古本虫がさまよう 土曜日恒例の古本市行脚で気付いた→慶應といえば、文学は奥野 信太郎、政治学は中村菊男、経済学は気賀健三というのは、誰だって知っていることだと
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土曜日恒例の古本市行脚で気付いた→慶應といえば、文学は奥野 信太郎、政治学は中村菊男、経済学は気賀健三というのは、誰だって知っていることだと
(2014・11・22・土曜日)








 土曜日(11・22)は快晴。しかも首都圏周辺は比較的温暖。絶好の古本屋行脚日となった。

そこで、まずは神保町へ。古書会館や周辺で、大林勊.氏の『わたしのミナトヨコスカ』 (かなしん出版)戸川猪佐武氏の『素顔の昭和 戦前』 (光文社)、三枝康高氏の『思想としての戦争体験』 (桜楓社)、真壁仁氏&白鳥邦夫氏の『対話 希望回想』 (秋田書房)、森有義氏の『青年と歩む 後藤文夫』 (日本青年館)などを購入。


松永伍一様への謹呈のサイン本が古書会館の一画では沢山出ていた(上記の『対話 希望回想』には真壁仁さんの署名入り)。松永氏は2008年逝去のようだが‥‥。金と本は天下の回りもの?

西武新宿川越駅近くのところでも古本市をやっているようだが、ちょっと遠い‥‥。行かず。

高円寺へ移動。久しぶりに「桂」でいつもの天麩羅蕎麦(370円)。太麺が美味しい。

食後の古書会館までの道のり、いつものように煩い音楽が電柱から流れてくる。どうしようもない野蛮地域だ。

古書会館では、望月三起也氏の『ジャパッシュ1』『ジャパッシュ2』 (若木書房)をまず入手。『ジャパッシュ』はたしか一冊揃いのは持っているし、バラのも何か持っていたような気がするのだが、さてこれは持っていたか? 念のための購入。青春の思い出のマンガ。左右の全体主義への警告。オウムを予兆させる危険な集団ジャパッシュ‥‥ということで。中学一年の頃読んだ政治性あふれるマンガだからなぁ。思い出が詰まっている。偽善者とはどういうものかを分かりやすく描いている。

そのほか、ジェズス・ムンカダの『引き船道』 (現代企画室)、マーク・トウェインの『人間とは何か』 (ワイド版 岩波文庫)、つげ義春氏の『夏の思いで』 (中央公論社)、平成官能小説読書会編の『アダルトノベルズ97』 (日本出版社)を購入。

『アダルトノベルズ97』は、1997年の刊行。アダルトノベルズを一頁一冊単位で、本のカバーと共に紹介。リアリティ、マニア、ストーリー性、ワイセツ度、オリジナリティの分析グラフ付き。

この前、大森望氏&牧眞司氏編の『サンリオSF文庫総解説』 (本の雑誌社) を紹介したが、それの類似本ともいえようか。でも、この本、以前、持っていて読んだような記憶もあるが、100円なので購入した次第。これは97年頃に流通していた本だからもうかなり古い。

フランス書院文庫やら一般文庫などさまざまなアダルトノベルズ。300頁ぐらいあるから300冊前後紹介されていることになる。

富士見ロマン文庫もサンリオSF文庫同様200冊ぐらいだから、こんなふうに一冊あればカバーできるだろうが‥‥。

高円寺に戻る途中にある古本屋で、酒井潔氏の『日本歓楽郷案内』 (中公文庫・本体価格880円+税)を388円(税込み)で購入。たまたま古本定価2割引セールということもあったが、安くて何より‥。

それから浅草エキミセ古本市へ。第一回目とのこと。浅草駅ビル「エキミセ」屋上の浅草ハレテラスというところで、雨天中止の青空古本市をやっているというのは、「日本の古本屋」の即売展欄にも出ているので出掛けた次第。

JRのいつもの都区内フリーパスを利用しているので、地下鉄などで浅草に行けず(?)、黄色い電車の総武線の浅草橋駅で下車。
すると、駅前に長蛇の列。宝くじ売場が二つある。でも、なぜか、ひとつのほうは行列なのに、もうひとつは閑古鳥。近代経済学とマルクス経済学を自由選択にしたら、こんな感じになるのかなという感じ?

それなのに、否応なくマル経学者の失業救済対策のために、マルクス経済学のほうを「絶対必修」に「強制指定」させられた恨みは、30年たってもまだ消えない。
得るものがえれば失うものがあり、失うものがあれば得るものがあるのが人生とはいえ、マルクス経済学を押しつけられたのは思想信条及び学問の自由の侵害だったのではないかなとも? まぁ、授業はあまり出てないから被害は少なしか?

