古本虫がさまよう 画竜点睛を欠く東京新聞の憲法学者アンケート報道を、別の新聞が補えば、国民の知る権利はより一層保障される?
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画竜点睛を欠く東京新聞の憲法学者アンケート報道を、別の新聞が補えば、国民の知る権利はより一層保障される?
(2015・7・10・金曜日)






東京新聞(2015・7・9朝刊)は、一面~三面にかけて、安保法案に関する憲法学者の見解についてアンケート調査した結果を大々的に発表している。

「憲法学者9割『違憲』」「安保法案本紙調査204人回答」「集団的自衛権限定的でも『不可能』多数」「『立憲主義の危機』強い懸念」(一面)との見出しからも、意気込みが感じ取られる。
安保法制を「違憲でないという憲法学者もたくさんいる」と豪語(?)した菅官房長官に対して、こんなに少数ではないかと、言いたいのかもしれない? 

安保法案 憲法学者9割「違憲」 本紙調査に204人回答

2015年7月9日 07時04分
 本紙は、他国を武力で守る集団的自衛権行使を柱とする安全保障関連法案に関し、全国の大学で憲法を教える教授ら三百二十八人を対象に、法案の合憲性などを尋ねるアンケートを実施した。回答した二百四人(回答率62%)のうち、法案を「憲法違反」(違憲)としたのは、六月四日の衆院憲法審査会に自民党推薦で出席した長谷部恭男・早稲田大教授をはじめ、青井未帆・学習院大教授、愛敬(あいきょう)浩二・名古屋大教授ら百八十四人。回答者の90%に上り、憲法学者の圧倒的多数が違憲と考えている現状が鮮明になった。

 「合憲」は百地(ももち)章・日本大教授ら七人(3%)にとどまった。「合憲・違憲を議論できない」などとして、「その他」と回答した人も十三人(6%)いた。違憲と答えた人は、回答しなかった人も含めた総数三百二十八人でみても過半数を占めた。

 違憲と回答した人の自由記述による理由では、集団的自衛権の行使容認が憲法を逸脱していることに言及した人が最も多く、六割を超えた。政府は安保法案で認めた集団的自衛権は「限定的にとどまる」と合憲性を主張する。だが「たとえ限定的なものであれ、改憲しない限り不可能」(阪口正二郎・一橋大教授)と、限定容認を含め否定する意見も多かった。

 手続き上の問題や、集団的自衛権行使の判断基準となる「武力行使の新三要件」が明確でないことを理由に挙げた人も、それぞれ二十人程度いた。

 手続きに関しては、安倍政権が昨年七月、閣議決定だけで憲法解釈を変更したことに関し「一内閣の閣議決定で変更した手法に問題がある」(高橋利安・広島修道大教授)との批判が目立った。

 新三要件には「要件が不明確で、限定は事実上ないに等しい」(木下昌彦・神戸大准教授)といった疑念が示された。

 一方、安保法案を「合憲」とした人は「個別的か、集団的かを憲法判断の基準とすることは自衛権保持という観点からは意味がない」(木原淳・富山大教授)などを理由に挙げた。
 ただ違憲・合憲双方の回答者から「法制の合憲性が学者の意見の多寡で決まるわけではない」とする意見が複数あった。

 九条改憲の是非については、75%の百五十三人が「改正すべきではない」と回答。「改正すべきだ」は十七人だった。「その他」や無回答が三十四人いた。

 安保法案に対する違憲批判は、衆院憲法審で長谷部氏ら三人の憲法学者全員が違憲と表明して以降、全国的に広がっている。政府は当初「違憲でないという憲法学者もたくさんいる」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)などと反論していた。
◆「立憲主義の危機」強い懸念
 「今回の論議は単なる安全保障政策の憲法適合性の問題ではない。現政権の立憲主義への挑戦、憲法の否定ととらえねばならない」

