古本虫がさまよう 中共&北朝鮮は『動物農場』の寓話世界そのものではないのか?
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中共&北朝鮮は『動物農場』の寓話世界そのものではないのか?
(2013・11・20・水曜日)









2013年11月20日NHK夜7時半~の「クローズアップ現代」(シリーズ中国の模索①民衆の不満が噴出)を見た。
いつもの女性キャスターが、中国現地に出掛けて「大衆路線」という名の中共「改革」路線の実態をあれやこれやと報じていた。
『兄弟』 (文藝春秋)の著者である余華氏にインタビューしているだけでも、一見の価値はあった。

格差社会、コネ社会の酷さを告発する若者も登場している。衛星放送でも大陸では放送されていると思うけど、中共当局によって、この番組、全面的にプッツン、割愛されたことだろうか?

もし割愛されていたら、NHKは会長名で中共に抗議すべきだけど、そこまでしているだろうか?(もっともこの番組、明日以降もシリーズで放映されるそうな。どんでん返しがなければいいけど?)。

それはともかく、この放送を見て、思いだした書評記事がある。
2013年10月26日付け(25日発行)の日刊ゲンダイに載った、五野井郁夫氏(国際政治学者)のコラムである。題して「ブラック企業は『動物農場』の寓話世界そのもの」。

彼は、ちくま文庫に入ったオーウェルの『動物農場』を取り上げ、「日々働けど働けど、生活は一向に上向かない。にもかかわらず、物価は上昇し消費税も増税へと向かい残業は増え、ますます生きづらい日々が続く。日本国憲法第25条は『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』と定めているが、生活保護は今年8月から減額され、わたしたちの社会はユートピアから遠ざかる」…と冒頭に記している。

そして「1984年」「動物農場」を紹介し、「人間が同じ人間を低賃金で働かせ使い捨てるブラック企業は、まさに動物が同じ動物を虐げる『動物農場』と同じではないか」「読者は気付くはずだ、『動物農場』で描かれている理不尽な世界こそ、まさに今わたしたちが生きている社会そのものなのだと」「であるならば本書から学ぶべきは、いかにしてわたしたちを虐げる権力の側に歯止めをかけるか、これに尽きるのだ」…。

ふうむ? おっしゃること分からないでもないけど、日本の企業の中で「ブラック企業」はあくまでも例外では? 生活保護とて、減額であって廃止でもない。 だから、こういう筆致には読んでいて首を傾げるしかなかった。

「であるならば本書から学ぶべきは、いかにしてわたしたちを虐げる権力の側に歯止めをかけるか、これに尽きるのだ」…。このセリフ、NHK番組を見たあとなら、そこに出てくる中国人民のための言葉だとすぐに分かるけど、五野井氏にはそういう認識はあるのだろうか?

同じ10月25日付けの東京新聞に「収容所で拷問」「はだしで強制労働」「在英の脱北者公聴会で証言」「国連調査委」という記事が出ていた。

リベラル左派系と思われがちな東京新聞朝刊で、こういうちゃんとした記事を読んだあとに、夕刊の日刊ゲンダイで五野井氏のコラムを読むと、現実把握の点で、どちらがより真実に近いかは自明ではなかろうか。

東京記事はロンドンの石川保典特派員電。
脱北者からの聞き取り公聴会の内容を紹介している。
脱北したものの中国で捕まり送還され収容所に入れられたこともあるキム・ソンジュさんは「部屋には40~50人が詰め込まれ、一日五分間だけ手足を伸ばすことが許された。会話した者は拷問を受けた。部屋の入り口は高さが約50センチ。看守は『収容所に入る者は動物同然だから、はって入るのだ』と説明したという」

「収容所に入る者は動物同然だから、はって入る」…とは、まさしく『動物農場』の世界そのものではないか。『1984』の世界そのものではないか。

キムさんは、北朝鮮に人権に対する抗議運動はあるのかと聞かれ「全くない。反体制の動きは死を意味する」と話したという。

別のパクさんという人は、「強制労働で1トンはある荷車をはだしで引かされ、足の負傷で治療を受けていた病院から脱出。中国からモンゴル、韓国を経て英国」に逃げたという。彼は「人権という言葉は外国で初めて知った。北朝鮮の人権は体制側にしかない」とも述べたという。

同じ日の朝刊と夕刊で、こういう記事を読めば、いくらなんでも、日本と北朝鮮とどっちが「動物農場」「1984」国家かは明々白々ではないか。いくら残業が増えても、「1トンはある荷車をはだしで引かせる」ような企業や刑罰が日本国にあるとは思えない。「生きづらい日々」にもいろいろとあるだろうが、ここまで「生きづらい日々」が日本にあるだろうか?

五野井郁夫氏の『「デモ」とは何か 変貌する直接民主主義』 (NHKブックス)を以前、本欄で少々疑問ありと批評したことがあるが、それはともかくとして、北朝鮮や中国の超格差社会、ブラック国家の実態にはほとんど関心を示すことなく、そのくせ、針小棒大に、日本やアメリカが格差大国だの、福祉切り捨てだの、オーウェル的「管理国家」だと非難しがちな人々が少なくない。

こういう人たちのいささか針小棒大な「比較論の嘘」は見破り、論理的な思考力を持つように心がけたいものだ。

そのためにも、本や新聞はよく読むこと。東京新聞と日刊ゲンダイ、どっちもリベラル系のように見えるけど、よくよく読むと、片一方の誇張されている虚を簡単に見破ることのできる根拠を発見することも可能なのだから。
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