古本虫がさまよう 「吉田証言」で、二度騙す朝日新聞?  門田隆将と小熊英二の違いを読み解く
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「吉田証言」で、二度騙す朝日新聞?  門田隆将と小熊英二の違いを読み解く
(2014・6・11・水曜日)








朝日、東京新聞はたまにしか読まないが、原発報道に関しては、原発肯定派の産経や読売より頷くことが多い。もちろん、集団的自衛権問題に関しては、まぁ、産経、読売のほうがはるかに「冷静」で「正論」であろう。ハト派(?)の北岡伸一氏や櫻田淳氏でさえ、賛成しているのだから。

ということもあって、朝日新聞が、3・11直後、東京電力関係者が福島第一原発から、吉田所長の待機命令に反して、第二原発に集団撤退していたと報じた記事(2014・5・20「政府事故調の『吉田調書』入手」「所長命令に違反原発撤退」「福島第一所員の9割」「葬られた命令違反」‥)を読んで、ふうむ、なるほど、あの時、菅直人首相が、東京電力ケシカランぞ、逃げ出すつもりかということで、本社に怒鳴り込みに行ったのも根拠のある話だったかと感じたものだった。

しかし、 『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』 (PHP研究所)を刊行し、吉田氏とインタビューもしている門田隆将氏が、そうした朝日の報道は間違っていると批判している週刊誌記事(2014・6・20号「週刊ポスト」→「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」「これはもう、手遅れかもしれない!原発事故現場で奮闘した人々を貶める『ウソ』が全世界に拡散中」)(2014年6・24号「フラッシュ」→「東電フクシマ所員9割逃亡」「朝日新聞1面スクープのウソ」「この大新聞に正義はあるか」)を見て、これまたううむと唸ってしまった。

門田氏も指摘しているように、朝日は「従軍慰安婦強制連行」問題で、詐話師といわれた「吉田清治」(『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』 (三一書房)、『朝鮮人慰安婦と日本人』 (新人物往来社)の著者)の「証言」を肯定的に紹介した暗い過去がある。

紹介ずみだが、元朝日新聞論説主幹(主筆)の若宮啓文氏の『新聞記者 現代史を記録する』 (ちくまプリマー新書)でも、慰安婦問題に関して「朝日新聞もこれを熱心に報じた時期があった。中には力づくの『慰安婦狩り』を実際に行ったという日本の元軍人の話を信じて、確認のとれぬまま記事にするような勇み足もあったが、お婆さんらの証言や政府の資料を積極的に報じて問題を投げかけた」と書いていた。「勇み足」というのは「誤報をした」と解していいのだろう。
元軍人というのは吉田清治のことで、私は朝鮮人女性を強制連行して慰安婦にしたと「証言」した彼の著作『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』 (三一書房)、『朝鮮人慰安婦と日本人』 (新人物往来社)を「鵜のみ」にした朝日記者が、紙面で彼のことを紹介したものだから、騒動にもなった。それを元主筆が「確認のとれぬまま記事にするような勇み足」と表現しているのである。今頃? 20年以上昔の記事の「誤報訂正」?


また、植村隆朝日記者が自分の妻の身内の韓国人の親が率いる団体のお先棒を担ぐような「誤報」(挺身隊と慰安婦との混同など)をしたとして批判もされてきた。

さらに、1992年1月11日付け朝日一面の「慰安所 軍関与示す資料 防衛庁図書館に旧日本軍の通達・日誌」という記事はリアルタイムで読んだ記憶があるが,これは「軍の関与」といっても、慰安婦斡旋業者の悪いふるまいを正すようにすべきとして「関与」した程度の話でしかなかったものを、針小棒大に騒いだだけのものでしかなかったとされている(このあたりの事実経過に関しては、山際澄夫氏の『すべては朝日新聞から始まった「慰安婦問題」』ワックが詳しい)。

このように、慰安婦問題も「吉田証言」、原発問題も「吉田証言」に依拠しているわけだが、門田氏によると、今回の「吉田証言」を使った5・20の報道は「誤報」でしかないという。

その根拠は記事を読んでもらうとして、門田氏が「ありのままの『事実』を報じるのではなく、自分の『主張』にのみ固執する報道――私は日本人の一人として、そういう朝日新聞のあり方がどうしても理解できないのである」との指摘には、なるほどと共感した次第。

一方、朝日の5・20の報道を事実として受け入れて、門田氏とはきわめて異なるユニークな視点を披露しているのが、小熊英二氏。2014年6月10日朝日夕刊の彼のコラムも、ある意味では「一読」にあたいする。

門田氏と小熊氏、双方の主張を読み、いろいろと思案できる「言論の自由」がある日本はありがたいもの。


(以下再録)

2012/11/02(金) 05:40:14
2012年10月27日付け朝日新聞に「裏付け取材の甘さ反省」「iPS応用巡る誤報を各社検証」「朝日新聞記事に虚偽研究なし」などの小見出しの記事が出ていた。
森口尚史という人が、iPS細胞を使って臨床応用をした云々の読売スクープが、誤報であったのは間違いないようだが、読売以外の新聞も彼に関する記事を以前から掲載していた。朝日は、彼の投稿や研究成果を報道したことかあるが、その時の彼の肩書はウソではなく、またその内容は必要な手続きを踏んだものであり、報じていたものには、「虚偽研究なし」と少し誇らしげである?

