古本虫がさまよう 『愛のために死す』か『古本のために死す』か、『世界は理解ある女房でいっぱいだ』
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梅雨入りしたというものの東京周辺は好天。まだ熱帯夜もなく、日中外を歩くとそこそこ暑く感じるけど、まだこの程度なら…。

ということで古本市&古本屋行脚。土曜日は晴れ間の時は若干暑く感じたが、曇り空になると少しひんやりもした。日中は雨は降らずまぁまぁの天気。

まずは神保町界隈では、公安調査庁の『資本主義商工業者粛清にかんする資料 昭和42年3月』、溝口敦氏の『ニューサーティ・リポート 団塊の妻たちはいま』 (晩聲社)、小島千加子氏の『作家の風景』 (毎日新聞社)、白根雄三氏の『われ大空に散らん 空の戦記』 (文華新書)、椿繁夫氏の『水脈遠々五十年風雪の道』 (新時代社)、阿部牧郎氏の『いただきます』 (ケイブンシャ文庫)などを購入。
『資本主義商工業者粛清にかんする資料』は文革当時の中共の公開文書の翻訳などをしており内部資料といったところか。

『いただきます』は、今はなきケイブンシャ文庫の一冊。38歳の課長が年下の女性社員に急にもて出すといったメルヘン官能サラリーマン小説のようだ。なぜ買ったのやら? 

1984年刊行の『ニューサーティ・リポート』はいまならアラサー世代リポートといったところか。団塊の妻たちも還暦を超えた頃。

古書会館以外に、この前新聞(2013・5・29読売新聞「都民版「マニア古書40店が集結」)でも紹介されていた「スーパー源氏」などが共同出品することになったという新しい古本屋を覗く。新しいといっても、三省堂書店第二アネックスビルの4階がそこ。
このビルの5階には「古書かんたんむ」があり、以前も4階は三省堂系やら古本屋が入っていた。改めて(?)のオープンか? 以前の店と本棚も品揃えも似た感じではある。ハイド系の本が少し増えたか? 結構なことではあるが、ここでは買いたい本はなかった。ちなみに「古書かんたんむ」のBGMはジャズピアノ系が多くて個人的には好き。唯一許せるBGMだが、世の中にはジャズ嫌いもいるかも。

次は高円寺界隈では、三友一男氏の『細菌戦の罪 イワノボ将官収容所虜囚記』 (泰流社)、古田保氏の『幕をひいて ある新聞記者の回想』 (三信じ図書)、白石正義氏の『私の昭和史 幻の帝国・満洲国建国とその崩壊』 (崙書房)、ジャッキー・コリンズの『世界は女房持ちでいっぱいだ』 (早川書房)、川井行雄氏の『報道報国五十年』 (泰流社)、大沢正道氏の『大杉栄研究』 (法政大学出版局)を購入。

ジャッキー・コリンズの『世界は女房持ちでいっぱいだ』は、この前紹介したネイオミ・ヒンツェの『きみはぼくの母が好きになるだろう』 (早川書房)みたいなジャケットの本。このころの早川書房本は、いっときの角川文庫海外文庫版同様、洒落た感じのものが少なくない。ほかにもボアロー&ナルスジャックの『私のすべては一人の男』 (早川書房)などもあるし…。

リブロ池袋でも古本市が始まっているようだが、アートブック中心のようだから…。

高田馬場はビッグボックスで土曜日は古本市開始日だが…。何せ昔に比べると小規模。どうしようか…。でも、古本屋ツアーインジャパンさんのブログで知った、閉店になるという早稲田の某古本屋に行こうかと思ったら、あれ、金曜日で閉店した模様。阿佐ヶ谷の某古本屋の閉店セールにも行けず、早稲田のここにも間に合わずか…。まぁ、一期一会ではないが、仕方ないか…。 別用もあり、西荻窪などに寄る暇もなく…。

車中、ポール・ニザンの『新しい文化のために』 (法政大学出版局)を読んだ。
彼は容共リベラル文化人? 1939年の独ソ不可侵条約締結にショックを受けて共産党を離党したといっても、1940年に死んだのでは?
まぁ、ルイ・アラゴンよりはマシ?
といっても、ニザンの本は何冊か積んどくしている程度だから。

この本は書評エッセイ集。何冊か邦訳されている本もあり、積んどく本もあるのだが…。サミュエル・ピープスの『日記』(1660-1669)も俎上に載せていたのが目に止まった。
「秘密の言葉」で書かれていることを指摘し、「彼の日記は十七世紀中頃のイギリス・ブルジョワジーの精神とヨーロッパの政治に関する有力な資料であると同時に、最も有名な告白録の類にも、スタンダールやジュール・ルナールの日記にさえ、何ら遜色のない人間記録となった」と記している。ううむ、意外とまとも?

