古本虫がさまよう 門田隆将氏の『慟哭の海峡』を読むと、なぜチャスラフスカに関する本を読みたくなるのか?
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門田隆将氏の『慟哭の海峡』を読むと、なぜチャスラフスカに関する本を読みたくなるのか?
(2014・10・17・金曜日)


門田隆将氏の『慟哭の海峡』 (角川書店)を読んだ。

内容紹介は以下の通り。


太平洋戦争時、10万人を超える日本軍兵士たちが犠牲になったとされる「バシー海峡」。その犠牲者の一人に、「アンパンマン」の作者である、やなせたかしの弟がいた。一方、その“魔の海峡”から12日間の漂流を経て奇跡の生還を遂げた若者、中嶋秀次がいた。彼は死んだ戦友の鎮魂のため、海峡が見える丘に寺院を建てることに人生を捧げた。
“世紀のヒーロー”アンパンマンとは、いったい「誰」なのですかーー?今、明かされる、「慟哭の海峡」をめぐる真実の物語。



以下ネタバレ的な筆致もあり、ご注意を。


内容紹介にもある通り、「慟哭の海峡」というのは、台湾南端とフィリピンの間の「バシー海峡」のこと。
日本のシーレーンにとって重要なところだが、太平洋戦争中は、フィリピンをはじめとする南方占領地に向かう日本の輸送船や軍艦が行き来していたところだ。勝っている時はよかったが、制海権や制空権がアメリカに取られてからは、安全な航行は不可能になってくる。

本書の主人公の一人の中嶋秀次氏は、その海峡で乗っていた輸送船が撃沈され、十数日漂流することになる。筏などにつかまっていた戦友たちも次々と亡くなり、仲間の死体を食べるしかないような飢えにも襲われる寸前、かろうじて救出される。
もう一人の主人公であるやなせたかし氏の弟(柳瀬千尋さん)は、近接する戦場で戦死。

やなせ氏にも取材をする予定が病気やらでままならず(死亡)。
中嶋氏には亡くなる直前にロングインタビューもしている。彼は、戦後、バシー海峡で戦死した戦友を追悼する慰霊のための施設を台湾に作るのだが、それをめぐって裁判沙汰にも巻き込まれる(勝訴)。
その裁判を担当した台湾の裁判官の「私には良心がある」は、キング牧師「私には夢がある」というのにも匹敵する感動を与えてもくれた。それほど、年老いた中嶋氏が台湾の「法廷」で、戦友の追悼のための語った言葉が感動的だったのだろう。その法廷のシーンには涙が出てきた(今日の香港の「普選」要求の学生のデモを見るにつけ、台湾に比べても格段と遅れている中共の民主主義のレベルには唖然呆然とするしかないが)。

門田氏には、被害者の人権への思いもない愚鈍裁判官などへの批判の書として、 『裁判官が日本を滅ぼす』 (新潮社)という名著があるが、まともな人間の心を持った裁判官が日台の友情を救うこともあるのだ。

そういえば、昨日(2014・10・16)、チャスラフスカさんが登場する番組がNHKの朝7時台で放送された。
東京五輪の女子体操のメダリストも、70代ということで、我が家の古女房もびっくりするほど(?)、本人もすっかり「貫祿」がついて、見目麗しさは少し後退しているのは否めない。

東京五輪時代に指導を受けたという日本人男子のメダリスト(故人)の墓参りや、当時審査員を務めた女性(101歳)のところを表敬訪問したりするシーンが画面に流れていた。その元審査員は車椅子であったが、40数年ぶりの再会に、身振り手振りで喜びを現し、元気だし、しゃべっている言葉も明瞭だった。
するとチャスラフスカさんが、元審査員の前で、床にぺたんと両足を広げまったく平にする。多少太っても、からだは昔と同じく柔らかいのだ。さすがはメダリスト。これまた感銘を受けた。その演技に「満点だ」と拍手する元審査員のお元気な様子にも感動をした次第。

ちょうど数日前に、NHKのクローズアップ現代で、100歳を越える日本人が何万人もいるということで特集が組まれていた。横目でちょっと見た程度だったが、それなりに元気な100歳以上の老人たちであったかと。116歳だったか、そんな女性もいた。伊藤博文内閣時代に生まれたとか? ううむ、116歳なら僕とてまだ半分もきていない? 人生まだまだこれからか?
さきほどの101歳の元審査員もスポーツウーマンであったのだろう……。スポーツもやりすぎるといけないのかもしれないが、ある程度足腰を鍛えるのも大事か。やはり古本屋行脚はするしかない。番組では100歳を越えると幸福感が増すとも報じられていたが……。

ともあれ、門田氏の本に登場する中嶋さんも90歳を越えていた。近年刊行される戦史関連書を手にすると、未だに存命で、90代にて貴重な「証言」を書き手にする人も結構おられるようだ。

体もそこそこ元気でボケることなく長寿というのは結構なこと。

それにしても、『慟哭の海峡』を読んだ後に、積んどくしている長田渚左氏の『桜色の魂 チャスラフスカはなぜ日本人を50年も愛したのか』 (集英社)、後藤正治氏の『ベラ・チャスラフスカ最も美しく』 (文春文庫)、工藤美代子氏の『チャスラフスカの証言 チェコスロヴァキア民主化への道』 (ベースボール・マガジン社)などを繙かねばと思ったりするというのも、我ながら何ともいえない?



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