古本虫がさまよう 「性奴隷」とは大きく異なる知られざる「慰安婦」の実態
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「性奴隷」とは大きく異なる知られざる「慰安婦」の実態







山田清吉氏の『武漢兵站 支那派遣軍慰安係長の手記』 (図書出版社)を読んだ。著者は明治33年生まれ。大学を卒業し東京鉄道局に勤務していたが、昭和16年に召集され兵役に就いた。漢口、武漢兵站副官、陸軍大尉を歴任。
中国戦線ということもあり、比較的のんびりというか(戦争後半には空襲も受けるが)、いわゆる戦闘シーンはあまり出てこない回顧録である。
兵站などを担っていたということもあり、またサブタイトルからもわかるように、いわゆる「慰安婦」の管理などもやっていた。その体験がかなり詳述されており、20年以上前から「問題」になっているこのテーマを考える上では大変参考になる本であろう。1978年の刊行。

ただ慰安といってもさまざま。健全娯楽として演芸などの劇団の慰問の受け入れや「つはもの文庫」といった図書館などを設営し、教養路線を引いたりもしたとのこと。だが、慰安係長としては、「特殊慰安所の監督指導」も仕事のうち。

「特殊慰安所を軍が施設として持っていることにはいろいろ意見もあろうが、現在のところ必要悪として認めなければなるまい。しかしその弊害を極力少なくする方法として、なるべく兵をそうした遊里へ近づけないために、健全娯楽の施設を強化する必要がある。同時に慰安婦たちを泥沼から一日も早く救ってやるために慰安所の不正をなくし明朗な管理も行なっていきたい」と著者の上司から言われたという。

人道主義者や基督教の宗教家たちは、『軍でこんなものを作り、清浄な未婚青年や、家に愛妻を残してきた青壮年に、公然と破倫行為をやらすとは何事ぞ、またその相手として、多数の若い婦女子を戦地に送り、強制的に売春行為をやらすなど,、人道上許すべからざる罪悪だ』と論ずるであろう」と著者も認識していた。だが、女気を絶ってしまう青壮年の軍人が現地で強姦などの忌まわしい罪を犯さないようにするためにも性要求の捌け口を軍が作る論があることも紹介しつつ、苦渋の認識を示している。

個人としては人道主義的主張に共鳴しつつも、現実に直面している当事者としてディレンマに襲われもしている。今日の沖縄米軍兵士を見ても(?)それは未だに解決していない問題であろうか?
結局、著者は「慰安所なるものを暫く『止むを得ない必要な僻事』とみて、そこに絡みついている害毒の幾分をでも除いてゆこうと、この問題の根本中心点に対しては、はなはだ末梢的かつ微温的な覚悟をきめた」のである。

そのために若い兵士が慰安所よりも読書など健全娯楽に向かうようにしようとして多くの図書を揃えようとした。また逆に慰安婦の手取りをなるべく多くし、楼主からの借金を一日も早く返済し、内地へ戻れるようにしたいと考えたという。また遊客である将兵の遊興費も出来るだけ安くするように計る。
だが、これって古本屋の「高価買取り」「安く販売」同様に「矛盾」する? なるべく慰安所に行かせないようにすれば、慰安婦の稼ぎも減り、借金返済も遅れるのでは? 慰安婦を内地に早く返すならば、より多くの兵士が通って商売繁昌にしなくては?

それはともかくとして、、賞恤金の中から図書購入費用を割いたりもする。伊藤桂一氏など、慰安婦について論じたさまざまな人々の本も適宜紹介もされているが、やはり著者自身の体験が貴重であろう。

漢口の特殊慰安所には何店かあったようだ。内訳としては内地人慰安婦130人、朝鮮人慰安婦150人とのこと。慰安係長として公平に仕事をするためにも、職権をかさにして威張ることをせず、慰安婦たちにも対等の人間として接するよう心がけたという。慰安婦や楼主たちに対しても、ねぎらうように心がけたとのこと。文字も読めないような女性も多かったが、係長から「売春も戦力増強の重要な任務だといわれたり」何か困ったことがあれば相談に乗るからと言われて、慰安婦もとまどったとのこと。

彼女たちの収入(手取り)は、一カ月で4~500円。前借金は平均6~7000円。一年半働けば、借金も返せるし、そのあと少し働けば貯金もできて内地へ戻ることも可能だったとのこと。橋下市長で話題になった飛田遊廓で稼いでいたベテラン女郎も来ていた。

そんなさまざまな遊女慰安婦との精神的(?)交流も描かれている。少なくともここには日本軍や政府が拉致したような朝鮮人慰安婦などは皆無。お金もきちんと支払われていたという点でも「性奴隷」とは異なる世界があったとはいえよう。

蛇足だが、田中小実昌氏の『ぼくの初体験』(青樹社)の中で、シナ戦線体験が綴られているが、自動車部隊のある新聞記者出身の軍曹が、物資を輸送していたので各地でもてたと豪語し、「漢口で、将校用の女をずらっとならばせて、すそをまくれえー、オ×××だせえ…」とやってたそうな。 山田清吉氏とも遭遇していたかも?


2011年12月21日付けでこう書いた(以下再録)。

「正論」(2012年1月号)が、慰安婦問題を扱った故人の論文を大きく掲載していたので、まだこんな問題が「問題」なのかと啞然とする思いであったが、案の定、日韓首脳会談前に韓国の日本大使館前でアテツケのようなモノを作成し、未来志向であるべき首脳会談でもそんな問題が蒸し返されていた。日韓分断を謀りたい北朝鮮など、また南京問題などで同様の「歴史カード」を使っている中共首脳などはほくそえんでいたことだろう。
 だからこそ、金正日が17日朝に死んでも、それをすぐに公表するのは、せっかくの日韓首脳「慰安婦」会談に差し支えがあると思って、二日ほど発表を遅らせたのかもしれない(国内洗脳支配体制の準備も必要であっただろうが)。
 日本政府や軍が率先して、無辜の女性を強制的に拉致し連行し無料で売春させたというような事実はなく、基本的に当時はプロの売春婦を募集したり、民間の業者などによる奸計もあったかもしれないが、応募してきた女性たちを中心に慰安婦たちが構成されていたのは客観的な事実であろう。
 だが、吉田清治氏らの針小棒大的ともいうべき著作(『私の戦争犯罪 朝鮮人強制連行』三一書房)やそれを賛美した一部新聞社や記者などによって、拉致連行といったイメージが拡大し、誤解を招くようになった。このあたりの虚実に関しては、秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』 (新潮選書)や西岡力氏の『よくわかる慰安婦問題』 (草思社)などが詳述している通りだと思う。

 だが、一般人のイメージはなかなかそう的確なものではなさそうだ。以前読んだアーニェ・コリアの『コンドームの歴史』(河出書房新社)を翻訳している藤田真利子氏は訳者あとがきで、性と民族問題に触れたところで「従軍慰安婦のように、女性を拉致することまでして『慰安所』をつくって管理し、コンドーム使用を義務づけた」といった筆致をしている。こういう誤解を解くのは大変だ。誤解を招くような言動をかつての政府関係者(河野洋平氏)がしていた事実もあるのだから。



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