古本虫がさまよう 「日本スペイン交流400周年」と「脱原発400周年」を考える?
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「日本スペイン交流400周年」と「脱原発400周年」を考える?









2013年10月3日、所要で霞が関周辺を移動していたら、見慣れた国旗が目に止まった。日の丸はいうまでもなく我が日本の国旗。もう一つは、スペインの国旗。日本とスペインの間の「最初の外交」となった1613年の慶長遣欧使節団派遣から400周年を記念し日本で数々のイベントが開催される「日本スペイン交流400周年」への出席のために、ラホイ首相が来日しているから、こういう国旗の掲揚になっているのだろう。結構なこと。

ところが、こともあろうに、読売新聞は、スペイン首相に消費税(付加価値税)の軽減税率について聞いて、食料や新聞などにそれを適用している云々というのを大きく紹介していた。まぁ、「我田引水」もほどほどにしたほうがいいのにねぇ。

日本の消費税にあたる付加価値税に対しスペインで適用されている軽減税率について、「ぜいたく品とパンのようなものは扱いが違ってしかるべきだ」と述べ、生活必需品に軽減税率導入は必要との認識を示した。
 首相はまた、同国で最低の4%の軽減税率を適用している品目の例として、「食料品、本、新聞」を挙げ、「それらが一番重要なものだ」と言明、食料品や知識への課税は慎重にすべきだとの考えを明らかにした。
 スペインの付加価値税の標準税率は21%だが、パンやミルクなどは4%、医薬品や宿泊費などは10%に据え置かれ、2段階の軽減税率が適用されている(読売新聞・2013・10・3朝刊)。



軽減税率導入のために使えるものは何でも使うという新聞社の浅ましさを垣間見た思い。個人的には、食料や本などは「生活必需品」。税など軽減どころかゼロのほうが有り難いとは思うけど…。

たまたまであったが、10月2日夜、渋谷の某スペインレストランに知人と共に出かけ食事。しかし、ここは、全席禁煙なのはいいのだが、チャージは取るし、当日の予約はできないというし、入ったら2時間以内に済ませろというし、請求書もなぜか切りのいい数字が並び、内訳がまったくない代物。怪しい店だ? 味はまぁまぁではあるが。

もう一軒ある渋谷のスペインレストラン(マドリード)のほうがよかったか? そこも禁煙。ただし、二階のレストランは禁煙だが、一階のバル風のところは喫煙可能。ちょっとそれは問題であるが…個人的にはこっちの店のほうが好きだ。店名もナイスだし?

最近ご無沙汰しているが、 また麹町というか市ヶ谷近くにあるスペイン文化センター内にあるメソン・セルバンテスも全席禁煙、出入口も禁煙の素晴らしいレストランだ。「全面喫煙可能」だなんてホームページに堂々と記しているスペインバルなどには行く気にもなれないけど。

ともあれ,2020オリンピックが「マドリッド」(マドリード)ではなく東京になってしまったのは、個人的には残念に思っているが、太田尚樹氏の『支倉常長遣欧使節 もうひとつの遺産 その旅路と日本姓スペイン人たち』 (山川出版社)を読んでいるところ。

支倉使節団の子孫たちがスペイン南部の町コリア・デル・リオに多数在住しているとのこと。彼ら(彼女ら)は、「ハポン(日本) 」という姓を持っているのですぐにわかるという。現地にも出掛け、そうした「ハポン」を誇りにするスペイン人たちと交流した体験を綴っている(ようだ)。

それはさておき、バスの中や車中では、「世界」(2013年10月号)に所収の藤田祐幸氏の「福島後をどう生きるか」を読んだ。

この藤田氏は、『原発はなぜ日本にふさわしくないのか』 (小学館)の著者・竹田恒泰氏の大学時代のゼミの先生だ。皇室の血筋を持つ竹田氏であるが、脱原発派としての信念を持つにいたった経緯を藤田氏の教えと共に記していた。以前紹介ずみ。

