古本虫がさまよう 自衛隊よ、胸は張りつつも背筋をもっと伸ばせ?
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自衛隊よ、胸は張りつつも背筋をもっと伸ばせ?
(2014・12・16・火曜日)





佐道明弘氏(1958年生まれ。中京大学教授)の『自衛隊史論 政・官・軍・民の60年』 (吉川弘文館)を拾い読みする。
自衛隊の歴史を客観的に分析している本だが、その視点は中庸である。

論壇の自衛隊に対する姿勢としては、「社会民主主義者の役割」と題して、彼らを好意的に分析している。社会民主主義というのか、民主社会主義というのか、民社党系の学者(猪木正道、関嘉彦、武藤光朗、中村菊男‥‥)の防衛論を、進歩的文化人、「反・反共主義」の知識人の平和論と対比しながら批評している。

そうした民社系の研究機関(民社研)が、まとめた本を『体系 社会民主主義』と紹介しているが、これは書名が間違えている。『体系 民主社会主義』。文藝春秋からの刊行。全六巻。

日本の政治の不幸は、社会民主主義でもなんでもない日本社会党の末裔が「社民党」と名乗っていること。自国の国防を蔑ろにするような社会主義政党は聞いたことがない。旧社会党に根強かった非武装中立にしてもソ連礼賛論にしても、関嘉彦氏の論敵だった森嶋通夫氏の白旗論にしても、どちらも偏った奇形の国防観に基づくものでしかなかった。そういう幻想が衰弱していったのは大いに結構なことだと思う。

民社党というか、その前身である「右派社会党」系の政治家にもこういう潮流の人がいたから、日本社会党も戦後の結党まもないころには防衛政策に関しては、まともなことを主張する勢力もあった。その事実は、この前紹介した樋口恒晴氏の『「平和」という病』 (ビジネス社)でも指摘されていた通りだ。

佐道氏によると、2003年に戦後防衛政策に関する著書を書いた時、その中で「軍事的合理性」という言葉を使ったら批判されたという。「軍事」と付くとそれだけでアレルギーを起こす手合いがいたのだろうか。

でも、僕はつむじ曲がりだから、自衛隊がもてはやされるようになってくると、ちょっと待てよといいたくもなる。
とはいえ、憲法9条(とりわけ2項)はどう考えてもおかしな条文。それを適度な条文に修正することは肝要であろう。

かつて80年代だったか、松原正氏が『自衛隊よ 胸を張れ』(地球社)という本を書いた。一読したものの記憶は薄れているが、当時はそういうタイトルが刺激的で、かつ、そう言い切るべき時代的背景もあったかと。でも、今は、軍人にしても警官にしても、むやみに胸を張るのではなく背筋をもっときちんと伸ばして職務に励む姿勢で十分であろうか。いやいや、まだまだか……。

ともあれネバーセイネバー。
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