古本虫がさまよう 憲法学者の左右の論客である八木秀次氏と長谷部恭男氏が同じ視点で朝日を批判? 21世紀型人民戦線は可能か?
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憲法学者の左右の論客である八木秀次氏と長谷部恭男氏が同じ視点で朝日を批判? 21世紀型人民戦線は可能か?(2013・12・21・土曜日)







さて、今日(土曜日)から3連休。ここ数日のヘンな天気も解消され、好天に恵まれるであろうか?
「青春18切符」もまだ4回分残っているが、それとは別に 「北海道&東日本パス」を購入(7日間連続使用が条件で、東日本&北海道エリアが乗り放題で10000円ポッキリ。一日当たり1500円弱)。
すでに妻が、初日(2012・12・19)に、実家(山梨)日帰り帰省の片道切符(3000円相当)として使用済み。昨日(12・20)は誰も使う人がいなくて0円。
今日から3日間は、僕が使用することに…。少なくとも3日で一万円は走破しないと。さて、「とりあえず黒磯」「とりあえず土浦」はなんとなく実行済みだから、「とりあえず小田原」か…。

その前に…。

『ニューズウィーク』(2013・12・24号)の記事で、ロバート・ケリーの『中国の野望を止めるのは日本』や『秘密保護法と妄想報道の罪』などを読んで、ふむふむ、なるほどね、そうかもしれないな…と思っていたら、編集部が東大教授の長谷部恭男氏に秘密保護法に関して、「なぜ賛成なのか」と聞いているインタビューが目にとまった。

東大の憲法教授といえば、宮沢俊義や小林直樹など、悪名高いのが多くて(?)、だから、東大法学部卒は、憲法に関してはロクな認識を持てないのではと思っていた。長谷部氏も朝日などによく登場していたがあまり熟読はしていなかった。朝日新書か岩波から出ている本を何冊か積んどくしている程度。

ところが、このインタビュー、「日本が国家である以上、特別な保護に値する秘密は存在するし、保護のために法律上の手立てをする必要がある。特に大事なのが罰則強化と適性評価だ」「懲役1年というのが国際的に見て適切な刑罰とは思えない」「日本の司法や行政は抑制的だ」「拡大解釈できない法律など存在しない。刑法も民法も乱用可能だからすべて反対といった非現実な議論は成り立たない」「(西山事件)も記者が正当な取材をしていれば罪に問われなかった」「報道とアジテーションの区別がつかなくなっている新聞もある」「PKO法のときも『戦争になる』と騒いでいた。戦争について議論すること自体を避けているが、平和と言っていれば平和になるわけではない。国際社会は小中学校とは違う。戦争をしたくないなら戦争にならない仕組みをつくるべきだ」……と長谷部氏はコメントしているのだ。

おおっ、とってもマトモに聞こえるではないか……。

慶応大学でまもなく定年を迎える憲法の小林節先生などは、たしか長谷部氏が皮肉った「報道とアジテーションの区別がつかなくなっている新聞」(これって、朝日か東京新聞のことでしょうが?)で、この法律に反対を表明していたかと(東京新聞2013・12・13)。

もっとも、その小林氏の言い分も、それなりに理屈は通ってはいると思う。

また、高崎経済大学教授の八木秀次氏は、夕刊フジ(2013・12・20日-19日発行)で、「常軌を逸していた朝日の反対報道」「特定秘密保護法成立」と題して、長谷部氏的な見解を表明している。
朝日の特定秘密保護法批判キャンペーンは、本欄でも少し取り上げたが、12・7の「反対あきらめぬ」「戦中に戻すな」といった紙面などの「嘘」を、八木氏は指摘している。

ふむふむと思っていたら、2013・12・ 20の朝日に、長谷部氏へのインタビュー記事が大きく出ていた。これが結構笑える代物だった(長谷部氏がとてもシャープで、聞き手の朝日女性記者がいいように弄ばれている感じだったから?)。

「もしかして『御用学者』と呼ばれていませんか」と朝日記者が聞く…。自民党推薦の参考人として11月13日の国会で特定秘密保護法に賛成の意見を述べたからであると。

賛成しているのは「国を守るための法律だからです。国を守るとは、憲法を守るということです。単に物理的に領土を守るとか、国民の生命と財産を守るということではありません。中国や北朝鮮と同じ政治体制でいいなら、国を守る必要はない。しかし憲法の定める自由で民主的な統治の基本秩序を守り、現在の政治体制を守るためには、特定秘密法をつくり、特別な保護に値する秘密が外に漏れないようにしなければなりません」と言い切る。

いや、おっしゃる通りではないか。自由と民主主義体制を守ることが大事であり、その体制を破壊しようとする勢力との「戦う民主主義」「戦闘的民主主義」を僕も支持するから、長谷部氏の言い分にも納得する。

本欄でも、「特定秘密保護法が成立すれば、戦中どころか、今の北朝鮮や中共のような自由のない国になる」と朝日などは主張すればいいのに、なぜしないのだろうかと皮肉を書いたこともあるが、死刑の規定もない以上、北朝鮮のような国になることもなさそうだし、それどころか、北朝鮮や中国のような政治体制にしないためにも成立させることが必要ということになるのか?

