古本虫がさまよう 「同姓同名」の物書きにご注意を? 栗原康・和田耕作・ポール・ジョンソン、アンドレイ・サハロフ、大久保清……
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「同姓同名」の物書きにご注意を? 栗原康・和田耕作・ポール・ジョンソン、アンドレイ・サハロフ、大久保清……
(2015・9・14・月曜日)





栗原康氏の『はたらかないで、たらふく食べたい 「生の負債」からの解放宣言』 (タバブックス)を読んだ。

内容紹介
結婚や消費で自己実現? ウソだ! 豚小屋に火を放て!やりたいことだけをやってはいけない、 かせがなければいけない、買わなければいけない—負い目を背負って生きることを強いられる「生の負債化」が進行する現代社会。今こそ新自由主義の屈折した労働倫理から解き放たれるとき! 笑いながら溜飲が下がる、トンデモなさそうで腑に落ちる、この新しい読み心地!『大杉栄伝ー永遠のアナキズム』で第5回「いける本」大賞受賞、気鋭の政治学者による爆笑痛快現代社会論



アナーキスト「大杉栄」の研究をしている30代半ば過ぎの喫煙者・大学非常勤講師による、現代日本論といった感じのエッセイ集。
老両親の埼玉の家に住みながら、山形の大学に新幹線通勤をしたりしての授業体験や、喫煙行為を咎められたりしたことへの反論など、身辺の体験を社会問題的に自己風刺しつつ、ちゃっかりと社会批判に向けて書いている。特に共感も同意もしないけど、こういう見方もありうるよねと感得した次第。

高校時代に、通学のための満員電車に耐えられず途中下車して学校をさぼったりした時に、読んだのが岩波文庫の『大杉栄評論集』。その中に、「自我の棄脱」というエッセイがあり、それを読むと「あたまのなかにスーッと言葉がはいってくる」ことがあって、大杉に開眼したようだ。

「兵隊のあとをついて行く。ひとりでに足並みが兵隊のそれと揃う。兵隊の足並みは、もとよりそれ自身無意識的なものであるが、われわれの足並みをそれと揃わすように強制する」
「百合の皮をむく。むいてもむいても皮がある。ついに最後の皮をむくと百合そのものは何にもなくなる。われわれもまた、われわれの自我の皮を、棄脱して行かなくてはならぬ。ついにわれわれの自我そのものの何にもなくなるまで、その皮を一枚一枚棄脱して行かなくてはならぬ。このゼロに達したときに、そしてそこから更に新しく出発したときに、はじめてわれわれの自我は、皮でない本当の生長を遂げて行く」


「わたしはこれをよんで、ああ学校をサボるのはいいことだ、ここでこうした本をよもうとおもった。いつだってなんだって、やりたいことをやってしまえばいい。ゼロになる、自分の人生をやりなおす、赤ん坊になってわがままをとおす。それがいいことなんだと本気でおもえた。そのときの感動がおおきかったからだろうか。その後、わたしはもう中年になるが、いまだに定職につかず、結婚もせずにぶらぶらしている。きっと大杉栄のせいだ」「ひとはいつだってゼロになって、自分の人生をやりなおすことができる」と。

同じようなことは中森明夫氏もいっていた。彼も大杉栄をテーマに面白い本を書いていた。以下再録。


「保守系アナキスト」が日本を救う?
• 2013/10/07(月) 03:49:27
中森明夫氏の『アナーキー・イン・ザ・JP』 (新潮文庫)を読んだ。

重松清、絶賛! パンク少年の脳内に伝説の無政府主義者(アナーキスト)大杉栄が棲みついた。読むと元気になる青春小説。オレ、シンジ、パンクロックにハマッたんだ!──17歳の少年の脳内に突如、100年前の革命家の魂が棲みついた。関東大震災後に虐殺された伝説のアナーキスト大杉栄だ。パンク少年+アナーキストは閉塞した21世紀ニッポンを疾走する。二人の運命は? アイドル美少女との恋の行方は? 政治と文学、アイドルとパンク、時空を突き抜け元気になる!! 「恋と革命」の痛快パンク青春小説。

