古本虫がさまよう ひたすら「右傾エンタメ」や「エロい小説」が読みたくて? 日本兵士・自衛隊員は鬼畜か? 英雄か?
2017 08 / 07 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09 next month





ひたすら「右傾エンタメ」や「エロい小説」が読みたくて?
日本兵士・自衛隊員は鬼畜か? 英雄か?







児玉清氏の『ひたすら面白い小説が読みたくて 文庫解説コレクション』 (中央公論新社)を手にした。これは彼が執筆した数十冊の文庫の解説原稿をまとめたもの。

さっそく読み始めようとしたのだが、ここに出てくる本は一冊も読んでいないことにふと気付いた。
近年、どちらかというと、僕はノンフィクション本を読むことが多く、小説も「面白い」小説というよりはエロい、いや「特定嗜好(恋愛)分野」系に限定しているからということもある。児玉氏が高く推奨しているトム・クランシーやジェフリー・ディーヴァーなど、積んどくしているのは何冊かあるが…。

そのうちの一冊である百田尚樹氏の映画化もされるそうな『永遠の0』 (講談社文庫)に書いた解説エッセイを先ずは一読した。ゼロ戦の「特攻」パイロットが主人公。
児玉氏の秀逸な熱のこもった解説を読んで、ふうむ、そういう内容の本なのか、読んでみたくなるなと納得した次第。 「右傾エンタメ」という人もいるかもしれないけど?

でも世の中には「左傾ノンフィクション&エンタメ」「容共ノンフィクション&エンタメ」だってあるだろう。宮崎アニメの『風立ちぬ』は見てないからどんな内容か知らないけど、ゼロ戦の生みの親・堀越二郎を取り上げているだけでケシカランという声が韓国などにはあるそうな。でも、いろんな娯楽小説、映画があっていいではないか。

少なくともスポーツ大会の会場で政治スローガンの横断幕を掲げて喜んでいる「偏狭なナショナリスト」なんかより、はるかにマシだ。こういう「偏狭なナショナリスト」は「ネット右翼」を批判できないだろう。やっていることは「五十歩百歩」ではないか。

そういえば、昨日(2013・7・29)の各紙夕刊(都内版)を見ていたら、集中豪雨のために山口の青少年自然の家で孤立していた子供たちが自衛隊によって救出されたニュースを大きく報じる新聞と小さく報じる新聞とほとんど無視する新聞とがあってさまざまであった。

取材力の関係で、いい写真が取れなかったのか、取れても没にしたのか?

というのも、毎日新聞は夕刊社会面で大きく記事にし、なんと中央には「自衛隊員に抱えられ泣きながら体育館に向かう子供(女の子)」ということで好意的(?)に紹介されていたからだ。あの「毎日」がですよ?

女の子は無事救出されての涙といった感じだ(ただ、この写真が50年経過して、「小学生の女の子を慰安婦狩りする鬼畜日本兵士」というキャプションを付けられないようにしてほしい。
なにしろ写真では自衛隊員に抱えられた女の子が泣いているので、そういうおかしな解釈も成り立つから?)

読売新聞も社会面で「孤立したキャンプ場から自衛隊のヘリコプターで救出されホッとした表情を見せる子どもたち」のキャプション付き写真が大きく掲載されている。自衛隊の迷彩服が目立つ。その脇に男の子3人が嬉しそうに続いている。日教組の先生に怒られるかもしれない。人殺しの兵士とじゃれあうんじゃありませんと。

佐々淳行氏がたしか何かの本で回想していたが、息子さんが小学生の時、学校の先生が、自衛隊や警察の親を持つ子供を教室で名指しで批判したことがあったそうな。

「軍隊は国民を守らない」という沖縄あたりに濃厚な絶対的テーゼに背く現実を報道することは利敵行為になると信じる「反体制派ジャーナリズム」にとって、この毎日と読売の報道、報道写真は唾棄すべきものと映ったのではないか?