しかし、森口尚史の「証言」を真に受けて、「裏付け取材」をせずに大々的に報道して誤報だったと判明した今回の事件を見て、すぐに思い出したのが、自分は済州島などで韓国人女性を慰安婦狩りしたと「証言」した吉田清治なる人物であった。森口尚史と吉田清治なる二人の「証言」はある意味で共通したものがあると思う。この吉田証言を麗々しく「真実」として紹介した朝日は、はたして読売を嘲笑できるのだろうか。

吉田は『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』 (三一書房)、『朝鮮人慰安婦と日本人』 (新人物往来社)なる本を出している。この二冊の本がきっかけで「朝鮮人強制連行」説が浮上し、今日にいたっている。
2007年8・16&23号の週刊新潮が、「米で非難決議『従軍慰安婦』虚報は『この日本人』から始まった」でも報道されているように、この「吉田証言」が火付け役となり、後に頬被りするものの朝日新聞はこの証言を根拠に女子挺身隊が強制連行された、と書きつらね、その後、この問題は国際スキャンダル」となっていくのである。
 記事の中で、この吉田「証言」の嘘を解明した秦郁彦氏(現代史家)はこう語っている。

「ここまで従軍慰安婦問題が大きくなってしまったのは、吉田清治と朝日新聞のせいなんです」「彼の本には日時と場所が特定されていましたから、住民に『当時これこれこういうことがありましたか』と聞くと『この辺でそんなことがあったら大騒ぎだ。ない』ってみんな笑うんです。吉田の書いたことはみんな嘘なんです。調査した後、吉田に電話をして、『あれは小説だろう。自首しろ』と言ったんですけど、本人は『あれは嘘です』って虚構は認めたものの自首することは頑に拒みました」
(そんなフィクションだったにもかかわらず)「米議会調査局は吉田証言を『証拠』として扱い、慰安婦決議案の指針として昨年、下院議員に配っています。ところが、今年4月に調査局の同じ人間が作った報告書では吉田証言は削除されているんです。一行たりとも載っていないどころか、『強制連行はなかったようだ』という報告書になっているんです。しかし、議員たちは去年の報告書で頭がいっぱいになって今回の決議案に突っ走ってしまったんです」

一人の男の「嘘」を1992年1月23日付け朝日夕刊「窓」コラムでは「真実」だとして大きく紹介している。

吉田が「百人の警官といっしょになって村を包囲し、女性を道路に追い出す。木剣を振るって若い女性を殴りけり、トラックに詰め込む」「女性たちは陸軍の営庭で軍属の手に渡り、前線に送られていった。吉田さんらが連行した女性は、少なくみても九百五十人はいた」「マスコミに吉田さんの名前が出れば迷惑がかかるのではないか。それが心配になってたずねると、吉田さんは腹がすわっているのだろう、明るい声で『いえいえ、もうかまいません』といった」 と。

このコラム、当時の論説委員さんが書いたようであるが、今と違ってフルネームはなく「畠」というお名前だけ。それにしても…。

秦氏の『昭和史の謎を追う 下』 (文春文庫)でも、吉田「証言」の虚構性については詳述されている。秦氏も現地取材をしているが、とうの韓国人ジャーナリストが強制狩りをしたという済州島で取材し、「でらため」だとみなして報じている事実が指摘もされている。

要は一人の「詐話師」の「証言」を信じ込み、それを「事実」だと報じたものの、他者の追加取材などで、「証言」の矛盾が指摘され、「嘘」と判明したにもかかわらず、その誤報・報道責任を自省もせず、頬かむりして過ごしているのが、朝日の慰安婦報道といえようか。とても読売を嘲笑はできない?

それにしても、慰安婦問題では、「吉田証言」同様、虚構の世界を報じた朝日記者・植村隆の報道責任もさまざまな人に追及されているが、これも無視している。

同じ朝日社員であった本郷美則氏が、「ウイル」(2012年11月号)で、彼&古巣に対する公開質問状を書いている(「『従軍慰安婦』を捏造した朝日新聞植村隆記者への公開質問状」)。吉田清治の本や植村隆記者による「自作自演」的慰安婦報道記事(1991・8・12東京版、8・11大阪版)の誤りなどを、ここまで追及されても、自己検証をして過去の「誤報」を訂正しないとは? 反論もしないとは?「裏付け取材の甘さ反省」とならないのは何故なのか? 

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