古本虫がさまよう 「古本虫」はやがて「古本無視」となり「認知症」になっていく?
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「古本虫」はやがて「古本無視」となり「認知症」になっていく?
(2015・5・29・金曜日)





岡野雄一氏の『ペコロスの母の玉手箱』 (朝日新聞出版)を読んだ。
『ペコロスの母に会いに行く』 (西日本新聞社)の続編。認知症の母の看護を描いたマンガ。衰弱する母、そして死亡、別れの日々……。
「母からの電話」が一番の佳作でしたな……。

著者の母親は90歳過ぎまで長生き。その分、認知症の介護やらでいろいろと……。認知症になる間もなく、若くして、といっても、後期高齢者程度の年齢(80歳前後)で親を亡くすことも多いだろう。いや、もっと若くして親と別れることも。人それぞれ……。明日は我が身……。まぁ、なるようになれと思うしかあるまい。

(以下関連書を論じたものを再録。一部略)


パコ・ロカの『皺』は、スペイン版『ペコロスの母に会いに行く』だった
2013/08/29(木) 22:26:40
パコ・ロカの『皺』 (小学館集英社プロダクション)を読んだ。これはスペインの漫画家による作品。「皺」と「燈台」の二作品が収録されている。

「皺」はボケ老人というか認知症というか、アルツハイマー患者というか、そういう人々が集団で暮らす老人ホーム内での人生模様が描かれている。

以前、岡野雄一氏の『ペコロスの母に会いに行く』 (西日本新聞社)を本欄で紹介したことがある(以下「この旧著」紹介のところは一部要約・再録的)。

自分の母(大正12年生まれ)がぼけて認知症になった経緯(なる前、なった後…)を4コマ漫画&エッセイで描いていた(父は先に死亡)。方言などがあり(註釈はあるが)、ブラックなところもあって、笑いにくい、若干分かりにくいところもあるのだが、しんみりとした味わいのある内容であった。
さっき話したことなども忘れ、遠い昔のことを鮮やかに語ったりする認知症患者に接すると戸惑うことが多々あるであろう。

何もできない赤ん坊から始まり、大人になり、そして最後にはまた赤ん坊のような世界に戻り死んでいくのが「人生」なのだろうか。

ちなみに「ペコロス」は岡野氏のペンネーム。認知症は病気だから、ある意味でどうしようもない。一日一冊本を読むとか、タバコを吸わないとかからないというものでもないのだから。運命か…。

そのとき感じた読後感と同じようなものを「皺」にも感じた。ボケ症状に東西の差はない?

以前、六車由美氏の『驚きの介護民俗学』 (医学書院)も紹介したことがある。著者は1970年生まれで民俗学を専攻した学者でもある。博士号も持っている。大学准教授を辞めて、静岡の特別養護老人ホームにて介護職員として勤務中。その介護先で、さまざまな認知症の老人の「人生」を聞き取り、まとめたのが本書である。
何度も同じ質問をしたり、ついさっきやったことなどを忘れたりする、いわゆるボケ老人たちではあるが、幼少時の記憶には確かなものがあり、そうした思い出話などの中に、「民俗的価値」があるようだ。

宮本常一氏の『忘れられた日本人』 (岩波文庫)ではないが、そうした認知症の老人たちの介護・聞き取りを通じて、日本の忘れられた戦後庶民史の歩み・一端が綴られてもいる本だった。

たとえば、朝鮮平壌で生まれた老女のために、ホームでアリランを流すと、「アーリラン、アーリラン、アラーリヨ」と歌い始めたという。すると、リビングにいたほかの老女たちも口ずさみ始めて大合唱になったというのだ。
その人達は大正十年前後の生まれの人達。ホームの周辺には紡績工場などがあって、そこで朝鮮人と接していたのだろうかと著者は思っていたそうだが、そういう事実もない? はてな?と思っていたら、宮塚利雄氏の『アリランの誕生』 (創知社)という本などを通じて、小林千代子の「アリラン」が昭和6年に発売されたりして、「ご当地ソングブーム」が昭和の初めにあったということを知る。老女たちは、その時に子供時代であり、そのころ歌った体験が認知症になっても残っていたというわけである。なるほどと。

早く家に返して、ご飯の支度をしなくちゃいけないんだから、とか、柳田邦男が晩年、ボケてきて来訪者に対して、執拗に何度も出身地を確認する質問をするようになった例を引きながらも、それが認知症の症状であるとしても、「同じ問いを繰り返す」ということは決して意味のないことというわけでもなく、ある法則性や意義もあることを著者は指摘もしている。それもなるほどと感じた。

