古本虫がさまよう 「デパ地下」は栄えているけど「デパフル」( 「デパ-トの古本市」)は、もはや「レッドデータブック」入り寸前のニホンカワウソか?
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「デパ地下」は栄えているけど「デパフル」( 「デパ-トの古本市」)は、もはや「レッドデータブック」入り寸前のニホンカワウソか?






昨日(8・17)から「つくば西武」で古本市開始。
ということで当然のように出かけた。JR沿線ではないので「青春18切符」も使えない。北千住からでも往復2000円、秋葉原だともっとかかるのだから、安売り切符があればいいのだが…(あるのかも?)。

規模としては、 「破滅的に小さくなった」渋谷東急東横のほうがまだ大きいとはいえるけど、従来とは変わらない規模は維持している。初日とはいえ、さすがに「つくば」、片道1000円以上?だから、殺到するほどではなさそう。ゆったりと物色できる。「敷地」に余裕があるから、我だけが両手使えればいいんだという、リュック姿の古本ハンターの迷惑度もまだ低いのは幸い。

林健太郎氏の『流れをとらえる』 (新潮社)、ウィリアム・コーンの『ドラッカー先生の授業 私を育てた知識創造の実験室』 (ランダムハウス講談社)、保阪正康氏の『農村青年社事件 昭和アナキストの見た幻』 (筑摩書房)、石堂清倫氏の『中野重治との日々』 (勁草書房)、小田実氏の『私と天皇』 (筑摩書房)、 『不定期刊 古本ぐらし 戦時中の本特集号』 (著者&編集・魚住まや,時刻堂発行)を購入。そのほか、 『彷徨月刊』を何冊か購入。

林健太郎氏の本は、昭和32年の刊行。彼の時事評論集はいろいろと購読してきたが、こんな本があったとは知らなかった。ハンガリー「動乱」の後に出ている。その評価をめぐって沈黙しがちな進歩的文化人、容共リベラル派にも鋭い批判を展開している。

最近よく聞く(?) 「リベラルな保守」というのは、ある意味で形容矛盾ではあるのだが、 「反共リベラル」というならば、この頃以降の林健太郎氏や竹山道雄氏などが、そういう思想の持ち主といえるだろう。阿川弘之氏などもそうかも。昭和32年というと、僕の生れる前の年。21世紀の今、こういう本を改めて一読するのも楽しそう?

一方、小田実氏には『私と朝鮮』 (筑摩書房)というトンデモ本(北朝鮮礼讃記)があるけど、『私と天皇』はさてはて? 『私と朝鮮』はちくま学芸文庫から刊行してほしい一冊なり。解説は佐藤勝巳氏とか?

というのも、同じ筑摩書房から出ている似たタイトル本である、この『私と天皇』は、増補改題されて『私と天皇・人びとの中の天皇』としてちくま文庫から刊行されているからだ。なぜ、『私と朝鮮』は文庫化しないのか、できないのか?

この恥部に触れることなく、小田実を「知の巨人」みたいに称賛する本が最近も出たみたいだけど、だとしたら、それって、犯罪的行為というしかあるまい。

あと、 『彷徨月刊』はこの前、たしか創刊号あたりから何十冊か購入した記憶がある(が積んどく)。この古本市では1990年前後のものが結構出ていた。何冊か買ったのだが、1997年10月号『特集古書展へ行こう 97年版全国古書展リスト』の号などを購入。
この号の巻頭には「古書展(店)めぐり がっちり買いまショー 一万円コース」と題して、若き岡崎武志氏や坪内祐三氏などが出ている。

それはともかく古書展(古本市)のリストが出ているが、それを眺めながら、いろいろと思いだすことも。

首都圏だけでも、中野サンプラザ(年2回)、川口そごう(1月・8月)、横浜そごう(8月)、松屋銀座(年一回)、錦糸町西武(1月)、新宿小田急(1月・8月)、京王新宿(8月)、新宿伊勢丹(8月)、大井町阪急(1回)、サンシャイン池袋(1回)、中武フロム(4月)…と。そのほかにも、郡山西武、宇都宮東武や前橋西武、福島中合…と。

このリストを見ていて、いろいろと昔の古本市のことを思いだした。そのほか、府中伊勢丹や浦和のナントカ(そごうだっけ?)や池袋西武や船橋西武や銀座プランタンなどの古本市もあったかと思うが、夏のお盆休みや年末年始には、こんなデパートの古本市にせっせと通っていたものだ。今も、変わらないといえば変わらないのだが、その数は減り、規模は小さくなり…。

立川フロムは以前は中武フロムだったか…。そういえは、サンシャインも最近聞かないような?

サンプラザ前の古本市も楽しかった。一度消えて、復活したが、また消えた…。

つくばも天久保にちょっとした古書センターみたいなのがあって、5軒ぐらいの古本屋が固まってあった。何度かそこに通ったことがある。あの頃は、鉄道がまだない頃で、荒川沖からバスで行っていた。
今も一軒だけ残っているのだろうか(三宮のサンパル古書の町のような感じというか。あそこも、この前寄ったけど、ロードス書房が残っているだけで、これも閉店セール中だったが…)。

前回、つくば西武の古本市に行った時、その一軒だけ残っている古本屋にテクテクと歩いて寄ったが今回は…。暑いし…。

実は「PEOPLE」という古本屋が最近つくばでオープンしているということを古本屋ツアーインジャパンさんのブログで知って、つくば西武であまり買うものがなければそこに寄ろうかと考えていた。
しかし、地図で調べると、昔「筑波学園文庫」というユニークな古本屋があったあたりらしい(記憶違いでなければ、この古本屋さん、一度だけ行ったが某小学校の児童など、学校名を名指しで、マナーの悪いガキは店に入るな云々という趣旨のお触れが店頭にあったかと)。ううむ、あのあたり、駅から歩くと30分ぐらいはあったかと。

以前、つくばの古本センターからテクテク歩いて筑波学園文庫などの古本屋数軒を走破したことがあったが、まだ当時は40前後? 若かった。
この猛暑下、50過ぎの中年男がそんなに歩いたら…。行き倒れになるかも?

