古本虫がさまよう 「ハンナ・アーレント」を映画館で見た人は、『はだしのゲン』と『ニューヨーカー』と『好辞苑』を読んでいるかも。でも、いずれも小学生には十分理解するのは困難?
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「ハンナ・アーレント」を映画館で見た人は、『はだしのゲン』と『ニューヨーカー』と『好辞苑』を読んでいるかも。でも、いずれも小学生には十分理解するのは困難?
(2013・11・18・月曜日)







映画「ハンナ・アーレント」が岩波ホールで上映されている。いろんな人が高い評価を与えている。

例えば、夕刊フジ(11月14日付け・13日発行)で花田紀凱氏が今年ベスト1の映画だと激賞。
また、11月12日付け産経新聞では、湯浅博氏が『「ハンナ・アーレント」のすごみ』というエッセイを書いている。

湯浅氏は、中央大学出身のようで、1968年当時、「授業ボイコット」「スト権確立」のクラス決議をとろうとした時、大勢に逆らって「スト反対」を叫んだことがあるそうな。

映画のほうも、絶対正義を前にして異論を唱えるアーレントの姿勢が一つのテーマとなっているようで、ある種の全体主義との戦いに、湯浅氏は何か感じるものがあったようだ。

ともあれ、ユダヤ系知識人でもあるアーレントが、アイヒマンがらみで意外な内容のエッセイを「ニューヨーカー」のために書き、その掲載をめぐって一騒動があったのが映画のテーマでもあるようだが、その「ニューヨーカー」に関して、故人となった常盤新平氏の『私の「ニューヨーカー」グラフティ』 (幻戯書房)を読んだ(ついでに同じ出版社刊行の 『東京の片隅』も読んだ)。

彼が亡くなって少しあとに、渋谷古書センター一階の古本屋に大量の「ニューヨーカー」が出ていた。これって、もしかしたら? と思ったが、この前寄ったら、まだ少し残っていた。

英語が読めないので、こういう英語雑誌を持っても仕方ないから買わなかったが、それでも我が家(実家)には、「エンカウンタ-」や「コメンタリー」などが数冊ある。記事の中に関心のある作家やテーマがあった時に、海外の古本屋で買ったりしたものだ。

「ニューヨーカー」も何かひっかかる「文字」が表紙にでもあればと思ったが、その時は見当たらずさすがに購入はしなかった次第(読みもしない…どころか読めもしない本や雑誌を買ってきたら大変なことになる?。最近日曜夜民放で芸能人の「最恐の恐妻家集結」云々の番組があるが、あんなものではないから?)。

常磐氏は、直接購読(郵送)ではなく、書店で購入するのを楽しみにしていたそうな。そんな「ニューヨーカー」への熱い思いが綴られている。

『東京の片隅』は、町田に近い東京西地に一軒家を建て住んでいたころの回想が綴られている。田園都市線沿線だから、好きな神保町には少し時間がかかるけど、乗り換えなしの一直線(半蔵門線乗入れ)で行ける。

かつて住んでいた東京の東地方面・周辺の馴染みの寿司屋や喫茶店などにも時々足を運ぶ。かつて交友した池波正太郎や山口瞳などの想い出…。故人になってしまった云々と…。
そして、そう書いている常磐氏自身がすでに故人…。死んだ人のエッセイ集を読む。

ここに収録されているエッセイはかつて読んだものもあるような気がするのだが、その時には著者は生きていたし、僕もまだ若かった。しかし、今読むと、著者は故人となり、ここで書かれているような心境は、僕にとってもより身近に感じられるようになってしまったかのようである。

「神保町の古書店街は世界一ではないかと私は思ってきた。長いこと翻訳の仕事をしてきた私は洋書に興味があって、神保町にしばしばやってきた。松村書店や北沢書店、そして現在は和書専門になった大屋書房を訪れるとき、胸がおどったのをおぼえている。いまはないが、東京泰文社でアメリカのペイパーバックや雑誌を買っていた」

あぁ、そうそう東京泰文社…あった。学生時代、神保町に寄ったときは必ず覗いていたものだ。先日の神保町古書会館は洋書セールだったけど、あんな感じのペーパーバックが沢山あった。

でも、今も当時も英語が読めない僕は、せいぜいで、エロエロペーパーバックを何冊か買った程度だった。ケバケバしいというのか、カバーイラストが見るからにエロス本。英語の勉強するにはこういう本を読むのがいいと竹村健一先生もおっしゃっていたから買ったのだ?

