古本虫がさまよう いつか必ず来る日のための「未亡人」「相続」対策、及び「ボケ対策」は早めに?
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いつか必ず来る日のための「未亡人」「相続」対策、及び「ボケ対策」は早めに?
(2015・1・25・日曜日)







「未亡人」といえば、やはり「未亡人」である。
特定嗜好分野の小説では、 「女教師」「看護婦(ナース)」「スチュワーデス」「義母」「伯母」「叔母」「兄嫁」「熟女」等々と並んで、「人気(職業)肩書」ナンバー1クラスである(?)。

一部では「差別語」であると糾弾もされているが、なかなか、的確な言い換え言葉がなくて、いまも何とか生き残っている。「(行かず)後家」は「死語」になったか? 「看護婦」は死語に、ほぼなった。さらには、病院に近年お見舞いに行くことが増えたが、スカートをはいた「看護婦」も「特定嗜好分野」の映画以外現実には見かけることはない? ブルマ同様消滅か?

普通の図書館で「未亡人」で検索すると、マジメな本しか出てこない。戦争未亡人についての本や、スパイ小説がらみのタイトルなどとして。しかし、国会図書館で検索すると大変?
『クラスメイトの美母は未亡人奴隷』『故郷の未亡人兄嫁〈帰省中の楽園〉』『獣宴〈若未亡人と熟未亡人〉』『熟女の海 : 未亡人義母と未亡人女教師と未亡人海女』‥‥と無限にこの手の小説が出てくる。「未亡人」だけでは物足りないのか、「未亡人」に「兄嫁」や「義母」や「女教師」を付けるのがこの頃の定番のようだ。
そのうち、「教職資格を持つ元スチュワーデスの未亡人熟女兄嫁が僕の義母になって再就職し、僕の学校の女教師になった」‥‥なんて本も出るかも? 「文学と未亡人」をテーマに博士論文を書くような俊英は出てこないのか?

しかし、「未亡人」という「言葉」を使用していないので、検索では出てこないかもしれないが、「未亡人」を主人公にした、石川達三氏の『花のない季節』 (中公文庫)は、何度か紹介しているが傑作小説。
未亡人の「財産」やら「美貌」を狙う近親者など、さまざまな関係各者の葛藤が描かれている。さすがは石川達三だ! まれにブックオフの108円コーナーでも見かけるし,都内の一部区立図書館にもある。 『花のない季節  狙われた未亡人』ならもっと売れた?

そういう出版環境であるが、その手の小説の「未亡人」像に若干触れてもいる、本当の未亡人になってしまった河治和香氏の『未亡人読本 いつか来る日のために』 (新潮文庫)を読んだ。
これはマジメな本(ところが、読了して、実はこの本は、「再読」ということに気づいた。2年ちょっと前に本欄で紹介しているのだ。やれやれ。ボケが始まったか? しかし、当時と今とではまた視点がちょっと異なる読み方を少ししたようなので再録ならぬ再読の感想をまずは綴る次第。以前読んだ時は高倉健氏のエピソードなど気にも止めなかったのだろうが‥‥)。

生年を書いていないので著者の年齢が不明だが、ご主人が還暦すぎたばかりの若い歳でガンで死亡(文中のお二人の写真を見ると、歳の差がそこそこある御夫婦か?)。その看護やら逝去後のさまざまな手続きや心の哀しみを乗り越えようと前向きに綴ったエッセイ集だった。
ご主人ともども映画会社に勤めていたこともあり、亡くなる前に「葬儀」の準備をしていたときに高倉健さんに弔電をもらいたいなと「遺言」。実際、心温まる弔電をもらったという。
この本は平成24年の文庫オリジナルの刊行だが、そういえば、昨年彼が亡くなった時、そういう思いやりの心があって、知人の葬儀やらお見舞いをきちんとしていた云々の記事を読んだ覚えがある。

ご主人は新潟出身。子供はいなかった。相続に関しても、子供がいないと、夫の兄弟にも「相続権」があるそうな。しかも、戸籍を見ると、会ったこともない血縁者もいたりして‥‥。一歩間違えると「争続」にもなりかねない恐れもあったそうな。

この本と全然関係ないが、上条麗南氏の『奴隷相続 未亡人兄嫁と若兄嫁』 (フランス書院文庫)は、未亡人の「肉体」を義弟が相続することになった悲劇を扱った小説‥‥。こんな「相続」にはご注意を?