そういえば、この前、ある特別養護老人ホームを見てきた。そこは、一階は症状の軽い人たちがいた。しかし、二階は症状のやや重い人たちがいて、徘徊する恐れもあるせいか、エレベーターもパスワードを押して利用するようになっており、エレベーターホールへの道は机などを置いて遮断もされていた。いささか目の輝きがない老人たちが、テレビを見たり、丸椅子に坐ったりしていた。活気がないといえば、そういう感じであり、明日は我が身?と思いつつ、眺めたものだった。

同じことが「皺」でも指摘されている。この漫画の主人公たちは、一階にいて、まだそれでも症状が軽いという人たちを中心に描かれているのだが…。

一方、もう一つの作品である「灯台」は、スペイン内戦がテーマの作品でもある。

著者は、ある人をモデルにして書いたとのこと。そのモデルによれば、内戦で負けたために「フランスに逃げるしかなかったのですが、ほとんどの人が国境で捕まり、強制収容所に入れられてしまった。収容された人たちには、ナチスと戦うかスペイン国内に戻るか、ふたつの選択肢しか与えられなかった」と指摘している。

この前紹介した映画『メキシカン・スーツケース』でも、ピレネーを越えてフランスに逃げたスペイン人が浜辺の「強制収容所」に入れられて四苦八苦したことが描かれてもいた。ただ、「強制収容所」というと、アウシュビッツやスターリン時代や北朝鮮のモノを想起させられる。それほど、酷かったのか? 

当時の内戦で共和国側への援助に関して、イマイチクールだった当時のフランス政権に対するコミュニスト的価値観による過剰反発なのか? そのあたり勉強不足でよくは分からないが…。なにはともあれ、最低限度であっても援助の手を少しは差し延べたのに、それを「強制収容所」だったと言われたら、フランス人も怒るだろう。
また「映画」では、選択肢はその二つではなく、もう一つあって、メキシコが亡命を受け入れたので、そっちに逃げることが可能になり、喜んでいる人たちが「証言」していたかと。

それにしても「認知症」。近年、それへの認識が急速に高まったのも、身内にそういう人が増えてきたからだろう。長生きをしなければ、そういう症状になる前に死んでいたので気付くこともなかったであろう。
ただ、そういう認知症が急激にやってきたり、若年性のものがあったりすると、ややこしくなる。いわんや現役の政治家がそういう症状になってしまうと…。

そのあたりを考察したのが、本多巍耀氏の『原爆投下への道程 認知症とルーズベルト』 (芙蓉書房)である(ようだ?)。この本についての読後感はまたのちほど。



おや、本多氏の本は積んどくしたままだったか。ヤルタ会談前後のルーズベルトが認知症だったということを解明した本だっただろうか?
認知症というのは、初期の段階だと、「あれ? ちょっと変だな」とは思わせるけど、普通のようにも見える時もあるもの。
「大統領、ちょっとおかしくないか」「いや、そんなことないよ」なんて会話が当時、側近でなされていたのかも?
当時は、いまほど高齢化社会ではなかったし、認知症、ボケ老人も少なかっただろうから、そのあたりの機微は理解されにくかったのではないか。そのために、スターリンに付けいるスキを与えるきっかけになったということだろうか。読まなくては…。

それにしても、買った本なのにまた買うとか、一度読んだことがあるのに読んで面白かったなんていうのも、一種の認知症なのかもしれない。
気をつけよう?

パソコンも富士通の親指シフトを使っているが、認知症になると、この親指シフトに対応したパソコンで文字が打てなくなるのだろうか。古本にも関心を示さないようになるのだろうか。介護施設で「看護婦」的な女性に淫らなことをするようになるのだろうか? 心配だ?

ともあれ、ネバーセイネバー。
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親指シフトキーワープロ専用機が好きだった。仙台市内のショールームに通い続けた。月刊誌「ワープロファン」を購入し、熟読した。森本哲郎、小池真理子、荻野目慶子などが懐かしい。高見山をイメージキャラクターにして発売された「My OASYS」を定価の75万円で購入。技術の進歩が早く、無用の買い物になった。1982年5月。既に結婚していて、前年に長男誕生。マイカーも買った。その後も、富士通ワープロを買い続けた。中でも、1987年6月に発売された「OASYS30AF2」を愛用した。今となっては、苦い記憶あるのみ、他には何もありません。もはや、パソコンで親指シフトキーの利用も考えていません。
青木明  05/29/2015 Fri URL [ Edit ]
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