一方、さすがに朝日夕刊社会面は、松井の引退セレモーニの写真のほうを大きく載せ、「孤立の児童 ヘリで救出」という記事は小さめ。写真も、「自衛隊のヘリで救出される、十種ケ峰青少年自然の家付近で孤立していた人たち」とある。地上に降り立っていた自衛隊ヘリなどを上空から撮影した写真のようで、ヘリも自衛官も点粒のように小さく、毎日や読売のような微笑ましい救出写真と違って味気ない。

東京新聞夕刊は、見落としたのかもしれないが、子供達救出のニュースはない。報道する価値はないと見たのか。「ローカル紙」の「東京」から見ると、山口は遠いし? 自衛隊が活躍するなんて…という思いがあったのかなかったのか?

日経夕刊も小学生救出の記事はベタ的な分量。救出云々の写真なし。

産経は首都圏では夕刊がないので不明(7・30朝刊はまだ見ていない)。

ともあれ、以前、佐野眞一氏の『津波と原発』 (講談社)を書評した時、この本に出てくる山下文男氏の自衛隊礼賛論を以下のように紹介したことがある。

この山下さん、『地震予知の先駆者 今村明恒の生涯』 (青磁社)や、『津波てんでんこ 近代日本の津波史』 (新日本出版社)、 『哀史三陸大津波 歴史の教訓に学ぶ』 (河出書房新社)の著者でもある。また、日本共産党の人でもある。しかし、佐野氏によると、この人は単なるヒラの日共党員ではなく、創価学会との創共協定を1974年に行なった時の文化部長だというのだ。幹部党員クラスといっていいのだろう。

それはさておき、3・11の時、被災地地域の病院に入院していたのだが、地震当時4階の病室に居た彼は、津波を自分の眼で確認しようとしていた。

「四階までは上がってこないだろうと思った。陸前高田は明治二十九年の大津波でも被害が少なかった」「だから逃げなくてもいいという思い込みがあった。津波を甘く考えていたんだ、僕自身が」と。

ところが津波が襲い、四階にまで波しぶきが。十数人の入院仲間も死亡。貴重品を持ち出すこともできず、翌日屋上に避難していたところを自衛隊によって救出されたという。日本共産党と自衛隊? 水と油?

「僕はこれまでずっと自衛隊は憲法違反だと言い続けてきたが、今度ほど自衛隊を有り難いと思ったことはなかった。国として、国土防衛隊のような組織が必要だということがしみじみわかった。とにかく、僕の孫のような若い隊員が、僕の冷えきった身体をこの毛布で包んでくれたんだ。その上、身体までさすってくれた。病院でフルチンにされたから、よけいにやさしさが身にしみた。僕は泣いちゃったな。鬼の目に涙だよ」

この時の救出の写真があるのかないのか知らないが、くれぐれも、あったとしても、将来、 「鬼畜兵士、泣き叫ぶ老人を拉致 その体をまさぐる 」なんてキャプションがつかないようにお願いしたい。

山下氏は原発に関しても「全面的には否定しない」「だって、将来の日本のエネルギー問題を考えれば、何が何でもいけないと言うわけにはいかない」「こういう事故が起きると、ほら見たことか、やはり原発はダメじゃないかという意見が必ず出てくるが、それもダメですよ」と。ここまで党の方針に反すると「除名」されたりしないだろうか? 心配だ?と記した。

その後、山下氏は逝去。

それにしても、日共幹部クラスの党員でも自衛隊員に救出されて感動するのだから、子供たちが今回のように救出されたらいろいろな思いを持つことだろう。

大事なことは、軍隊は国民を守る時もあれば、守れない時もある。ケースバイケース。一方的に軍隊を礼賛するのもヘンだし、一方的に否定するのもおかしな話。事実に基づいて論評をすることが肝要だ。オスプレイにしても輸送ヘリも兵士や武器を輸送することもあれば、民間人を乗せる時もある。ジキルとハイドなのだ?

ところで、写真集といえば、特定嗜好分野の写真集を少し持っている程度であるが、渡辺洋二氏編の『新装版 闘う零戦 隊員たちの写真集』 (文藝春秋)を手にした。軍事的機能の上で優秀な飛行機が、量はともかくとして、開戦当初、日本に存在していた事実を再確認した次第。

スポンサーサイト
 | 読書  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/1209-2b102660

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