古本虫がさまよう 安保法案で対立する瀬戸内寂聴さんと櫻井よしこさんとの「トーク・バトル」が読みたい
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安保法案で対立する瀬戸内寂聴さんと櫻井よしこさんとの「トーク・バトル」が読みたい
(2015・9・23・水曜日・祝日)





安保法案が可決成立してから、連休中は、東京・朝日・毎日新聞はあまり熟読していないので、反対派の「反響」がどういう風になっているのか未確認。
ともあれ、可決前にテレビを見ていたら、瀬戸内寂聴さんが、マイクを持って国会前の反対集会で喋っている光景を見た。

京都新聞にも以下のような記事が(ネットで拝見)。


寂聴さん「負けたと思わないで」 安保法、若者デモに希望
(2015年09月20日 11時30分)
「日本は滅亡して、もう先はないのかなって思っていたけど、まだまだ捨てたもんじゃない」と話す瀬戸内寂聴さん(京都市右京区・寂庵)
 「なぜ、民の声を聞けないのか。不思議で仕方がない」。作家の瀬戸内寂聴さん(93)は、19日に安全保障関連法案を強行採決した政権に強い疑念を抱いた。それでも、若者を中心に巻き起こった大規模な抗議行動に、「この反対の声は無駄ではない。いずれ実を結ぶ。決して『負けた』と思わず、声を上げ続けて」と未来への希望を託す。
 瀬戸内さんはこれまで、国会前の集会に足を運んだり、各地で催した講演会で法案の危険性を繰り返し訴えてきた。「特定秘密保護法みたいに、だんだんと政府が一般の人たちの行動に口を挟むようになってきた。自由にものが言いにくくなった女学校時代、太平洋戦争直前と同じ空気を感じる」からだ。「このまま行けば、ものが言えなくなる時代が来る。だって、秘密保護法に違反したら捕まるんだもの。でもね、牢屋(ろうや)が女の人で満員になっても言うことは言わなきゃ」
 8月末、京都市内で自らの文学をテーマにした講演会があった。最後に一言と水を向けられると、「明日、デモがあるでしょ。こんな話を聞きに来る人はデモに行かないと思うんだけれど、みんな行ってください」と呼び掛けた。
 講演では、大正時代に婦人解放運動で活躍した伊藤野枝らを描いた自著「美は乱調にあり」(1966年)を挙げて、「今この時代の若い人に読んでもらいたいの」とも語った。死を賭して革命に生きた人々の情熱や人間らしさに、今の若者の姿を重ねる。「革命は大げさだけれど、こうやって闘う気持ちがよみがえったことは頼もしい」
 法案を成立させた政権に対しては、「安倍(晋三)さんは、自分の名前を後世に残すことしか考えていない。反対の声は聞いていないのかな。防音装置で聞こえないようにしてるのかしら」と手厳しい。「私はもう、93歳。いつ死ぬか分からない。だから言うことは言っておかなきゃいけない。怖いものはない」
 一方で、「戦争を経験した人が何を言ってもだめね。『こんなにつらかったのよ』なんて、今の人には泣き言にしか聞こえないでしょ。もう役に立てないんですよ、本当は」。だからこそ、若い人の情熱がまぶしく見えるのだろう。「ここで反対をやめたら、負けたことになる。でもきっと、彼らはあきらめないですよ、私が言わなくても。彼らがいる限り、光はある」



一方、櫻井よしこさんは、安保法案に際して以下のような賛成の見解を表明している。

「 安保法案が衆議院通過 反対一色の朝日新聞に湧く疑問 」
『週刊ダイヤモンド』 2015年7月25日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1093 
集団的自衛権の限定的行使容認を可能にする平和安全保障関連法案が7月15日、衆議院特別委員会で可決、16日には衆院本会議で可決され、参議院に送られた。
 
野党各党はこれを「戦争法案」と呼ぶ。「朝日新聞」は16日朝刊で政治部長の立松朗氏が署名入りで「熟議 置き去りにした政権」の主張を展開した。1面に「安保採決 自公が強行」、2面に「首相突進 異論に背向け」の大見出しを掲げた。1面から4面までと社会両面の6面ほぼ全てを、朝日は平和安全法制への反対論で埋めた。
 
唯一の例外が3面の賛否両論を対比する部分であろうか。成蹊大学教授の遠藤誠治氏が「中国などが日本に対抗する軍拡を正当化し、結果的に日本の安全は低下する可能性がある」と反対論を述べる一方で、慶應義塾大学教授の細谷雄一氏が今回の安保法制の「最大の目的は戦争を起こりにくくすることであり、国際社会の平和と安定を確立することだ。時代に合った新しい法整備は不可欠だ」と賛成論を述べた。
 
中国の軍拡は1989年に始まり、以来26年間も人類史上まれな凄まじい軍拡が続いている。この事実を見れば、遠藤説の破綻は明らかだ。細谷氏の論の方が的を射ており、この部分を除けば、朝日の6面にわたる大特集は一方的情報に満ちている。
 
そこにはいま平和安全法制が必要か否かを考えるための基本的情報が欠けている。国際社会の現状は米国が現行憲法を日本に与えた68年前とは決定的に異なる。米国は2013(平成25)年に「世界の警察ではない」と宣言、中国が軍事力を背景に膨張政策に走りパワーバランスが変化し、わが国の眼前にもその変化が及んでいる。
 
