古本虫がさまよう 今年の十大ニュースは、安倍首相の突然の靖国参拝で順位変動?
2017 10 / 09 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11 next month





今年の十大ニュースは、安倍首相の突然の靖国参拝で順位変動? (2013・12・27・金曜日)











今年もあと僅か……。今年の十大ニュースなんて発表もまもなくといったところに、安倍首相の靖国神社参拝が昨日(26日)行なわれた。これも十大ニュースの一つに入ることになるだろう…。

本日(27日)の朝刊はまだ見ていないが、26日夕刊は、参拝をある程度評価する識者や批判する識者などを起用している新聞(朝日など)もあった。

新年の初詣としての参拝でもよかったのに……という人もいるかもしれないが、中韓と話し合う時間が取れないぶん、ASEAN諸国の首脳などとはよく会って、そういう国々が靖国参拝に関して、あれやこれやということもない状況ならば、中韓の反発を気にすることもあるまい。

見苦しく感情的に居丈高に反発する姿勢こそが、反理性的であり見苦しいだけなのだから。中国共産党の言い分など、ヤクザの脅し文句にも似ている。自分たちがチベットやウイグルなど周辺民族に対して現在進行形でやっていることは、昔の日本軍も真っ青の蛮行だろうに。

台湾やフィリッピンやインドネシアなどの政府がどういう反応を示すか、示さないか…。日頃、右も左もアメリカの言いなりになるな…といっているのだが、アメリカ大使館が失望した云々と発言したことに深刻に悩むこともあるまい。日本の中にもオバマ政権に失望している人もいるだろう。

たまたま渡部昇一氏&潮匡人氏&八木秀次氏の『日本を嵌める人々 わが国の再生を阻む虚偽の言説を撃つ』 (PHP研究所)を読んでいたら、靖国問題など含めて、そうした「虚偽の言説」に対する反論を展開していた。

「靖國神社の問題は、日本の存続に関わる死活的な問題です。靖國を疎かにする政治家には、政権を担う資格がありません。これは決して譲ってはならない一線です」「必ずや、近い将来、総理の参拝が実現する。もはや中国の圧力には屈しない。そう遠くない将来、結果が出るでしょう」(渡部)
「もしずっと安倍総理の靖國参拝がないなら、外形的には中国の圧力に屈した格好になります」(潮)

渡部氏の予想通りになって、なにより。

そのほか、原発問題など、三者のすべての主張に全面的に同意するわけではないが、おおむね「正論」を展開しているといえよう。

ともあれ、年末恒例というか、新聞や雑誌や週刊誌などに今年刊行された本やミステリなどのベスト3やベスト5(やベスト10)などが載るこのごろである。
「本の雑誌」(2014年1月号)にも、書評者などによるベスト3が出ていた。
この雑誌の傾向としてフィクション系が多いこともあって、読んでない本も多々ある。へぇ、そんな本があるのやらと。

「みすず」(2014年1&2月合併号)もまもなく刊行されるだろう。本欄でも以前指摘(本日ブログ末尾に一部再録)したが、 「みすず文化人」が、みすず書房から出た「反共リベラル本」をどう評価するのか、楽しみである?

リベラル系が多い(?)、「いける本いけない本」(2013冬号・ムダの会発行)なども、視点を変えれば、「いけない本」とされている本が実は良書で、「いける本」というのが、実は「いけない本」なのかもしれない?
人生、読後感、人それぞれ……。識者のベスト3だの、ワースト3(?)に振り回されることなく、個々人が自分の価値観などに基づいて本を選択し、一読し、積んどくすればいいのである。
少なくとも、数年前に刊行されて「みすず」などでは良書として推された、未來社の元編集者である松本昌次氏の回顧録『わたしの戦後出版史』 (トランスビュー)など、岩波書店に比べても、金日成全集など出した点への自省なき本としては「いけない本」ということで、僕の場合の評価は低くなるけど。

今年刊行されたというか、僕が去年末から今年にかけて読んだ本として…。
ジキル系の本としてベストに入る本といえば…(ここでいうベストとは、素晴らしい、面白い、納得できないところもあるけど、多くの人が読むべき価値はある…といったさまざまなニュアンスを含んでいる)。