藤田祐幸氏の『ポスト・チェルノブイリを生きるために 暮らしと原発』 (御茶の水書房)も以前紹介した(以下一部再録)。


朝鮮人の強制連行云々といった記述などがちょっと気になったが、チェルノブイリ原発事故を受けてまとめた本だ。遠いソ連の事故ということで、日本にはさほどの影響はないと当時は藤田氏も考えていたという。
「どうせ、秋頃になって微量の放射能がやってくることになるだろう、連休があけたらポチポチやりはじめよう」と。
ところが、事故直後の連休(ゴールデンウィーク)のさなか、日本に降った雨水の中に通常よりもはるかに多い放射能が含まれていることが早くも判明(4000ピコキューリー)。ソ連の原子炉がどういうものかの知識が当時は専門家にもあまりなく、それから藤田氏のような人でさえ「勉強」が始まったという。
本書によって、チェルノブイリの事故が、ウクライナ周辺のみならず、ソ連や欧州に大きな悪影響を及ぼした事実を再確認できたが、距離的位置的関係を考えれば、福島第一原発の事故が同様の「被害」をもたらすことは想定内ではないか。「風評被害」などと言っている場合ではないだろう。
藤田氏は「一年でいちばん電気を使うのは、甲子園の野球があるために、八月の上旬なんです。みんながテレビとクーラーを使う。これで日本の電力のピークになるのです。くだらないですね」「一月の二日の午前四時に日本の電力はミニアムになります。元旦の翌日の明け方なんて誰も起きちゃいません。工場もみんなとまってますでしょう。そのとき日本の電力はミニマムで、そのときにはもう、原発の電気があまってしまう」と。そして、当時の電力ピーク時から原発分を引いても充分まかなえるとしている。
刊行当時(1988年)と今とでは発電量などは異なってくるが、一般的構図は同様といえよう。3・11以降、一時期火力発電などが壊れて供給能力が落ちたが、いまは復元している。今後もこうした火力水力天然モノが故障やらいろいろとあるとしても、多少の節電と共に原発ゼロでも今夏を乗り切るのはそんなに難しくはなさそうだ。夜間街灯なども部分消灯する必要はあるまい(だが念のために甲子園の日中・生中継はやめるとなぜNHKは言わないのか?)。



「世界」の原発特集論文の中では、、他の筆者と比べても、はるかにシャープである。
汚染水の影響、チェルノブイリほどの最悪の事態ではなかったものの、やはり深刻な問題であり、日本列島の西側の原発で起きていたら、この国はどうなっていたであろうかと(もっとも、その理屈からすると、PM2.5来襲問題でも明らかなように、中国(や韓国)で原発事故が起こると、日本は原発ゼロ国家になっても、大変なことにもなりうるわけだが、その指摘はない)。

しかし、著者が、「まさに『海のチェルノブイリ』ともいうべき事態が、今もなお深刻に進行している。にもかかわらず、この現実を直視することなく、原発再稼働に向けて猛進するという、まさに言語道断というべき事態がこの国を支配しようとしている。もしこの事故が日本海側の原発で起きていたらと考えると、その深刻な海洋汚染の影響は想像を絶するものとなっていたに違いない」「まずはすべての原発を直ちに廃炉とし、福島の被害を最小限におしとどめることに、すべての知恵を集中しなければならない。そして、作り出してしまった放射性廃棄物の処分の道筋が見える時が来るまで、これを安全に保管する術を見いださねばなるまい」との指摘には(ほぼ)同感だ。

藤田氏は、福島第一原発事故に遭遇した関係者の中で、真の意味で当事者意識を持っていたのは東電の吉田昌郎所長と菅直人首相の二人であったとも指摘している。そして「この二人が恐れていたことは原子炉の蓋が吹き飛ぶことであった。原子炉の蓋が吹き飛べばチェルノブイリの惨劇が再現されることになる」「そうなれば、北海道と西日本にしか人は住めなくなってしまう」と。

菅直人氏も、原発事故対応では、言われるほど酷くはなかったとは思う。ただ、原発を廃止し、その分は石炭火力発電や再生エネルギーで賄うといえばまだいいのに、ソーラーなどの再生エネルギーだけで、原発のみならず化石燃料もいまにもゼロにできるだなんて主張(2013・9・30ブログ)するから、産経などからは「バカ」扱いされてしまうのだろう(2013・10・3産経朝刊「極言御免」)。でもネバーセイネバー。政府にやる気があれば…。

菅直人氏の原発に関する認識などは、近刊の『原発を止める人々 3・11から官邸前まで』 (文藝春秋・小熊英二氏編)にも収録されているし、この中で、ある人が、保守の人こそ原発に抗議すべし、生命と国土を守るべきなのだから云々と発言している。

すでに、先の竹田氏をはじめ、本欄でも紹介してきたように西尾幹二氏の『平和主義ではない「脱原発」』 (文藝春秋)や加藤寛氏の『日本再生最終勧告 原発即時ゼロで未来を拓く』 (ビジネス社)などは、そういう向きからの回答をしている書といえよう。

それにしても、NHKなどは、夜7時のニュースは、3・11以降、今日に到るまで、いや今後も原発事故が完全に収拾するまで、冒頭で、必ず「本日のフクシマ」と題して、日中の原発の光景を映し出し、一言コメントを付すようなことをしてもおかしくない。にもかかわらず、「猛暑だのなんだの、甲子園だの…」といった、どうでもいい(?)ニュースを冒頭に流したりしていた。

視聴率競争を超越し、大事なことを真っ先に報道するというニュース番組の使命を考えれば、3・11以降はニュースの冒頭は必ず原発問題を取り上げるという姿勢を示せばよかった。今からでも遅くない?

スペインとの修好400年は、よくよく考えるとアメリカの建国より昔のことで、ペリー来航より意義深いことでもある。脱原発もそれぐらいの年代で考えないといけないのだろう。先は長い?

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