は87冊購入し、3582人が予約しているとのこと。予約末尾の人が読めるのは1~2年先?

あと、千代田区立図書館が「いい図書館」として紹介されているが、広報チーフが「千代田区の図書館は狭く蔵書が少ないため、電子書籍を購入し、オンラインで貸し出している」とのこと。ふ~ん? それにしても、区民でさえ、10冊しか貸し出しせず、区民でない人には5冊しか貸し出ししないのは少なすぎないか? もう少し改革しようという気にならないのかしら?
「本探しだけでなく、近隣の昼食や喫茶のお薦めの店も案内してくれる」コンシェルジュを置いているのが自慢のようだが、本館図書館の自動貸し出し機の脇に、荷物を置くちょっとしたデスク一つ置くぐらいのサービス感覚がないのかしら? 所詮は、お役所仕事、官僚主義にまみれた不便な図書館というしかない?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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