①平川祐弘氏の『竹山道雄と昭和の時代』 (藤原書店)
②苅部直氏の『物語 岩波書店百年史 「戦後」から離れて』 (岩波書店)
③門田隆将氏の『狼の牙を折れ 史上最大の爆破テロに挑んだ警視庁公安部』   (小学館)
④佐々淳行氏の『インテリジェンスのない国家は亡びる 国家中央情報局を設置せよ!』 (海竜社)
⑤沢木耕太郎氏の『キャパの十字架』 (文藝春秋)
⑥半藤一利氏&保阪正康氏の対談本『そしてメディアは日本を戦争に導いた』 (東洋経済新報社)
⑦楊海英氏の『植民地としてのモンゴル 中国の官制ナショナリズムと革命思想』 (勉誠出版)
⑧ジョージ・アキタ&ブランドン・パーマー氏の『「日本の朝鮮統治」を検証する 1910-1945』 (草思社)
⑨メルヴィン・ゴールドスタイン&ベン・ジャオ&タンゼン・ルンドゥプの『チベットの文化大革命 神懸かり尼僧の「造反有理」』 (風響社)
⑩ポール・ジョンソンの『チャーチル 不屈のリーダーシップ』 (日経BP社)
ジョンソンのお伴に、小説であるが、スーザン・イーリア・マクニールの『チャーチル閣下の秘書』 (創元推理文庫) も。
⑪これは古本であるが、日高純氏の『日本の中の異境 秘史日本原水協』 (彩光社)も。
⑫ザヴォドニーの『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』 (みすず書房)

ハイド系本として面白かったものといえば…。
①田中ひかる氏の『生理用品の社会史 タブーから一大ビジネスへ』 (ミネルヴァ書房)
②水野スミレ氏の『「AV男優」という職業 セックス・サイボ―グたちの真実』  (角川書店)
③上野千鶴子氏の『身の下相談にお答えします』 (朝日文庫)…など。
④ロバート・ハリスの『WOMEN ウィメン ぼくが愛した女性たちの話』 (晶文社)
⑤髙橋秀実氏(男)の『男は邪魔! 「性差」をめぐる探究』 (光文社新書)
⑥高井ジロル氏の『好辞苑 知的で痴的で恥的な国語辞典の世界』 (幻冬舎)……。

古本屋系エッセイ本としては…。
①小力也氏の『古本屋ツアー・イン・ジャパン 全国古書店めぐり 珍奇で愉快な一五〇のお店』 (原書房)がやはりダントツか。
②宇田智子氏の『那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた[ウララ]の日々』 (ボーダーインク)
③鈴木創氏編の『なごや古本屋案内 愛知・岐阜・三重』 (風媒社)
④グレゴリ青山氏の『ブンブン堂のグレちゃん 大阪古本屋バイト日記』 (ちくま文庫)
⑤内堀弘氏の『古本の時間』 (晶文社)…

自叙伝系エッセイ本としては……
①マークス寿子氏の『行儀の悪い人生』 (中央公論新社)
②坪内祐三氏の『総理大臣になりたい』 (講談社)
③若宮啓文氏の『新聞記者 現代史を記録する』 (ちくまプリマー新書)
④保阪正康氏の『風来記 わが昭和史(1)青春の巻』 (平凡社)
⑤田村秀男氏の『日経新聞の真実 なぜ御用メディアと言われるのか』 (光文社新書)
⑥関川夏央氏の『昭和三十年代演習』 (岩波書店)
⑦櫻井よしこ氏の『迷わない。』 (文春新書) 

(以下再録)
『みすず 読書アンケート特集』 (2013年1月&2月合併号)を読んだ。恒例の識者による2012年中に読んだ本ベスト5の特集。
退歩的というか典型的な進歩的文化人による、いささかナンセンスな遠吠え的な枕詞と特殊身内的な仲間ぼめ的な推薦本などを見るのも、また楽しいものであるが、そういうあまり役立たない読書情報はともかくとして、また、理系学者が若干多い故の個人的無関心本はともかくとして、これだけの人が集まると、それなりに、へぇ、そんな本があるんだ、知らなかった、読んでみようかという本も何冊となく出てくる。毎年、そういう発見のある特集号である。僕が読んで面白かったものも若干出てくるし、積んどく本もあるし、えっ、こんなのがいいのというような本もある。人それぞれ。多様な言論出版の自由がある国に感謝する次第。
以前も書いたが、2012年に読んだ本でベスト5を僕が選ぶとすれば以下の通り。
ジキル的なベスト5。

