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2015.06.03 (Wed)

「吉原の女帝」と「ソープの帝王」が語る男と女のチョメチョメ 「お医者さんごっこ」と「吉原ごっこ」とは、どこがどう違うか?








「吉原の女帝」と「ソープの帝王」が語る男と女のチョメチョメ
「お医者さんごっこ」と「吉原ごっこ」とは、どこがどう違うか?

(2015・6・3・水曜日)





昨夜のブログで少し話題にした慰安婦・遊廓がらみの本として、清泉亮氏の『吉原まんだら 色街の女帝が駆け抜けた戦後』 (徳間書店)も、ある意味で、大変面白い歴史オーラルヒストリー本になっている。
朝日、毎日、東京新聞、週刊朝日を読み、ユンケルとタバコを愛飲する90代の、ちょっとしたインテリのおばさんによる吉原風情本。

内容紹介
メディアに一切出たことのない「吉原の女帝」が初めて語った、色街から見たこの国の戦後70年。赤線の特飲街から始め、キャバレー、ソープランドまで、男と女が絡む商売すべてを手がけてきた老嬢、その足跡から見えてくるのは、焼け跡から立ち上がった復興期の庶民の逞しさであり、この国の雄々しさだ。首都さいごの色街の歴史が明らかになる。
内容(「BOOK」データベースより)
御歳93、伝説の女帝が初めて語る。首都さいごの異界、吉原から見たこの国の戦後。男と女が絡む商売、ありとあらゆることを手がけてきた。戦争の傷跡の街で生きていくために…。ノンフィクションの新星、4年間の取材の結実。



この93歳の女性と並んで、ソープの帝王・鈴木正雄氏へのオーラルヒストリー的な記述もそこそこ出てくる。ちなみに、この人物については以下のような本があるとのこと。

木谷恭介氏の『公衆トイレと人生は後ろを向いたらやり直し ソープの帝王 鈴木正雄伝』 (光文社)。

商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
空襲で焼け出され、男は人力車を引き始めた。そして出会った性風俗業界。海外VIPとの夜の外交とは?群雄割拠を勝ち抜いた経営術とは?性風俗業界を制覇した男と昭和の裏面史を彩る闇の紳士たちの群像。



国策に協力して、海外要人のための女性の世話もしていたそうな。ホテルオークラに派遣もしていたそうな。そんなこともあってか、佐々淳行氏の本にも時々名前が出てくる優秀な部下で、警視監にまでなった宇田川信一なる人がいるようだが、この宇田川氏と鈴木氏とが懇意の仲であったとも。ううむ……。

おお、ヘンリー・ストークスの本(『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』 祥伝社新書)にも、彼のような外国人特派員が日本に赴任した時、外務省報道課が女性の用意をしてくれてホテル・オークラに派遣してくれた云々とあったが、そのときも、この鈴木さんが活躍していたのかもしれない?

ともあれ、夫が吉原の店を買ったからということで、女の「管理」的な仕事をするようになった「おきち」。「吉原の女帝」と呼ばれ、赤線時代からの吉原をリアルタイムで知るという。
著者は、彼女の家に通いつめ、さまざまな思い出話を引き出していく。また、さまざまな文献を紹介しつつ、当時から今日までの吉原の変遷を描いてもいる。

かつては、「お医者さんごっこ」ならぬ「吉原ごっこ」を、その界隈に住む子供たちがしていたそうな。

女の子に「吉原ごっこ」しようと誘われた男性の回想として、「いわゆる性器のおっつけっこ」。ううむ……。「お医者さんごっこ」より「進化」「深化」した「ごっこ」というべきか? 日米同盟も、「防衛ごっこ」から「攻撃ごっこ」の時代を迎えて「深化」しているのだろうか?

小学生の通学路、朝通ると二階の陽があたるところに出て、腰を下ろして着物の裾をまくって、あそこを「日干し」していた女性が多々いたそうな。日光消毒の心境だったのだろう。それを見ながら小学校に向かうことになっていたとか。ううむ。

売春防止法制定などで吉原危機がやってくるが、おきちは不動産の宅地建物取引主任者の資格試験にも合格し、ビル管理やらトルコ営業などに転換していく(トルコの名称をめぐってのトルコ大使館からの抗議、ソープランドへの名称変更の逸話も詳述されている)。
生活苦故に苦界に身を落としていく女性たち…ではあるが、中には、セックスが好きで好きで仕方がない女性もやはりいるそうな?

「したりないのさ」と豪語。お客が、「勘弁してくれ」、もういいよというのを「もっとして」とせまるために、時々ケンカかと誤解することもあったそうな。

「あたしがまだ、したりなくなっちゃうの。あたしが満足いかないうちに男が先におわっちゃうんだもん。だから、もっとして欲しいのさ」「あたし、したくてしたくてたまんないんです。我慢できないんです」と、おきちに訴えたりもする。さすがの女帝も面食らった時もあったという。

その女は、一度は親の説得で足を洗ったのに、またやってきて、結局看板娘になっていったそうな。そういう、宇能鴻一郎の小説『女ざかり』 (双葉社)に出てくるような、スキモノの淫乱女性も世の中には実際にいるのだ?

そして、最近は、そんなタイプが増えてきているそうな?

「昔はよ、みんな、親兄弟を支えなきゃ、生活のためにっていうことで女の子たちもやむにやまれず、頑張ってたんだよ。でも、今は違うんだよな」「心まであげちゃったら、商売じゃない」「女たちが、本気で濡れちゃってるんだよなあ」

それにしても、昭和46年ごろの「平均年収」が100万円の時代に、彼女たちは100万円を「一カ月」で稼いでいたとう。ちゃんと確定申告をしていたのだろうか?

杉坂圭介氏の『飛田で生きる 遊廓経営10年、現在、スカウトマンの告白』『飛田の子 遊廓の街に働く女たちの人生』 (徳間書店)と並ぶ本といえようか。徳間書店のノンフィクション・エロスは頑張っている。さすがは「アサヒ芸能」を出しているだけのことはある。徳間はえらい!?

ともあれ、ネバーセイネバー。
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