私は7月6日の「産経新聞」で、中国が南シナ海同様、東シナ海でも力を背景に日本の権益を侵害し続けていたことを報じた。
 
中国は90年代後半から昨年6月までの約20年間で、日本の反対を無視して、6カ所のガス田を開発した。おのおのに巨大なプラットホーム、3階以上の作業員用宿泊施設、ガスの精製工場、ヘリポートなどを建設した。だが、この1年間に彼らはガス田の開発とプラットホームの建設を急ピッチで進め、さらに倍増させていたのだ。
 
これらの施設は軍事転用が可能で、日本にとっては安全保障上も資源を守る上でも大きな危機である。中国がこうした大胆な侵略的行為に及んでいるのは、「世界の警察」をやめた米国は決して介入してこないと見て取ったからである。
 
日本の安全保障は、いまや、日本が主軸となり、その上で米国の助力を得る形へと変わらなければならない時代に入った。そのことを示すのが、東シナ海のガス田の現実なのである。
 
東シナ海での中国の侵略的開発は安保法制に関連する重要事態である。それを、朝日は7月16日朝刊の現時点まで、全く報じていない。情報開示や透明性を大声で叫ぶ朝日が、読者に対して出すべき情報を全く出さないのは、理解に苦しむ。
 
立松氏は、「政治の責任とはなんだろう」と問い、「安倍政権は合意形成をめざす『熟議』を置き去りにし」たと非難するが、朝日こそ合意形成に欠かせない情報を、「異なる立場」を超えて報じるメディアの責任を果たしていないのではないか。中国に不利益な情報を報道せず、安全保障環境の問題点を提示しないのでは、「熟議」はおろか基本的議論さえもできないであろうに、伝えるべき情報を伝えない朝日はメディアとして落第であろう。
 
かつて岸信介首相が日米安全保障条約を改定したとき、朝日は激しく非難した。岸首相の支持率は12%に落ち、不支持率は58%を記録した。だがいま政治学の専門家の多くが、戦後最も優れた首相に岸氏を挙げる。そのことを、心ある人は胸に刻みたいものだ。



そんな瀬戸内さんと櫻井よしこさんとが対談本を出していることを最近まで知らなかった。 『ニッポンが好きだから』 (新潮文庫)という本。それを読んだ。文庫は、平成14年12月の刊行。単行本は平成12年12月に大和書房から出ている。

冒頭から「トーク・バトル」、「戦争が起こったら」「憲法」というテーマの対談。湾岸戦争以降の話が出てくる。両者の間には当然微妙な違いあり? 

瀬戸内さんが、櫻井さんの『憲法とはなにか』 (小学館)を読んで「ほんとうにおもしろかった。私はほんとうはばりばりの憲法擁護論者だったんですよ。だけどこれを読んで、そんなこといっていられないのかなと、深く考え込んでおります」とリップサービス? そのあと、福田恆存の憲法論などが俎上にのぼり、瀬戸内さんが「あの方はね、みんなが右翼だ、右翼だなんていいましたけれども、そうではなくて、非常に公正な考えを持った立派な方でした。私は非常に尊敬しているんです」と。

そういう「トーク・バトル」のあとは、いろんなテーマで対談。
女性政治家が土俵に上がりたがるのを、瀬戸内さんは「どうでもいいじゃないですか」と批判。お茶汲みだって、男でも女でも手のあいた人がやればいいのであって、「つまらないことにこだわりすぎる」と、当時のフェミニストたちを批判?

ふむふむなるほどとも。

死刑問題に関しても、瀬戸内さんは死刑そのものには反対だけれど、保釈なしに一生、刑務所から出さないようにすればいいとの見解を表明。これまた賛成。
櫻井さんが、「一人でも殺した人は、保釈なしの終身刑」にすべきと語ると、「保釈なしの終身刑、賛成です」と。 「殺された被害者の家族は、ほとんどの人が、判決の、加害者の罪が軽すぎると、歯ぎしりです」 ( 瀬戸内氏)。
本当にその通り。一部の新聞は、「例外中の例外」の加害者(死刑囚)の死刑を望まないと語る被害者関係者の声を針小棒大に紹介して、死刑廃止論を展開しがちだが、セットで「保釈なしの終身刑」の導入を主張する記事をほとんど見たことがない。死刑廃止国家とて、終身刑を採用しているところが多いはず。それを隠して、死刑大国日本なんていうけど、経済犯でも死刑にする中国にはなかなか目を向けないのはなぜなのか? 不可思議だ。

ただ、そんな瀬戸内さんも、櫻井さんが「横田めぐみ」さんの問題で縷々説明をしても、 「この問題、さっぱり知らないのでコメントできない。ただ拝聴するのみです」との一言だけ?

あと、教育問題では、「ゆとり教育」などをお互いが批判。

「義務教育は基本を教えるべきです」「子どものときに、もっと詰め込むべきです。義務教育で基本を教えこんだ上で、好きなものがわかってきたら、それを選択すればいい」「子どもは性善なんかじゃないですよ。子どもはしつけによって善になるのであって、生まれっぱなしだったら、それは悪い面も、いい面も、みんな、持ってるんです、それが人間なんですよ」「放っておいたら、みんな末はエロダコですよ」 (瀬戸内氏)と。

ううむ…。そうか……。子供(小学生)の時に、エロ漫画雑誌を見たから、エロダコはともかく、エロスケベになってしまった?

学校の週休二日制にも反対している。要は日教祖的な悪平等教育などに反対している。その点、両者の見解は、国防・憲法問題と違って一致しているようだ。

この本、もう絶版だろうか? 安保法制など、最新のテーマで、両者、対談をして、追加補充版を刊行すればおもしろいかも。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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