 アンケートの自由記述では、桐蔭横浜大の森保憲教授がこう記したように、安倍政権が憲法解釈を変更し、安全保障関連法案の成立を目指していることに「立憲主義の危機だ」と懸念の声が相次いだ。

 立憲主義は国民の権利や自由を守るため、憲法によって国家権力の暴走を縛るという考え方で、民主的な憲法を持つ世界各国で共有する。森氏は「『縛られている者』が自らを縛る鎖を緩和することは、明らかに立憲主義に反する」と政権による解釈変更を批判。富山大の宮井清暢(きよのぶ)教授は「安倍政権の憲法無視(敵視)は、過去のどの政権にも比しえない異常なレベル」と断じた。

 安倍政権の姿勢に対しても、独協大の右崎正博教授は「安倍政権や自民党が数の力を背景に、自分の意見だけを一方的にまくしたて、他の言い分は聞かずに無視する態度は大いに疑問」と指摘。名古屋大の本秀紀教授は「立憲主義や民主主義と実質的に敵対する国政運営は、国論を一色に染め上げて侵略戦争に突入した戦前を想起させる」と危機感を強める。

 龍谷大の丹羽徹教授は「安倍内閣は、対外的には『法の支配』の重要さを言うが、国内では憲法を頂点とする法に対する蔑視が甚だしい」とした上、「労働法制、社会保障法制、教育法制の多くは憲法が保障する権利を侵害する方向で改正が行われている」と警鐘を鳴らす。

 山形大の今野健一教授はこう呼び掛けた。「国民の人権を守るための憲法を語る言葉を、権力担当者に独占させてはならない。主権者たる国民が憲法を積極的に語ることこそが、『憲法を国民の手に取り戻す』ことにつながる」 (鷲野史彦)
◆アンケートの方法
 「平成26年度全国大学一覧」(文教協会)が掲載している大学、大学院の法学系の学部、学科、研究科で、憲法を専門にしているか、憲法の講義をしていると確認できた教授、准教授、特任教授、客員教授、名誉教授の計328人を対象にした。

 アンケートは6月19日に郵送し、204人から回答を得た。回答率は62%。

 設問は3つ。問1は「安全保障関連法案は憲法に照らして合憲か違憲か」。(ア)合憲である(イ)違憲である(ウ)その他-の選択肢から選び、理由を記述してもらった。
 問2は「憲法9条は改正すべきかどうか」。選択肢は(ア)改正するべきだ(イ)改正するべきではない(ウ)その他-で、その理由も尋ねた。
 問3は、憲法をめぐる状況について、意見を自由に記述してもらった。



ともあれ、無回答もいるとはいえ、328人の憲法学者を対象にしたアンケート調査は手間隙もかかっただろう。その労苦には感謝したい。

しかし、聞いた項目がたったの3つとは……勿体ない。せっかくの大アンケート。なぜ、「現状の兵力を持つ自衛隊は違憲かどうか。違憲と思うならば、即刻自衛隊を解散すべきと考えるか」「日米安保条約は違憲と思うかどうか」「PKO法は違憲と思うかどうか」といった点も聞いてほしかった。

もしかしたら、「自衛隊は違憲」と考える憲法学者や、違憲だから解散すべき、非武装が合憲であると考える憲法学者が過半数を占めるなんてこともありえたかもしれないではないか。

もし、そんな結果が出たとすれば、憲法学者のあまりの非現実的な空想的平和主義思想が鮮明な印象となり、それはそれで、国民の相対的な多数が支持する自衛隊や日米安保をそんなにまで嫌っているのが憲法学者なのかということが分かり、彼らが反対する安保法制って、意外といいやつかも?と思うかもしれないのに? そういう事実がばれるとやばいと考えたのか? まさか?

今度は読売か産経が同じ憲法学者に、そうした項目のアンケートをしてみるといいかも。言論の多様性は、そういうあたりから生じるもの。

いやいや、沖縄の二つの新聞もそんなアンケートをすれば、ますます我が意を強くできる結果を得られるかもしれない?