かといって、長谷部氏は、集団的自衛権の行使容認にも大反対だし、96条の改正用件の緩和にも反対とのこと。

「安倍政権は危ないことをやろうとしているようには見えます。しかし特定秘密保護法で日本が戦前に戻るというのは非常におかしな議論です。今にも戦争が起きると言わんばかりの報道で人々をおびえさせるのはそろそろやめて、次のステージに移った方がいいと思います」と。

まぁ、聞き手の女性記者は、漫才のボケ、ツッコミ同様、適度な聞き手として振る舞っているかのようにも見えないでもない。ご自身の信念はともかくとして、論説委員クラスに、少しは目覚めたら…ということでもあるのかも?

一方、佐瀬昌盛氏(防衛大学校名誉教授)は産経新聞(2013・12・11)で、
「新法の内容にいくばくかの留保を持つ私の判断を書く。〈この道はいつか来た道。おおそうだよ、戦前の治安維持法へ戻る道〉と言わんばかりの朝日や毎日は『事前決定論』に立つ。前途には戦前の治安維持法下そっくりの日本が待ち受けるとの診断だ。5年後、10年後、30年後に診断書を開けてみて大丈夫か。53年前に日米安保体制の不吉な将来を描いた論説の類(たぐい)を再読、再学習する必要はないが、今日の激情が持続するのか」
「政治の世界、わけても他国との関係が絡む国際政治の世界では一点凝視に耽(ふけ)るのは危険だ。『知る権利』は優れて国内的価値だが、新法は軍事、外交、テロ、スパイ関連の情報など国境を越える領域での秘密保護という国際的価値に関わる。複数の価値間のバランスを図りつつ最適解を求めることが肝要だ。最適解とはある意味、職人芸みたいなもので、誤解を恐れずに言うと以心伝心的な性格がある。それを法制化するのは難事だが、新法はほぼ合格点である」
と述べていた。

佐瀬氏は集団的自衛権行使にも9条改憲にも賛成の立場ではあるが、佐瀬氏と長谷部氏の特定秘密保護法に関する認識は共通点が多いといえよう。

ともあれ、現在のそうした左右の立場を越えた論争を新聞や雑誌で眺めつつ、渡辺和行氏の『フランス人民戦線 反ファシズム・反恐慌・文化革命』 (人文書院)を拾い読みした。著者は1952年生まれで奈良女子大学教授。
ブルム人民戦線内閣の軌跡についての専門書。スペイン内戦をめぐっての対立や、ナチス相手に軍拡のためにも労働時間を延長するべきかどうかなど、人民戦線内は無論のこと、さまざまな党派の対立が浮き上がってくる。
人民戦線内にも、共産党の独善に嫌気を感じて批判する左翼勢力もあったようだ。もっともなこと。

戦後の日本も、ほんのこの前まで「社共共闘」とか、全野党連合政権…等々、言われていたものだ。自由民主党だって、今となっては「自由民主連合」ともいうべき「連立戦線」だったということが分かる。でなければ、小沢一郎氏や鳩山由紀夫氏や石原慎太郎氏や渡辺喜美氏や河野洋平氏などが同じ「自民党」にいたこと自体不可思議に思えてくるではないか。いまはそれぞれに相応しいポジションに分散しているといえようか?

護憲学者集団の中にも、今後、「ホンネ」をいう人も出てくるだろう。天皇制度を廃止したくてたまらない人が「護憲」をいうのはそもそも矛盾。もちろん護憲の対象は「9条」のみ? しかし、いざとなれば、国内の敵対勢力を制圧するための軍隊は必要と思ってもいるはず。
そんなイデオロギー的な偏った護憲論は、反憲法的護憲論でしかない。自由と民主主義を擁護する上で、一部改憲が必要な時もあろうし、欧米デモクラシー国家が保持している法体系の一部を欠いたまま運行するのも危険なはず。
言論によって、さまざまな共同戦線、反発、論争が今後も起こってくることだろう。



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