といった内容。

この前読んだ栗原裕一郎氏&豊崎由美氏の『石原慎太郎を読んでみた』 (原書房)に、中森氏がゲストに出てきて、その鼎談の中で、石原慎太郎も登場するということで、この本のことがたしか紹介されていたので、ふと手にした次第。

中森氏は高校を中退し家出少年になっていた時に、大杉栄の『自叙伝』(『自叙伝・日本脱出記 』(岩波文庫)を「夢中になった読んだよ」とのこと。その原体験が、本書につながったようだ。

大杉栄は名前ぐらいしか知らない。しかし、大澤正道(大沢正道)氏や勝田吉太郎氏など、朝日新聞を手厳しく批判している「保守系」「反共」と思われがちな人々が、アナーキズムに共鳴をもっていることは周知の事実。

浅羽通明氏の『アナーキズム 名著でたどる日本思想入門』 (ちくま新書)でも、勝田氏や田中美知太郎や猪木正道氏や山本夏彦氏などの正論系保守派知識人とアナーキズムとの接点について詳述されていたかと。大杉栄に関してもむろん論じられていた。

エマ・ゴールドマンなどの名前も、中森氏の本に出てくるが、そのほか、宮崎哲弥、石原慎太郎、小泉純一郎、福田和也、鶴見俊輔、大沢正道など各氏も実名で、人によってはかなり揶揄されつつ(?)登場する。

反共教師と大杉栄との論争も小気味よかったが、さもありなんというのか、想像力を刺激される「政治と文学」の架空小説であった。
自民党こそがアナーキズム集団という指摘も文中にあったが、いわれればそうともいえよう。

悪代官・小沢一郎だって、宇宙人・鳩山由紀夫だって、ムーミン・武村正義だって、××殿様・細川護熙だって、魔女・田中真紀子だって、みんな元は自民党だったんだから、もうメチャクチャもいいところだろう。

出ていった新自由クラブや自由党は無論のこと、公明とも社会党左派とも連立政権を作ったんだから。これをアナーキーといわずして?

アナーキ-小泉純一郎氏が原発ゼロを言い出すと嬉しさのあまり社説で取り上げてはしゃぐ新聞社もあった。靖国神社に参拝するとけなすくせに? 新聞社論説委員も結構アナーキー?

この前、古本市で購入して積んどくしている大沢正道氏の『大杉栄研究』 (法政大学出版局)も読まねば…。



大澤正道氏の本はいまだに積んどくのまま。ともあれ、栗原氏の本については、アマゾンでこんなコメントをしているひとがいた。

26 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
個人の自由
投稿者 NM 投稿日 2015/8/8
働かずに、豊かさを手に入れたい、人の考えはそれぞれなので結構かと思いますが、この手の人は甘く接するとつけ上がり、いつの間にか借金の連帯保証人にさせられ、「負債」を背負わされるのがオチです。個人的には、絶対に関わりたく無い種類の人間です。



この見解にも共鳴する? だから、彼からプロポーズされた女性も逃げていったのだろう?

ところで、栗原康氏のほかの本を読もうかと思って、検索してみると、こんな本も。

『共生の生態学』『有限の生態学』(岩波書店)、『河口・沿岸域の生態学とエコテクノロジー』 (東海大学出版会)、『干潟は生きている』 (岩波書店)、『図書: 有限の生態学安定と共存のシステム 』(岩波書店)、『かくされた自然ミクロの生態学』 (筑摩書房)などがある。理系の本だし、中には70年代刊行の本もあるから、同姓同名の別の人による本だと分かるのだが……。