ともあれ、浅草橋駅からせっせと20分ほど歩いて浅草へ。途中、道を間違えてなぜか浅草寺の前を通る。結構な人出。観光客で賑わっているみたいだ。入り口の「雷門」をバックに記念撮影する人多し。

遠回りして松屋浅草(?)に到着。古本市会場のある屋上に上がるとアサヒビールの「ウンチ」がよく見える。スカイツリーもよく見える。バーベキューみたいな食事もできる施設もあり、食事をしている人もいる。その先の一画で古本市。規模は、まぁ、ミニサイズか。新宿サブナード2丁目広場でやっている古本市よりちょっと大きい程度かな。
ここも屋上ということもあってか、煩い音楽が断続的に流れている。なんで、こんなナンセンスなことをデパートってやるのだろう。静かなのが一番いいに決まっているのに。一応原則禁煙のようだ。奥の端っこに「青空喫煙所」があるようだが。

買いたいものはないなぁと思っていたら、気賀健三先生をしのぶ会編の『語り継ごう! 気賀哲学』 (非売品)があったので手にした。気賀先生の教え子が、亡くなった恩師を追悼した文集。

慶應といえば、文学は奥野 信太郎、政治学は中村菊男、経済学は気賀健三というのは、誰だって知っている(ぐらい有名だ?)。

ということで、この本をレジに持っていくと、なんと別途消費税を取ると貼り紙があった。嫌な気分。
だって、神保町古書会館の古本市も、高円寺古書会館の古本市も税込み価格なのにねぇ‥‥。なんか怪しいというか嫌な感じになる。ここに出している古本、神保町や高円寺や五反田には行かないのか? 行く時は値札を一々税込みに直しているのだろうか?

この本の値札は「500円」で、「540」円取られたけど、古書会館だと「540円」の値札に貼り替えるのだろうか? そうしているのなら納得だけど‥‥。

安易にやっていないか心配だ。税務署に問い合わせてみるべきか? いや気賀先生は経済学者だから、生きていれば‥‥。

しかし、この本をぱらぱらめくっていて驚いたのが、朝日新聞の下村満子氏が、気賀ゼミ出身者だということ。しかも女性初のゼミ員。え? そんなバカな?

彼女は昭和36年慶應大学経済学部卒業だが、マルクス経済学華やかな時に、「自由主義」の大切さを唱え、果敢に論陣を張っていた気賀先生に共鳴したから選んだとのこと。そしてなんと仲人までやってもらったという。

しかし、下村満子氏といえば、朝日記者として、『ソ連人のアメリカ観』 (朝日文庫)というソ連要人への、いささか単線的なインタビューを行ない、小学生の作文以下と、朝日新聞から本を出していたパウル・レンドヴァイ(『操られる情報 ソ連・東欧のマス・メディア』の著者)に酷評された左派リベラル的なジャーナリストではなかったか?(「諸君!」1985年6月号&7月号→レンドヴァイ「ソ連外交に加担した朝日新聞 下村満子記者『ソ連人の米国観』は『小学生の作文だ』」 聞き手吉成大志氏)。

にもかかわらず、下村氏は、この本(『語り継ごう! 気賀哲学』)のエッセイの中で、学生時代、慶應義塾大学新聞部のメンバーだったので、気賀先生にインタビューをしたことがあり、「信念を貫きながらも人間味あふれる先生のお話を聞き、先生に対する尊敬と愛着の念が、一段と深まった」「その記事は、我ながらいい出来だった」「その後、私は新聞記者になったのだが、ジャーナリストとして最も得意とし、人からも褒められたのは、日本や世界のトップたちにインタビューでとことん迫る記事だった。インタビューが好きになったのは、この気賀先生のインタビューが原点だったような気がする」と書いているのだ。

ううむ‥‥。僕は気賀先生の講演を何度か聞いたのと、経済学の本を何冊か積んどくしているのと、憂国の防衛論の書を少し読んだ程度だが‥‥。 『正しきことは正しきこと  あえて主張する勇気を持て』 (PHP研究所)。 『提言 独立と平和の条件 日本の安全を考える5』 (サンケイ出版)は名著。

そんな気賀先生が、彼女の『ソ連人の米国観』を読んだら烈火の如く怒り「破門だ!」と怒鳴るような気がするのだが‥‥。いやいや、そこはやはりイデオロギーを越えた人間の感情というものがあるから、見て見ぬフリをしたのかもしれない?

