古本虫がさまよう 丸谷才一によるナサニエル・ウェストの『孤独な娘』とサミュエル・ピープスの「孤独な手」による「伊津加伊発射志多」に関しての考察?
2017 10 / 09 last month≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫11 next month









この前「東京堂」で入手した岩波の「図書」(5月号)を読んでいたら、ありゃ、岩波文庫に丸谷才一氏訳の『孤独な娘』 (ナサニエル・ウェスト)が入るではないか…。ううむ,この本、たしかダヴィッド社から出ていて、積んどくしていたはず。新書サイズだったか? 探したが出てこない。

『孤独な娘』以外にウェストの読んだ本としては角川文庫刊行の『クール・ミリオン』『いなごの日』は出てきた。あとこの前、買って積んどくしている今井夏彦氏の『アメリカ1930年代の光と影 ナサニエル・ウェスト論』 (荒地出版社)も出てきた。ううむ。

それはともかく、丸谷才一氏の『人間的なアルファベット』 (講談社文庫)を読んだ。AからZまでアルファベット順に(アクトレス→ジッパー)項目を立てて、それについて論じるコラムを収録した本だ。「ポルノ」などもある。

たまたまこの前少し触れたばかりのサミュエル・ピープスが「ダイアリー」の項目で出てきていた。当時のエロ小説『娘の学校』を密かに熟読した時の日記も、こちらでも紹介されている。そういう他人に読まれると困る箇所では原文では暗号を使い、日本語訳では万葉仮名にしているとの指摘もあり。

あれ、そうだっけと思って、昨日(日曜日)千葉の実家に日帰りで出かけついでに書庫を散策?

すると国文社の『サミュエル・ピープス日記』の第二巻から七巻まで出てきたが、あるはずの第一巻が見当たらない。多分一冊目だから読み始めたのだろうが中途挫折してどこかに隠れているのだろう。第一巻故に、そこに訳者がまえがきかなにかでそのあたりの「暗号」の訳出にあたっての苦労話でも記していたのではなかったか…。

あと、これは全10巻。ラストの巻は去年訳出刊行のようだ(途中臼田氏が死亡し、間があいたりもしている)。 最後まではさすがに購入もしなかったのだろうか?

第二巻を見ると、定価3200円。最後のペ-ジに神奈川県の某古本屋の店名と2600円という値札が残っていた。これでも2割弱引き? これも積んどくしていたのか…。
最初の方の巻が出たのが1980年代後半だから、買ってからも20年以上。茶色い染みなどがついていてもはや売却もできないか? 大事に積んどくして、いつの日か読もう? 古川ロッパの日記(晶文社)も全巻積んどくしているのも発見したが…。これまた?

訳者の臼田昭氏の『ピープス氏の秘められた日記 17世紀イギリス紳士の生活』 (岩波新書)が出たのが1982年。その中でも、再読すると、臼田氏が、彼の秘密を守るための「暗号」をいかに駆使していたかが記されている。

「ふつうの綴りの文字と文字との間に、余分のものを挿入し、一見支離滅裂と見える分を作って楽しんでいる」とのこと。「これはおそらく、ピープスが自分の行状の甚しいのを自覚して、なおさらいっそう妻に気取られぬよう用心した結果だと思う」とのこと。

丸山氏が引用しているところによると、ピープスは、『娘の学校』を読んでいる間「伊津加伊発射志多」(拙訳「一回発射した」?)と書いたりしているそうな。

そのほか「ポルノ」の項目では、ある作家不明の秘密出版された某ポルノ小説(『臍下極楽』)の筆致をみて、吉行淳之介氏がこれは龍憺寺雄(りゅうたんじゆう)のスタイルではないかと喝破する。そのあと、城市郎氏によると、その本は素人が書いた体験記ではあったものの、拙い文章だったので、龍憺寺雄が手を入れたものであったという。さすが吉行氏…といったお話でもあった。そんなウンチク話が収録されていて面白い。
『丸谷才一「日記」』なんてあれば読んでみたいものだ。


スポンサーサイト
 | エロス  | TB(0)  | CM(0) | Page Top↑
Secret




TrackBack URL
→http://kesutora.blog103.fc2.com/tb.php/1092-9cc70a2c

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

カテゴリ