古本虫がさまよう 「進歩的(社会科学)知識人」に黙殺された『スターリンのジェノサイド』『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』
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「進歩的(社会科学)知識人」に黙殺された『スターリンのジェノサイド』『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』 (2014・2・2・日曜日)









昨日(土曜日)は、五反田、神保町、高円寺の三カ所(3P)で古本市が開催されるスペシャルディー。都区内フリーパス(730円)を購入。

まずは五反田古書会館へ。相変わらず、会場すぐ近くでタバコを吸っているおっさんが。やれやれ。

高瀬伝氏の『随想 戦後の国会と私』  (霞ヶ関出版)、小島信夫氏の『女流』  (集英社文庫)、川島のぶ子氏の『女優 裸の履歴書』 (双葉社)、白井新平氏&玉川しんめい氏の『住民運動の原像 借家人同盟と逸見直造伝』  (JCA出版)、山城正雄氏の『遠い対岸 ある帰米二世の回想』 (グロビュー社)、林健太郎氏の『流れをとらえる』 (新潮社)、福島理本氏の『罰は刑にあらず  ある下士官の二・二六事件』 (さきたま出版会)などを購入。

『女流』は、年上の女の物語のようだ。うふふ?

その後、お茶の水へ移動。

古書会館で、不二教職員連絡会著 ・ 浅野晃編の『殉国の教育者 三島精神の先駆』  (日本教文社)、 『主義にうごく者』  (日本教文社)、 『共産病患者の病理』  (民主日本協会)などを購入。 持っているような気がする本もあったが…。『主義にうごく者』は読んでいたはず。サイン付きなので購入。

古書会館出てぶらぶら。東京堂などに『みすず』(2014年1月&2月号・読書アンケート特集)があった。岩波ブックセンターで購入。さっそく移動の車中などで読み始め読了。

2012・9月に、みすず書房から刊行された『スターリンのジェノサイド』はむろんのこと、同年12月に刊行された、ザヴォドニーの『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』『みすず』(2013年1月&2月号・読書アンケート特集)でベスト5にあげる人は誰もいなかった(と記憶している)。

2013年1月&2月号では、本が出たばかりで読むのが間に合わなかったこともありうるだろうが、爾来一年経過しての2014年1月&2月号でも、この二冊をあげる人はいなかった(ようだ。三段組で活字が小さく、書名などをゴシックにしてくれるとまだ読みやすいのだが、そんな強弱もないので、万が一、読み落としていたらごめん遊ばせ)。

読書アンケート(2013年中にお読みになった書物のうち、とくに興味を感じたものを5点以内で…)に答えているは156人。この中には理系の人や小説家や経営者もいるだろう。
そういう人たちは、それぞれの自分たちの専門分野にふさわしい本を紹介しているだろうから、当然のことながらそれはそれでいい。

だが、やはり社会科学系統(政治学などを専攻とする)知識人が何十人かはいるだろうから、そういう人の中に、しかも、みすず書房から出ている本なのだから、先の二冊を「ベスト5」にあげる人がいてもおかしくないと思うのだが……。

ソ連軍の「ハンガリー侵攻」を「ソ連軍のハンガリー進駐」なんて書くような人の本を「平和への思いを受け継ぐために、この本を残してくれたことに感謝するばかりである」とまで称賛する人もいたが、まぁ……?

しかし、平川祐弘氏の『竹山道雄と昭和の時代』  (藤原書店)を推挙する人が二人もいたのには刮目(竹内洋氏&杉田英明氏)。平川氏のこの本は、竹山道雄と進歩的知識人とをテーマにした作品であり、論壇からは無視されかねない名著だから…。
そのほか、知らなかった面白そうな本もあり、やはり、これだけの「量」があると玉石混淆でも、とても参考になる。

お茶の水の後は、高円寺へ移動。都丸書店が臨時休業。支店というか、別社名でやりだしたほうは開いていた。その隣の飲食店に「シカカレー」なるメニュー登場とあり。シカ肉はいいね? たしかC・W・ニコルさんのシカ肉を食べようという本を紹介したことがあるが、鴨や羊同様、鹿肉も食べるべきだと思う。クジラやイルカと違って、欧米人も食べているみたいだし?

都丸向かいのいつもシャッターが閉まっていた球陽書房内で、シャッターを開けて作業をしている人がいた。撤去作業か? 内部はすでにガランドウ。本もなにもない。本棚も…。単なる空き部屋みたいな殺風景な光景だった。学生時代から通っていたが、完全に消滅か?  新規になにか入るのか? 消えた古本屋…。

高円寺古書会館では特に買いたい本はなし。会場内ではパソコンからちょっと煩い音楽(歌詞あるロック)が流れていたのには辟易とした。わりとすぐに音量は小さくなり、あまり気にならないレベルにはなったが。神保町古書会館でも、そういえばBGMが流れていた。こちらは、歌詞のないビル・エヴァンス風のジャズピアノ。まぁどちらもメロディ的には好きなタイプだけど、ジャズやロックが嫌いな人も世の中にはいるのだから、最大多数の最大幸福として、BGMゼロのほうが古本市などでは一番のサービスということが理解されないようで残念。