同姓同名といえば、ある図書館に、「和田耕作」という人の著作が4冊入っている

① 『大戦争の表と裏 潜り抜けた幸運な男の記録 。潜り抜けた幸運な男の記録』(富士社会教育センター )
② 『安藤昌益と三浦梅園』(甲陽書房)
③ 『歴史の中の帝国日本 大東亜戦争は避けられなかった』 (力富書房)
④ 『安藤昌益の思想』(甲陽書房)



民社党の国会議員だった和田耕作氏は、そこそこ著名な文筆家でもあったから、①と③は持っているが、②と④は知らなかった(と一瞬思った)。
この前、古本屋で、②か④の本を見つけて、おや?と思って手にした。お値段が3240円とお高いので、ちょっとなぁ…と思って奥付を見ていたら、略歴が出ているが、どっかの大学の先生。あれ? と。どうやら、まったくの同姓同名で、別の人のだと気づいた。

以前、本欄でも、外国人の著名人でも、同姓同名(カタカナ表記など)がいる例をあげたことがある。時には、二人どころか三人なんてことも。以下は再録的になるが…。

例えば、ポール・ジョンソン。普通、ポール・ジョンソンといえば、いまも存命の英国の評論家で『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 (日経BP社)や『インテレクチュアルズ』『現代史』 (共同通信社)や『ユダヤ人の歴史 上下』 (徳間書店)の著者として知られる。

しかし、古本屋などを歩いていると、ポール・ジョンソンの『節約と浪費 イギリスにおける自助と互助の生活史』 (慶應義塾大学出版会)なる本と出会うことがある。名前からしても、書名からしても、英国に関わる著作であるから、ほほお、ポール・ジョンソンはこんな学術的な本も出しているのか、凄いなと思うのだが、別人。

1956年イギリス生まれ。オックスフォード大学大学院博士課程修了。現在、ロンドン大学経済政治学部リーダー哲学博士とのこと。

図書館などによっては、このポール・ジョンソンと、あのポール・ジョンソンとをちゃんと区分けしているところもある。この著者の「ポ-ル・ジョンソン」をクリックしても、この本しか出てこない図書館もあれば、ずらずらと共同通信社の本などもあわせて一緒くたに出てくる図書館もある。同姓同名だから仕方ない?

まだ、この二人以外にも「ポール・ジョンソン」はいる。 『危ないNYをひとり歩きできる本』 (勁文社)という新書サイズの本(だったか)を見つけて買ったこともある。いま手元にその本が見当たらないので、詳しい履歴は分からないが…。

英国では、「青山太郎」ほどではないにしても、わりとある名前なのだろうか。
アンドレイ・サハロフも、ソ連の反体制派知識人として有名。ところが、もう一人の同姓同名の人がいて、 『ステンカ・ラージン伝 ロシヤ革命の序曲 17世紀の記録』 (たくみ書房)という本を古本屋で見つけた購入したことがある。これも「ロシア」だから、一瞬同姓同名かどうか判別できない。

村上という姓の人は、「春樹」ではなくとも「夏樹」とか子供に名前をつけている人もいるかも。大久保の姓の人は、「清」とかつけたがらないかもしれないが。

ちなみに、連続女性殺人で死刑になった彼の本は、何冊か刊行されている。筑波昭氏の 『連続殺人鬼大久保清の犯罪』 (新潮社)を一読した記憶があるが、詳細は忘れた。ほかにも彼の手記的な本が何冊かあるようだ。

しかし、国会図書館に大久保清氏編の『関東大震災とハワイ』 (ハワイ島日本人移民資料館・共同刊行: ヒロタイムス新聞社)という本があるようだが、この人は、その人とは同姓同名の別人であろう。ほかにも、岡山医科大学で博士号を授与されている大久保清さんという人もいるそうな。似た名前では、大久保清朗氏や大久保清子さんという人も著作がある。子供に間違えられそう?
 同姓同名には注意? 同姓同名恐るべし?

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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