ところで書き忘れていたが、過日所沢彩の国の古本市に出かけた。相変わらず会場内にはBGMが流れている。歌詞のない曲だからまだいいかと思っていたら、歌詞のある曲も流れていた。やれやれ。耳障りなだけ。余計なサービスでしかない。
所沢周辺の古本屋マップの配布も相変わらずなし。やれやれ。
せっかく遠出する古本屋ファンの需要喚起のためにもやればいいのに。僕がこの古本市の主催者の一人だったら、余計なBGMは廃止し(せめて歌詞のないメロディのみ流す)、所沢&西武線沿線周辺の古本屋マップを配布するようにするけど……。彩の国の古本市の前後に是非お立ち寄りくだい…と。

5・1に京都の古本市(京都市勧業館・みやこめっせ)に寄ったことは書いたけど、ここも所沢と同じように広い屋内会場。でも、少なくとも僕が居た間は煩いBGMは流れていなかった。その点は極めて快適だった。

ともあれ、所沢では、神田信夫氏&山根幸夫氏編の『戦中戦後に青春を生きて 東大東洋史同期生の記録』 (山川出版社)、玉川一郎氏の『たべもの世相史・東京』 (毎日新聞社)、 『イギリス・スペイン・ポルトガル 世界紀行文学全集4』 (修道社)、興津要氏の『微笑酔談』 (ペップ出版)、ピエール・デュシェヌの『愛のために死す』 (二見書房)を購入した。

『微笑酔談』は江戸川柳などを紹介しつつの大人のエロス小咄集といった感じのエッセイ集。この前読んだばかりの立原正秋氏の『鎌倉夫人』 (新潮文庫)なども紹介されている。

『愛のために死す』はなかなかハードなタイトルだが(帯相当部分には「愛することがなぜいけないのか!」「この純粋さに全フランスが泣いた清純な恋!」とある)、パリの女教師と高校生の実話(悲恋物語)だそうな。

武者小路実篤氏の『愛と死』 (角川文庫)をついつい想起もしたが、映画化もされたとのことで、朝吹登水子氏による長文の解説付き。
この二人の純粋な愛を、なんとリベラルなくせに無理解な男の親が「未成年者誘拐罪」で訴え、女教師は監獄に…。そして出獄したら自殺をしてしまった…とのこと。ううむ。これは面白そう?

しかし、カバー写真(映画のものか?)を見ると、二人が抱き合っているのはいいとしても、高校生が顎鬚もじゃもじゃで映っている。女教師は短髪…。横顔だけではお顔は美人女教師かどうかは不明? 10代(高校生)と30歳代(女教師)のカップルにしては、男が老け過ぎ? これじゃあ…。想像力が萎えてしまう。ちなみに家人に、その写真を見せていくつに見える?と聞いてみたところ、男45歳、女35歳ときた。同感?

これは昭和50年の刊行になっているから、僕が高校生の頃に出ている。映画化されたとのことだが、記憶にはない(この版は映画化されての新装版なのかもしれない。元版は昭和50年以前に刊行されていたようだ)。

それはさておき、この日は、所沢駅構内の店(つけ麺屋のTETSU「てつ」)でつけ麺を食べた。高円寺ら-めん横丁のこの店がなくなり、寂しい思いをしていたが、所沢に新規出店して前回も立ち寄った時食べた。ただ、なんとなく新宿いなばのつけ麺ばかり食べているせいか、あまりこちらに感動しなくなってきてしまった。高円寺の時と違って麺が大盛りもそうでないのも同一料金だから不満だというわけではないし、割りと空いていたのに、ここ座れと一方的に指示されたからというわけでもないが…。

ともあれ、古本屋や古本市に出かけて、こういう本に出合ったり、久しぶりに懐かしの味を思い出すのもまた楽しからずやではある。




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