(以下一年前のブログ再録(要約)


2013/02/06(水) 06:12:30
『みすず 読書アンケート特集』 (2013年1月&2月合併号)を読んだ。恒例の識者による2012年中に読んだ本ベスト5の特集。
以前も書いたが、2012年に読んだ本でベスト5を僕が選ぶとすれば以下の通り。

ジキル的なベスト5。

安田浩一氏の『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』 (講談社)
ブレイン・ハーデンの『北朝鮮14号管理所からの脱出』 (白水社)
蓮池薫氏の『拉致と決断』 (新潮社)
ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』(みすず書房)
竹内洋氏の『メディアと知識人 清水幾太郎の覇権と忘却』 (中央公論新社)

ハイド的ベスト5は次の通り(特定嗜好分野の小説は除く(?)。

ミミ・アルフォードの『私はジョン・Fの愛の奴隷だった』 (ビジネス社)
渡辺ひろ乃氏の『世界一のオトコを探す旅』 (幻冬舎文庫)
杉坂圭介氏の『飛田で生きる 遊廓経営10年、現在、スカウトマンの告白』 (徳間書店)。
金益見氏(女性)氏の『性愛空間の文化史 「連れ込み宿」から「ラブホ」まで』 (ミネルヴァ書房)
木下直之氏の『股間若衆 男の裸は芸術か』(新潮社)

「みすず」のアンケートなのだから、理系の人や文学系統や非社会科学系統の識者は別にして、社会科学系統の識者なら、ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』 (みすず書房)などを挙げる人がいてもいいと思うけど、そういう専門系統の人たちが推奨する本の中に、この本は見当たらなかった(ような気がする。見落としていたら御免あそばせ)。グロスマンの『人生と運命①②③』 (みすず書房)は挙げている人は散見するのに。

スターリンの悪口はなんとか言えるようになった知識人は日本にも沢山いるし、「みすず」にもご登場しているのだが…、アメリカの保守系フーバー研究所関係者によるスターリン批判や、スターリン圧政をジェノサイド扱いするのには抵抗がある知識人が日本にはまだ少なくないのかもしれない。だから黙殺したのかも。

だが、ネイマークの以下の指摘は否定することはできない。

「集団化の過程で約3万人のクラークが殺された」「だいたい200万と推定される多数のクラークが極北とシベリアに強制移住させられた」

「スターリンはクラークを階級として抹殺することを企て、まさしく実行した。クラークは、土地と生計の源から強制退去させられ、地獄の特別移住地に放り込まれたのだ」

「ウクライナの大飢饉はジェノサイドとみなすことができるだろうか? そうみていいようである。まず穀物不足と収穫不良をもたらし、ウクライナ人が生き延びる食料をみつけられなかった状況を政府が黙認していた証拠がたくさんある」「スターリンとその配下は、都市の労働者には食べさせ、ウクライナの農村部の『階級の敵』と『民族の敵』には食べさせないと決めた」

「スターリンとヒトラーの類似点、ナチズムとスターリニズムの類似点は無視するにはあまりに多すぎる。両者は独裁者として欧州大陸で莫大な数の人びとを殺害した。二人は根本的改造をめざすユートピア社会の名において、人間の生命を噛み殺した。二人は自分たちの国と社会を、そして国の内外の膨大な数の人びとを破滅させた。二人は、つまるところジェノサイド実行者だったのである」

スターリン=ヒトラーということはコミュニズム=ファシズムということになり、それは絶対に認めたくない識者にとって、この本はタブーに触れる厄介な存在なのであろう。だから黙殺する?

もしそうだとしたら情けない話だ(それにスターリンは批判できても、北朝鮮や中共の独裁者の悪口はまだストレートには言えない識者が世には多い。論理的にストレートに批判すると、言い過ぎ、偏狭だとかみなして、事実上北朝鮮を庇うことが少なくない)。
でも、来年版(2013年版)には同じく、みすずから出た(2012年の師走刊行だったので、2012年の読書リストには間に合わなかった?)、ザヴォドニーの『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』を挙げる人がきっといることだろう(いや、いないかな?)。
一年後の「みすず」の読書特集号(2014年1月&2月号)が今から楽しみである。

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こんにちは、いつも、素晴らしい読書量に感心しています。
購入図書は、半端でなく、見事な読書生活ですね。

紹介書物の中で、「共産病患者の病理・・・」が面白そう。
私の行きつけの仙台市図書館と宮城県図書館の蔵書には、
見当たりませんでした。

東京での古書めぐり、楽しそうで、少し羨ましいです。
お身体を大切に、充実した古書店めぐりをされますよう。

           仙台・泉 栗原
栗原 (67歳)  02/06/2014 Thu URL [ Edit ]
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