「炎天下のつくば市で、午後二時頃、人気の少ない通りに、古本虫太郎さん(54歳)が倒れて頭から血を出しているのを、近くを通った人が見つけ119番通報しました。一命はとりとめるようですが、倒れていたところには本が数十冊入った紙袋が落ちていたということで、警察は炎天下、重い荷物を抱えての急性日射病で倒れた際に道路に頭をぶつけたのではないか、事件の可能性は薄いと見ています…」



いや実は、古女房に雇われた殺し屋が『マーク・トウェイン 完全なる自伝』 (柏書房)で、いきなり後頭部を叩き、それでよろめいた古本虫太郎…というのが真相!? 監視カメラを見てくれ、助けてくれ?

ということで、つくば西武でそこそこ買ったので、もういいや、「PEOPLE」はまた次の機会にということで、電車に乗る。

車中で、待てよ、南流山にちょっとした古本屋があったなと思いだしたが、下車することなく都心へ。

夏は終わった…。いやいやまだまだ「青春18切符」も4日分残っているし、この猛暑を凌げば、9月10日までにまだ遠出は可能…。

それにしても所沢の彩の国の古本市に寄った時にもいつも思うのだが、こういう「僻地」(?)にまでわざわざ高い電車賃を払って行く人のことを少し思って(というか、古本市に足をわざわざ運ばせるためにも)、せめて所沢駅周辺の古本屋マップ、ないし沿線(池袋~所沢~川越など)の「無料」古本屋マップを配布したらどうなのか(買ったお客さん限定でもいいけど)。

それこそ簡単なものでいい。「おにきち」みたいなもの。

つくば西武の古本市もなんとか続いているけど、柏そごうの古本市は今年は聞かない? 「日本の古本屋」に加入しているとかしていないとかを越えて、つくば駅周辺のさっきの古本屋は無論のこと、南流山なども含めて、せめて沿線の古本屋マップを作成すれば、週末、つくばまで出かけついでに近くの古本屋に寄ろうかという人だって、少しはいるかもしれない。電車賃高いけど、ついでに行くか?と。

商売ってやったことがないからわからないけど、こっちは長年の古本屋・古本市利用者。その心境はよく分かる。

「ついでに」「ついで買い」…という消費意欲を高めることは商売人として大事なことだと思う。

ついでに」…という意欲を高めるためには、「古本市でお買い物された方には沿線の特製古本屋マップを差し上げます」とかやればいいのだ。

古本屋ツアーインジャパンさんなんか、みちくさ市なんかで、買われたお客さんに、そういう特製私製マップを配布もしている(沿線ならチンチン電車の荒川線沿線の古本屋マップもあったし、沿線でなくとも、小さな古本屋特集とか。僕なんかそれ欲しさにわざわざ出かけて、買いたい本もあったからということもあるけど、買ったりもしている。そしてその荒川線の古本マップを参照して、一日乗車券を買って、実際古本屋を回ったりもしたものだ)。

そういう「企業」努力をすべきではないのか。

そのうち、気がつけば、神保町&高円寺&五反田の古書会館でしか「古本市」は開催されなくなるかもしれない(横浜反町もあったか。あそこはちょっと不便だし、タバコ吸わせ放題だったこともあって近年寄っていないけど、東神奈川、白楽方面にあるのだから、それこそ東横線沿線とか品川~桜木町沿線の古本屋マップなどを配布すればいいいのに。ついでに禁煙にしてくれたらまた通うかも?)。
南千住の古書会館みたいなところの古本市も一時期やっていて通ったけど、近年なくなったようだ。

ネット店舗の古本屋が増えている。つくばの古本市にも阿武隈書房さんとか出ていたけど、ここもネットオンリ-。僕は遠出する時には『古本屋名簿』 (日本古書通信社)を参照しているけど、ネット専門店は「赤線」で線を引いて消すようにしている。 「目障り」(?)だから?

ただ、そういうネット専門店がデパートなどの古本市に出品してくれれば、少しは目に見える形にもなる。そういう出会いを増やすためにも、ちょっとした工夫を古本屋さんたちが智恵を絞ってくれればいいのだが…。してくれないのかなあ。

だとしたら、デパートの古本市のみならず、実店舗の古本屋さんも「レッドデータブック」入り寸前のニホンカワウソのようになりはてることになるのかも。

紙の本も電子本を前にしてどうなることやら。そのうち、電子本古本市なんてことになって、中古の電子本データ在中の「端末」が売られる形の「古本端末市」になるのか?
いやいや、あの書籍データは版元の都合で「消滅」させることが可能だから?…それはないのか?

そのあたりチンプンカンプンであるけど、いつまでもあると思うな親と古本市だ。そのことを痛感した、この夏であった。渋谷東急、新宿京王のデパート古本市の「ミニ」化はとりわけ衝撃的であったから。
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