「憲法学者7割『自衛隊も違憲』」「安保法案本紙調査204人回答」「日米安保破棄論も多数」……なんて見出しが出せるような根拠を示すデータが得られたら?
ガンバレ、東京新聞に負けるな。沖縄の良心を示せ!?

そういえば、同じ日付の朝日新聞に、肉親(弟)を保険金目的で殺害された兄が、死刑廃止を求めるようになったということで、大きなインタビュー記事が掲載されていた。

死刑廃止論は世論の中では少数派だろうし、殺害などの被害者の中だと、さらに少数派であろう。たとえると、安保法制を合憲だという憲法学者の比率に匹敵するのではないか。

そういう極端な少数意見を、あえて大きく朝日は掲載しているけど、あらゆるジャンルで少数意見の尊重は民主主義にあっては大切なことだ。それに、この被害者は、「死刑より終身刑のほうがいい。生き続ければ対話のチャンスはありますから」というレベルの穏健な死刑廃止論者だ。

何を隠そう、僕とて、終身刑を導入するならば死刑を廃止してもいいかもしれないと考える中庸な人間である。
しかし、恐るべきなのは、死刑廃止論者の中には、終身刑も残酷な刑罰であり反対する人々がいるのだ(団藤重光さんの死刑廃止論の本を以前読んだら、そういう趣旨のことを書いていたので唖然としたことがある)。
そもそも、死刑を廃止した国が多いというけど、そういう国には終身刑などがあることが多い。日本にはそれがない。「無期懲役」という刑はあるが、正味15年前後で出所することが可能ともいわれる。

冤罪の恐れもまったくなく、何人も残酷に殺しているような輩でも、死刑にせずに終身刑にして、刑務所内の「労働賃金」の一部を被害者に渡すという形の制度があれば、それはそれでいいかもしれない(これは中共の「労改」とは異なる。刑務所にいるのは政治囚でもなく、悪質な犯罪者なのだから?)。

ともあれ、朝日新聞社も時と場合によってかもしれないが(?)、こういうふうに「少数意見」を尊重し、「多数意見」が絶対正しいとは限らないという視点を持っているようだが、それはそれでいいことだろう。

その意味で、かつてソ連は日本より進んでいる民主国家であり、社会党が政権をとったらワルシャワ条約機構に入るなんていっていた左翼学者や、自衛隊違憲論を未だに声高に主張し、非武装中立こそ日本の生きる道だと主張する憲法学者も、集団的自衛権行使は合憲であり、政府案は生ぬるいといっている憲法学者もきっとどこかにいるはずだから、探し出して、そういう「少数意見」の人に対してロングインタビューを行ない、その見解を載せるといいのではないか。少数意見の尊重が民主主義の根幹だから?

犬が人にかみついても記事にはならない、人が犬にかみつけばニュースになるのだから。

俗耳に入りにくいことを主張するには論理的な説得力が必要になる。朝日に登場した、肉親を殺されながらも死刑廃止を主張する人とて、終身刑は必要と考えている。その上での論法は、それなりに説得力があろう。

同じように、安保法制に賛成するにしても、反対するにしても、冷静な議論を行ない、現実の国際政治との関連でこの問題を考えていく必要があろう。
まぁ、多用な見解に接している我が身であるが……。新聞も紙面が限られているから、同じ新聞で、異なる少数意見ばかりが報道されることもないかもしれない。

その意味で、一つの県に、主張の異なる二つの新聞があればいいのだが、同じ主張しかしない新聞が二つもあると、どっちか一つは、異なる論調の新聞に生まれ変わったほうが言論の自由の多様性からは好ましいということにもなろうか? そんな気もする? いやいや、ともあれ、言論の自由と言論の多様性は大事。

ともあれ、ネバーセイネバー。あとは野となれ山となれ!
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