彼女とは逆に、奥さんを先になくして、『いまも、君を想う』 (新潮社)という本を書いている川本三郎氏と、「男やもめ」&「女やもめ」の対談が巻末に収録もされている。お二人ともガンで配偶者を失い「子供」もおらず、その点で、「孤独」なひとり住まいとなった環境の変化などを語りあってもいる。『いまも、君を想う』も以前読んだ。

河治氏も述懐していたが、朝起きた時にも連れ合いがいないというのは寂しいもの。会話も二人あって成り立つもの。「読みもしない古本をまた買ってきて」「やかましい、着れなくなった服はどうするんだ」なんて会話も、相手がいてのこそ。

この前も、休日の朝、テレビを見ていたら、野鳥の映像で、「オオマシコ」なんて鳥が紹介されていた。冬に日本もやってくる渡り鳥のようだ。「オオマシコか‥」とつぶやいていたら、妻が、「『オオマ×コ』といいたんでしょう、このバカ」と‥‥。

結婚して30年もすると、こういう会話が成り立つ? そんな悪妻がいなくなると、それはそれで寂しいもの?

悪妻は長生きをする‥‥だろうし、子供はいるとはいえ、明日は我が身? 僕が先に死ねば‥‥どうなるのやら? 戒名やら要らないし、直葬が一番いいのだが‥‥。やれやれ。

ともあれ、ネバーセイネバー。


以下二年数カ月前に読んだ同じ本の感想(再録)。
• 2012/10/04(木) 06:01:35

千木良悠子氏&辛酸なめ子氏の『だれでも一度は、処女だった。』 (イースト・プレス)を手にした。
でも、なんか読んだ覚えがあるな? しかれども奥付を見ると、2012年8月初版となっている。出たばかりの本か…。
著者(二人)が、さまざまな女性に「初体験」の相手やその喪失した時の場所などをインタビューする本。冒頭、著者(千木良悠子氏)が自分の母親にそれを聞いたところ、実は父親ではなく…といったところから始まる。

いや、やはり既視感・既読感があるな? 本文のレイアウト(カラー)も…。最近物忘れが激しいからなぁとおもって、本ブログ欄で著者名を検索しても出てこない? 

う-む、オカシイなぁ? 珍本発見、やった! とおもって買ってきたら、家にすでに同じ本があって、かつ、安く買っていた事実が判明することはよくあるぐらい、記憶力には自信はないのだが…。
それにしても…。

奥付をよくよく見ていると、一番下に小さな活字で「本書は、2009年に理論社より刊行された『だれでも一度は、処女だった。』の復刊」と記しているではないか。なんだ、やはり理論社版で読んでいたのだ。またその時は、本ブログを書き始める前だから、検索しても出てこないわけだ。謎は解けた?

普通、文庫化された時など、親本(単行本)は〇〇年に〇〇社より刊行されました云々と記すが、目次の前後とか奥付手前のペ-ジに、そこそこ大きな活字で記すのが、普通だ。

しかも、単行本の復刊なら尚更であろう。これはちょっとアンフェアな処置というしかない。 奥付手前のペ-ジに、そういう趣旨のことが書かれていたら、あぁ、あの読んだ本か、特に加筆もないようなら買う必要なしと判断する人だっていただろう。間違えて入手したりすることもなかったであろう。

生保などの契約書にある「免責」云々の項目が、読めるものなら読んでみなという程度の小さな活字で記されていることがかつて(今も?)よくあったが、それと同様というしかない。

読者に伝えるべき情報は、そこそこの活字の大きさで目立つところに分かりやすく記すのが常識であろう。非常識というしかない。

それはともかく、理論社で読んだ時は、面白く一読した次第。男も登場していたかと。初体験の相手とそのまま結婚している女性もいたかと。ううむ…。

それはさておき、結婚すると、やがて離婚や死別などがあるのが世の常。
そうした人生後半・末期に焦点を絞ったのが、河治和香氏の『未亡人読本 いつか来る日のために』 (新潮文庫)。