いやいやいや、彼女の『アメリカ人のソ連観』 (朝日文庫)は、さまざまなアメリカ要人の多様なソ連観を引き出した点で高く評価できる本だと思う。リチャード・パイプスなんかのコメントが朝日に載るなんて奇跡的だったともいえる。ただ、同じような多様なコメントを「ソ連人」相手にも引き出すことが可能だと思い込んだのがミスだったといえよう。その点で、やはり、『ソ連人の米国観』は愚著だと思う。

それはともかくとして、松屋浅草の古本市も事実上なくなったか‥‥。
旧来の松屋の古本市は、ゆったりと館内の広い会場だったのが、段々狭くなり、やがて非常通路(廊下?)みたいな隅っこで古本市をやったこともあったが、いよいよ、屋上か‥‥。「第一回」と銘打っているけど、暖かな土曜日の午後であったが、客はまばらであった。‥‥いつまで続くか。消費税も別途取るようでは‥‥。

浅草寺のほうに古本屋もあったっけ? また、上野から浅草に引っ越ししたかのような古本屋もあったがもう閉店したそうな。一度だけ出掛けただけだったが(「上野古書のまち」→「浅草古書のまち」)。

仕方なく浅草橋駅へ戻る。
途中に「やよい軒」があったので、久々に入り、いつもの「生姜焼き定食」 (580円)ではなく、期間限定の「すきやき定食」(890円)を食べる。無料クーポンのイカげそ焼きも付けて。
吉野家のすき焼き鍋みたいなのも一度食べたことがあるけど、「やよい軒」はご飯お代わり自由だし、漬物もタダで美味いし、こちらのほうがいい感じ。

夕方前で店内も空いていた。静かなジャズが流れる店内、どっかの電車と違って店内照明も十分。待っている間、目が疲れることなく本も読める。消費増税後も、定食メニューの定価は一円も上がっていないのではないか?(未確認だが、生姜焼き定食は税込み価格580円で不変)。歩行計は17000歩。

車中、室谷克実氏の『朝日新聞「戦時社説」を読む』 (毎日ワンズ)を読んだ。著者は『嫌韓論』 (新潮新書)など、韓国批判論で有名な元時事通信社出身のジャーナリスト。慶應大学法学部政治学科出身で、中村菊男ゼミ出身とのこと。恩師は論争を恐れない学者で、朝日新聞の「戦前、戦中の朝日新聞の酷かったこと」を幾度となく室谷氏たちに語っていたという。

「病床に伏す直前には次は『朝日新聞戦犯論』を書かなくてはならない」 とも語ったとのこと。

恩師のそのテーマを教え子の室谷氏が引き継いだのが本書といえようか。毎日ワンズの社長も、同じ門下生とのこと。
だからなのか、中村菊男氏の名著『天皇制ファシズム論』 (原書房)が、毎日ワンズから簡約版(『政党なき時代―天皇制ファシズム論と日米戦争』)が復刊されていたのも。

ともあれ、朝日の戦時中の社説などが本書に収録されている(所々、室谷氏の解説が入るという構成)。

おやっと思ったのが、中村氏の次のようなコメントを室谷氏が紹介しているところ。

「終戦から何年後かの新聞を見てごらん。デモの写真がある。彼らの持っている赤旗は、少し前まで日の丸の旗だったことが、はっきりと分かる代物なのだ。日の丸の旗を赤い染料に漬けて、それを持って自分は昔から反戦主義者だったかような顔をしてデモに行ったのだ。恥ずかしながら、わが慶應義塾にも、そんな教授がいた」

戦前、良質の染料を使って作った日の丸の旗を、戦後安物の赤い染料につけて真っ赤にしても、真ん中の「真紅」の部分の痕跡が残っているから‥ということなのだ。なるほどね。頭隠して尻隠さずではないが、平和運動家のお里が知れる?

関連書として、以前も紹介ずみだが、『読んでびっくり朝日新聞の太平洋戦争記事』リヨン社)、 『朝日新聞の戦争責任 東スポもびっくり!の戦争記事を徹底検証』太田出版・著者はいずれも安田将三氏&石橋孝太郎氏)がある。リヨン社は「著作権」がらみで絶版になったが、太田出版は著作権の保護期間が終わってから朝日記事を活用して事なきを得た次第だったかと。
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