古本虫がさまよう 目から鱗が落ちるほど新鮮でユニークな「上野千鶴子」&「湯山玲子」&「ヒクメット」&「ゴンザレス」の議論?
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目から鱗が落ちるほど新鮮でユニークな「上野千鶴子」&「湯山玲子」&「ヒクメット」&「ゴンザレス」の議論?











上野千鶴子氏&湯山玲子氏の『快楽上等 3・11以降を生きる』 (幻冬舎)を読んだ。この前、髙橋秀実氏(男)の『男は邪魔! 「性差」をめぐる探究』 (光文社新書)を紹介した。そういう本と対比する形で読むと、面白いかもしれない。

それにしても、髙橋氏は、上野千鶴子先生に対して、その男性論などに違和感を表明しつつ、 「もしかして彼女(上野氏)は生身の男を知らないのではないか」と大胆な指摘もしていた。

ともあれ、湯山氏と僕は「ほぼ同世代」ではあるが、小学生のころに左翼アカ先生のオリジナル偏向教育を受けていたそうな。なるほど? 僕などは中学時代にその手の教育の一端に触れ、幸い反逆的な認識を持ち、目覚めたほうだが…。
またお二人とも「美魔女」はお嫌いのよう。なるほど!

そのほか、オナニー論、閉経論(?)など、盛り沢山。価値観の違いを超えて(?)、ある種の「快楽論」として漫談を聞くような感じで一読した次第。

引き続き、共産主義者であったナームズ・ヒクメットの『ヒクメット詩集』 (新読書社・中本信幸氏編訳)を読んだ。著者はトルコ出身の詩人。1963年に亡命先のソ連モスクワで死んでいる。
ソ連なんかに亡命しないといけないのはある意味で情けない話であるが、トルコも当時は人権弾圧国家だったのか?
とはいえ、


ぼくはモスクワにいる
ぼくはとうとう監禁の格子を忘れた
ぼくは自由だ
朝方の風のように
人民の歌のように。……


なんて歌われても、ただ虚しいだけ? 野間宏たちがまとめた1954年刊行の『スターリン讃歌・詩集』 (理論社)という大笑いの詩集があったが、日本の進歩的・容共リベラル&共産文化人同様、あなたはソ連の現実を見なかったのか?

スペイン内戦で、反フランコの立場で戦い、敗れて、ソ連に亡命したスペイン人民兵で共産党員だったバレンティン・ゴンザレスは、、ソ連の現実を素早く見抜き、反ソになった。その手記『農民英雄』 (二つの世界社・取材構成は風媒社刊『トロツキーの暗殺』の著者でもあるフリアン・ゴルキン)と比べても、この詩集は虚しい内容だった。

以前も『農民英雄』は紹介したが、(以下一部再録的&加筆)ゴンザレスは、農民の伜で、一九二九年に共産党に入党。その後、民兵を率いて内戦で「エル・カンペシノ」(土百姓)と称せられる軍人として活躍する(勿論、反フランコ側)。

内戦の敗北後、一九三九年五月、ソ連に亡命する。「内戦の英雄」として、デラックスな宿舎を用意され、そこには美女が侍り、好きなようにしていいとの色仕掛けの「快楽上等」的な工作も受ける。

「遠慮してはいけませんよ。あの子たちは、それが仕事なのだから(浴室で体を洗ってもらうこと)。やってもらいなさい。あなたの全身の毛孔からは、いつも、共産主義がにじみ出ているのを見せてやるといい。しかし、気をつけなさいよ。あなたの一挙手一投足も、みんな、記録されているのですからね」と。

さらに専属の小間使いの香水プンプンの女性もついているのだ。

もしかして、ヒクメットにも同じような誘惑が? まさか? 

しかし、ゴンザレスは、モスクワ内の市民の生活ぶりを見て、その貧しさなどに衝撃も受ける。さらに、党による共産主義学習(洗脳教育)を受けるのだが、一番強い軍隊はと聞かれて、ソ連軍と言わずにドイツ軍であると言ったりする。

 「スペインの内乱の際にわれわれのところへ派遣してくれた将校は、ソ連でも一番質の劣る将校にちがいないとわたしは思ったのです。ところが、実際にここへきてみると、あれ以上優秀な将校はほとんどいないってことがわかりましたよ。あのときの将校たちは、人民の接触をすっかり失っていましたね。彼らが考えていることは、爪をきれいに磨き立てて、ダンスのステップを習って、立派な作法を身につけようということだけです。彼らはそういう使命で外交へ派遣されるのでしょう」「ソ連では、偵察隊の主なる仕事は、鶏を盗んだり、指揮官のためにきれいな女の子を探すことにある」   

こういう反ソ的言辞故に、トロツキー主義者だとして処罰を受けるのだ。
 
だが、ゴンザレスはソ連共産党は「スペイン内乱に勝利を収めることには、必ずしも深い関心を持たず、彼らの道具であるスペイン共産党の立場を強化することにだけ専念していた」と喝破している。
 
その後、彼は各地の収容所生活を強要され、脱出を試みては捕まり、また脱出したりする。ようやく、戦後になってペルシャに逃げ込み、自由世界にて自叙伝を書いて、ソ連の全体主義的悪の実態を知らしめることに成功するのである(監獄では女囚が強姦されもする。中共のウイグル支配を告発したラビア・カーディルなどの証言でも似たような事実が暴露されているが、二〇世紀に於いても二一世紀に於いても、野蛮な共産主義者のやることに変わりはないようだ)。
 
  ボロテンの訳者・渡利三郎氏によれば、ゴンザレスはソ連脱出後はフランスで独自にゲリラ隊を組織しスペインへの侵入を図ったりし、フランコ死後の総選挙では、ソ連共産主義やプロレタリア独裁に反対し社会党を支持するアピールをフランスから発したという。ということは民主社会主義者的な思想の持ち主になっていたのかもしれない。晩年、スペインに帰国しマドリードで死去したという(ボロテン『スペイン革命 全歴史』訳者解説参照)。 

一方、共産主義者としてゴンザレスと同じようにソ連に亡命したものの、ソ連批判に転じることはなく、生涯をソ連で全うしたヒクメットは、1958年に発表された「夜明けに」という詩では、広島の被爆者の死を思い、原子炉が登場し、「女が地下牢で拷問される」「机に背中を括られる」「男たちは女を訊問したり煙草をくゆらしたり」…と歌ったりもしている。

かつてのバルト三国や北朝鮮やウイグルあたりで、この詩を翻訳してばらまくと、「お前は、反体制派詩人だな」ということで、共産主義政権がこの詩集を回収し出版禁止にし詩人は逮捕されることになりそうな感じでもある。
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