例えば、竹村健一氏の『おとなの英語 ピンク・ムード・レッスン』 (カッパブックス)。この本のカバーデザインや文中のイラストは真鍋博氏が担当している。

例文として I had a banana peeled を挙げている。 「私はバナナを剥いた 」では×とか…。

『欧米発禁本 海外エロ小説入門』 (明文社)という本もあった。

How about having fun in my room (私の部屋で面白いことしない?)。どんなこと?

テディ片岡氏の『C調英語教室 ミッドナイトイングリッシュコーナー』 (三一新書)なども。

井上泰明氏&ランス・ジェンセンの『アダルト英語ポルノ小説を英訳しよう』 (コンパニオン出版)もある。

これらの本は、僕の学生時代にはすでに刊行されていたが、当時は手にすることなく、後に手を入れたものもある。辞書もスラング専用の特殊なものがあった?

もっとも、普通の日本語辞書の用例を引用する形でエッチな言葉を読み解いた新著として面白いのが、1967年生まれの高井ジロル氏の『好辞苑 知的で痴的で恥的な国語辞典の世界』 (幻冬舎)だ。

「中2男子目線」で、「日本を代表する国語辞典の中から」「いやらしそうに思える言葉をかたっぱしから探し出し、その語釈を辞典的にクロスレビュー方式で並べて比較・検討を重ね、その妙味や特質や突っ込みどころを味わい尽くそうとする1冊」とのこと。

「尺八」「亀頭」…。「巨根」は辞書にあっても「巨乳」はまだないとか? 「ボイン」はあるけど。いろいろな発見がある。

「中2男子目線」というか、「小六男子目線」というのか、当時は、言葉の解釈のみならず、辞書中の「イラスト」にも昂奮していたからなぁ(ブラジャーとか…?)。

『はだしのゲン』『広辞苑』と並んで、この『好辞苑』も是非、小学校の図書館に常備すべき一冊ではなかろうか?

幻冬舎はこの本を全国の小学校図書館に寄贈し、万が一、本書を貸し出し禁止や閲覧制限にするような小学校があったら、是非とも朝日新聞社に「密告」し、言論表現の自由のために闘って欲しいものだ?

ともあれ、常盤氏のこの本(『東京の片隅』)は、秀逸な女性論、喫茶店論なども収録されている。ただ、タバコに関するエッセイは、常盤氏(愛煙家)といえども認識の限界があるようで?

この本には人形町の快生軒は出てこないけど、ここも日によっては終日禁煙になっているようで、その事実を知ったら常盤氏がどんなエッセイを書いたことか? 映画「ハンナ・アーレント」を見たらどんな感想を綴ったことであろうか。
読んでみたい?

ところで、喫茶店論といえば、泉麻人氏の『東京いつもの喫茶店 散歩の途中にホットケーキ』 (平凡社)を読んだ。東京のみならず京都関西の喫茶店も時々登場する。

おじさん・おばさんのペアで営む類の町中の大衆的な喫茶店などを紹介ルポした本。巻末に一覧リストがあるものの、ううむ、残念なことに喫煙禁煙情報は皆無。
著者も喫煙者ということもあるかもしれないが、このあたりは編集者の仕事だろう。
編集者も喫煙者で、店内悪臭に関して無頓着なのだろうか。
でも、それは読者に対するサービス精神が…と言いたい。

古本市の帰りに寄ったり…。そのあたりはふうむとも。僕も「ルノワール」が、神保町中心地と千代田線の新御茶の水駅近くにあった時は、古本屋行脚の帰りに年に一~二回程度利用したことがある。禁煙席は当時なかったが、「ルノワール」は比較的ゆったりとしていた喫茶店だから、端っこに座れば、運がよければ、悪臭に悩まされることがなかったから。でも、「ルノワール」も神保町からは消滅して久しい。

泉氏の本は、カバーイラストからして、タバコを手にしているオッサンが描かれているし。もっとも、ハンナ・アーレントもよく吸っていたようで…。ポスターでも、タバコを手にした彼女の思索中(?)の雰囲気が漂う感じがする。

この映画、まだ見ていないけど、別にタバコのシーンがいやだからというわけではない。ただ、時間の都合がつかないだけで…。

それにしても、映画といえば、今年は、劇場で見たのは『東ベルリンから来た女』『メキシカン・スーツケース』の二本だけではないか。ううむ。

映画館って、やはり面倒。独りだと座席指定でない映画館だとトイレに行ったりもするときも荷物が心配?

それにあの「予告編」が嫌いだ。15分近く人の時間を余計に強奪するのがやはり我慢できない? 神保町に岩波ホールともう一つ映画館があるけど、ぱっと見て、ぱっと出て、そして古本屋に寄るというのなら、それは便利ではあるが。





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