安田浩一氏の『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』 (講談社)
ブレイン・ハーデンの『北朝鮮14号管理所からの脱出』 (白水社)
蓮池薫氏の『拉致と決断』 (新潮社)
ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』(みすず書房)
竹内洋氏の『メディアと知識人 清水幾太郎の覇権と忘却』 (中央公論新社)

ハイド的ベスト5は次の通り(特定嗜好分野の小説は除く(?)。

ミミ・アルフォードの『私はジョン・Fの愛の奴隷だった』 (ビジネス社)
渡辺ひろ乃氏の『世界一のオトコを探す旅』 (幻冬舎文庫)
杉坂圭介氏の『飛田で生きる 遊廓経営10年、現在、スカウトマンの告白』 (徳間書店)。
金益見氏(女性)氏の『性愛空間の文化史 「連れ込み宿」から「ラブホ」まで』 (ミネルヴァ書房)
木下直之氏の『股間若衆 男の裸は芸術か』(新潮社)

「みすず」のアンケートなのだから、理系の人や文学系統や非社会科学系統の識者は別にして、社会科学系統の識者なら、ノーマン・M・ネイマークの『スターリンのジェノサイド』 (みすず書房)などを挙げる人がいてもいいと思うけど、そういう専門系統の人たちが推奨する本の中に、この本は見当たらなかった(ような気がする。見落としていたら御免あそばせ)。グロスマンの『人生と運命①②③』 (みすず書房)は挙げている人は散見するのに。

スターリンの悪口はなんとか言えるようになった知識人は日本にも沢山いるし、「みすず」にもご登場しているのだが…、アメリカの保守系フーバー研究所関係者によるスターリン批判や、スターリン圧政をジェノサイド扱いするのには抵抗がある知識人が日本にはまだ少なくないのかもしれない。だから黙殺したのかも。

だが、ネイマークの以下の指摘は否定することはできない。

「集団化の過程で約3万人のクラークが殺された」「だいたい200万と推定される多数のクラークが極北とシベリアに強制移住させられた」

「スターリンはクラークを階級として抹殺することを企て、まさしく実行した。クラークは、土地と生計の源から強制退去させられ、地獄の特別移住地に放り込まれたのだ」

「ウクライナの大飢饉はジェノサイドとみなすことができるだろうか? そうみていいようである。まず穀物不足と収穫不良をもたらし、ウクライナ人が生き延びる食料をみつけられなかった状況を政府が黙認していた証拠がたくさんある」「スターリンとその配下は、都市の労働者には食べさせ、ウクライナの農村部の『階級の敵』と『民族の敵』には食べさせないと決めた」

「スターリンとヒトラーの類似点、ナチズムとスターリニズムの類似点は無視するにはあまりに多すぎる。両者は独裁者として欧州大陸で莫大な数の人びとを殺害した。二人は根本的改造をめざすユートピア社会の名において、人間の生命を噛み殺した。二人は自分たちの国と社会を、そして国の内外の膨大な数の人びとを破滅させた。二人は、つまるところジェノサイド実行者だったのである」

スターリン=ヒトラーということはコミュニズム=ファシズムということになり、それは絶対に認めたくない識者にとって、この本はタブーに触れる厄介な存在なのであろう。だから黙殺する?

もしそうだとしたら情けない話だ(それにスターリンは批判できても、北朝鮮や中共の独裁者の悪口はまだストレートには言えない識者が世には多い。論理的にストレートに批判すると、言い過ぎ、偏狭だとかみなして、事実上北朝鮮を庇うことが少なくない)。
でも、来年版(2013年版)には同じく、みすずから出た(2012年の師走刊行だったので、2012年の読書リストには間に合わなかった?)、ザヴォドニーの『消えた将校たち  カチンの森虐殺事件』を挙げる人がきっといることだろう(いや、いないかな?)。
一年後の「みすず」の読書特集号(2014年1月&2月号)が今から楽しみである。




スポンサーサイト
 | 読書  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/1408-fb36f3da

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