古本虫がさまよう ガンはゴキブリだ! どちらも永遠に消せない、人類の敵?
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ガンはゴキブリだ! どちらも永遠に消せない、人類の敵?
(2014・4・8・火曜日)









児玉隆也氏の『がん病棟の九十九日』 (新潮社)をこの前読んだからというわけではないが、ふと、立花隆氏&NHKスペシャル取材班の『がん 生と死の謎に挑む』 (文春文庫)を手にした。
立花氏自身が、膀胱ガンになり、ガン治療&闘病体験を有しているが、そうした実体験からの、ガンと戦う医療関係者への取材記録や最新のガン情報などが収録されている。人間にとって、ガンとの闘いはまだまだ解決不可能なテーマのようである。

一読してまずは痛感したのは、ガンとはゴキブリみたいもなのだなということだ。 

というのも、手術でガンを除去したつもりでも、しばらくすると、往々にして転移したりしてまた悪さをする。
ゴキブリも一匹やっつけても、あちこちに隠れているようだし、スリッパで踏みつぶして息の根を止めたと思ってそのままにしていると、ふと、気付くと、ヨロヨロと歩いて逃げようとしたりもしている。
それって、手術してガンを除去したつもりになっていても、またどっかに転移して悪さを働くガン細胞と同じではないか?

ゴキブリホイホイの類で、粘着力で捕まえても、時と場合によっては、「片足」がつかまっても、体は外にあって、逃げようと躍起にやっている時もある。しぶといのが取り柄?

もっともこの季節、ゴキブリホイホイを入れ換えようとして新たに設置し、昔のを覗くと、カビ化したゴキブリの死体があったりすると、ハハハ、思い知ったか、ゴキブリめと思ったりもするのだが?

夜間、部屋に人がやってくると、カサカサとあわてて逃げようとすることもある。気配は感じるが、目には見えない? 

ガン細胞も高度な医療機器で検査しても、なかなか見つからず、小さいと見逃してしまうことも多々あるようだ。
精密検査でやっと見つけた時には、もう転移もしており、手のつけようがない‥‥と。やれやれであろう。

そのほか、広浜千絵氏の『がんと診断された私が生きるためにやったこと』  (角川SSC新書)は、自らのガン闘病記である。35歳で胃ガンになり、43歳で乳ガンを患ったとのこと。
医者にもいろいろとあるようだが、著者は、いささか困った医者と出会ったりして発見が遅れたりもしたことがあったようだ。それは先の児玉氏の本でも描かれていた。

小野允雄氏の『余命半年からの生還  大腸がん闘病の記録』  (幻冬舎ルネッサンス)も、還暦すぎてまもない弁護士が体験したガンとの闘争記。手術や抗癌剤など、さまざまな治療によって、なんとか生き長らえ、こうした手記も書いているようだ。

引き続き、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏の『がん患者』 (講談社)を読んだ。
彼は、ステージ2程度の大腸がんとなり、手術。その後も、肺や肝臓などに転移してはまた手術。
手術と手術の合間には、検査や抗癌剤など、さまざまな手法でガンと闘っている。
盟友の筑紫哲也氏のガン死などや、自分自身の死生観などについてもいろいろと論じている。その点は興味深く一読した。

得るものがあれば失うものがあるのが世の常だが、「健康」を失い、代わりに、家族の絆やらいろんなものを得たというのは、まぁ、そうだろうなとも思った。

桜の花や紅葉を見て、これまでは、あっ、桜だ、紅葉が美しいなと思う程度だったのが、 「がん以後、桜の花びら一枚一枚の色が心に染み通ってくる。夜桜の怪しさが心を震わせる。深くなったのだ、感じ方が。それは音楽についても同じだ」「残り時間が少なくなってきて、生まれて初めて生きているのが楽しくなっていたのだ」と述懐もしている。

確かに満開の桜を見ても、散る桜を見ても、「健康」な時と、余命数カ月の恐れがある時とでは、同じ桜でも違った感慨をもって見ることになるものだろう。

読んでいて笑ったのが、ある医師によると、自分の患者の中で、ガンを告知されて、一番衝撃を受ける人の職業は?という答えが、坊さんとのこと。ううむ、そんな未熟な精神力の坊さんのお経を聞かされて、あの世に旅立つのは不幸? だったら、葬儀会社や読経抜きの「直葬」が一番いいのかも。

鳥越氏も人並みにガンという事実に衝撃を受けつつも、子供時代からのいろんな体験や、ポジティヴに生きていこうという信念やらで、なんとか乗り切ってきたようである。愛妻や愛娘にも囲まれていたことも幸いしたようである。

一方、数年前にガンでなくなった上坂冬子氏の晩年のガンとのゆるやかな闘いの日々を綴っているのが、 『死ぬという大仕事 がんと共生した半年間の記録』 (小学館)だ。

亡くなる前、終末、緩和医療を受けるために入院していた慈恵医大の主治医などとの対談形式で、自らのがんやがん患者をめぐる医療問題などについて論じ合った本である。適宜、サピオ編集部の解説&リードが付記されている。

手術をしたりして一時よくなったものの転移もあり、晩年はステージ4で推移。ステロイド治療などで緩和ケアを行なっていたようだ。享年78。女性の平均寿命としては、ちょっと短かったか。ほぼ同世代の「ライバル」の曽野綾子氏は、まだまだ頑張っておられるが‥‥。

この人の場合、独身で、兄弟がいた程度で、いわゆる自分の子供云々といった家族の絆的なものはあまりなく、独立独歩の色彩が濃い。これもまた一つの晩年の生き方であろうか。


40歳が「初老」で、50歳になるころには多くの人が孫の顔を見るか見ないかぐらいで死に、還暦まで生きれば大喜びで、70歳まで生きるなんて宝くじにも当たるような「稀」だった時代と違って、「古希」なんて当たり前、もっともっと長生きが出来るようになったからこそ、ガンの発生や認知症も増えているのだろうが……。
人生、いろいろ、いつまでたっても、生きている限り苦労は絶えない。死ねば…解放されるのか? いやいや、そんなことは……。


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