ライフワークである(?)「未亡人」研究のために手にした次第だが、勿論これはマジメな本。年上の夫がガンで死亡。その闘病ぶりや死ぬ直前までの思い出や、死去後の葬儀や相続問題や遺品整理のドタバタなどを綴り、必ずやってくる配偶者との死別前後、「だれでも一度は未亡人」(というわけではないが)になるのだから、その時、いかにサバイバルするかのノウハウ本でもある。

著者も「未亡人」と名のつく本を調べると、半分が推理小説の類であり、残りのほとんどがポルノ系であり、マジメな未亡人論も「戦争未亡人」といった健気なモノばかりで、子供のいない夫婦の死別がらみの未亡人論はあまりないことに気づいたという。

遺品整理では、夫が意外と洋服などをためこんでいたことに気づいたという(エロスものはなかったのか?)。相続でも正式の遺言状がなく、子供のいない配偶者の場合、夫の兄弟関係者にも相続権があるので、それを破棄してもらうのに手間隙がかかってとのこと。
大きな会社(映画会社)関係者であったということもあり、それなりに盛大の葬式をしたようでもあるが、そのコストもいろいろ、お返しなどもあれこれと。

最近葬儀に出ることが二度ほどあったが、参列するだけだからこういう身内の苦労は体験することもないのだが…。
妻とはお互い、直葬でいい、家族葬もしなくていい、戒名は要らない、俺は再婚する、あんたはできない?…と語り合っているのだが、自分の親の葬儀ともなると、なかなか難しい?

先に妻を亡くした川本三郎氏との対談も収録されているが、彼の『いまも、君を想う』 (新潮社)も本欄で紹介したことがあった。徳岡孝夫氏も『妻の肖像』 (文春文庫)で先に亡くなった妻への追悼を書いている。河治氏の本は、その逆、先に亡くなった夫への追悼でもある。

「未亡人」…。辞書的には「夫と共に死すべきに、未だ死なずしてある意」と昔定義されていたそうな。「差別語」であるとの指摘もされるかもしれない。「看護婦」同様、「言葉」として消される(殺される?)運命かもしれない。
かといって「後家」では…。

明治時代の家庭論の本の中で「未亡人の心得」なるものがあって、「年若き未亡人の家には、決して心易しく男子を出入りせしめてはならない」「男子に応接するには、必ず第三者をして、傍らに侍らしめるやうに心得ねばならない」…とあったそうな。

そんな明治時代から続くタブーを破ることに特定嗜好分野の小説は活路を見出しているのだろう。そういうタブーを破ったために、少年と危険な目(いい目?)に遭遇する未亡人の世界を描いた佳作も少なくない(例・西門京氏の『若未亡人』『熟未亡人教師』フランス書院文庫など多数)。

「未亡人」よ、そんな偏見(?)に負けず、ガンバレと言いたい?



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石川達三「花のない季節 中公文庫 1975」を仙台市図書館で探すも無し。作品集にも無し。河治和香「未亡人読本 いつか来る日のために」も無し。但し、著者の時代小説は12冊あり。自分で買いなさい、と言うことかも知れない。題名「未亡人」に怪しい雰囲気を感じて所蔵しなかったのか、などど邪推。河治和香氏は、1961年(昭和36年)生まれ。生月は不明。1985年に結婚。夫の河治信夫氏は昭和21年(1946)1月生まれの映画人。夫39歳妻24歳。15歳の年齢差で結婚。子供に恵まれず、時代小説作家の道を選ぶ。筆名「和香」は、子に予定していた名前とのこと。(ちなみに私は、1946年(秋)生まれです)
青木明  01/25/2015 Sun URL [ Edit ]
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連続コメントで恐縮です。河治和香氏の作品の件です。同シリーズは「1.侠風むすめ 2.あだ惚れ 3.鬼振袖 4.浮世袋 5.命毛」の全5巻で、第2巻の刊行直後に夫君を亡くされているようです。魅力ある時代小説作家の存在を教えていただき、感謝しています。なお「未亡人読本」も読みたいと思います。
青木明  01/25/2015 Sun URL [ Edit ]
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