古本虫がさまよう 甦るか、「小室直樹」の学問力
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甦るか、「小室直樹」の学問力 (2014・1・21・火曜日)







橋爪大三郎氏の『小室直樹の世界 社会科学の復興をめざして』 (ミネルヴァ書房)を読んだ。
奇行(?)で知られる小室直樹博士。博士号を持つ学者であるが、正式に大学教授になったわけでもなく(晩年、客員教授や特任教授にはなっているが)、しかし、いろんな経緯もあって数多の「教え子」がいたようで、本書ではそうした弟子たちが小室直樹の人と学問的業績について論じ合っている。中学校の同級生でもあった政治家の渡部恒三氏もシンポジウムに出席し、小室氏の少年時代の逸話や武勇伝(?)を披露もしている。

マックス・ヴェーバー云々といった学問的、専門的な話は僕にはよく分からない。週刊誌などで、小室氏の石神井のハチャメチャ的なアパート生活の一端などが紹介されていたのを目にしたり、また、『ソビエト帝国の崩壊 瀕死のクマが世界であがく』(カッパブックス)あたりから何冊か一般向けの本を読んだ程度。
橋爪氏が、小室氏のそうした書籍を逐次紹介し解説をしているのは大変参考になった(「小室直樹博士の著作」)。積んどくしているのも多いが…。

ただ、橋爪氏が取り上げていない本の中で重要なのは、『日本の「一九八四年」』 (PHP二十一世紀図書館)であろう。サブタイトル「G・オーウェルの予言した世界がいま日本に出現した」というのは、いささか大げさと当時(1983年刊行)も思ったし、いまもそうだと思うが…。

橋爪氏と副島隆彦氏の対談本『現代の預言者 小室直樹の学問と思想』 (弓立社)も一読したものだったが、ミネルヴァのこの本でも、副島氏が恩師小室博士同様に吠えまくっている?

小室氏の講演は聞いた覚えがある。小柄な体から大きな声を出してハキハキしたしゃべり口だった。

あと、もう20年以上昔だろうか、いや、30年近く前か、営団地下鉄千代田線の日比谷駅だったか、朝、ホームを歩いていたら、浮浪者のように4人掛け(5人掛け?)のベンチに寝そべっている人がいた。どっかで見た顔だなと思ったら、それが小室直樹氏だった。酔っぱらって寝込んでいたかのようだった。

「先生、なんでこんなところで…」と言っている人が脇にいた。教え子か編集者だっただろうか?
週刊誌のグラビアか何かで、小室氏が住んでいた石神井のアパートの一室が紹介されていたかと。僕の当時の学生下宿というかアパートの一室よりは広そうであったが、はるかに汚かった?

ミネルヴァの本でも、学問的業績なども縷々紹介されているけど、奇人的なところもあったことも、面白いエピソードとして出てくる。そのあたりも紹介している「小室直樹博士略年譜」(村上篤直氏)は熟読の価値あり。


あと、寺尾隆吉氏編の『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』 (洛北出版)をぱらぱらと拾い読みをした。
スペイン内戦がらみの小説についての章も一つある。内戦がらみのところは、当然のことながら、ケストラーやオーウェルの名前と作品も出てくる。
カストロ、中南米などのテーマも。キューバに於ける1971年のパディージャ事件などにも触れられている。ガルシア・マルケスのカストロ贔屓やバルガス・リョサの転向やら。
文学の世界の奥深さを感じさせてくれる。知らないことばかりだなぁとも。でも、いまさらスペインやキューバや中南米の文学や政治を勉強するのも……。


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